このページでは精神科に関連したニュースをご紹介していきます。


◆自殺対策の基軸を社会経済に移そう(続・記者の視点12)
 原 昌平 読売新聞大阪本社・編集委員

 2012/02/05 京都府保険医新聞

 日本で自殺が一気に増えたのは1998年。昨年の暫定値(警察庁)は3万0584人で、2年続けてやや減ったものの、なお3万人台が14年間も続いている。対策の効果が明確に表れたとは言えない。

 政府は今春、自殺総合対策大綱の見直しを行う。

 この際、対策の基軸を精神保健から社会経済に移すこと、そして、自殺が増えた根本原因は何かを考えることが重要だと思う。 

 もともと対策の中心は精神保健だった。自殺を図る人の多くは、うつ病などに陥っており、適切な精神科医療で防げる場合が多いという認識に立っていた。

 WHO(世界保健機関)による自殺予防の手引き(2000年)が「自殺者の80100%が生前に精神障害に罹患していた」としたことが主な根拠だった。

 そして、うつ病の普及啓発によって精神科の敷居は低くなり、受診者が大幅に増えたのだが、自殺は減少に向かわなかった。 

 06年に成立した自殺対策基本法に基づき、07年に閣議決定された自殺総合対策大綱は、対策のあり方の軌道修正を図った。

 基本的考え方のトップで「社会的要因も踏まえ、総合的に取り組む」としたのは、失業、生活困窮、借金苦、介護疲れといった現実的問題への対策も重要だという趣旨だった。

 総合的な生活相談、法律相談、中小企業向け経営相談、スクールカウンセラーの充実などの施策を示し、駅ホームの設備など直接的な防止策の強化も挙げた。

 とはいえ、その後も現実の取り組みの中心は精神保健だった。今回の大綱見直しでも、精神保健対策の強化を求める人たちがいる。

  確かにうつ病や統合失調症などが自殺に直接つながることはある。しかし98年以降に大幅に増えた自殺の原因・動機は経済・生活問題であり、性別・年齢で見ると30代から60代前半の男性だ。

 経済・生活問題から、うつ状態になることは多いだろうが、そういう場合の精神科医療は、いわば「対症療法」であって、根本的な問題解決はできない。

 抗うつ薬は副作用で自殺や攻撃の衝動を招くこともある。睡眠薬が自殺の手段になる場合もある。

 自殺を考えている人への危機対応や未遂者・遺族の心理ケアは重要だが、精神科医療に過大な期待を抱くべきではないし、限界とマイナス面も認識すべきだ。 

 では、根本的な原因と対策は何だろうか。

 「生きづらさ」「生き苦しさ」をもたらし、この世から逃げたいという心境に人々を追い込んだ主たる背景は、使い捨て労働の広がり、過剰な競争主義、社会保障の不備ではないか。

 長年勤めてもリストラされる、正社員もこき使われる、代わりはいくらでもいる、就職活動をいくらやっても採用されない、というのは、自分の存在価値を否定されるのに等しい。この状況が続けば、若い世代の自殺も増えるだろう。

 何よりも雇用・労働政策を改めること。そして手を差し伸べる社会保障・福祉、孤立を防ぐ人のつながり、苦しい時は他人や社会に頼ってよいとする価値観の普及などに力を入れたい。


2012.2.7時事通信
原則無料化見送り=障害者福祉新法で骨子-厚労省

 厚生労働省は7日、現行の障害者自立支援法に代わる新法の骨子を民主党厚生労働部門会議の障がい者ワーキングチーム(座長・中根康浩衆院議員)に提示した。政府の関係部会が昨年8月にまとめた提言で盛り込んだ、障害福祉サービスの原則無料化は見送られた。
 骨子はまた、同法で定めた障害者の心身の状態を6段階で示す「障害程度区分」や障害者の就労支援などは新法でも引き継ぐが、施行後5年をめどに見直すとしている。政府は今国会に法案を提出、2013年4月の施行を目指す。(2012/02/07-18:27

2012.2.7毎日新聞
障害者支援:新法案も「原則無料」見送り

  障害者自立支援法に代わり政府が今国会に提出を予定している新法の概要が7日、明らかになった。難病患者を障害福祉サービスの給付対象に含めることや、現 行の障害程度区分を施行後5年で見直すことなどを盛り込んでいる。一方、サービスの「原則無料」は見送るなど、政府の障がい者制度改革推進会議の部会が昨 年8月にまとめた提言の反映は一部にとどまった。

  06年にスタートした障害者自立支援法は、サービス利用料の1割を本人が負担する「応益負担」が批判を受けた。廃止を掲げた民主党の政権になり、政府は 10年6月に廃止を閣議決定。当事者らを中心にした部会が骨格提言をまとめ、利用者負担の「原則無料」を打ち出した。しかし政府は10年4月から低所得者 を無料とし、昨年10月時点で利用者の86%が負担ゼロとなっていることなどから、新法にさらなる負担軽減は盛り込まず、今後の検討課題とした。

 障害者の範囲は、障害の種類によって支援を受けられない「制度の谷間」をなくすため、新たに難病患者を給付対象に含める。具体的には臨床調査研究分野の130疾患を想定している。

 現行の障害程度区分(6段階)については、提言が本人の意向を反映できるよう求めたのに対し、調査・検証のうえ、新法では施行5年後をめどに見直すとした。

 自立支援法を廃止して全く新しい法律を作った場合、全国約6万のサービス事業者の再指定や自治体の条例の書き換えなどが必要になる。このため、厚生労働省は自立支援法を改正して名称を変更することで、事実上同法を廃止したと見なす方針。

 新法は来年4月1日施行予定。【石川隆宣】

毎日新聞 201227日 1421


2012.1.23毎日新聞

ひと:小林和彦さん 闘病記を出版した統合失調症患者

  「政府が自分を監視し、命を狙っている」。荒唐無稽(むけい)な幻覚だが、本人には真剣に命の危険を感じる恐怖だった。24歳のときに発症した統合失調症 の闘病記「ボクには世界がこう見えていた」を新潮文庫から出版した。四半世紀に及ぶ経過を患者本人がつづる貴重な記録でもある。

 発症当時はアニメ制作会社員だった。アイドルグループ「おニャン子クラブ」のアニメ企画を思いつき、それが世界を変えられると妄想し始めた。とっぴな発想や被害妄想にめまぐるしく襲われる様子が、淡々とつづられている。

 88年ごろから書きためていた日記を基に、06年に病名をもじった「東郷室長賞」を自費出版した。周囲は患者の行動を理解できず怖いと感じるかもしれないが、「本人はつらくて、しんどい思いをしていることを知ってほしい」との思いからだ。

 読んだ友人でアニメ監督の望月智充さん(53)が「出版する価値があるか検討してほしい」と新潮社に郵送。描写に説得力があり多くの人が読む価値ありと評価された。専門家にも「精神医学的にも貴重な記録」と認められた。

  現在は新潟県柏崎市のグループホームで、同じような病を持つ10人と助け合い、慰め合いながら暮らす。精神障害に苦しむ人には、治療を受け、薬を服用すれ ば病気は改善することを伝えたいという。そしてもう一つ訴えたい。「病気を苦にした自殺だけはとどまってほしい」 【小林多美子】

 【略歴】小林和彦(こばやし・かずひこ)さん 横浜市出身。早稲田大卒。86年から入退院を繰り返す。グループホーム近くの海辺での散歩や釣りが今の楽しみ。49歳。

毎日新聞 2012123日 024


平成24 年度診療報酬改定に係る検討状況について(現時点の骨子)

平成2 4 1 1 8

中央社会保険医療協議会

中央社会保険医療協議会は、前回改定以降も継続的に審議を行い、平成23 年には、以下のとおり、計29 回にわたり、診療報酬調査専門組織の調査結果等を踏まえつつ、調査・審議を行ってきた。この間の検討状況について、社会保障審議会医療保険部会及び医療部会において策定された「平成24 年度診療報酬改定の基本方針」に沿って、「現時点の骨子」として取りまとめた。

 

 

Ⅰ-3 精神疾患に対する医療の充実について

(1) 精神科急性期入院医療の評価

① 精神科救急入院料、精神科急性期治療病棟入院料及び精神科救急・合併症入院料について、手術等の目的で一時的に転棟、あるいは転院した場合、再転棟や再入院後に再算定できるように要件の変更を行う。

② 精神科救急医療機関に緊急入院した後、状態の落ち着いた患者について、あらかじめ連携している精神科医療機関に転院させた場合や、精神科医療機関が転院を受け入れた場合について評価を新設する。

③ 小児精神医療が小児病院、精神科病院それぞれにおいて適切な評価となるよう、児童・思春期精神科入院医療管理加算に代えて、特定入院料を新設する。

(2)精神科慢性期入院医療の評価

① 精神療養病棟入院料に重症者加算を新設後、重症者の受入が進んでいる傾向があり、より重症者を受け入れている病棟を評価するため同加算について検討する。

② 精神療養病棟退院患者について、退院支援部署の関与により平均在院日数が短縮しており、退院支援部署による支援で退院を行った場合の評価を新設する。

(3)地域における精神医療の評価

① 精神科入院患者の地域移行において重要となるサービスの一つである訪問看護については、精神疾患の特殊性を踏まえ、精神疾患以外の患者に対する訪問看護指 示料、訪問看護療養費等と区別した実施者及び対象者の評価、時間の単位等訪問看護の報酬体系の見直しを行う。(重2-5(3)⑤再掲)

② 精神科デイ・ケア等は、精神科病院からの退院、地域移行に必要なサービスの一つであり、精神科デイ・ケア等の要件の見直し、患者の状態像に応じた疾患別等 プログラムを実施した場合の評価を検討する。また、入院中の患者が精神科デイ・ケアを利用した場合の評価をデイ・ケア中の入院料の適正な評価と併せて検討 する。

③ 地域に移行した患者が時間外でも適切な医療が受けられるように、通院・在宅精神療法の要件を見直し、精神科救急医療体制の確保に協力等を行っている精神保健指定医の評価を行う。

④ 認知行動療法について、精神科救急医療体制の確保に協力等を行っている精神保健指定医が実施した場合とそれ以外の医師が実施した場合の評価を明確化する。

⑤ 向精神薬は多量に使用しても治療効果を高めないばかりか、副作用のリスクを高めることが知られており、多剤・多量投与の適正化について、精神科継続外来支援・指導料の要件を見直す。

⑥ 治療抵抗性の統合失調症患者に対し、重篤な副作用が発現するリスクの高い治療抵抗性統合失調症治療薬が使用されている場合に、医学管理を行うことについての評価を行う。

(4)一般病棟における精神医療のニーズの高まりを踏まえ、一般病棟に入院する患者に対して精神科医師、専門性の高い看護師等が多職種で連携し、より質の高い精神科医療を提供した場合の評価を新設する。(重1-4①再掲)

 

 

 

Ⅰ-4 認知症対策の推進について

(1)認知症に係る入院医療について、認知症の行動・心理症状(BPSD)が概ね1 カ月程度の治療で改善するとの報告があり、短期集中的な認知症治療、早期退院を推進する。

① 認知症治療病棟入院料の入院30 日以内についてさらなる評価を行い、夜間の看護補助配置の評価を新設するとともに、入院61 日以降の長期入院の評価を見直す。

② 認知症治療病棟退院患者について、退院支援部署の関与により平均在院日数が短縮しており、退院支援部署による支援で退院を行った場合につい- 19 -

て、さらなる評価を行う。

(2)認知症の早期診断をより一層推進するため、認知症専門診断管理料のさらなる評価を行うとともに、BPSD が増悪した認知症患者の紹介を受けた専門医療機関の評価を新設する。また、認知症と診断された患者について、かかりつけ医がその後の管理を行うことについての評価を新設する。

(3)認知症患者について、夜間に徘徊や多動等の症状の増悪を認めることがあり、重度認知症患者デイ・ケアにおいて、手厚い人員体制で夜間のケアを行った場合の評価を新設する。

(4)療養病床に入院中の者がBPSD の 増悪等により認知症専門医による短期集中的な入院加療が必要となった際に、療養病床を有する医療機関と認知症治療病床を有する他の医療機関が互いに連携 し、認知症治療病棟へ一時的に転院して治療を行った後、状態の落ち着いた患者について、療養病床を有する医療機関が再び転院を受け入れた場合の評価を行 う。_

 


2012.1.26毎日新聞
富山の精神病院患者殺害:被告に懲役7年--地裁判決 /富山


 入院先の精神病院で別の患者を殺害したとして、殺人罪に問われた住所不定、無職、森野繁治被告(33)に対する裁判員裁判の判決公判が25日、富山地裁であった。田中聖浩裁判長は「事件当時は、統合失調感情障害などのため善悪判断能力や行動制御能力が著しく劣っており、心神耗弱状態だった。それを前提にしても、人の命を軽くみた動機はなお身勝手というほかない」として、懲役7年(求刑同8年)の実刑判決を言い渡した。

 判決によると、森野被告は、09年6月21日午前2時40分ごろ、富山市内の精神病院に入院中、別の男性患者(当時66歳)の首をタオルで絞めて殺害した。森野被告は同病院から退院して社会に出たいと願っており、判決は「人を殺害して医療刑務所に入り、その刑期を終えて出所してようと考え、日頃からトラブルがあった被害者を殺害した」と認定した。【大森治幸】

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毎日新聞 2012年1月26日 地方版


愛知県立城山病院、48床減の273床に 県が建設計画見直し
201222日中日新聞

  県が、精神科医療を行う県立城山病院(名古屋市千種区)の建て替え計画を見直し、従来計画より48床少ない273床にすることが分かった。施設整備費で 10億円、運営収支で年5000万円の改善になる。実施設計費など2億2500万円を新年度予算案に盛り込み、県議会2月定例会に提案する。

 城山病院は現在342床だが、個室が少なく老朽化しているため、全面改築を計画していた。いったん321床にする計画で2010年度に基本設計を行ったが、民間病院との役割分担を徹底する視点で見直し、建設計画を1年遅らせて削減幅を広げた。

 削減したのは、民間でも対応できる一般的なうつ病患者向けの病床。入院期間を短くし、通院しながら病状改善に取り組むモデル的な治療に取り組む。

  新病院は鉄筋コンクリート造り、地上4階地下1階建てで、延べ1万9400平方メートル。13年度に着工し、16年度に全面オープンする。総事業費は75 億円。救急病棟を新設し、常時確保する空床を、3床から5床に拡大。民間精神科病院で対応しきれない救急患者を受け入れ、後方支援体制を強化する。

 また、県全体の精神科救急体制について、医療関係者や大学、消防、警察などが話し合う協議会を設置。思春期の病状や、発達障害に対応する病棟も、新たに設ける。

 (島崎諭生)


2012.2.1読売新聞

頻発する患者の死(3) 原因不明、謝罪なし

 6月28日夜、心肺停止したアキラさんは、救急当番だった麻酔科医や看護師らの心臓マッサージと、ボスミンの静脈注射で蘇生した。しかし意識は戻らず、翌年3月18日、転院先の医療機関で死亡した。死亡時の病名は、蘇生後脳症だった。

 アキラさんの心肺は、なぜ止まったのか。主治医は「原因不明」とするが、アキラさんが最初に入院した東京の大学病院の名誉教授は「抗精神病薬などの過量投与で、呼吸抑制が起こったと推論することが妥当」と指摘する。

  一方、主治医は「私がとったやり方は、ラピッド・ニューロレプティゼーションという方法で、1970年代から行われている。最初に高用量の薬剤を投与し て、いかに短期間で幻覚妄想状態、すなわち急性期を乗り越えさせてあげるかというところに主眼を置いた。特に大量の薬がいったというふうには考えていな い」と主張する。

  この事件は現在、民事裁判が行われている。さらに遺族は2011年、主治医とその上司の医師を、業務上過失致死容疑で警察に刑事告訴した。弁護士は「一般 的に過大といわれる量の6倍の抗精神病薬を投与したのに、心電図検査や薬の血中濃度測定、血中酸素飽和度測定などの身体管理を怠り、心肺停止状態に至らし めた」としている。

 主治医が、短期間で効果を出すために行ったと主張する「ラピッド・ニューロレプティゼーション」は、アキラさんには効果がなかった。そればかりか、副作用ばかりが強まった。だが、主治医は多剤大量投与を継続した。なぜなのか。

 「ある程度の(薬の)血中濃度を保ったら、今度は期間を延ばすしかない。これを1週間、2週間延ばしていって、落ち着いていくのを待つしか方法はない」。主治医は、なぜここまで多剤大量投与にこだわったのだろうか。治療の選択肢を、ほかに会得していなかったのだろうか。

 単剤使用が原則の抗精神病薬を、リスクを冒してまで何種類も使い続ける理由について、家族は説明を受けていない。父親は「今に至るまで、主治医から一言も謝罪の言葉がない」と嘆く。

 アキラさんが転院先で死亡する前の月、父親は、治療経過や心肺停止の原因などの説明を求めて病院を訪れ、医事課長に尋ねた。「事故の調査は行わないのですか」。課長は言った。「現場からの申し出が上がってくるか、訴訟にでもならない限り行いません」

 遺族が裁判を起こさなければ、アキラさんの死はなんの検証もされぬまま、何事もなかったかのように葬り去られていただろう。遺族が高齢であったり、裁判を起こす金銭的余裕がなかったりして、原因究明の機会を得られぬまま泣き寝入りするケースは少なくない。

 この事件は、今後も継続的に報告する。

統 合失調症の誤診やうつ病の過剰診断、尋常ではない多剤大量投薬、セカンドオピニオンを求めると怒り出す医師、患者の突然死や自殺の多発……。様々な問題が 噴出する精神医療に、社会の厳しい目が向けられている。このコラムでは、紙面で取り上げ切れなかった話題により深く切り込み、精神医療の改善の道を探る。

 「精神医療ルネサンス」は、医療情報部の佐藤光展記者が担当しています。
 ご意見・情報は 説明: 説明: http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/image.jsp?id=41123
こちら( t-yomidr2@yomiuri.com へ。 お寄せいただいたメールは、記事で紹介させていただく場合があります。

201221日 読売新聞)


2012.1.27毎日新聞
私的流用:看護師、患者の預かり金39万1570円を 領収書保管規定なく--岡本台病院 /栃木

  精神医療専門の県立岡本台病院(堀彰院長、宇都宮市下岡本町)の40代の男性看護師が昨年、患者4人から預かった現金のうち計39万1570円を私的に流 用するなどしていたことが26日、分かった。同日、病院側が記者会見で発表した。看護師は「大学生になる子どもの仕送りに使った」と話しているという。ま た、病院側のずさんな管理体制も明らかになった。

  病院の説明では、金銭管理が困難な患者を多く抱える精神科病院の場合、病院が患者の現金を預かる口座を開設して一括管理。必要に応じて患者に渡すほか、外 出できない患者は看護師が商品を代理で購入することもあるという。岡本台病院では約140人の患者から計約1400万円を預かっている。

  病院によると、看護師は昨年3~12月、計20回にわたり、担当する40~50代の男性患者4人に依頼されて腕時計や衣類を代理購入するなどしたが、釣り 銭を返さず私的流用したり病棟内の自分のロッカーに保管したりしていた。同年12月、病院のケースワーカー(精神保健福祉士)が患者からの預かり金台帳を 確認したところ、残額が少ないことに気付いたという。

  病院では、預かり金を引き出す際には病院事務局に届け出て使途をチェックしたうえで担当看護師に渡しているが、残金を返す際に領収書の保管などを求める明 確な規定はなかった。看護師は領収書を保管しておらず、釣り銭の有無が分からない状態になっていた。病院側は「管理体制の甘さが出た」と話し、今後は預か り金の取り扱い要綱を改正し、領収書の保管方法を定めるとしている。

 堀院長は「多大な迷惑と心配をかけ、信頼を損ねた」と謝罪。預かり金は看護師が今月13日までに全額返金しており、処分は検討中としながら、刑事告発は現段階では考えていないという。【岩壁峻】【関連記事】

毎日新聞 2012127日 地方版


121300248分更新 富山新聞
脳の形で統合失調症診断 MRI画像を分析


画像をコンピューターで分析する川﨑教授(右)と松田研究員=金沢医科大

  金沢医科大の川﨑康弘教授(精神神経科学)のグループは29日までに、脳の形を見て統合失調症の診断につなげる手法を開発した。磁気共鳴画像装置 (MRI)の画像をコン ピューターで分析し、患者と健常者のわずかな差を見分ける。医師による問診頼みが現状の精神疾患の診断に客観的なデータを持ち込む試みで、病気の早期発見 や予防に役立てる ため、同グループは精度向上に取り組む。

 病気の有無や進行の程度を脳の形態と関係づける研究は、アルツハイマー病で進んでい る。同病患者の脳では記憶などをつかさどる部位「海馬(かいば)」が萎縮することが知られる。

 統合失調症など精神疾患では、同様の研究は緒に就いたばかり。病気の診断は専ら医師の問診によっているが、診断がつけにくいケースもしばしばある。

 川﨑教授は富大大学院医学薬学研究部神経精神医学講座と協力して、進行した統合失調 症患者の脳では、前頭葉や側頭葉の特定の部位が萎縮したり、周囲の溝が深まるなどの傾 向があることに着目して研究を進めてきた。

 金沢医科大の松田幸久研究員が担当する最新の分析では、これらの形態的な特徴をコン ピューターによって数値化して横軸に、脳の容積など男女の脳の違いを考慮した点数を縦 軸に取ったグラフ上に、患者と健常者計約300人のデータを点で表した。

 その結果「男性患者」「男性健常者」「女性患者」「女性健常者」が、はっきりと4群に分かれた。グラフ上の分類と従来の問診による診断は8~9割の高い確率で一致し、分 析が診断の補助に使える可能性が示された。

  コンピューターの分析では、画像を目で見ても見分けられない小さな形の差もとらえら れるため、症状がはっきり表れていない患者や病気の一歩手前の人を、早い段階で発見で きると期待されるという。川﨑教授は「引き続き症例を積み重ね、追跡調査などによって分析の精度を一層高めたい」と意気込んでいる。


2012.1.28読売新聞

高齢者・障害者 虐待防止へ専門組織

さいたま市複雑・多様化に対応

 高齢者や障害者への虐待を防ぐため、さいたま市が「高齢・障害者権利擁護センター」を4月にも開設する。年金や売買契約などに絡む法的な問題や、虐待かどうか判断が難しいケースなどについて、弁護士や医師ら識者を交えて専門的な解決を目指す。

 同センターには、虐待や差別に関する相談・支援に取り組む社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士など5人を配置する予定。専門的な判断が必要な場合、嘱託の医師や弁護士に依頼する。

 市民や各福祉施設、地域包括支援センターなどから通報や相談を受けると、同センターが出向いて解決策を助言し、権限を持つ市職員らとともに介入するケースなども想定している。成年後見人に関する相談や支援にも取り組んでいく。

 市によると、暴言や身体的暴力のほかにも、親族やヘルパーらが、認知症などで判断力が低下した高齢者や障害者の年金を勝手に使い込んだり、必要がない売買契約を結んでしまったりする「経済的虐待」も目立つ。

  一方、介護する家族やヘルパー側に、献身的な介護を演じて周囲の関心を引くため、お年寄りなどに故意に傷害を負わせる行為を繰り返したりする「代理ミュン ヒハウゼン症候群」という精神疾患が見られる場合もあるという。虐待の一形態とされるが、「判断は難しく、介護される人、介護する人両者に専門的診断や支 援が必要」(市担当者)としている。

 市によると、市内26か所の地域包括支援センターに寄せられた高齢者への虐待に関する通報・相談数は、今年度4~9月で349件(速報値)に達し、前年度同期比55件増で過去最多のペースとなっている。

  これまでも各区役所や保健所、福祉サービス事業所などが連携して虐待防止に取り組んできたが、新たに高齢・障害者権利擁護センターを開設することについ て、市担当者は「虐待の形態が複雑多様化し、より専門的で横断的対応が求められる。顕在化していない虐待も少なくない」と説明している。

2012128日 読売新聞)


2012.1.19読売新聞
精神科の訪問活動…被災者の心のケア、総合的に
  大震災と原発事故の影響で病院が閉鎖され、危機に直面した福島県沿岸地域の精神医療を立て直し、被災者の心のケアにも取り組もうと、医療・保健・福祉を融合した訪問型の活動が今月、相馬市で本格的にスタートした。 (高梨ゆき子)
 
福島県相双地区…医療・保健・福祉が融合
 
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巡回訪問した看護師と語り合う大和田トミ子さん(右)。「あんなショックはなかったね」と今も被災体験は生々しく心に残る 「小学校まで逃げて、家が流されてくの見てたの。ショックで涙も出なかった」
 
 1月半ばのある日、相馬市柚木(ゆぬき)の仮設住宅に夫と暮らす大和田トミ子さん(83)は、看護師や臨床心理士らが集会所で開いた「サロン」で訥々(とつとつ)と語った。
 
 「大変だったねぇ。無事でよかった。今、体調はどう。血圧は?」。看護師は健康状態を気遣いながら、被災体験から今の暮らしぶり、悩み事まで、大和田さんら入居者と1時間余り語り合った。
 
 その間、臨床心理士らは仮設住宅を戸別に訪ねていた。南相馬市から避難してきた20代の母親は、 2歳と0歳の子どもを抱え、放射能の影響におびえる。話を終えた別れ際、母親は「小さい子がいるのでこわいし不安だけど、普段はなかなか言えない。聞いて もらえてよかった」と話した。
 
 サロンや戸別訪問は、1月10日に始動した「相馬広域こころのケアセンターなごみ」が行ってい る。センターは、福島県立医大の医師や地元の医療従事者らによるNPO法人「相双に新しい精神科医療保健福祉システムをつくる会」が設立。併設する「メン タルクリニックなごみ」とともに、「つくる会」メンバーらが担ってきた精神科の活動を引き継いだ。
 
 震災後、原発事故で避難対象となった区域を抱える相双地区(相馬市周辺の福島県沿岸地域)では、 国の避難指示に伴う病院閉鎖で精神科の入院病床がなくなり、外来診療はボランティアの医師らが臨時外来を開くなど、綱渡り状態が続いた。一部の病院で診療 が再開しても、元の機能が回復するめどはたたない。
 
 そこで、支援者の間で「訪問型の精神医療システムをつくろう」と声が上がった。スタッフとして、勤務先を失った地元の医療従事者や県内外の有志が集まり、県の財政支援を受けてケアセンターなどの設立にこぎ着けた。
 
 クリニックが、在宅の患者200~250人の診療を担う一方で、ケアセンターでは、看護師や作業療法士、臨床心理士らが仮設住宅や自宅を訪問。被災者の悩みを聞いたり、気軽に集まれるサロンを開いたりし、うつや自殺の予防など心のケアに取り組む。
 
 「精神科の訪問診療の取り組みは各地にあるが、保健や福祉も含めた総合的な訪問活動のシステムは全国初だと思う」と、クリニック副院長で臨床心理士の須藤康宏さん(36)は話す。
 
 様々な職種のスタッフが連携し、医療、保健、福祉の機能を融合して活動することで、将来は、被災という特殊事情への対応にとどまらず、患者が安心して地域で暮らせるケア体制をつくり、予防にも重点を置きながら、精神疾患への偏見をなくす啓発にもつなげるのが目標という。
 
 センター長を務める看護師の米倉一磨さん(38)は「この活動で、地域の精神医療・保健を以前より一層充実させることができれば」と意気込んでいる。
 
相双地区の精神科訪問活動の主な対象者
・治療を中断された患者
・治療が必要だが、受けていなかった患者
・ひきこもり状態にある人
・長期入院から退院後、病状が不安定な患者
・震災が原因でうつなどの症状が出ている人
 
(2012年1月19日 読売新聞)

2012.1.20毎日新聞
集会:子供の向精神薬副作用を考える--あす、世田谷で /東京

  向精神薬を服用した子供が副作用などの影響で体調が悪化する問題を考えようと、市民団体「精神科早期介入の問題を考える会」は21日、世田谷区北沢2の北沢タウンホールで意見交換会を開く。
 
 会合では、適応障害で総合病院に入院後、症状が改善することなく薬の量が増え、別の精神科医の診 断で薬の量を減らし症状がよくなった高校生の母親らが体験談を披露。向精神薬の服用の問題などについて参加者同士で話し合う。同会の谷光妙子代表は「会合 でいろいろ意見を交わせれば」と話している。
 
 参加費は1000円。参加申し込みや問い合わせは同会(soukimondai@gmail.com)へ。
 
毎日新聞 2012年1月20日 地方版

松山の映画館で「人生、ここにあり!」上映-精神障害者支援のNPOが主催
(2012年01月20日)松山経済新聞
 
 シネマルナティック(松山市港町3、TEL 089-933-9240)で2月4日、映画上映イベント「NO ○○,NO LIFE!!~○○のない人生なんて!?」が開催される。(○=ハート)主催はNPO法人「SORA」(此花町)。
 
 同NPOは、松山の精神障害者の社会参加促進を目指して生活や活動・相談の場の充実を図り、精神 障害者への正しい理解を通じて地域住民の心の健康づくりに寄与することを目的に設立された。今年で設立5周年を迎えた記念と、より多くの市民に知ってもら うため、今回のイベントを企画した。
 
 イベントは、同日から上映されるイタリア映画「人生、ここにあり!!」に合わせて開催する。同作品は1978年、イタリアで制定された世界初の精神科廃絶法により、病院から出た患者と主人公が繰り広げるヒューマンドラマ。実話を基に映画化された。
 
 今回のイベントでは、5つの「NO ○○、NO LIFE!?」を予定。「NO 映画、NO LIFE!?」では当日、「人生、ここにあり!」を2回上映する。「NO イタリアン、NO LIFE!?」は東温のイタリアン「Locanda Del Cuore」とのコラボ企画として、映画上映後にクイズに答えると、イタリア北部トリノ発祥であるグリッシーニにイタリア産生ハムを巻いて進呈する。
 
 「NO 手づくり、NO LIFE!?」は、同NPOが3つの事業所で自主制作したクッキーやグリッシーニ、木工製品や手書きはがきを販売する。「NO 福祉、NO LIFE!?」では、ジャーナリスト・大熊一夫さんによる福祉・医療をテーマにした講演を行う。「NO じゃんけん、NO LIFE!?」ではじゃんけんゲームを行い、賞品を用意する。
 
 スケジュールは同NPOのブログで確認できる。入場料(映画鑑賞と講演)は、前売り=800円、 当日一般=1,700円、当日チラシ持参=1,000円。前売りの取り扱いは同NPOと明星共同作業所。1回の上映につき定員は160人。開催時間は12 時~20時。映画の上映時間は13時~、18時~。問い合わせは同NPO(TEL 089-931-1727)まで

2012.1.18日経プレリリース
大塚製薬、抗精神病薬「エビリファイ」の新適応症「双極性障害における躁症状の改善」など承認取得
抗精神病薬「エビリファイ(R)」
新しい適応症「双極性障害における躁症状の改善」
および新剤形「エビリファイ(R)OD錠」が承認
 
 当社の100%子会社である大塚製薬株式会社において、抗精神病薬「エビリファイ(R)」(一般 名:アリピプラゾール)に関し、「統合失調症」の適応症に加え新たに「双極性障害における躁症状の改善」の適応症および新剤形「エビリファイ(R)OD 錠」の日本国内における承認を取得しましたので、以下の通りお知らせいたします。
 
 なお、本件に伴う当社連結業績への影響については軽微であり、平成23年11月10日に発表した当社2011年度の連結業績予想に変更はございません。
 

 ・臨床第III相試験において、双極性障害(*1)の躁症状を早期に改善することを確認
 ・従来の抗精神病薬の副作用であった「眠気」などが少なく長期にわたって無理なく飲み続けられる薬
 ・口の中でさっと溶け、水なしで飲めるタイプの「エビリファイOD錠(*2)」が同時承認
 

 大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:岩本太郎)は、抗精神病薬「エビリ ファイ(R)」(一般名:アリピプラゾール)に関し、「統合失調症」の適応症に加え新たに「双極性障害における躁症状の改善」の適応症および新剤形「エビ リファイ(R)OD錠」の日本国内における承認を取得しました。
 
 「エビリファイ」は、国際共同治験として実施された臨床第III相試験において、双極性障害の躁 症状に対して早期に改善を示すことが確認された薬剤です。双極性障害の躁状態では気分が高揚し「判断力が損なわれる」、「怒りっぽくなる」など社会生活に 困難をきたす場合があります。双極性障害の治療は薬をきちんと飲み続けることが重要ですが、従来の抗精神病薬では「眠気」などの副作用が原因で薬を飲むこ とをやめてしまうという問題がありました。「エビリファイ」は、これらの副作用をきたしにくく、QOL(生活の質)を損なうことなく飲み続けられる第一選 択薬として期待されます。
 
 「エビリファイ」は、世界で初めてのドパミンD2受容体パーシャルアゴニスト作用を有する抗精神病薬です。国内では統合失調症の治療薬として、2006年6月に販売を開始しました。
 双極性障害の躁症状の治療に関して、「エビリファイ」は2004年の米国での承認をはじめとし、欧州やアジアを含む世界57ヵ国・地域で適応を取得しています。
 
 また、「エビリファイOD錠」は、口の中でさっと溶け、どこでも水なしで飲める新しいタイプであるため、患者さんにとって飲みやすく、受け入れやすい剤形です。本剤は、薬価収載後速やかに発売する予定です。
 
 *1、双極性障害は、躁うつ病とも呼ばれる疾患で、症状として躁状態とうつ状態を繰り返す病気です。
 *2、Orally Disintegratingの略称。通常の錠剤とは異なり、口の中ですぐに溶ける製剤です。
 

<双極性障害について>
 双極性障害は、躁うつ病とも呼ばれる疾患で、生涯有病率 は人口の0.4%(*)と言われています。症状として躁状態とうつ状態を繰り返し、躁状態では、気分が高揚し判断力が損なわれるので、病気であるという認 識に欠け、人の助けを拒もうとすることが多くなります。一方、うつ状態では、絶望感を感じ、人の助けを求め、現状を受け入れることができず、自分は助から ないと考えることもあります。混合状態では、躁状態、うつ状態の両方の症状が同時に起こります。疾患の特徴としては、再発率が高いため、長期にわたる治療 が必要と言われています。
 *こころの健康についての疫学調査に関する研究より:平成18年度厚生労働科学研究費補助金(こころの健康科学研究事業)
 

<エビリファイについて>
 「エビリファイ」は、ドパミン・システムスタビライ ザー(DSS:Dopamine System Stabilizer)と呼ばれ、脳内でドパミンが大量に放出されているときには抑制的に働き、ドパミン が少量しか放出されていないときには刺激する方向で作用し、結果としてドパミン神経を安定化させます。このためドパミンの異常によって起こると考えられて いる統合失調症の陽性、陰性症状を改善する一方、眠気や体重増加などをきたしにくいため、長期にわたり継続服用が可能です。双極性障害の躁症状に対して は、統合失調症に対する作用機序と同様に、共通した薬理作用であるドパミン神経を抑制することでその作用を示すと考えられます。海外の豊富な使用実績や多 くの臨床試験の報告をもとに、世界の各種ガイドラインにおいて双極性障害の躁症状の第一選択薬として推奨されている薬剤です。
 現在までに日本を含めた世界65ヵ国・地域で発売され、2010年度の世界での売上は約4,000億円です。
 

※「国内における「エビリファイ」の承認概要」などは、添付の関連資料「リリース詳細」を参照
 

以上

2012.1.18読売新聞
佐藤記者の「精神医療ルネサンス」
 頻発する患者の死(1) 多量の薬剤投与…入院9日後に心肺停止


 2007年6月28日、北海道の病院で当時38歳のアキラさん(仮名)の心肺が突然停止した。アキラさんの病名は統合失調症。任意入院して9日後のことだった。この間、尋常ではない量の薬が投与された。
 
 アキラさんは以前、歯科医を目指して関東地方の大学に通っていた。成績はトップクラスで、解剖学 の教授に目をかけられ、研究に没頭した。その最中の1994年、おかしなことを言い出した。「首にがんができている」。心配になった両親が、地元の北海道 でMRIなどの検査を受けさせたが、異常はなかった。アキラさんは「触るとしこりがある」と訴えたが、何もなかった。
 
 下宿に戻ると、アキラさんの言動はますます混乱した。「追手が俺を狙っている」「電話のベルに妨害されて勉強できない」などと、両親に度々電話をかけてきた。それが病気の始まりだった。
 
 東京都内の病院2か所に計1年近く入院し、薬物治療を受けた。症状は落ち着き、デイケアに通い始めた。だが、発症前と比べて集中力が低下し、大学の復学は断念した。
 
 実家に戻り、近くの総合病院の精神科外来に通いながら、静養を続けた。幻聴や妄想で混乱すること はほとんどなくなり、歯科医の父親は「どんな形でもいいので、医院を手伝って欲しい」と考えた。アキラさんも、父親の仕事を手伝いたいという気持ちが強 く、歯科技工士の技術を学び始めた。
 
 アキラさんの趣味は音楽や映画の鑑賞で、レンタルビデオショップに頻繁に通っていた。2007年 6月初めに借りた「宇宙戦艦ヤマト」を非常に気に入り、何度も見た。主題歌を口ずさんだり、動作が兵士のようにきびきびしたり、父親に敬礼したりするよう になった。18日早朝、雲間から差し込む光を窓越しに見ながら、父親に言った。「あそこに宇宙戦艦ヤマトがきている。隊員になって地球を救わねばならな い」
 
 これは、再発した妄想なのだろうか。好きな映画に影響され、言動を真似ることはだれにもあること だ。判断に悩んだ父親は、翌日、病院に相談に行った。この1年ほど前からアキラさんを担当するようになった主治医は、本人を診ることなくあっさりと告げ た。「妄想が出ているな。入院になりますね」
 
 父親は自宅に戻り、アキラさんに主治医の判断を伝えた。アキラさんは少し考え込んだが、穏やかな口調で言った。
 
 「分かった、早く治さないとね。すぐ帰るから」
 
 
 
 
 統合失調症の誤診やうつ病の過剰診断、尋常ではない多剤大量投薬、セカンドオピニオンを求めると 怒り出す医師、患者の突然死や自殺の多発……。様々な問題が噴出する精神医療に、社会の厳しい目が向けられている。このコラムでは、紙面で取り上げ切れな かった話題により深く切り込み、精神医療の改善の道を探る。
 
 「精神医療ルネサンス」は、医療情報部の佐藤光展記者が担当しています。
 ご意見・情報は  こちら(
t-yomidr2@yomiuri.com )へ。 お寄せいただいたメールは、記事で紹介させていただく場合があります。 
 
 
(2012年1月18日 読売新聞)

2012.1.6読売新聞
佐藤記者の「精神医療ルネサンス」
 保護入院の闇(4) 悪用防ぐ改革を
  医療保護入院の問題にふれる前に、精神科の入院制度について簡単にまとめておきたい。
 
 精神保健福祉法が定める精神科の入院制度は、3つに大別される。患者本人が入院に同意する「任意入院」、患者の保護者の同意で行う「医療保護入院」、都道府県知事の権限で行う「措置入院」だ。
 
 患者に治療の意志がある任意入院が、最も好ましい入院形態であることはいうまでもない。だが、統 合失調症を初めて発症した患者は、自分が病気であることを自覚できず(病識がない)、入院を拒む例が少なくない。そこで、患者が入院に同意しない場合で も、保護者の同意で入院治療を行える医療保護入院制度が生まれた。
 
 
 ここでいう保護者とは、配偶者、親権者、扶養義務者、後見人または保佐人を指す。国の研究班が2007年度に行った調査では、実際に保護者を務 めた人の内訳は、兄弟姉妹31%、両親26%、配偶者17%、子15%などとなっている。保護者を務められる人がいない場合は、市町村長が保護者になる。 入院中に病状が改善し、本人の同意が得られるようになれば、任意入院に切り替える。
 
 最後が、いわゆる強制入院として知られる措置入院だ。精神疾患が悪化し、自分や他人を傷つける恐 れがあると判断された患者を、都道府県知事が自らの権限で入院させる。治安維持的な側面を持ち、判断を誤ると人権を著しく侵害する恐れがあるため、通常 は、精神保健指定医(一定以上の臨床経験があり、レポート提出で認定を受けた精神科医)が2人以上診察をし、入院が必要と認めてはじめて実行される。
 
 措置入院は、1991年(各年6月30日時点)には1万人を超えていたが、人権意識の高まりなど もあり、2007年には1849人となった。一方、医療保護入院は1998年には9万2千人だったが、以後増加が続き、2007年には12万人を超えた。 このうち、統合失調症の患者は毎年約7万人。数を押し上げているのはアルツハイマー病などの認知症患者で、2007年には2万3千人となった。
 
◇          ◇
 
 医療保護入院制度の問題点は、国の検討会でも多く指摘されている。たとえば、「保護者の負担が大 きすぎる」こと。病識のない患者は、入院させた保護者を恨み、退院後、関係が悪化するケースが目立つ。そのため、第三者機関を設けて入院の是非を判断する 案なども出ている。ただ、費用や迅速性の問題などもあり、実現へのハードルは高い。
 
 保護者の選任が、比較的簡単な手続きで行われていることも、時に問題を生む。家庭裁判所が必要書 類をもとに審判を行うが、ある精神保健指定医は「裁判所の審判はまさにザル。必要書類がそろっていれば認める」と指摘する。統合失調症の母親を医療保護入 院させたことがある東京都の男性は「簡単に保護者になれることに驚いた。母親は特に病状が悪化したわけではなかったが、私が対応に疲れたので入れてしまった。入院をきっかけに症状が悪化し、今は後悔している」と話す。
 
 断っておかなければならないが、医療保護入院の多くは適正に行われているはずだ。この男性に悪意があったとも思えない。保護者の選任手続きを必要以上に複雑にして、対応に悩む家族をさらに追い込んではいけない。だが、今のままでは悪用も可能で、それが問題なのだ。
 
 「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」は、次のような場合は保護者になれないと定めてい る。「当該精神障害者に対して訴訟をしている者、又はした者並びにその配偶者及び直系血族」。しかし、両者の複雑な関係性までは考慮されない。そのため精 神科医が、悪用を止める防波堤にならなければならないが、十分な対応が行われているとは言いがたい。
 
 岡山県精神科医療センター理事長の中島豊爾さんはこう指摘する。「統合失調症や認知症の患者を入院させたいと来院する家族の中には、神経質過ぎる人や、患者よりもある意味で病的という人がいる。家族にカウンセリングなどを受けてもらい、状況が好転し た例もある。患者だけでなく、家族の言動にも注意を払うことが重要で、精神科医の力量が問われる」
 
 国は、医療保護入院制度の見直しに向けた検討を進めている。よりよい制度にするためには、患者や家族、そしてタカオさんのような「被害者」が、もっと声を上げていく必要があるだろう。
 
 
 
 
 統合失調症の誤診やうつ病の過剰診断、尋常ではない多剤大量投薬、セカンドオピニオンを求めると 怒り出す医師、患者の突然死や自殺の多発……。様々な問題が噴出する精神医療に、社会の厳しい目が向けられている。このコラムでは、紙面で取り上げ切れな かった話題により深く切り込み、精神医療の改善の道を探る。
 
 「精神医療ルネサンス」は、医療情報部の佐藤光展記者が担当しています。
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(2012年1月6日 読売新聞)

2011.12.31読売新聞
生活保護受給者囲い込みの病院「彼らは上客」
 
 全額が公費から支出される生活保護受給者の医療費を巡り、日課のように受診を繰り返す「頻回通院者」の存在が明らかになった。
 

 「暇だから」「親切にしてもらえる」。病院通いを続ける理由を、彼らはそんな風に漏らす。そして医療機関側も、車での送迎など手厚いサービスで、取りはぐれのない“上客”の囲い込みに懸命だ。
 
 ◆5年前から毎日
 
 12月中旬の朝、大阪市西成区の診療所。玄関のシャッターが開くと同時に、中年男性たちが次々と吸い込まれていった。診察を終えた十数人に聞くと、全員が受給者。半数以上は週4日以上通っているという。
 
 「5年前から毎日、点滴とマッサージに来ている」という男性の病名は、「腰痛」。「足の関節が痛む」と連日、電気マッサージに通う別の60歳代の男性は「先生が優しいし、マッサージも気持ちいい。どうせタダやし」と満足そうに言う。
 
 厚生労働省の調査で判明した同市の頻回通院者は、全国最多の4179人で、全体の2割以上を占める。
 
 診療所の患者は高齢者が多いが、一見健康そうな働き盛り世代の姿も目立つ。
 
 40歳代の男性は腰の持病のため連日、「簡単なリハビリ」に通っているという。本来はケースワー カーから働き口を探すよう求められる年齢だが、「医者が書類に『就労不能』と書いてくれるから何も言われない」。男性はそう話し、「元気そうに見えるやろ けど病人やで」と付け加えると、自転車で勢いよく走り去った。
 
 ◆「はやってナンボ」
 
 同区内の別の診療所前では、男性受給者たちが次々とワゴン車から降りてきた。診療所側が早朝から 自宅を回り、診察後は送ってくれるサービス。ロビーからはニシキゴイが泳ぐ庭園が望め、院内にはリクライニングシートが並ぶ点滴ルームや多数の運動器具を 備えたリハビリルームがそろう。
 
 その近くに最近開院した診療所は年中無休の触れ込み。開院当初、「生活保護取扱」と書いたのぼりを立て、芸能人の名を使ったビラやカイロを通行人に配る客引きを展開し、市保健所から注意を受けたという。
 
 「受給者をターゲットにした診療所が、ここ数年増えている」。同区の医療関係者はそう話す。
 
 「彼らは主要顧客」。ある診療所を経営する男性医師は、こう言い切った。数年前の開院当初は患者が集まらず、知人のブローカーに受給者の紹介を依頼。以後、頻回通院者が増え、赤字経営を脱却したという。
 
 「治療より経営優先。はやってナンボ」。医師はそう言う一方、こんな表現で過剰診療を否定した。「患者が自主的に来るから診ているだけ。『毎日来い』とは言っていない」
 
(2011年12月31日09時32分  読売新聞)
 

読売新聞
生活保護者、公費負担で高頻度通院…厚労省調査
 
 医療費が全額公費負担される生活保護受給者について、2009年度の受診状況を厚生労働省が調査したところ、2日に1回以上の高頻度で3か月以上続けて通院した「頻回通院者」が全国で1万8217人に上ることがわかった。
 
 うち3874人については、自治体が必要以上の受診にあたる「過剰受診」と判断。通院頻度を抑えるよう受給者を指導したが、改善はその約3割の1279人にとどまっているという。
 
 同省によると、全国の一般外来患者の月平均通院日数は約1日で、65歳以上の高齢者でも3日程度にとどまっている。
 
 しかし、同省が同じ傷病名で同一診療科(歯科を除く)を月15日以上、3か月以上連続で受診した 人について、09年度分の診療報酬明細書(レセプト)の分析を各自治体に依頼、データを集計したところ、生活保護受給者の多くに整形外科や内科の診療所に 頻回通院したケースがあったことが判明。自治体はさらに該当受給者の診療内容などを点検し、全体の約2割の3874人を「過剰」と判定した。都道府県別で は、大阪府が6025人(過剰受診者856人)と最多で、以下、東京都が1920人(同478人)、福岡県が1374人(同469人)など。
 
(2011年12月31日03時05分  読売新聞

2011年12月30日22時5分朝日新聞 
被災地で働く看護師、33%にPTSD懸念 専門家調査
 
 東日本大震災の被災地で働く看護師を対象にしたストレス調査で、3分の1が心的外傷後ストレス障害(PTSD)が懸念される状態にあることが分かった。うつなどにつながりかねない「精神的不健康」度の高い人も約3分の2に及んだ。
 
 調査した専門家は「ほかの惨事後に実施されたストレス調査結果より特異に多い。うつや離退職につながりかねない」としている。
 
 調査は松井豊・筑波大教授らが、8~9月にかけて実施。岩手県・宮城県の沿岸部で勤務する看護師407人から回答を得た。
 

2011.12.28共同通信
精神疾患による病休70%増 被災市町村の職員

 東 日本大震災の被害が大きかった岩手、宮城、福島3県の太平洋沿岸の33市町村で、4~10月に精神疾患などによって休暇を取った職員は、前年同期より 70%も増えたことが27日、共同通信社のアンケートで分かった。長期療養などで1カ月以上も職場を離れる深刻な職員も7カ月で前年度の1年間にほぼ並ん だ。被災住民の健康に目配りが求められる行政側にも、本格的なメンタルケアの必要性が高まっている。
 
 4月から10月までの間、うつ症状などで1回以上休んだ職員は、33市町村で計289人。前年の同時期より119人増えた。1カ月以上の長期病休は7カ月だけで237人に達した。
 
2011/12/28 02:02   【共同通信】

2011年12月21日23時13分朝日新聞
診療報酬は実質据え置き 12年度、介護は1.2%増

 
 診療報酬と介護報酬について、野田政権は21日、来年度の改定率を決めた。診療報酬は0.004%のわずかなプラス。医師の人件費や技術料に当 たる「本体部分」を1.38%引き上げる一方、「薬価部分」を市場実勢に合わせ、ほぼ同じ幅で引き下げる。前回(2010年度)改定は10年ぶりのプラス だったが、今回は実質的に据え置く。介護報酬は1.2%引き上げ、前回(09年度)に続くプラス改定とする。
 
 医療機関に支払われる診療報酬は2年に1度、介護事業者に支払われる介護報酬は3年に1度改定され、来年度は6年に1度の同時改定となる。報酬が引き上げられると、医療機関などの収入が増える一方、保険料や税負担、患者の窓口負担も増える仕組みだ。
 
 診療報酬のうち、本体部分の引き上げ幅の内訳は医科1.55%、歯科1.70%、調剤0.46% で、計約5500億円の増額となる。勤務医・看護師の負担軽減、在宅医療の充実などを重点項目とした。年明けの中央社会保険医療協議会で、具体的な配分や 個別の保険点数を決め、来年4月から実施する。
 
2011.12.22読売新聞
 診療報酬0・004%上げ、介護報酬1・2%増
 
 政府は21日、2012年度予算編成の焦点だった診療報酬改定について、診察や治療にかかる本体部分と薬価部分を合わせた全体で0・004%の引き上げを決めた。
 

 薬価部分を1・375%引き下げる一方、本体部分を1・379%引き上げ、差し引きでプラスとした。引き上げを強く求めていた厚生労働省や民主党の主張に配慮した形だ。
 

 藤村官房長官と安住財務相、小宮山厚労相が同日夜、首相官邸で会談、合意した。引き上げは前回10年度改定に続き、2回連続となる。
 

 会談では、介護事業者に支払われる介護報酬の12年度改定についても1・2%の引き上げとし、引き続き介護従事者の待遇改善に取り組むことを決めた。
 
(2011年12月22日  読売新聞)
 
2011.12.22毎日新聞
 診療報酬改定:0.004%増 実質据え置き、介護報酬は1.2%


  藤村修官房長官、安住淳財務相、小宮山洋子厚生労働相は21日夜、首相官邸で来年度の診療報酬改定について協議し、手術料などの「本体」はプラス1・ 379%、「薬価」はマイナス1・375%とし、全体では小数点以下3ケタの部分で0・004%増というギリギリのプラス改定とすることで合意した。介護 報酬は、介護職員の待遇改善費を見込んで1・2%アップ。前回(09年度)の3・0%増に続き2回連続のプラスとなった。
 
 診療報酬は1点10円で、医師らの収入となる。10年ぶりに全体で増額改定となった前回10年度 (全体0・19%増、本体1・55%増、薬価1・36%減)に続くプラスとはいえ、小数点以下3ケタでの調整は極めて異例。約40兆円の12年度見込み医 療費を約16億円伸ばすだけで、事実上の据え置きと言える。プラス改定を求めた厚労省、民主党の顔を立てつつ、増額を嫌う財務省側にも配慮した政治決着となった。
 
 一方、介護報酬を1・2%増としたのは、介護職員の賃金を月額1万5000円上積みしている交付金を今年度末で廃止するためだ。
 
 12年度以降、代わりの財源(国費ベースで約500億円)は介護保険財政で賄う。【鈴木直、山田夢留】
 
毎日新聞 2011年12月22日 東京朝刊

2011.12.21読売新聞
佐藤記者の「精神医療ルネサンス」 保護入院の闇(3) なぜ薬物中毒?
    タカオさんの入院は約3週間に及んだ。
 
 当初は、精神科病院に突然連れてこられたショックで大声を上げるなどしたが、すぐに気持ちを切り替えた。
 
「暴れれば暴れるほど、深刻な病気にされてしまう。このままだと殺されかねない。何をされても無抵抗でいよう」
 
 身体拘束の状態を確認するため、定期的にやって来る看護師を冗談で笑わせた。繰り返される電気ショックにも素直に従った。その結果、母親が同意した医療保護入院から、本人の同意で行う任意入院への切り替えが行われ、退院につながった。
 
 1年後(2010年)、タカオさんは元センター長の勧めで精神科クリニックを受診した。本当に統合失調症なのか、診断してもらうためだ。結果は「統合失調症ではない」
 
 被害妄想や幻聴に悩まされる統合失調症は、適切な治療で安定した状態を長く保てる。だが、完治する病気ではない。今年(2011年)6月には、別の精神科クリニックで、のべ4日間、計7時間半に及ぶ検査を受けた。結果は「正常」だった。
 
 さらに、発達障害の検査も受けた。良好な対人関係を築きにくいアスペルガー症候群などがあると、 その二次障害によって統合失調症と誤診されるケースが目立つ(過去の医療ルネサンスで取り上げたが、このコラムでも後日詳しく書く)ためで、大学病院の専 門医が、丸1日かけて生育歴などを丹念に聞き取った。そして、発達障害も否定された。
 
 この事件はなぜ起こったのか。母親の不可解な行動に目が向きがちだが、母親は本気で息子の精神疾患を疑い、善意で入院の相談をした可能性もある。これがもし、誤診に基づく医療保護入院であるとすれば、対応した精神科医とD病院の診療レベルを疑わなければならないだろう。
 
 D病院が、知事に提出した医療保護入院の入院届けなどには、統合失調症以外の傷病名も登場する。「薬物中毒精神病」だ。
 
 タカオさんは、非合法の薬物を乱用したことはない。酒もほとんど飲まない。ただ、鼻の病気にとも なう頭痛などのため、耳鼻科で鎮痛剤ボルタレンを頓服薬として処方されていた。D病院の精神科医はこの情報を母親らから聞き取り、ボルタレンなどの過剰摂 取でせん妄や興奮、滅裂などが強まったと判断したようだ。
 
 だが、タカオさんはボルタレンを常用しておらず、入院した日も服用していなかった。当時、ボルタレンを処方していた耳鼻科の主治医は話す。
 
「処方した量のボルタレンでひどい精神症状が現れるとは、常識的には考えられない」
 
 
 
 
 統合失調症の誤診やうつ病の過剰診断、尋常ではない多剤大量投薬、セカンドオピニオンを求めると 怒り出す医師、患者の突然死や自殺の多発……。様々な問題が噴出する精神医療に、社会の厳しい目が向けられている。このコラムでは、紙面で取り上げ切れな かった話題により深く切り込み、精神医療の改善の道を探る。
 
 「精神医療ルネサンス」は、医療情報部の佐藤光展記者が担当しています。
 ご意見・情報は  こちら(
t-yomidr2@yomiuri.com )へ。
 
 
(2011年12月21日 読売新聞)

2011.12.14読売新聞
佐藤記者の「精神医療ルネサンス」
保護入院の闇(2) 抵抗したら「統合失調症」

    前回に続き、タカオさんの入院以前の背景を説明しよう。
 
 タカオさんの母親は、自宅近くの2か所の保健センター(以後A、Bで表記)を訪れ、「息子が精神疾患で暴力をふるう」などと被害を訴え始めた。最初に対応したA保健センターの保健師は、母親の訴えを信じて嘱託の精神科医に面接を依頼した。
 
 この医師は、大学病院に長く勤務したベテランだったが、母親の話だけでタカオさんを「人格障害 (パーソナリティー障害)」と決めつけ、「統合失調症の疑いがある。措置入院(いわゆる強制入院)させたほうがいい」と勧めた。さらに保健師は、「(本人 の同意がなくても母親など保護者の同意で行える)医療保護入院という方法もある」と母親に説明したという。
 
 タカオさんの問題発生後、B保健センターに赴任し、経緯を詳しく調べた元センター長は、「母親は最初、措置入院や医療保護入院の制度を知らなかったが、精神科医や保健師の不適切な対応で、さらに深刻な問題が引き起こされた」とみる。
 
 だが、母親を途中から担当したA保健センターの別の保健師は冷静だった。改めて違う嘱託の精神科医に依頼し、実家でタカオさんを直接診てもらった。結果は「明確な妄想は認められない。見識もはっきりしている」。精神疾患は否定された。
 
 この保健師は、母親の訴えの真偽を探るため、警察署にも問い合わせた。刑事課の担当者は「110 番が頻回にあり、その都度出動したが、本人は冷静に対応できており、措置(措置入院)にはならなかった」と答えた。これらの調査から、この保健師は「母親 側に問題がある」と判断し、母親に口頭で注意をした。だが、母親の行動は止められなかった。
 
◇         ◇
 
 話をタカオさんの入院時に戻そう。救急隊員の記録では、搬送時のタカオさんの意識は「清明」で、主訴は「めまい、全身の痛み」とある。幻覚や妄想、興奮などの記述はどこにもない。
 
 救急車を降り、D病院に入ったタカオさんは、異様な雰囲気を察した。両脇と背後に男性看護師3人が立ち、タカオさんを取り囲んだのだ。ここで初めて、精神科病院であることに気づいた。
 
「オレは精神病じゃない!」
 
 診察室を出て行こうとすると、看護師3人が力づくで抑え込んだ。体の自由を奪われながら、タカオさんは叫んだ。
 
「(母に)自作自演されている!」 「母がオレの人生をめちゃくちゃにした」
 
 やぶ蛇だった。対応したD病院の精神科医は、タカオさんの必死の訴えを被害妄想と判断し、統合失調症と診断した。暴れれば暴れるほど、重症と判断される悪循環。腕に多量の鎮静剤が注射され、隔離室へ。この間、わずか10分だった。
 
 1時間後、タカオさんは処置室に運ばれた。全身麻酔をかけられ、電気ショック(電気けいれん療法)。その日から10日間、手足を拘束され続けた。両腕、両脚を開いた状態でベッドに縛り付けられ、カテーテルで導尿が続けられた。
 
 電気ショックは計6回に及んだ。
 
 
 
 
 統合失調症の誤診やうつ病の過剰診断、尋常ではない多剤大量投薬、セカンドオピニオンを求めると 怒り出す医師、患者の突然死や自殺の多発……。様々な問題が噴出する精神医療に、社会の厳しい目が向けられている。このコラムでは、紙面で取り上げ切れな かった話題により深く切り込み、精神医療の改善の道を探る。
 
 「精神医療ルネサンス」は、医療情報部の佐藤光展記者が担当しています。
 ご意見・情報は  こちら(
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(2011年12月14日 読売新聞)

2011.12.14読売新聞
性犯罪前歴者に住所の届け出義務づけ…大阪府、全国初の条例案


  大阪府は13日、18歳未満の子どもに対する性犯罪前歴者に対し、居住地の届け出を義務づける全国初の条例案を、来年2月府議会に提案する方針を決めた。 府として、臨床心理士や精神科医によるカウンセリングなどを通じて前歴者の社会復帰を支援し、再犯防止につなげるとともに、子どもを犯罪から守る狙い。
 
 府青少年健全育成審議会の部会が同日、居住地届け出の義務化を求める報告書をまとめており、府は今後、この報告書を基に条例案の策定に着手する。
 
 18歳未満の子どもへの強姦(ごうかん)や強制わいせつ、児童ポルノ製造などに関わった前歴者に対し、出所後5年間、府への居住地届け出を義務づける見通しで、違反者には過料など行政罰を科すことも検討する。
 
 前歴者の情報は府が厳重に管理。定期的に臨床心理士や精神科医のカウンセリングを受けてもらうほか、警察や保護司とも連携して生活相談などを含む社会復帰支援に当たる。
 
 報告書ではこのほか、現行法で犯罪に当たらない、13歳未満の子どもに不安を与えるような「声か け」やカメラでの無断撮影を禁じる項目を条例案に盛り込むことも提言した。声かけなどは奈良県が条例で禁じているが、罰則規定はない。府は、常習者を処罰 の対象とすることも検討する。
 
 府内の性犯罪認知件数は昨年、強制わいせつが全国最悪の1078件、強姦も119件と東京に次いで多かった。うち、被害者が18歳未満のケースは強姦34件、強制わいせつは440件に上った。
 
 府では橋下徹前知事が9月、「子どもに対する性犯罪は再犯率が高い」として性犯罪前歴者の居住地届け出の義務づけを検討すると表明し、審議会部会にたたき台づくりを求めていた。
 
 審議会の委員の一人で、性犯罪者の治療に携わる国立精神・神経医療研究センターの福井裕輝医師 (犯罪精神医学)は「再犯の恐れが高く治療が必要なケースでも、出所後は何のケアもなく、現状では再犯防止策が講じられていないのに等しい。条例は、前歴 者を更生に導くことにもつながるはずだ」と話している。
 
(2011年12月14日  読売新聞)

性犯罪前歴者に大阪府 住所届け出を義務化
   2011年12月14日 夕刊東京新聞
 
  大阪府は、子どもを対象にした性犯罪の前歴者に居住地の届け出を義務付ける条例案を二月議会に提出する方針を決めた。連絡先を把握して社会復帰を支援すると同時に、子どもを犯罪から守るのが狙いで、成立すれば全国初。
 
 松井一郎知事は十四日、記者団に対し「再犯に走ることがないよう行政や警察組織が手だてをしたい」と述べた。
 
 府によると、十八歳未満の子どもへの性犯罪の前歴者に対し、出所後五年間、府への居住地届け出を義務付ける。違反した場合、過料などの行政罰も検討。定期的に精神科医や臨床心理士などによるカウンセリングも行い、社会復帰を促す。
 
 また、判断能力の低い十三歳未満の子どもに対する、不安を与えるような声掛けなども禁止する方針で、罰則も検討している。
 
 子供への性犯罪前歴者、出所後5年住所届け出義務化 大阪府が条例提案へ 
2011.12.14 13:09 産経新聞


 18歳未満の子供に対する性犯罪前歴者に対し、居住地の届け出などを義務付ける全国初の条例案を検討している大阪府が、出所後5年間、 府への居住地届け出を義務づけ、違反者には過料などの行政罰を科す方向で検討していることが14日、分かった。松井一郎知事は同日、条例案を来年2月府議 会に提案する方針を示した。
 
 条例案の原案については、府青少年健全育成審議会の部会が報告書をまとめており、出所後5年間の居住地届け出義務や違反者への行政罰のほか、社会復帰支援として前歴者に臨床心理士や精神科医らが定期的にカウンセリングを行うことなどを盛り込んでいる。
 
 さらに、警察官や保護司などとも連携して、前歴者の相談相手になってもらえるよう協力を求めることにしている。事件には発展しないものの、子供に不安を抱かせるような「声かけ」についても禁止する条項を検討している。
 
 松井知事は、「再犯率が高いことに加え、犯罪者も一人で立ち直るのは難しいのが現状。被害者を出さないよう行政として手立てを考えたい」と述べた。
 
 条例案の立案にかかわってきた前知事の橋下徹次期大阪市長は同日、報道陣に対し、「賛否両論の議論はあると思う。プライバシーと犯罪抑止の観点をぎりぎりまで探って行政的に詰めてもらった結果が大阪府の計画。成立すれば警察力をサポートできると思う」と語った。

2011年12月16日11時42分朝日新聞
 性犯罪出所者に居住地届け出義務 大阪府、条例提案へ


 大阪府青少年健全育成審議会(会長=野口克海・大阪教育大監事)は16日、子どもへの性犯罪で服役し出所した人に対し、府への居住地などの届け出を義務づける全国初の条例制定を求める報告書を松井一郎知事に手渡した。知事は来年の2月府議会に条例案の提案を目指す。
 
 報告書は「『子どもを守る』性犯罪対策について」。届け出の対象者を、子どもへの性的暴力や児童ポルノ製造の罪などで服役した出所者と想定。府に5年間程度、居住地、氏名、連絡先などを届け出ることを義務づけ、違反者に対する過料などの罰則も盛り込んだ。
 
 届け出情報は出所者の社会復帰を支援する活動への使用に限定し、臨床心理士や精神科医、警察官、保護司らによる相談など府独自の支援策を作ることも提言。子どもへの「声かけ」の規制も条例化するよう促した。
 
 居住地の届け出を求める条例制定は、前知事の橋下徹新大阪市長が9月に表明。審議会が制度の内容 などを検討してきた。ただ、各地の出所者に、どうやって府独自の届け出義務を周知するのかなど課題があり、府は法務省と協議する方針。現行法では、法務省 が出所者の居住地など個人情報を行政機関に提供する仕組みはない。

障害者雇用率、福井が全国2位 法定下回る公的機関は増加
 
(2011年12月15日午後6時46分)福井新聞

. 福井労働局がまとめた今年6月1日時点の福井県内の障害者雇用状況によると、民間企業の労働者に対する障害者の雇用率は2・19%となり、昨年に続き全国2位だった。一方、公的機関で法定雇用率を下回った機関が前年より4機関増え6機関あった。
 
 1・8%の法定雇用率が適用される民間企業568社(常用労働者56人以上)に雇用されている障害者は前年比7・0%増の2127人で過去最高。内訳は身体障害者1308人、知的障害者732人、精神障害者87人ですべての障害で増えた。
 
 雇用率は昨年7月、短時間(週20時間以上30時間未満)労働者を0・5人として換算するなど算 出法を改定。この影響もあり雇用率2・19%(全国1・65%)は前年比0・06ポイント低下した。法定雇用率を達成した企業の割合は55・1%(全国 45・3%)で同0・2ポイント上昇した。
 
 一方、地方公共団体・地方独立行政法人については、県知事部局、県警本部、21の市町・市町機関、県立大は法定雇用率(2・0%または2・1%)を達成したが、県教委、大野市、同市教委、小浜市、あわら市、美浜町が未達成だった。
 
 民間企業の障害者雇用が高水準であることについて同労働局は「ハローワークを中心とした就職支援 の浸透とともに、県内企業の高いコンプライアンス意識が背景にあるのでは」と分析。公的機関で未達成機関が増えたことに関しては「民間に率先して障害者雇 用を推進する立場にあり、指導を強化していきたい」としている。 
障害者雇用が過去最高 企業の法定率超え52%に
   2011年12月16日中日新聞
 
  県内民間企業の障害者雇用数が、過去最高の3956・5人(計算値)となったことが、岐阜労働局がまとめた2011年の障害者雇用状況で分かった。雇用率平均は1・65%で、法定雇用率(1・8%)を下回ったものの、上回った企業は52・2%と半数を超えた。
 
 雇用数と雇用率は、11年から計算方法が変更され、短時間労働(週20~30時間)に就く労働者 1人を、0・5人分として加えることになった。前年比の障害者雇用数は、企業が新たに雇用した実質増分5・3%を含め9・3%増となった。障害別では身体 が2863・0人、知的が974・5人、精神は119・0人。
 
 一方、障害のない短時間労働者も1人につき0・5人分と計算するため、障害者雇用率は前年比0・08ポイント下落した。雇用率は全国平均と同率で、全国26番目。法定雇用率達成企業の割合は全国平均が45・3%で、全国21番目だった。
 
 産業別の雇用率は「運輸業・郵便業」が2・03%、「医療・福祉」が1・97%、「宿泊業・飲食サービス業」が1・83%で法定雇用率を上回った。専門性が高く、知的障害者の就労が難しい「学術研究」や「情報通信業」「学習支援業」は0・99~1・06%と低かった。
 
 法定雇用率達成企業の割合を規模別で見ると「300~500人未満」が54・7%で最高。パートなど短時間労働者が多い「1000人以上」の企業は、算出方法が変わった影響で37%と最低だった。
 
 岐阜労働局職業対策課は「障害者の雇用数は増える傾向にあり、進展している。法定雇用率を満たすよう企業の指導を続ける」としている。
 
 調査の対象は県内の56人以上の企業1176社。6月1日現在の身体、知的、精神障害者の雇用状況について報告を求めた。
 
 (石井宏樹)

2011.12.8読売新聞
障害者雇用に理解を 厚労省と県が連携強化
 
県内企業法定雇用率下回り、全国43位
 県内企業の障害者雇用率が法定雇用率を下回ってい ることから、厚生労働省新潟労働局と県などがプロジェクトチームを作り、障害者雇用の推進に向け、連携を強化している。企業の経営者らに、上越、中越、下 越の3地区で障害者雇用に取り組んでいる企業を視察してもらい、積極的な採用を呼びかけている。
 
 県内企業の障害者雇用率(6月1日時点)は、法定雇用率(1・8%)を下回る1・54%。全国順位も43位と低迷している。前年は46位で、改善傾向にあり、新規の就職数は2009年度の784人から昨年度は954人に増えた。
 
 企業の経営者らが19日に視察する「新潟ワコール縫製」(新潟市西蒲区、従業員数230人)で は、身体障害者2人、知的障害者4人、精神障害者2人の計8人が働いており、雇用率は4・14%。勤続30年を迎えたベテラン従業員もいる。同社では下着 やスポーツウエアを製造しており、障害者も裁断や縫製、検査・包装などを担当している。
 
 知的障害のある従業員は作業中、周囲に迷惑がかかる独り言を言ったり、午後に集中力が欠けること が目立つことから、同社は「目標達成シート」を導入。目標を達成してシールを貼ることでやる気を引き出し、当初は軽作業を担当していたが、今では半自動の 電子ミシンを1人で操作できるようになったという。
 
 電子ミシンの導入には、国の独立行政法人が、障害者の雇用促進を目的に支給する助成金も活用した。
 
 障害のある従業員は「不良品を出さないように丁寧に仕事をしたい。周りの従業員もとても優しい」と話す。
 
 坂森猛社長は、障害者を採用する際のポイントとして、〈1〉特別支援学校などでの訓練内容の把握〈2〉本人や家族との面談〈3〉実習期間を設けて、本人の得意・不得意分野の把握――などを挙げる。
 
 坂森社長は「生産力も高めながら、障害者雇用も進めるためには知恵や工夫が必要。障害者を特別扱いすることなく、一緒に働ける環境を作ることで、健常者の勉強にもなる」と強調する。
 
 県などは来年2~3月、県内3か所で障害者雇用を目的とした面接会を開く予定。同局職業対策課の菅文男課長は「本県の障害者雇用率はまだ低い。知的障害者や精神障者者の就職希望も増えており、雇用に結びつけたい」と話している。
 
(2011年12月8日  読売新聞)

2011.12.8読売新聞
佐藤記者の「精神医療ルネサンス」
保護入院の闇(1) 精神疾患ないのに拉致・拘束!?
  先週から「突然死編」を始めましたが、取材日程の関係などで少し延期し、今日から「保護入院の闇」編を連載します。
 
◇        ◇
 
 外資系証券会社などで働いてきた20歳代後半の男性が、ある日突然、精神科病院に入院させられ た。手足を拘束されて薬を多量に投与され、ECT(いわゆる電気ショック)を何度もかけられ……。この強制的な入院の前後に、彼を診察した複数の医師は証 言する。「彼に精神疾患はない」。
 
 こんなフィクションのような出来事が現代の日本で起こったことを、あなたは信じられるだろうか。
 
 
 
 2009年2月、関東地方に住むタカオさん(仮名)は体調がすぐれなかった。鼻の奥が化膿する病気を長く患い、その影響からくる頭痛やめまいのために実家で横になっていた。すると母親が救急車を呼び、タカオさんにこう告げた。
 
「病院に連れて行ってあげる」
 
 ところが、着いたのは耳鼻科ではなく、精神科病院「D病院」だった。消防署の救急出場記録によると、母親が事前にこう要請していたのだ。
 
「息子に、精神的な面からめまいや身体の痛みが出ている。D病院に相談したら、とりあえず受診させて欲しいと言われたので、連れて行きたい」
 
 確かに母親は、この日の午前中、タカオさんに内緒でD病院を訪ねていた。
 
「息子の暴言や暴力が一年前から激しくなりました。『テメーのせいでこうなった!』などと私や父親に暴力を振るい、パトカーを呼んだこともある。以前はとても優しい子だったのに…」
 
 聞き取りをした病院関係者は、母親の訴えをそのまま受け取り、タカオさんの名で作った相談表の最後にこう記した。
 
「お迎え入れを検討」
 
◇        ◇
 
 「息子(タカオさん)に暴行された」という母親の110番通報で、パトカーが何度も出動したのは事実だ。だが、母親は駆けつけた警察官に、タカオさんからどんな暴行を受けたのか詳細に語れなかったという。
 
 当時の状況をよく知る警察官は「暴行を受けたのならば、医師の診断書をもらってくるように刑事課が勧めたこともある。しかし、一向に受診しなかった」と語る。
 
 通報騒ぎの発端は、2007年にさかのぼる。タカオさんは、「母親が昔からひいきにしていた」という兄から暴行を受け、刑事告訴した。母親は、告訴の取り消しを求めたが、タカオさんの意思は固かった。
 
 そして、母親の110番通報が始まった。通報があまりにも頻繁で、なおかつ被害が認められなかったため、警察はまともに取り合わなくなった。すると母親は、今度は保健センターに「悩み」を訴え始めた。
 
 
 統合失調症の誤診やうつ病の過剰診断、尋常ではない多剤大量投薬、セカンドオピニオンを求めると 怒り出す医師、患者の突然死や自殺の多発……。様々な問題が噴出する精神医療に、社会の厳しい目が向けられている。このコラムでは、紙面で取り上げ切れな かった話題により深く切り込み、精神医療の改善の道を探る。
 
 「精神医療ルネサンス」は、医療情報部の佐藤光展記者が担当しています。
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(2011年12月8日 読売新聞)

2011.12.6毎日新聞
お互い統合失調症を抱えながら、1年後の結婚2011.12.6

スマイル写真館:婚約中の宗田千麗さん、小林竜也さん

 ◇「笑い絶えない家」へ一歩--婚約中の宗田千麗(そうだ・ちよし)さん(22)、小林竜也さん(28)

 精神科のデイケアで出会って3年半。「病気があっても、恋愛も結婚もできると知ってほしい」と、メンタルヘルスマガジンの表紙モデルに応募した。お互い統合失調症を抱えながら、1年後の結婚に向けて充実した日々を送っている。

  2人とも発症は学校がきっかけだった。小林さんは大学を留年し、仲間が卒業してしまった後、幻聴や幻視が現れ始めた。宗田さんは高校入学後、教室で過呼吸 に。校則が厳しく、教師は物差しを当ててスカート丈を測った。3校目の通信制高校で偏見のない教師に巡り合い、視線恐怖症が治まり、ようやく電車に乗れる ようになった。

 2人は同じ病院に通い、デイケアの催しでたまたま隣の席になった。付き合い始めてからも、互いに入院したり、大量服薬を経験した。だが同じ症状に悩んできただけに、余計な説明抜きでわかり合える。

 「幻視って、誰か知らないおじさんが天井を這(は)ってるんだよね」「私も。話をしている相手の横におじさんがいて、こっちを見てる時もあって」。つらい症状のはずだが、どこか楽しそうに聞こえる。

 結婚を決めたのは2年前。「病気だし……」とためらっていた小林さん。宗田さんは「『病気は関係ないよ』って洗脳した感じ」と笑う。

  小林さんは11月、派遣社員として働き始めた。障害者対象の就職イベントで紹介された、新聞の折り込み広告の仕分け作業。「週1回から始めて、少しずつ出 勤日数を増やしたい」。宗田さんもホームヘルパーの資格を取った。来年は、障害児のデイサービス施設で働きたいと考えている。

 結婚が推進力になり、一歩踏み出した2人。サッカー好きの小林さんは患者仲間とフットサルを始め、毎週、走り回って汗を流す。クラシックバレエが得意な宗田さんは治療の一環として、毎月、通院先の患者にバレエを教えている。

 「彼(彼女)がいるから、自分のことを大事にしようと思う」と口をそろえる。「笑いが絶えない明るく楽しい暮らし」が目標だ。【中村美奈子】=次回は1月10日掲載

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 「メンタルヘルスマガジンこころの元気+」表紙の読者モデルを紹介します。電話047・320・3870 http://comhbo.net

毎日新聞 2011126日 東京朝刊


2011.12.5読売テレビ
自宅で暮らしたい…訪問型精神科医療の挑戦
 
 うつ病などの精神疾患で病院に通う人は年間300万人。その数は国民の40人に1人にあたり、 01年の1.5倍となっている。日本では、重い精神疾患の場合は入院治療が中心だが、患者からは「住み慣れた自宅で生活したい」という切実な声が上がって いる。こうした中、重症患者に訪問型の医療を提供し、希望をもたらしている、医師やソーシャルワーカーらの取り組みを取材した。
 
 黒川常治さん(42)は、グラフィックデザイナーとして活躍していた99年、うつ病を発症し、職 を失った。病状が安定した今、心の病に理解と支援を求める活動を続けている。黒川さんは「テレビのリモコンを取る、それすらできないひどい時がある。病院 に行くほど力がない時に、ドクターや支援者が家に来てサポートしていただけると、かなり助かります」と話す。
 
 京都市にある訪問型の精神科「ACT-K(アクト・ケー)」では、医師や看護師、福祉に詳しい ソーシャルワーカーらがチームを組み、自宅で暮らす重度の精神障害者を支えている。看護師らが患者を訪問し、会話を通じて、病状だけでなく、食事や現金が 足りているかなどを把握し、生活全般を支援する。当番の職員は、深夜も電話を持ち歩き、24時間体制で患者の相談に応じている。
 
 海外で普及している精神科の訪問支援を実現した、ACT-Kを主宰する高木俊介医師は「統合失調 症は100人に1人がなる。絶対、他人(ひと)事じゃないんです。重度の人がきちんと支援されて地域で人間らしく暮らす姿がないと、(軽度の人も)自分が 悪くなったら、精神科病院(入院)だとびくびくして。それでは軽度の人だって良くならない」と語った。
 
 ACT-Kに所属するソーシャルワーカー・金井浩一さんは現在、統合失調症の男性患者を支援して いる。この男性は、大学卒業後に海外で日本語教師をしていたが、約20年前に発症した。入院がつらくて、歩いて家に戻ったこともあるという。男性の母親は 「誰でも、病院より家の方がいいですからね。本当に助かっています。家の者だけじゃ、対応しきれませんから」と話した。
 
 金井さんは、男性を気遣い、病院のような薬や治療には触れず、音楽を話題にする。音楽が好きな男 性を和ませようと、いつもギターを持参して曲を演奏する。金井さんは「人間関係がまずありきで、その次に薬や医療があるかなと。3年、5年でも関わり続け れば、何か必ず変化がある。ずっと関わり続けようかなと思う」と語った。
 
 精神科の訪問支援組織は全国に約20しかない。誰もが精神疾患になりうる時代、「自宅で暮らしたい」という患者の願いをかなえるため、新たな支援が求められている。(12/05 22:52)

'11/11/28中国新聞
障害者就労 着実に開拓シェアする
 
 開設から2年半になる呉安芸地域障害者就業・生活支援センター(呉市)が障害者の就労促進に取り 組み、成果を上げている。橋渡し役として企業に働きかけ、実績は2009年度の19件から10年度は34件に増加。本年度は10月末現在で23件と順調に 推移している。態勢強化のため30日、関係機関と支援ネットワークを設立する。
 
 呉、江田島両市に住む障害者の就職先確保を目的に賛同企業を開拓するほか、就職を希望する障害者 を対象に学習会を開催。就労後も就労先と障害者の相談に無料で応じている。職員は3人。求職者だけでなく、就職後のフォローを要望する人も含め、10月末 時点で身体や知的、精神の障害がある255人が利用登録している。
 
 2009年4月、広島県就労振興センター(広島市南区)が国や県の事業を受託して開設した。就業支援ワーカーの加納直美さんは「理解してくれる企業が増え、雇用の間口が広がった」と振り返る。
 
 センターを介して就職した呉市の男性(19)は「仕事紹介だけでなく、就労後も電話をくれるなど 支えてもらった」と感謝。男性が勤める市内のスーパーマーケット店長(47)は「採用を検討するための実習期間を提案してくれるなど、支援体制が充実して おり安心して採用できた」と話す。
 
 センターはさらなる受け入れ先の確保に向けて30日、商工会議所や特別支援学校などと支援ネットワークを設立する。県の委託事業で、関係機関の連携を強めて課題解決を目指す。加納さんは「一つ一つ課題に向き合い、障害者の就労機会や生活を充実させたい」と意気込む。
 

認知症患者、2か月で半数退院を目標値に-厚労省検討チームが報告書公表
医療介護CBニュース 2011年11月30日(水)15時31分配信
 
 認知症患者への精神科医療の役割を議論した厚生労働省の「新たな地域精神保健医療体制の構築に向 けた検討チーム(第2ラウンド)」は29日、議論の内容を取りまとめた報告書を正式に公表した。認知症患者の退院に関する目標値として、同じ時期に入院し た患者の50%が退院できるまでの期間を、現状の約6か月間から2か月間に短縮する方向性を盛り込んだ。入院者数に関する目標値については基礎資料が不足 しているとして、現時点で「定めることは困難」とした。
 
 報告書では、認知症患者に対する精神科医療について、▽入院を前提とせず、地域での生活を支える ▽入院が必要な場合は、速やかな症状の軽減を目指し、退院を促進する―との考え方を提示。多くの場合、BPSD(周辺症状)が約1か月間で改善されること などを示した上で、同じ時期に認知症治療病棟に入院した患者の50%が退院するまでの期間を、現状の約6か月間から、2020年度までに2か月間へと短縮 する目標値を設定した。
 一方、検討チームの議論では、退院に関する目標値だけでなく、入院者数に関する目標値なども併せて設定すべきとの意見が 上がっていたが、報告書では「基礎となる資料が不足しており、現時点では入院者数に関する目標値を定めることは困難」と指摘し、「今後、調査・研究を進 め、基礎資料の収集を行うべき」と提言。認知症患者が入院に至らないための地域支援の拡充に関する目標値については、「認知症施策全体の中で適切に検討を していくべき」とした。
 
 また、認知症患者に対する精神科医療については、早期に診断し、正確な治療を行う体制を整備する 必要があると指摘。具体的には、▽認知症疾患医療センターの整備を加速する▽身近な地域に新たな類型の認知症疾患医療センターを整備することを検討する▽ 認知症疾患医療センターの役割として、若年性認知症への対応も検討する―との方向性を盛り込んだ。在宅や施設の認知症患者への訪問支援(アウトリーチ)の 推進も掲げた。
 介護に関しては、定期巡回・随時対応型訪問介護看護や複合型サービスの創設、サービス付き高齢者向け住宅などの整備、市民後見人の活用、認知症サポーターの養成などにより、在宅生活を支えるためのサービスを充実させる必要があるとした。
 
■認知症施策で省内にプロジェクトチーム
 今回の報告書取りまとめを踏まえ、厚労省は「認 知症施策検討プロジェクトチーム」(主査=藤田一枝政務官)を省内に設置したと発表した。同省の老健局や医政局、社会・援護局などの局長、課長らをメン バーとし、▽認知症の早期診断、早期対応体制の確立▽認知症に対応した医療・介護サービス事業の普及▽認知症の入院患者の退院促進―などのテーマについて 検討する。12月上旬に初会合を開き、年内には認知症施策の今後の方向性について中間的な取りまとめを行う予定。
 
.最終更新:11月30日(水)15時31分

2011.10.13キャリアブレイン
精神科病院からの退院目標、障害福祉計画に- 厚労省方針
 
 厚生労働省は10月13日の「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」の会合で、都道府県が策定する第3期障害福祉計画(2012-14年度)に、精神科病院からの退院者数に関して明確な目標値を盛り込むとする方針を示した。
 
 都道府県が設定する目標値は、▽入院1年未満の患者の平均退院率▽5年以上入院した 65歳以上の高齢者の退院者数―の2つ。厚労省は、都道府県がこれらを設定する上での参考値として、▽入院1年未満の患者の14年度の平均退院率を、08 年の直近調査比で7%相当分増加させる▽5年以上入院した高齢者の14年度の退院者数を、現在よりも20%増加させる―の2つの指標を示した。
 
 また、精神障害者向けの宿泊型自立訓練事業所について、来年度から規制を緩和する方針を提示。具体的には、▽空床がある場合、そこでショートステイ事業を実施できる▽報酬単価が減額となる利用者を、現行の利用開始後2年超から、3年超へと延長する―ことを明らかにした。
 
■認知症の取りまとめ案、一部委員から批判噴出
 この日は、厚労省が9月27日の前回会合で示した精神科病院に入院する認知症患者の退院目標を掲げた取りまとめ案に対し、一部の委員から批判が噴出した。
  厚労省が示した取りまとめ案には、20年度までの数値目標として、精神科病院に入院した認知症患者の半数が退院するまでの期間を、現行の約6か月間から2 か月間に短縮することが盛り込まれている。これについて西田淳志構成員(東京都医学総合研究所主任研究員)らは、退院に関する目標値のみが設定されてお り、認知症による入院を最小限にとどめるための目標値が設定されていない点を問題視。軽度の認知症患者が多く入院する可能性があるとして、さらなる検討を 求めた。これに対し厚労省の担当者は、最終的な取りまとめに向けて各構成員との調整を行っていると説明。「構成員が納得できるような合意形成を目指してい る」とした。
 
.( 2011年10月13日 23:02 キャリアブレイン )

2011年11月30日7時29分朝日新聞
こころの病に「支援法制定を」 超党派議連、1日発足

  精神疾患がある人たちを支える仕組みを充実させようと、超党派の国会議員が「こころの健康推進議員連盟」(会長・石毛エイ子〈エイは金へんに英〉衆院議 員)を12月1日に発足させる。対策の基本理念を盛り込んだ「こころの健康基本法案(仮称)」を、議員立法で来年の通常国会への提出をめざすという。
 
 基本法は、患者たちが地域で暮らし続けられる社会づくりを掲げ、国の取り組みをより推進させるのがねらい。
 
 支援する対象は、うつ病や認知症、アルコール依存症などの患者に限らず、不安定な雇用や虐待などで心に不安を抱える人を含めることも検討する。
 
「こころの健康推進議員連盟」が発足
日本テレビ系(NNN) 2011年12月2日(金)1時36分配信
 
 鬱病など精神疾患の増加を受け、与野党の国会議員が、心の健康を守る基本法の成立を目指して議員連盟「こころの健康推進議員連盟」を発足した。
 
 1日に行われた「こころの健康推進議員連盟」の設立会合には、党の代表や歴代の厚労相ら、超党派 の議員が集まった。現在、40人に1人が精神疾患で医療機関にかかっている他、自殺や引きこもり、児童虐待なども精神疾患が背景にあることが多いと言われ ている。議員からは「精神疾患をめぐる政策は不十分で、充実が必要だ」という声が上がった他、精神科のあり方について「患者の収容、隔離が日本の現実だ が、医師や看護師らのチームが患者のもとに行く訪問型の医療にすべき」という意見もあった。
 
 議員連盟は、患者や家族を支援して地域で自立した生活ができるようにする「基本法」の成立などを目指して活動していく予定。 

 【議連設立の趣旨】
うつ病や認知症など精神疾患患者数は300万人を超え急増している。
また自殺と精神疾患とのかかわりや児童期のこころの健康問題も指摘されている。
 
こころの健康と精神疾患の問題は、まさに誰でも起こりうる生命・健康及び生活にとって重大な問題である。
 
一方、こころの健康と精神疾患対策に関しては、一般医療との格差の是正、地域医療・チーム医療の推進、地域生活を支える保健福祉サービスの基盤整備や職場・学校におけるメンタルヘルスの充実など重要かつ広汎の課題が山積している。
 
精神保健医療福祉の総合化と速やかな強化・充実を図る為、こころの健康と精神疾患対策に関する基本理念や施策推進の基本となる事項を定める『こころの健康基本法(仮称)』を早期に制定することが、議員連盟設立の趣旨である。

011.11.25共同通信
日本は病気で年3兆円の経済損失 在日米商工会議所が試算


 在日米国商工会議所は25日、日本人5千人を対象にした健康意識調査に基づき、病気による労働生産性の低下で日本は年間3兆3600億円の経済的損失があるとする試算結果を発表した。うつ病など精神疾患と、肩や腰などの慢性的痛みや片頭痛が二大要因という。
 
 同会議所は、日本で初の包括的な病気コスト調査という。損失削減のため、日本は予防医療と病気の早期発見を推進すべきだとの提言もまとめた。
 
 調査は10月末から今月初め、全国の20歳以上にインターネットを通じて実施。
 
 本人の病気による経済的損失は約2兆円。介護など家族の健康問題による損失が計約1兆3600億円となった。
 
2011/11/25 17:23   【共同通信】
 

2011年11月25日14時9分朝日新聞 
ACCJ、健康維持に関する意識調査を基に疾病による経済的損失額を試算

Tokyo, Nov 25, 2011 - (JCN Newswire) - 在日米国商工会議所(ACCJ)では、この度実施した大規模な「疾病の予防、早期発見および経済的負担に関する意識調査」に基づき、疾病が日本人の労働生 産性に与える影響を分析し、日本にもたらす経済的損失額が年間3.3兆円であるとの試算を発表しました。病気やケガによって労働生産性が低下することで、 日本の競争力や経済成長にマイナスの影響をもたらします。
 また同時に、ACCJでは日本のヘルスケアの現状に関する総合的な分析を白書として取りまとめ、日 本の医療福祉政策に関する提言を発表しました。この中で、日本政府、医療関係者、企業が連携することで予防医療および病気の早期発見を推進し、病気やケガ による経済的損失を軽減するための政策を導入することを提案しています。これにより、費用対効果の高い方法で感染症や慢性疾患の多くを予防、早期発見する ことが可能となります。日本の医療制度と政策は従来、病気の予防より治療に重点が置かれてきましたが、ACCJでは、予防と早期発見を主眼とする取り組み を行うことで、生産性が高まり、医療コストの過度な上昇を抑えることにつながると考えています。
 
疾病の予防、早期発見および経済的負担に関する意識調査
ACCJでは、日本における疾病の予防、早期発見に関する実態を分析するため、疼痛(とうつう)、 精神疾患、けがまたは身体障害、慢性疾患、感染症またはウイルス感染の5つの分野に焦点を当て、大規模な意識調査を実施しました。さらに今回は、身体的お よび精神的な不調が業務にどのような影響を与えるかを明らかにするために、アブセンティーズム(病気欠勤)、プレゼンティーズム(体調が悪くても出勤する こと=疾病就業)、病気による転職、病気による退職という分類別に実態を分析しました。さらに、これらに伴う経済的損失額の合計をベースに、日本全体の経 済的損失額を試算しました。
 
<経済的損失額の内訳>
※詳細は下記URLをご参照ください。
 
また、調査結果によると、疼痛(背中、首、肩などの慢性的な痛み、偏頭痛、関節炎等)と、うつ病な どの精神疾患が、病気欠勤および疾病就労を引き起こす2大要因となっていることが明らかになりました。また、うつ病をはじめとした精神疾患は、疾病に伴う 退職または病気による収入減を引き起こす主要因となっています。
 
<労働生産性の低下や経済的損失を引き起こす要因 (疾病別)>
※詳細は下記URLをご参照ください。
 
また、調査では多くの日本人は検診、病気予防、早期発見によるメリットについて理解が不足してお り、その結果、毎日の運動や健康診断の定期的な受診といった、病気の予防および早期発見につながる日常的な対策も行っていないことを示唆しています。ま た、脳卒中や肝炎、骨粗しょう症をはじめ、疾病予防、早期発見に関する情報を入手し、適切な対策を取りたいと多くの人が考えていることもわかりました。
 
ACCJが発表した白書「競争力強化策としての健康への投資-予防医療、早期発見を通じた疾病の経 済的負担軽減のための政策提言」は、肝炎、乳がん、慢性的疼痛、医療関連感染に至るまで、27の幅広い分野をカバーし、日本人の健康の増進を図り、検診、 予防、早期発見を通じて、病気・ケガによる経済的負担を軽減するための具体的な提言が盛り込まれています。白書では、労働生産性を向上させることは、日本 経済の活性化に非常に重要だと指摘しています。また、社員の健康維持・増進を図ることが生産性の向上につながり、ひいては日本経済の成長と国際競争力を高 めるために重要とも述べています。
 
ACCJヘルスケア委員会委員長のウィリアム・ビショップは、次のように述べています。「ACCJ は今回、日本における疾病に起因する経済的損失額を初めて総合的に算出しました。また、慢性的疼痛と精神疾患が日本人の労働生産性に大きなマイナスの影響 をおよぼしていることも明らかとなりました。このような慢性疾患がもたらす経済的影響は死亡率といった統計にはあらわれていませんが、特に注目して対策を 取るべき問題だと考えます」。
 
さらにACCJヘルスケア委員会副委員長のブルース・エルズワースは、次のようにコメントしまし た。「高齢化が進む日本において、病気やケガによる経済的負担は今後もさらに増加すると考えられます。しかしながら、健康への投資を行うことで、日本は生 産性をさらに向上させ、在宅看護が必要となる年齢を引き上げ、さらに経済成長も実現させることができるのです。ACCJの調査および政策提言が、日本の医 療福祉政策および経済政策に関する議論の一助となることを願っています」。
 
<経済的損失と生産性損失の算出方法について>
 
生産性損失推定 = 病気による欠勤損失 + 疾病就業による損失 + 病気転職による損失 + 病気退職による損失
 
■病気欠勤による損失:病欠および短期の就業不能休暇の経済的価値 = [病欠日数] × [日給(年収÷240日)] × [人口乗数(実際の全国人口に近い数字を得るための乗数)]
■疾病就業による損失: 健康問題による就業中の生産性低下(例え集中力が低下し、通常の生産性を発揮できない)の経済的価値 = [前月の正常に機能しなかった時間数] × [時給(年収÷48週÷前月実稼働時間数] × [人口乗数(実際の全国人口に近い数字を得るための乗数)]
■病気転職による損失:就労中だが、健康問題のせいで過去に転職したことがあり、それが原因で減少した給与所得に相当する経済的価値 = [給与減収があった人数] X [減収の年間評価額] × [人口乗数(実際の全国人口に近い数字を得るための乗数)]
■病気退職による損失:健康問題や身体障害のせいで長期に労働不能の状態が継続している、または以前に仕事をやめ、働いてないため給与所得減収の経済的価値 = [給与減収があった人数] X [減収の年間評価額] × [人口乗数(実際の全国人口に近い数字を得るための乗数)]
 
前提条件
 
平均的な就労日数を年48週、週5日とし、合計年平均240日稼働するものとする
医療費にかかる経済的損失はこの調査の対象ではない
 
<調査の詳細>
調査方法: インターネットによる調査
調査対象者: 全国5,000人(居住地、年齢、性別は人口に比例して配分)
調査実施期間:2011年10月30日~11月2日
 
なお、ACCJ「疾病の予防、早期発見および経済的負担に関する意識調査」とACCJのヘルスケア白書「競争力強化策としての健康への投資」は以下のサイトより、全文がご覧になれます。
 
調査報告書: http://www.accj.or.jp/doclib/advocacy/Healthcare_Survey_J.pdf
ヘルスケア白書:
http://www.accj.or.jp/doclib/advocacy/HWP_J.pdf
 
<参考資料>
 
疾病の予防、早期発見および経済的負担に関する意識調査の結果(抜粋)
 
<全般>
●過去1カ月間に、就労者本人の病気、ケガにより、集中力の低下、欠勤、休職、転職など、業務への影響があったとする回答者は15.4%。
●過去1カ月間に、家族の病気、ケガにより、集中力の低下、欠勤、休職、転職など、業務への影響があったとする回答者は10.0%。
●今後10年間に懸念する病気のトップ5は、がん(36.7%)、背中、首、肩の痛み(27.8%)、脳卒中・脳疾患(23.6%)、インフルエンザ(22.7%)、糖尿病(18.0%)
 
<疾病予防>
●61.7% の回答者がたばこ税の引き上げを支持している一方、17.5%が反対しています。反対している回答者のうち67%が喫煙は健康を害するものであるが、たばこ税の増税は喫煙者にとって公平でないとしています。
●勤務先や加入している健康保険提供機関が提供する健康増進プログラムが有意義だと感じている回答者は34%にとどまっています。
●84%の回答者がワクチンは疾病予防に重要だと回答しており、87%が地方自治体や政府は、ワクチン接種/予防接種に対して助成金/補助金を支払うべきだと考えています。
●76.6%の女性回答者が骨密度検査に関心があり、59.1%がカルシウムの摂取を増やすなど、何らかの予防措置を行っています。
●80.3%の回答者が脳卒中とその予防法についてより多くの情報を得たいと考えています。
●52.6% の回答者が医療関連感染に不安を感じており、75.7%が日本政府が医療関連感染のリスク軽減に向けて国家的な対策を取るべきだと考えています。*
* WHOの定義によると、医療関連感染(HAI)とは、病棟や外来にかかわらず、在宅ケアや老人保健施設など、医療を行うすべての場所において、それまでに罹患していない病気に感染する事を指しています。
 
<早期発見>
●40% の回答者が、過去1年間に総合的な健康診断を受けたことがないことがわかりましたが、大多数の人が健康に不安を感じた場合は健康診断を受けると回答しました。
●50~79歳のハイリスクグループの日本人のうち、30%しか肝炎ウイルス検査を受けていませんが、大多数の人が無料で検査が受けられるか、毎年の健康診断に含まれていれば検査を受けると回答しました。
●40-69歳の女性の52%が過去2年に乳がん(マンモグラフィーX線)検診を受けたと回答しました。乳がん検診を受けていない回答者はしこりを感じる、あるいは毎年の健康診断で無料で検査が受けられるのであれば、乳がん検診を受けたいと回答しました。
●30-69歳の女性で、半数以上が過去2年以内に子宮頸がん検診を受けていないと回答しました。子宮頸がん検診を受けていない回答者は、健康に問題がある場合あるいは毎年の健康診断で無料で検査が受けられるのであれば、検診を受けると回答しました。
 
本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://pdf.japancorp.net/japan/clientreports/29373/1125.pdf
 

在日米国商工会議所
 
在日米国商工会議所(ACCJ)は、米国企業40社により1948年に設立された日本で最 大の外資系経済団体です。米国企業の日本における経営者を中心に、現在は約1000社を代表する会員で構成され、東京、名古屋、大阪に事務所を置いていま す。日米両国政府や経済団体等との協力関係の下、「日米の経済関係の更なる進展、米国企業および会員活動の支援、そして、日本における国際的なビジネス環 境の強化」というミッションの実現に向けた活動を展開しています。また、60以上の業界・分野別委員会を中心に活動を行い、意見書やパブリック・コメン ト、白書等を通じた政策提言や、政策や経済の動向等について年間500以上のイベントやセミナーを開催するとともに、各種チャリティー等の企業の社会的責 任(CSR)活動にも積極的に取り組んでいます。 www.accj.or.jp
 

Copyright 2011 JCN Newswire. All rights reserved.
 
(提供:JCN)
 

2011.11.21読売新聞
佐藤記者の「精神医療ルネサンス」 不満の声 続々
 
 統合失調症の誤診やうつ病の過剰診断、尋常ではない多剤大量投薬、セカンドオピニオンを求めると 怒り出す医師、患者の突然死や自殺の多発……。様々な問題が噴出する精神医療に、社会の厳しい目が向けられている。このコラムでは、紙面で取り上げ切れな かった話題により深く切り込み、精神医療の改善の道を探る。
  
 精神科医の不適切な対応の数々に、社会の厳しい目が注がれている。
 
 11月5日のヨミドクターメールマガジンで、このコーナーの予告を掲載したところ、メールが続々と届いた。東京都の男性は、うつ病で受診した病院の体験談を寄せた。
 
 主治医になったのは中年の女性医師。自ら薬をコロコロ変えるにもかかわらず、男性が、副作用が特 に強い薬の変更を求めたところいきなり豹変し、「信頼してもらわないと困る!」とヒステリックに大声を出したという。その後もこの女性医師にかかり続けた が、処方がめちゃくちゃで全く治らず、別の病院に移って1か月ほど入院したところ、あっさり寛解したという。「精神科では、名医とやぶ医者はこんなにも違 うものか」と男性は驚く。
 
 また、横浜市の70歳代の男性は、「まず精神科というものが問診だけなので、検査数値が出ないところが患者側は物足りない。『その後いかがですか?』で始まる問診にも、私のような中途半端な患者は答えようがない」と不満を寄せた。
 
 この男性は50歳代の時、2か月ほど眠れない日が続いたため、職場近くの大学病院精神科を受診し た。それ以来、20年も精神安定剤と睡眠薬を処方され続けているという。今では「睡眠薬を飲まないと1~2時間ごとに目を覚まし、つまらないイヤな夢ばか り見る。一度目覚めるとなかなか寝付けない」といい、「今後どうなるのか、薬を一生続けるのか不安でたまらない」と明かした。
 
 同様の例や訴えは、精神科の取材をしていると山ほど耳に入ってくる。頻発する精神科医の逆切れ や、あまりにも大きな力量差、ダラダラと続く投薬、科学的根拠に乏しい診断、などについては後日改めてじっくり取り上げるとして、次回以降はまず、もっと も悲惨な患者の突然死について考えてみたい。
 
 
 「精神医療ルネサンス」は、医療情報部の佐藤光展記者が担当しています。
ご意見・情報は  こちら(
t-yomidr2@yomiuri.com )へ。
 
(2011年11月21日 読売新聞)

11/11/22中国新聞
施設職員3人依願退職 三原、自宅連れ込みや入所者の金着服


  三原市の社会福祉法人が運営する施設の嘱託職員3人が、2010年6月から11年6月までの間に、知的、精神障害のある入所者女性に性的行為をしたり、入 所者から預かった金を私的に使ったりするなどの行為を理由に依願退職していたことが21日、分かった。外部から通報を受けた広島県が監査で詳しく調べてい る。
 
 同法人によると、職員は指定障害者支援施設の男女各1人と就労継続支援施設の男性。男性職員の一 人は、自宅アパートに入所者女性を連れ込み、性的行為をしたとして6月に退職。別の男性職員は10年夏に施設の敷地内で入所者女性を自家用車の中に連れ込 んだことなどを理由に10年11月に辞めたという。
 
 女性職員は、入所者女性2人から預かった金から数千円分を私的に使ったとして、10年6月に辞めたという。
 
 入所者や他の職員からの通報が職場にあり、上司が確認。3人はおおむね事実を認めたという。就業規則の違反に当たると判断し、男性理事長と幹部職員で協議し、依願退職させた。県には報告していなかった。
 
 10月下旬に外部から通報を受けた県障害者支援課は、同31日から4回監査をし、職員や入所者から事情聴取。同課は「職員の不適正事案を認識したのであれば、報告すべきだ」と指摘している。
 
 理事長は「現制度上は報告義務はない。温情で依願退職にしたが厳正に処分すべきだった」と説明。「利用者やご家族の信頼回復に向け、再発防止に全力を傾けたい」としている。(鴻池尚、門戸隆彦)

広範な差別報告 障害者県民会議
2011年11月19日 09時27分沖縄タイムス 
 
 障がい者の権利擁護を推進する条例制定に向け、障がい当事者や福祉・民間事業者らが話し合う第3回障害者県民会議(会長・高嶺豊琉大法文学部教授)が18日、県庁であった。
 
 障がいを理由にした差別や不利益を実態把握するために実施しているヒアリング内容を報告。精神障 がい者からの意見聴取では、アパートを借りたくても断られたり、地域や家族にも病気を理解してもらえない―など生活や就労、医療、教育など幅広い分野で、 差別や精神的な苦痛を受けた実態が紹介された。聞き取りを行った委員からは「障がい者には日常生活や社会的経験などの違いで、差別を差別ととらえ問題と考 える人と、差別ととらえることができない人もいる。それも理解してほしい」などの意見があった。
 
 また会議中、ある委員が発言者の話す速度が速いのでは、と要約筆記者や手話通訳者へ配慮する場面 があり、聴覚障がいがある委員が「速いですか、大丈夫ですか、ということを通訳に聞くこと自体が差別。通訳ではなく、当事者に聞いてほしい」と逆指摘し た。他の委員は「社会や生活の中で、意識しないうちに差別的な言葉が出てくることもある。こうした現状を認識することが大事」と話した。
 
 

 住宅入居に厳しさ 障害者条例、ヒアリング結果を報告
2011年11月20日 琉球新報  
   

差別事例ヒアリングの報告などが行われた第3回県障害のある人もない人も暮らしやすい地域づくり県民会議=18日、県庁
 県障害者権利条 例(仮称)の年内制定に向け作業を進める、第3回県障害のある人もない人も暮らしやすい地域づくり県民会議(高嶺豊会長)の会合が18日、県庁で開かれ た。委員ら16人が参加し、知的、身体、精神障がいの当事者らを対象にこれまで3回実施した事例ヒアリングについて担当委員が報告。いじめや雇用、住居面 での差別について意見を交わした。
 生活困難者の住宅探しを支援するレキオス倶楽部営業部長の下地雅美委員は、精神障がい当事者への聞き取りから 「障がいだけでなく母子家庭や外国人なども含めて一般物件への入居は厳しい現状がある。公営団地の入居制度も厳しすぎる。そこも含めて見直す必要がある」 と指摘した。
 県聴覚障害者協会事務局長の比嘉豪委員は、障がい者が決まった行動範囲にとどまることで社会の差別に気付かない人と、行動範囲を広 げることで差別を経験している人に分かれているとし「差別という考えをそれぞれがどう理解しているかも問題になる」と提言。高嶺会長は「その人が置かれて いる環境も含めて気を付けてヒアリングする必要がある」と答えた。
 事例ヒアリングは年末までにあと14回開催予定。県福祉保健部障害保健福祉課では12月18日まで障がい児・者と家族対象に差別事例アンケートも行う。問い合わせは同課(電話)098(866)2190。

障害者施設 多くが黒字経営に
2011年11月13日 5時44分   NHKニュース

障害者に福祉サービスを提供する事業者の経営について厚生労働省が分析したところ、2年前に報酬が引き上げられたことで経営が赤字だった事業者の多くが黒字になったことが分かりました。
 
福祉サービスを提供する事業者の報酬は、3年に1度見直されることになっています。厚生労働省が障 害者への福祉サービスを提供する事業者のうち東日本大震災で被害の大きかった地域を除く4300余りの事業者の経営状況を調べたところ、収入から支出を差 し引いた利益率は平均で9.7%となり、3年前の調査と比べて3.6ポイント上昇したことがわかりました。サービス別では、障害のある子どもを預かるサー ビスが32.1%の赤字だったのが11.1%の黒字に転換したほか、障害者が共同で生活するグループホームが6.3%の赤字から3.5%の黒字に変わりま した。一方、障害者や家族からの生活相談に応じる事業所では依然として1%の赤字となったほか、精神障害者が暮らす入所施設でも0.4%の赤字となってい ます。厚生労働省は「2年前に報酬を引き上げたことで赤字の事業者が大幅に減った」と分析してしています。

精神疾患の医療計画、うつ病と認知症に重点-厚労省検討会で方針
医療介護CBニュース 2011年11月16日(水)18時11分配信
 
 
新たに加わる精神疾患の医療計画について議論した検討会(16日、厚労省)
 
 厚生労働省の「医療計画の見直し等に関する検討会」(座長=武藤正樹・国際医療福祉大大学院教 授)は16日、現行の「4疾病5事業」から「5疾病5事業」として新たに追加する精神疾患に関し、次の計画で盛り込む医療体制の指針について議論した。厚 労省は、急増するうつ病と認知症に重点を置いた指針を作成する方針を示した。
 
 厚労省は、精神疾患の医療計画で目指すべき方向として、その特性を踏まえ、福祉との連携を強調。 「住み慣れた身近な地域で、福祉や介護、就労支援など、さまざまなサービスとも協働しながら、必要な医療が受けられる体制」とし、患者の病期や状態に応じ て求められる医療のイメージを描いた。その上で、医療計画の作成に当たっては、二次医療圏とほぼ重なる「障害保健福祉圏域」や「老人福祉圏域」などとの連 携を考慮するとの案を示した。
 
 また、精神疾患の患者数は、全体で320万人(2008年)を超え、特に、入院では認知症患者、 外来ではうつ病など気分障害の患者が、それぞれ増加しているのが目立つと指摘。このため、うつ病と認知症についての記載は、より分かりやすくなるように指 針を工夫することを提案した。
 
 委員の反対はなく、うつ病と認知症対策の重要性を強調する声が相次いだ。一方で、地域生活への移 行の難しさなどを指摘する意見も多く、「家族が受け入れを拒否することもある。精神疾患に対する偏見や差別を払しょくしてこそ、いろんな施策があり得る」 「精神疾患に関するケアマネジャーらの教育がないと、地域で実際的な対応はできないのではないか」など、受け入れ体制の充実が求められた。
 
.最終更新:11月16日(水)18時14分

2011年11月14日4時16分朝日新聞
女性患者殺害容疑、同室の女を逮捕 静岡の精神科病院

 
 静岡県富士市天間の精神科病院鷹岡病院で、入院中の女性患者(70)を殺害したとして、県警富士署は14日未明、同じ病室に入院していた富士市内の無職の女(50)を殺人の疑いで緊急逮捕し、発表した。女は容疑を認めているという。
 
 女は統合失調症で2年間ほど入院しており、同署は刑事責任を問えるかどうか慎重に調べる。
 
 同署によると、女は13日午後9時ごろ、同病院の病室内で、就寝中の女性の首をひも状のもので絞 めるなどして殺害した疑いがある。午後10時すぎ、見回りの准看護師がぐったりとしている女性を見つけた。同病院の男性医師が確認したところ、既に死亡し ており、110番通報したという。
 

同部屋の患者殺害、容疑の女を逮捕 富士の精神科病院 静岡
2011.11.15 01:22 産経新聞

 富士署は14日、殺人の疑いで、富士市に住む無職の女(50)を逮捕した。
 
 調べでは、女は13日午後9時ごろ、入院先の同市天間の精神科病院「鷹岡病院」で、同じ部屋に入院中の同市に住む無職女性(70)の首を絞めるなどして、殺害した疑い。女は調べに対し、容疑を認めている。
 
 同署によると、病院は午後9時に消灯し、その際に異常はなかったが、午後10時に同病院の准看護師が見回りに行くと、女性がぐったりしているのを発見。その後女性が死亡したため同署員が同室の女に事情を聴いたところ、容疑を認めたという。
 
 女と女性との間にトラブルがあったという情報はなく、同署で動機や殺害当時の詳しい状況について詳しく調べている。

低所得者は50円 受診時定額負担上乗せで厚労省
2011.11.9 22:17 産経新聞


 厚生労働省は9日、外来患者の窓口負担に一律100円を上乗せする「受診時定額負担制度」について、住民税非課税世帯を低所得者層と位 置づけ、負担を半額の50円とする案を社会保障審議会医療保険部会に示した。窓口での確認は、加入する健康保険が発行する「限度額適用認定証」などを活用 して行う。
 
 制度導入で得られる財源は、医療費の窓口負担が一定を超えると払い戻される「高額療養費制度」の拡充に充てる。厚労省は、低所得者の負担を軽減することで制度導入の理解を得たい考えだが、日本医師会などは制度の導入そのものに反対している。
 
 審議会で、厚労省は定額負担の上乗せをしなかった場合、1人当たりの保険料負担は健保組合で年 4400円、中小企業の従業員らが加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)で年4600円増加するとの試算を公表。定額負担上乗せで医療費がかさんでも、 上限額を超えれば高額療養費制度で払い戻しを受けられると強調した。
 
 これに対し、委員からは「定額負担上乗せは受診抑制につながる」などの反対意見が相次いだ。
 
 定額負担を財源に実施される高額療養費制度の見直しでは、払い戻しを受けられる自己負担額の上限が(1)年収300万円以下で月4万4000円(2)年収300万円超~600万円未満で月6万2000円(3)年収600万円~800万円で8万円-に引き下げられる。

2011.11.7読売新聞
「特定看護師」導入へ…一部の医療行為容認
 
 厚生労働省は実務経験と専門知識がある看護師に床ずれの患部の処置など高度な医療行為を認める「特定看護師(仮称)」の制度を導入する方針を固め、7日の同省検討会に骨子案を示した。
 

 来年の通常国会に保健師助産師看護師法の改正案を提出する方針。
 
 看護師が診療行為を担うことで、質の高い医療を広く提供することが狙い。床ずれで壊死(えし)し た組織の切除や脱水症状がある場合の点滴などを、医師の大枠の指示の下ですることを「特定行為」として認める。5年以上の実務経験を持つ看護師が8か 月~2年程度の専門教育を受け、国家試験に合格することを条件とする。
 
 現在の法律でも看護師に「診療の補助」は認められているが、範囲があいまいで、医療機関によって実施内容は異なっていた。新制度では、「特定行為」について法律上に明確に位置づける。
 
(2011年11月7日11時15分  読売新聞)
 
 
 
2011.11.7毎日新聞
特定看護師制度:医師の指示下で切除や点滴OK 厚労省案

  厚生労働省は7日、看護師が従来の看護業務より高度な医療行為を行う「看護師特定能力認証制度」(特定看護師制度)の骨子案を同省の検討会で示した。床ず れで壊死(えし)した組織の切除や脱水症状の患者への点滴といった「特定行為」を、医師の指示の下で実施できるとした。5年以上の実務経験と専門の研修を 受け国家試験に合格することが条件。来年の通常国会に保健師助産師看護師法改正案を提出する方針。
 
 経験豊富な看護師が医師の業務を補助することで、医師の負担を軽くし医療の質を高めるのが狙い。現行法でも、看護師は医師の指示があれば診療の補助ができると定めているが、その範囲が明確でないため、医療機関によって実施している医療行為にばらつきがあった。
 
 特定行為の内容は、各地の医療機関で実施しているモデル事業の状況を踏まえて、さらに検討し、同法で明確に位置づけるという。
 
 委員からは「特定行為の具体的内容を決める前に制度導入を前提とした議論が進むことは疑問」という慎重論がある一方で、「患者の高齢化や地域による医師の偏在などに対する対策は急務で、現場のニーズも高い」として早期導入を求める意見もあった。【佐々木洋】
 
毎日新聞 2011年11月7日 21時57分
 
  

「特定看護師」導入へ 一部の医療行為容認
2011.11.7 21:28 産経新聞


 厚生労働省は7日、高い能力と実務経験を持つ看護師に、医師の補助として高度な医療行為を認める「特定看護師(仮称)」の導入を決め、 具体的な基準を盛り込んだ骨子案を検討会に示した。特定看護師が実施可能な医療行為(特定行為)は、床ずれで壊(え)死(し)した組織の切除や、脱水症状 の際の点滴などが想定されているが、詳細は今後検討していく。
 
 厚労省は、看護師など医療スタッフの役割を広げ、連携して治療にあたる「チーム医療」を推進して おり、今回の制度導入はその一環。背景には、医療の高度化や患者の高齢化で、医療現場の負担が増えていることがある。高い能力を持つ看護師が医療の一部を 担うことで、質の高い医療を広く提供することを狙いとしている。
 
 看護師の医療行為については、現行法でも医師の指示の下、「診療の補助」として行われているものもあるが、範囲があいまいで、医療機関によって実施内容が異なっていた。
 
 新制度では、特定看護師が行える「特定行為」を定義。5年以上の実務経験があり、8カ月~2年程度の専門研修を受け国家試験に合格し、認証を受けた特定看護師は、医師の大枠の指示の下、自主的な判断で「特定行為」を行うことを可能にする。
 
 厚労省は保健師助産師看護師法改正案を来年の通常国会に提出、早ければ平成25年度の開始を目指す。
 
 ただ、「特定行為」の具体的内容をめぐっては、この日開かれた厚労省の検討会でも、委員から「法 律で明確に規定することで、現在看護師が行っている医療行為が行えなくなる可能性もあり現場が混乱する」などの意見も出された。日本医師会などは「患者へ の安全性が損なわれる」などとして、特定看護師の導入自体に反対しており、議論は今後も続きそうだ。

「1カ月160時間の時間外労働」で労災認定 継続的な身体接触のセクハラも 厚労省、基準見直しへ
2011.11.8 18:49 産経新聞


 長時間労働など仕事が原因で精神疾患になった場合の労災認定について話し合ってきた厚生労働省の専門検討会は8日、労災認定につながる 心理的負荷(ストレス)の具体的事例を示した評価表などを記載した報告書を公表した。今後、報告書を基に認定基準を見直し、年内にも全国の労働局に通知、 新たな基準による労災の審査を始める。
 
 精神疾患が原因の労災請求件数は、平成10年度に42件だったが、22年度には1181件になる など近年大幅に増加。審査に平均約8.6カ月を要するようになり審査期間を早める必要が出てきたことが基準見直しの背景にある。厚労省は、見直しで審査を 約6カ月に短縮できると見込んでいる。
 
 報告書では、精神疾患につながる具体的なストレス強度を「強」「中」「弱」の3段階に分類。それ ぞれ具体的事例を示し、「強」と判断された事例は、その事実だけで基本的に労災が認められることになった。「中」の事例についても、複数の事例が重なった 場合などは総合的に判断し、労災認定される。
 
 長時間労働は、これまで具体的な時間が示されていなかったが、今回は時間外労働時間で明示。1カ月で160時間以上▽3週間で120時間以上▽連続2カ月間で1カ月当たり120時間以上▽連続3カ月間で1カ月当たり100時間以上-などを「強」とした。
 
 このほか、急に仕事量が変化して労働時間が増加、1カ月に100時間以上の時間外労働となり、その後も業務に多大な労力を費やしたケースは「強」。1カ月で80時間以上の時間外労働や、2週間以上の連続勤務などは「中」とした。
 
 業務上のストレスは「悲惨な事故や災害を体験、目撃した」「重大な仕事上のミスをし、責任を感じ た」「達成困難なノルマを課せられた」「転勤した」「業務に関連し違法行為を強要された」などできごとそれぞれに具体的な事例を示し、ストレス強度を設 定。これまで「対人関係トラブル」の一つだったセクハラは独立し、強姦やわいせつ行為に加え、胸や腰などへの継続的な身体接触などもストレスは「強」とさ れた。
 
 過労死問題に詳しい川人博弁護士は「労災の判断に必要な具体的事例が示され、わかりやすくなったことは前進」と評価。その上で「脳や心臓の疾患では1カ月80時間の時間外労働で労災認定されており、精神疾患のハードルは高くなっている」と指摘している。

2011.11.2キャリアブレイン
【中医協】認知症入院料、30日以内を評価- 厚労省が提案
 
 中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・東大大学院教授)は11月2日の総会で、精神科 医療をめぐり議論した。認知症患者に関しては、行動・心理症状(BPSD)が入院後1か月でほぼ改善している状況を踏まえ、厚生労働省は入院早期(30日 以内)の評価を提案した。
 
精神科医療をめぐり議論した中央社会保険医療協議会総会(11月2日、厚生労働省内)
 
 同省が示した精神科医療をめぐる論点は、認知症のほか、▽身体疾患のある精神疾患患者の救急医療▽精神療養病棟▽地域移行―など計5つ。
 
 認知症患者に対する入院医療を評価する認知症治療病棟入院料は現在、報酬が高い入院60日以内と 報酬が低い61日以上の2段階に設定されている。2010年度改定では、それまで90日を境に設定していた区分を60日に見直した上で、入院60日以内を より優遇する報酬設定を行った。
 同省は認知症患者の早期退院を促進したい考えだが、同入院料の算定で入院期間が60日以内のケースは1割程度に とどまっている。さらに、認知症患者が病院に入院する理由は「BPSDの対応が困難」が大半を占めるが、BPSDは入院後1か月あればほぼ改善するとされ ることから、同省は「BPSD対応について、入院早期(30日以内)の評価」を論点に挙げた。
 
 同省がこの日公表した医療経済実態調査の結果によると、精神科病院の10年度の損益率が09年度に比べて悪化していることが分かっており、鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は、30日よりも長い期間の報酬を引き下げないよう求めた。
 
 このほか同省は、認知症をめぐる論点として、10年度改定で新設された「認知症専門医療機関連携加算」に関する評価の在り方や、長時間の重度認知症患者デイ・ケアを行った場合の評価の在り方などを示した。
 
( 2011年11月02日 21:58 キャリアブレイン )

【中医協】精神科入院の重症度評価を検討-厚労省が論点提示
医療介護CBニュース 2011年11月2日(水)21時20分配信
 
 
中医協総会では、精神療養病棟入院患者の重症度に応じた評価について検討した(11月2日、厚労省内)
 
 中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・東大大学院教授)の総会が11月2日に開かれ、 2012年度診療報酬改定に向け、精神療養病棟への入院患者の重症度に応じた評価について検討した。精神疾患の重症度を表す「GAFスコア」が40以下の 患者の受け入れを評価する「重症者加算」を10年度報酬改定で新設したところ、GAFスコア30以下のより重症な患者の受け入れが進んだことを踏まえ、厚 生労働省は重症患者の受け入れに対する評価を論点に挙げた。
 
 10年度報酬改定では、精神療養病棟入院料について、重症度に応じた評価を導入。同入院料を40点引き下げる代わりに、入院患者のGAFスコアを毎日評価し、40以下であれば「重症者加算」(一日につき40点)を上乗せして算定できる仕組みにした。
 
 改定前の09年6月30日時点と、改定後の今年6月30日時点の精神療養病棟入院患者のGAFス コアを調べた厚労省の調査によると、GAFスコア40以下の患者が全体に占める割合は、共に94.1%で横ばいだった。一方、30以下の患者が占める割合 は、40.6%から55.8%に増えており、より重症な患者の受け入れが進んでいた。
 
 意見交換では、10年度改定で重症度に応じた評価を導入したことへの反対はなかった。ただ、支払 側の白川修二委員(健康保険組合連合会専務理事)は、入院患者のほとんどがGAFスコア40以下だったことに触れ、「重症者というのは、GAFスコア40 以下というのが正しいのか」と問題提起した。厚労省側は、GAFスコアが 40以下だと、コミュニケーション能力などに欠陥があり、通常の社会生活を送るのが難しいレベルだと説明した。
 
.最終更新:11月2日(水)21時20分

【中医協】睡眠薬多剤投与でマイナス評価も
医療介護CBニュース 2011年11月2日(水)22時11分配信
 
 厚生労働省は11月2日の中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・東大大学院教授)の総 会に、睡眠薬や抗不安薬を3種類以上処方した場合の報酬の在り方を論点として提示した。「多剤処方した場合に、何らかのディスインセンティブを付ける」 (厚労省)ことも視野に入れた提案で、特に反対意見はなかった。
 
 海外のガイドラインでは、抗精神病薬や抗うつ薬の単剤投与が推奨されており、厚労省は多剤投与の抑制を図りたい考え。そのため、3種類以上を医療機関が処方したり、保険薬局が調剤したりした場合の報酬について、処方料や調剤料、加算の「見直し」も含めて整理する。
 現行制度では、抗精神病薬を投与する場合を評価する非定型抗精神病薬加算で、2種類以下の報酬を3種類以上の場合より高く設定しているが、これは統合失調症患者への投与に限定されている。
 
 意見交換では、診療側、支払側の双方から多剤投与の問題点を指摘する発言が上がった。診療側の安 達秀樹委員(京都府医師会副会長)は、「精神科領域の診断が難しく、多岐にわたるので、多剤投与に傾いている」と指摘した上で、「単剤で使える向精神薬が 極めて高価で、患者の自己負担が高くなって使いきれない場合があるのも事実。これをどう考えるかという視点も必要」と述べた。
 
.最終更新:11月2日(水)22時11分

2011.10.30毎日新聞
名医の条件:静岡県立こころの医療センター院長・平田豊明さん
 ◇チーム医療で自殺防止
  心の病に苦しむ人が急増している。静岡県立こころの医療センター(静岡市)の平田豊明院長(61)は、患者を初期段階で集中的に治療して、できる限り早く 地域に戻すことを目指す。精神科救急医療の草分け的存在の平田さんに「名医の条件」を聞いた。【奥山智己、写真・塩入正夫】
 
 --全国に先駆けて、85年に千葉県精神科医療センターの精神科救急開設にかかわりました。
 
 ◆それまでは大きな病院に患者を詰め込んで、治らない人を収容するタイプが主流でした。センター は救急治療を重点的に行うモデル病院を目指しました。40床で24時間365日、患者を受け入れ、1、2カ月で治して社会に戻すことを目指しました。病床 数が少ない分、1人の患者に多くの看護スタッフを配置し、集中的に治療できます。急性期の患者は即断即決で治療を始めないと脳にダメージが残るため、迷っ てはいられません。静岡でも伝統的な県立精神病院を、救急対応を強化した病院に再編中です。
 
 --最近はどんな患者が増えていますか。
 
 ◆救急外来では、患者の質は随分変わりました。昔は半分以上は重症の統合失調症やそううつ病の人 でしたが、都市化が進むにつれ、パーソナリティー障害が目立ち、典型的な精神病は少なくなりました。若い患者に「非定型うつ病」と呼ばれるような、教科書 に載っていないケースが増えています。
 
 ◇固定的な目で見ないように
 --診療で心掛けていることは。
 
 ◆精神科は勘や経験に頼らざるを得ないところがあり、迷う場面はほかの診療科よりも多いと思いま す。ここ数年は薬物療法が進歩してきましたし、患者の社会生活を支援するような治療も多様化しています。固定的な目で見ないように心掛けているつもりで す。自分の病院だけでなく、ほかの病院や学会、研究会などに出掛けてさまざまな人と話したり、病院を見せてもらったりして、五感で吸収するようにしていま す。
 
 --どんな苦労がありますか。
 
 ◆医者になって2年目くらいのころは、「目の前の患者さんを何とかしたい」と意気込んでいたんで す。統合失調症でほとんど話さない人だったんですが、イエス、ノーは言ってくれたので、居住環境の悪い閉鎖病棟ではなく、開放病棟でのんびり治療しようと いう話をして移したら、数日後に高台から飛び降りたんです。一生懸命治療して、いったん良くなった人に自殺されるのが一番つらい。
 
 --自殺者のうち、9割が何らかの精神疾患を持っていたと言われます。
 
 ◆精神科の医療が救わねばならない自殺が少なくとも二つあると思います。一つは典型的なうつ病患 者によるもの。それから、統合失調症の急性期の混乱状態によるもの。リスクを早めに察知して手当てをするため、精神科救急システムが大事だと思っていま す。しかし、今の救急システムは症状が相当重くなってからでないと、引っかかってこない。電話相談から始まって、早めに患者の自宅近くで夜間や休日も精神 科医が診るシステムを作らなければならない。通院患者の自殺を少しでも減らすことも大事です。
 
 --外来には患者が押し寄せ「5分診療」とも言われています。
 
 ◆うつ病の患者は、遠慮深い人が多く、つらいことをなかなか言ってくれない。「先生は忙しいでしょうから早く帰ります」と、すぐ帰ってしまう患者もいます。医師と患者が一対一となる診療では、自殺リスクが見逃される率は高いと思います。
 
 --どうやって救うことができますか。
 
 ◆例えば診察後に看護師や薬剤師、精神保健福祉士らと話をするという場面で、実はこういう苦しい 状態なんだと分かることもあります。ちょっとしたことが生死の分かれ目になるので、それを見極めるためには、外来もチーム医療にしなくてはいけない。入院 治療を中心にやっていますが、今後は在宅訪問診療や外来にもチームを作っていかなければならないと思います。
 
 ◇スタッフの能力、最大限引き出す
 --チーム医療がカギとなりそうですね。
 
 ◆特に重症や救急の患者を診るような現場では、チームで困難に立ち向かうことが大事です。チーム の中には患者も含まれます。患者やその家族もチームの一員であるという考え方で医療ができて、それぞれのスタッフが最大限の能力を発揮できるようにチーム を引っ張っていくのが名医だと思います。診療所の場合は、治療技術に焦点が絞られます。できるだけ少ない薬の量で、最大の効果を発揮するよう処方や手当て をすることです。=「名医の条件」は随時掲載します
 
 ◇精神疾患の患者数「5疾病」中、最多
 厚生労働省は7月、がん、脳卒中、急性心筋梗塞(こうそく)、糖尿病の「4疾病」に、新たに精神疾患を加えて「5疾病」とすることを決めた。医療法に基づく指定で、都道府県が5年に1度見直す医療計画に対策が盛り込まれ、医療体制の充実が図られる。
 
 精神疾患にはうつ病など気分障害のほか、統合失調症や認知症などが含まれる。厚労省の調査では、08年の患者数は約323万人。最も患者数が多い糖尿病の237万人を大きく上回り、がん患者(152万人)の約2倍に上る。
 
 中でもうつ病など気分障害の患者は104万人で、96年の2・5倍近くに増えている。アルツハイマー型の認知症は24万人で96年の12倍となった。
 
 一方、精神疾患による死亡者数は09年で1万1000人。糖尿病の1万4000人を下回っているものの、3万人を超える自殺者の約9割は何らかの精神疾患にかかっていた可能性があるとされており、それも含めると死亡者数は4万人近くになる。
 
 厚労省によると、自殺やうつ病での失業などによる09年の経済的損失額は推計で約2・7兆円。うつ病は発見が遅れて症状が悪化するケースがあり、職場のメンタルヘルス対策も急務だ。
 
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 ■人物略歴
 
 ◇ひらた・とよあき
 1950年新潟市生まれ。千葉大医学部卒。千葉県銚子市立病院、同県精神科医療センター医療局長などを経て、06年から現職。
 
毎日新聞 2011年10月30日 東京朝刊

職場 メンタルヘルス対策義務化へ
2011年10月24日 18時8分 NHKニュース 

仕事上のストレスが原因でうつ病などになる人が増えるなか、厚生労働省は事業者に対し、すべての従業員にストレスに関する検査を受けさせるなどのメンタルヘルス対策を義務づけることを決め、今の臨時国会に法律の改正案を提出することになりました。
 
24日は厚生労働省の審議会が開かれ、法律の改正案が示されました。それによりますと、事業者はメ ンタルヘルス対策が義務づけられ、医師や保健師が行うストレスに関する検査をすべての従業員に受けさせることになります。さらに、従業員が希望すれば専門 の医師の診察を受けさせるほか、医師の助言を受けたうえで勤務時間の短縮や部署を変えるなどの改善策を取ることも求められています。過剰なノルマや上司の 厳しい叱責など、仕事上のストレスでうつ病などになり、労災を申請する人は年々増加し、昨年度、労災を申請した人は過去最多の1181人と、10年前のお よそ6倍に上っています。一方で、厚生労働省によりますと、従業員がうつ病などにかかるのを防いだり、重症化を食い止めるため何らかの対策をとっていたの は、去年の時点で調査した企業の半数にとどまっていて、企業のメンタルヘルス対策が課題となっていました。厚生労働省は、今の臨時国会に労働安全衛生法の 改正案を提出し、早ければ来年の秋から実施したいとしています。
 
過剰なノルマや上司の嫌がらせといった仕事上のストレスが原因でうつ病などになり労災を申請する人 は年々増加し、昨年度は過去最多となる1181人と、10年前のおよそ6倍に上っています。労災と認定された人も、昨年度はこれまでで最も多い308人と なっています。厚生労働省が所管する労働政策研究・研修機構が去年、全国の5000余りの事業所を対象に行った調査では、うつ病などを患っている従業員が いる事業所は全体の57%に上る一方、専用の相談窓口を設けるなど何らかのメンタルヘルス対策をとっているのは半数にとどまっていました。このうちストレ スに関する検査を行い、うつ病などにかかるのを防いだり重症化を食い止める対策を実施しているのは僅か21%でした。厚生労働省は「規模の小さな会社ほど 専門的なスタッフがいないなどといった理由からメンタルヘルス対策が遅れている。今回の法改正によって、精神的な不調に陥る労働者の増加に歯止めをかけた い」としています。
 
従業員のストレスに関する検査について、厚生労働省は具体的な検査方法の例を示しています。最近1 か月の心の状態や職場の人間関係などについての質問に答えてもらい、医師や保健師がストレスの強さを判断します。例えば心の状態を検査する項目では「何を するのも面倒」、「気分が晴れない」といった質問について4段階で評価していきます。そして、項目ごとの点数の合計が一定の基準を超えると、強いストレス がかかっていると判断されます。結果は従業員本人に通知され、希望すれば精神科医など専門の医師の診察を受けることができます。また、事業者側は、医師の 助言を受け勤務時間の短縮や部署を変えるなど、必要な改善策を行うことになります。

時間外120時間で労災、精神障害認定で新基準 直前3週間
2011/10/22 1:00 日本経済新聞

 長時間労働によるうつ病などを労災と認定する基準について、厚生労働省の専門検討会は21日、「発症直前の3週間で約120時間以 上の時間外労働」があった場合は「心身の極度の疲弊、消耗をきたし、うつ病などの原因となる」と認める報告書をまとめた。職場のセクハラで発症した精神障 害も労災認定しやすくする。同省は年度内にも新基準を実施する方針。
 
 報告書では基準を明確にすることで審査が早くなり、精神障害の労災認定の審査期間を現在の平均約8.6カ月から約6カ月に短縮できるとしている。
 
 報告書が示した新評価表は、業務による心理的負荷を総合評価する際に「強」と判断する要因の一つ である「極度の長時間労働」の具体例を挙げた。うつ病などの発症直前1カ月に約160時間を超えるか、3週間に約120時間以上の時間外労働をした場合と 明記。同省は「その事実だけで基本的に労災と認定されうる」としている。
 
 1カ月に80時間以上の時間外労働をした場合の心理的負荷は「中」。この場合はその他の項目を含め総合的に評価する。
 
 セクハラの心理的負荷は「対人関係のトラブル」に含んでいたが、新評価表では独立の項目とし、 「弱」から「強」までの段階ごとに負荷の内容を例示した。「胸や腰などへの身体接触を継続して行われた場合」などは「強」と評価し、精神障害を発症した場 合、労災と認定しやすくなる。
 

うつ病など審査迅速化の基準
2011年10月22日 9時26分   NHKニュース

仕事上の強いストレスが原因でうつ病などに追い込まれたとして、労災を申請する件数が増加し、審査に時間がかかることから、厚生労働省は審査を迅速化するための新たな基準案を示しました。
 
長時間労働や過剰なノルマなど、仕事上のストレスが原因でうつ病などになったとして、労災を申請す る件数は年々増加し、昨年度、労災と認定されたのは308人と10年前の8.5倍に上っています。しかし、申請の増加に伴って1件当たりの審査期間が平均 で8.6か月と審査に時間がかかることが課題となっています。そこで21日開かれた厚生労働省の検討会では、審査の新たな基準案が示されました。それによ りますと、時間外労働や仕事のノルマなどストレスの度合いをチェックする項目を、これまでの43から36に減らしたうえで、例えば2か月連続で月120時 間以上働いた場合のストレスは「強」、1か月に80時間以上では「中」など、具体的な数値や事例を示して、「強」、「中」、「弱」の3段階でチェックする としています。さらに総合的に判断するとしていたこれまでの審査を改めて、1つでも「強」と評価されると労災と認定するしくみです。うつ病などの労災認定 の審査基準が見直されるのは2年ぶりで、厚生労働省は早ければ今年度中にも新たな基準を導入して審査期間を短縮したいとしています。

2011.10.22毎日新聞
労災認定基準:仕事が原因の精神疾患 基準明確化求める
 
長時間労働でうつ病になるなど、仕事が原因で精神疾患になった場合の労災認定基準について、厚生労働省の専門家検討会は21日、発症のきっかけとなる具体的な事例を盛り込み、基準を明確化するよう求める報告書をまとめた。
 
 長時間労働について初めて具体的数字を示し、1カ月の時間外労働が120時間以上なら「強い精神 的負担があった」とみるなどの内容。「非正規社員である自分の契約満了が迫った」の項目も判断要素に加える。認定審査を早く進めるのが狙いで、厚労省は報 告を基に基準を見直し、年度内にも実施する方針。
 
 報告書は「1カ月に80時間以上の時間外労働をした」などの項目を、労災と認める基準に新設。80時間以上なら精神的負担は中程度、120時間以上になれば強い負担があったとみて、その上で判断するとした。「2週間以上連続勤務をした」も項目に加えた。
 
 さらに、負担が極めて大きい「特別な出来事」として(1)1カ月に160時間を超える時間外労働 をした(2)生死に関わる業務上の病気やけがをした(3)業務に関連して他人を死亡させた--などを挙げた。このケースについて、厚労省は「その事実だけ で労災と認定され得る」としている。
 
 基準の明確化で、現在平均で約8・6カ月かかっている精神疾患の審査が約6カ月に短縮できるとしている。
 
毎日新聞 2011年10月22日 12時29分
 
 

■EMDR 心の傷 目の運動で回復
 2011/10/16 読売大阪 朝刊 生活C面(くらし健康・医療)
 
 つらい記憶を和らげる「EMDR」(眼球運動による脱感作と再処理法)という心理療法が注目され ている。災害や事故、犯罪被害、性暴力などトラウマ(心の傷)になった体験を思い出しながら、眼球を左右に動かすという、わりあい簡単な方法で、高い効果 が認められている。(編集委員 原昌平)
 
 ●セピア色に
 治療者は手の指を2本立てて横に振る。1秒に2往復ぐらいの速いペースだ。治療を受ける人は、それを目で追いながら、過去のいやなできごとを振り返る。
 25~30往復で1セットが終わり、心に浮かんだ場面や身体感覚の変化を治療者が尋ねる。必ずしもつらい体験を詳しく語る必要はない。これを重ねるうち、心の苦痛が軽くなるという。1回の治療(60~90分)で数~数十セットを行う。
 「記憶が消えるわけではなく、記憶をちゃんと過去のものにする。生々しかった映像が、セピア色に変わるような感じです」
 日本EMDR学会理事長の兵庫教育大教授、市井雅哉さん(50)(臨床心理士)は、そう説明する。
 治療の途中では、自分を責めず、肯定的な考えを持てるよう助言することもあるが、カウンセリングとは違い、あくまでも眼球運動がポイントだという。
 
 ●軽い負担
 EMDRは、米国の臨床心理士フランシーン・シャピロ(女性)が公園を散歩中、左右に目を動かすと気分が楽になったことで効果に気づき、その後、実地にデータを取って1989年に発表した。
 新しい技法だが、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に有効として多くの国で認められている。
 PTSDに以前から行われてきたのは「曝露(ばくろ)療法」。原因になった体験を詳しく語り、苦痛に慣れる方法だ。
 それに比べ、EMDRは、不快な体験すべてを言葉にしなくてよいので、精神的な負担が軽く、治療にかかる期間も短い。市井さんは、阪神大震災の時に試み、効果の高さを実感して普及に努めてきた。
 「体験から2~3か月経ているほうがよいが、災害のように1回の体験が原因なら、1回~数回の治療で9割以上の人が回復します」という。
 市井さんは5月に宮城県へ行き、津波への恐怖や無力感に苦しむ人を治療した。ただ、経験豊富な治療者が少ないこともあり、東日本大震災では、あまり活用されていないのが現状だ。
 
 ●処理促す?
 目の動きがなぜ心に効くのか。仕組みはよくわかっていないが、右脳と左脳の連絡と、記憶の処理が関係すると考えられている。
 「眼球が動く『レム睡眠』は、おそらく昼間の体験を脳内で整理して記憶に移すプロセス。それと同様に、意図的な眼球運動で、不自然な状態にあった体験が適切に処理されるのではないか」と市井さんはみている。
 左右両側への交互の刺激なら、肩やひざを軽くたたく、音を聞くといった方法でも、同様の効果があるという。
 
 ●広がる応用
 PTSDだけでなく、心理的な苦痛を伴う様々な問題に、EMDRを使える ことがわかってきた。各種の恐怖症、抑うつ、不安、パニック障害、虐待やいじめを受けた子ども、発達障害、ひきこもり、終末期ケア、死別ケアなどだ。将来 は暴力や性犯罪の衝動コントロールに役立つかもしれないという。
 リスクはどうだろう。
 複雑な心理的問題が潜んでいる場合は、予期しない反応が起こりうるので、治療は、しっかり訓練を受けた専門家が行う必要がある。また犯罪被害者の場合は、裁判で証言する際に迫力が薄れる可能性を考えておくべきだという。
 
 ◆EMDRを受けるには
 医療機関、心理療法施設、大学の一部で行われている。医療保険は通常使えず、1回に1万円前後かかることが多い。日本EMDR学会は、医師または臨床心理士で訓練を積んだ人を資格認定する制度を設け、治療者リスト(全国約300人)をホームページ(
http://www.emdr.jp/)で公開している。
 
 〈PTSD〉
 災害、事故、犯罪被害などを体験した人の一部に生じる。フラッシュバック(再体験)、できごとに関係する場面の回避、不眠などが1か月以上続く場合を指す。発生後1か月以内の症状はASD(急性ストレス障害)と呼び、PTSDに発展せずに消失することも少なくない。
 
 ◆写真=眼球運動による心理療法を行う市井さん。1秒に2往復ほどの速さで指を左右に振る(神戸市中央区の兵庫教育大神戸サテライトで)=守屋由子撮影 
 

2011.10.19毎日新聞
  後見制度:悪用10カ月で182件 最高裁調査
 認知症高齢者や精神障害などで判断力が不十分な人の財産管理を代理する後見制度を悪用して親族が 財産を着服するケースが、昨年6月~今年3月の10カ月間で182件に上ることが最高裁家庭局の初の調査で分かった。被害総額は計約18億3000万円。 不正防止のため最高裁は、信託銀行への信託制度を活用した財産保護策を導入する方針だ。
 
 後見制度の利用は00年のスタート以降、制度の浸透や高齢化の加速に伴い年々増加。成年後見の申 立件数は00年に5513件だったのが、10年には2万4905件に達し、家裁から後見人として選任された親族が財産を私物化し、預金を勝手に引き出すな どの不正も問題化してきたという。
 
 全国の家裁は、財産管理が不安視される場合、弁護士や司法書士といった専門職を後見人に選任する運用を進めている。だが、家裁が業務上横領容疑などで告発し、逮捕される悪質事例も増える傾向にあるため、さらなる防止策の必要性が内部で議論されてきた。
 
 今回、最高裁が導入を決めたのが「後見制度支援信託制度」。被後見人の財産のうち、日常使用しな い分を信託銀行などに信託財産として預け、日常生活などに必要な額を預貯金の形で後見人が管理する仕組み。後見人が信託財産から引き出すためには家裁の了 承を必要とし、高額な支出を事前にチェックするという。
 
 家庭局は「後見制度への信頼が揺らぎかねない中で、信託制度のような不正の事前防止策が重要だ」と説明している。【石川淳一】
 
 ◇後見制度
 00年に介護保険制度とともにスタート。認知症や知的障害、精神障害などで 判断力が不十分な人に対する成年後見と、親権者が死亡した未成年者に対する後見があり、財産管理や生活上の契約などを後見人が代理する。成年後見には、親 族や市町村長の申し立てで家裁が後見人を選任する「法定後見」と、本人が判断力が衰える将来に備え契約を結んでおく「任意後見」がある。今年、愛知県で、 後見人に選任された弁護士が被後見人の男性の定期預金を解約するなどして約1500万円を着服したとして逮捕される事件も起きた。
 
毎日新聞 2011年10月19日 23時09分
 

2011.10.18毎日新聞
茨城県立こころの医療センター:ボランティアが活躍 20人が院内を案内 /茨城

 
◇開かれた中核病院目指し
 
今月から新病棟がオープンした笠間市の「県立こころの医療センター」(土井永史院長)で、来院した患者のサポートを行うボランティアグループの活動が始 まった。同病院が掲げる「地域に開かれた中核病院」を目指した取り組みの一環で、精神科病院内でボランティアが活動するのは珍しいという。
 
 ボランティア導入は、「精神科病院の敷居を低くしたい」と福祉連携サービス部の石川美恵子部長が提唱したことで実現した。誰にでも親しみやすく、何かあればすぐに相談できる病院とすることで、早期治療ができる環境作りにつなげることが目的だ。
 
 正面玄関を入ると、赤いエプロンを着けた男性や女性が患者を出迎える。ボランティアグループ「ほ ほえみ」だ。メンバーは民生委員や元保護司約20人。交代制で2~3人が、午前9時から午前11時までと午後1時から午後3時まで、診察室への案内などを 行う。ボランティアの朝倉栄一さん(80)は「案内をすると、患者さんも『ありがとう』と言ってくれ、人の温かさが伝わっていると感じる」と話す。
 
 ボランティア導入後、外部の風を入れることによる変化が病院内で見られるようになってきた。ボランティアの指摘を受けて、オープン当初はロビーに置いていなかったJRの時刻表を常備したほか、トイレの案内板も見やすく設置した。
 
 石川部長は「ボランティアによるアドバイスで病院が改善してきている」と手応えを実感している。土井院長は「外部の人が入ることで病院がガラス張りになり、開かれたものになる」と話している。【杣谷健太】
 

毎日新聞 2011年10月18日 地方版

2011.10.12毎日新聞
精神障害者自立支援活動賞:候補を募集

 NPO法 人、地域精神保健福祉機構・コンボは、社会参加を目指して活動する精神障害者や支援団体を表彰する「第8回精神障害者自立支援活動賞(リリー賞)-ひとり ひとりの輝くあしたへ-」の候補者を募集している。応募資格は、自立に向けた活動を1年以上続ける当事者か自助グループ。2組に表彰状と副賞100万円を 授与する。申込用紙をコンボのホームページ(
http://www.comhbo.net)でダウンロードし、活動資料を同封して、〒272-0031 千葉県市川市平田3の5の1、トノックスビル2階、コンボ・リリー賞募集事務局へ郵送する。12月31日消印有効。来年3月に授賞式を開く。問い合わせは事務局電話047・320・3870。
 
毎日新聞 2011年10月12日 東京朝刊

2011.10.13読売新聞
外来患者受診料、一律100円上乗せ…厚労省案

    厚生労働省は12日、外来患者の窓口負担に一律100円を上乗せする「受診時定額負担制度」を導入する案を社会保障審議会(厚労相の諮問機関)医療保険部会で提示した。
 
 1か月の医療費の自己負担が一定額を超えた場合に払い戻しを受ける高額療養費制度で、がん患者が受ける長期高額医療などの負担軽減に充てる考えだ。同省は年内に結論を得て、来年の通常国会に関連法案の提出を目指す方針だ。
 
 受診時定額負担は、初診や再診のために病院を訪れる全ての患者が負担するものだ。一律100円負 担が導入されれば、例えば、医療費5000円の一般の患者は、3割負担の1500円と一律100円の計1600円を負担することになる。定額負担を導入し た場合の増収額は約1300億円と見込んでいる。
 
(2011年10月13日 読売新聞)


2011.10.7共同通信
世界で4人に1人が精神疾患に WHO、対策強化呼び掛け

 【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)は7日、世界でほぼ4人に1人が一生のうちにうつ病など何らかの精神疾患にかかり、患者の約半数が14歳になる前に症状が現れ始めるとの統計を発表した。
 
 先進国ではメンタルヘルス対策が講じられるようになったが、発展途上国では、適切な治療を受けているのは5人に1人の割合でしかないと指摘。加盟国に取り組みの強化を求めている。
 
2011/10/07 23:45   【共同通信】

2011.10.4毎日新聞
認知症:介護に医療の手 自宅や施設、精神科医師が往診 症状改善、入院回避へ

 徘徊(はいかい)や暴力が激しく、家族や施設で支えきれずに、精神科に入院する認知症の高齢者が増えている。一方で、自宅や施設で暮らし続ける取り組みも出てきた。精神科の医師による認知症高齢者の訪問診療の現場を訪ねた。【山崎友記子】
 
 「こんにちは、調子はいかがですか?」
  千葉県香取市にある高齢者福祉施設「杜(もり)の家」。入居する認知症のお年寄りに声をかけるのは、往診に来た精神科病院「海上寮療養所」(旭市)の上野秀樹副院長(48)だ。
 上野医師は月に1回程度、杜の家を訪ね、施設の看護師らから一人一人の心身状態や生活の様子を時 間をかけて聞き取る。「この方は興奮や暴力が出なくなった」「眠気が強そうだ」などの報告を聞きながら、「薬を減らして様子をみましょう」と薬の量を調整 したり、医療面からケアのアドバイスをする。
  徘徊、妄想など認知症の人に表れる行動・心理症状(BPSD)は、適切なケアや対応の工夫で改善 することが多い。しかし症状が激しいと、プロの介護者でも介護拒否にあい、限界を感じることもあるという。杜の家の看護リーダー、成田玲子さんは「私たち がケアを工夫するだけではうまくいかなかった方も、訪問診療を受けてから穏やかに過ごせるようになり、施設での生活が継続できた。看護、介護も楽になっ た」と話す。
  海上寮療養所は元々、外来だけで認知症の診療をしていた。しかしBPSDのある認知症の人は「どこも悪くない」と受診を拒否するケースが多く、通院に付き添う家族や介護者の負担も大きい。このため、なかなか受診せず、症状を悪化させることが分かった。
  また上野医師が別の病院の認知症精神科病棟で勤務した際、簡単な薬物療法で劇的に症状が改善したケースがたくさんあった。薬の調整だけで済めば入院する必要はなく、自宅や施設にいても治療ができるのではないか、と考えていた。そこで約2年前から訪問診療を始めた。
  外来診療だけだった時、新患は月1、2人だった。だが訪問診療を始めると、新患は増え、施設入居者なども含め、今では月30~40人に上るという。
 
 在宅で介護する認知症の夫(80)から、激しい暴力を受けていた女性(78)は「通院を嫌がり、 施設の入居も断られていたが、先生に来てもらってからは落ち着いた。家でも何とかみていける」と感謝する。訪問診療をすると、数分の外来診療だけでは見え ない患者の生活の様子が分かる。また家族からの相談や情報を携帯電話に受けることで、安心感を高めている。
       *
  厚生労働省の調査によると、精神科病院に入院している認知症の高齢者は08年で約5万人。96年比で2倍近く増えた。入院の理由は「徘徊や妄想などの症状が重くなり在宅や施設などでの対応が困難」が最も多く、全体の7割を占めた。
  上野医師は「病院は生活の場ではないため、長くいると食事や排せつなど生活の基本動作ができなくなり、認知機能障害も進む。入院を望む家族は多いが、本人にとってはデメリットが大きい」とし、入院はできるだけ減らすべきだと指摘する。
  しかし、在宅や施設での暮らしを支える訪問診療はまだ少ないのが現状だ。在宅患者向けの訪問診療 をしている精神科病院は全国で54カ所(08年)。精神科病院全体の5%に過ぎない。厚労省によると、その訪問対象もほとんどが統合失調症などの患者とみ られ、認知症高齢者は少ないという。
 
 訪問診療が増えない理由として、入院患者を診療するのに比べ、収入面で条件が悪いことが挙げられ る。精神科病院(療養型)の入院患者は医師1人で50人まで認められているが、往診では1日で10人回るのも精いっぱいだ。医師や病院側にとっては、時間 がかかる割に入院ほどには収入が上がらないのが実態だ。
  NPO法人地域ケア政策ネットワーク研究主幹の池田省三さんは「BPSDを改善できれば、本人も 家族も楽になり、地域で暮らし続けられる。福祉の現場に医療の力が入れば介護が変わる。訪問診療をすればメリットが大きくなるよう、介護報酬や診療報酬を 調整すべきだ」と話している。
  ◇疾患特定でケアの質向上
 医療が介護現場にかかわることで介護のレベルが向上し、本人の状態も改善することは各種調査でも明らかになっている。
  全国老人福祉施設協議会は昨年、全国の特別養護老人ホーム(230カ所)に入所する認知症高齢者 に関する調査を実施した。それによると、認知症の原因疾患(アルツハイマー型、脳血管性など)が特定されている人は全体の46・5%と半数以下だった。疾 患の種類や特徴に合わせたケアが必要だが、多くの施設では病気について情報がないまま、手探りでケアしていることが分かった。
  また平均服薬数は4・8種類、最多は16種類と多量の薬が投与されていた。発症から長期間たった人が大部分のため、身体疾患の治療薬を含め、薬が何のためにいつから投与されているのか分からないケースも多かった。
  調査では、BPSDが重く、対応困難なケースを対象に、医療者と介護スタッフが連携することで、本人の症状やケアがどう改善するかも調べた。
  認知症専門医が再診断や薬を見直し、疾患の特徴などの情報が介護スタッフに伝わると、ケアに工夫が生まれ、BPSDに有効な対応ができることが明らかになった。薬の中止や減量で、患者の症状が著しく改善するケースも目立った。
  調査委員長を務めた熊本大大学院の池田学教授は「介護が難しい認知症の人でも、極めて少ない医療情報のみで介護スタッフが対応していることが分かった。質の高いケアを実現するには医療側の情報提供が必要だ。一層の医療と介護の連携が求められている」と話している。
 
毎日新聞 2011年10月4日 東京朝刊

摂食障害者の心情が辞典に 「隠れて食べる」 「身体を痛めつける」
   2011年10月5日中日新聞
 
 辞典の原稿を手に「摂食障害の人の苦しみに耳を傾けてもらえたら」と話す村田代表=金沢市長町で
  
金沢の団体がiPhone版 言動理解の助けに
  摂食障害に苦しむ人の心の声を聞いて-。過食症や拒食症の元患者らでつくる金沢市の団体「あかりプロジェクト」が、摂食障害の人にありがちな言動とその時 の本人の気持ちや状況をまとめた「辞典」を作った。医師やカウンセラーによる治療の解説本が多い中、患者の視点から百を超える事例を紹介する。 (奥野 斐)
 
 辞典はiPhone(アイフォーン)で閲覧できる「摂食障害あいうえお辞典」で、七日にも四百五 十円で発売される。患者や経験者三十人余の事例を百十のキーワードに整理し五十音順に掲載。「隠れて食べる」「身体を痛めつける」という状況や態度から 「ごめんなさい」「消えてしまいたい」など患者がよく使う言葉が並ぶ。
 
 摂食障害は、精神疾患の一つとされ、過食や嘔吐(おうと)、絶食を繰り返す。食べ方の問題だけでなく、精神的な苦しさからくる極端な言動が周囲に理解されないことも少なくない。無理なダイエットや人間関係のストレスが引き金で発症する人も多く、特に若い女性で目立つ。
 
「摂食障害あいうえお辞典」の画面(あかりプロジェクト提供)
  
 団体 の村田いづ実代表(35)=金沢市=も中学生のころから十五年間、過食に苦しんだ。帰宅後、冷蔵庫の中身を食べ尽くす毎日。ファストフード店を回って五~ 六人前をたいらげ、罪悪感から吐いたことも。家族に当たり過食はエスカレートして体重も急増。自分を責める日々が続いた。仕事を辞め入院生活も経験。「自 分の意志では食べることを止められず、つらかった」
 
 団体が開く親子茶話会で「摂食障害の子の気持ちを知りたい」との声があり、当事者に成り代わって気持ちを伝える「辞典」を企画。経験を踏まえながら作った。
 
 「隠れて食べる」の項目では「こんなに食べていることがばれたら、おかしいと思われる」との思いを紹介。「ごめんなさい」では「過食や入院費でお金を無駄に使ってごめんなさい。期待に沿えなくてごめんなさい…」など患者特有の多様な心情を伝えている。
 
 村田代表は「摂食障害では自分を肯定する気持ちを持てない患者が多い。回復には周囲に受け入れてもらうことが重要なので、家族や医療、学校関係者にぜひ読んでほしい」と話す。
 

2011年10月4日0時36分朝日新聞
うつ病・不安…気分障害患者増 12年で1.5倍 富山関連トピックスドバイ 
 気持ちが落ち込んだり不安に襲われたりする、うつ病など気分障害の患者が、県内でも増えている。富山市内では、うつ病の夫と看病する妻の生活を描いた映画「ツレがうつになりまして。」の原作者によるトークショーが開かれ、病気への向き合い方をアドバイスした。
 
 厚生労働省が3年ごとに全国の医療機関に対して行っている「患者調査」によると、1996年に全国で43.3万人だった気分障害の患者数は、2008年に104.1万人と2倍以上に増えた。県内では同期間に、4千人から1.5倍の6千人に増加した。
 
 支援対策の一つが、06年に施行された障害者自立支援法に基づく自立支援医療。うつ病などの患者が申請し、認められれば、医療費の本人負担が3割から1割に減免される。
 
 県健康課によると、県内では、6月時点で2720人が認められ、近年は毎年100人を超えるペースで増え続けている。
 
 自立支援医療は、減免される2割を国と自治体でもつ仕組み。認定者が増えるほど、財政負担が膨らむという問題もある。
 
 同課の担当者は「財政負担が膨らむのは事実。それでも、早期治療により、病気の長期化を防ぐことで医療費が最終的に減ると考えられる」と話す。
 
■「人生の夏休み」長くても大丈夫
 
 富山市安住町のサンシップとやまで2日に開かれたトークショーには、約300人の市民が訪れ、うつ病を夫婦で克服した体験談に耳を傾けた。
 
 映画は妻の細川貂々(てんてん)さんが、うつ病をもっと知ってもらいたいとの思いで、夫の望月昭さんとの夫婦生活をつづった実話に基づいている。女優の宮崎あおいさんが貂々さん役を、堺雅人さんが昭さん役を演じ、8日に全国公開される。
 
 うつ病になった原因について、昭さんは「仕事がつらく精神的に追い詰められて、うつ病になった。誰でもうつ病になってしまう怖さがある」と指摘した。
 
 一方、看病する側の精神的な負担について、貂々さんは「自分の時間を作って、その時は邪魔させな いようにした。支える側が元気でないと支えていけない」。昭さんは「当時、妻は韓流ドラマに熱中していて、その時間だけは部屋に入れてくれなかった」と話 し、会場の笑いを誘った。
 
 また、貂々さんは「ツレ(昭さん)がうつになった時、この人は一生このままでいいやと思ったら、楽になった」とも。これについて昭さんは「面と向かって『治らなくてもいい』と言われ、ホッとした」と話した。その後しばらくして、うつ病は治ったという。
 
 最後に、昭さんは会場に向かい、「うつ病は治療に焦ることがマイナスになる病気。病気になってもクヨクヨしないで。『人生の夏休み』が長く続いても大丈夫」と呼び掛けた。(下山祐治)

気分障害が増加
2011年10月04日朝日新聞
  県内、12年間で1.5倍
 
 気持ちが落ち込んだり不安に襲われたりする、うつ病など気分障害の患者が、県内でも増えている。富山市内では、うつ病の夫と看病する妻の生活を描いた映画「ツレがうつになりまして。」の原作者によるトークショーが開かれ、病気への向き合い方をアドバイスした。
 
 厚生労働省が3年ごとに全国の医療機関に対して行っている「患者調査」によると、1996年に全国で43・3万人だった気分障害の患者数は、2008年に104・1万人と2倍以上に増えた。県内では同期間に、4千人から1・5倍の6千人に増加した。
 
 支援対策の一つが、06年に施行された障害者自立支援法に基づく自立支援医療。うつ病などの患者が申請し、認められれば、医療費の本人負担が3割から1割に減免される。
県健康課によると、県内では、6月時点で2720人が認められ、近年は毎年100人を超えるペースで増え続けている。
自立支援医療は、減免される2割を国と自治体でもつ仕組み。認定者が増えるほど、財政負担が膨らむという問題もある。
同課の担当者は「財政負担が膨らむのは事実。それでも、早期治療により、病気の長期化を防ぐことで医療費が最終的に減ると考えられる」と話す。

2011.10.1読売新聞
心の傷、深刻な実態判明…口蹄疫「被害農家2割通院必要」

   宮崎県が全1200戸調査結果
 宮崎県精神保健福祉センター(宮崎市)は30日、口蹄疫の被害農家全戸を対象に実施した心の状態に関する聞き取り調査を報告書にまとめた。
 
 全都道府県に配布する予定で、同センターの渡路子所長は「宮崎は口蹄疫で全国に例のない経験をした。発生した際の対応に役立ててほしい」と話している。
 
 調査は2010年度、厚生労働省の特別研究事業として、国と同センターが共同で実施。昨年6~8 月、被害農家約1200戸を対象に市や町の保健師らが電話などで尋ね、「理由もなく疲れを感じる」「座っていられないほど落ち着かない」など、うつ病を含 む精神疾患の指標となる6項目を中心に聞き取った。
 
 報告書によると、被災農家約1200人のうち、約2割に食欲不振や持病の悪化、不眠などがあり、通院などの対応が必要と判断された。
 
 また、該当があった6項目を点数化したところ、精神疾患の危険性が高い15点以上となった農家は男性で3・4%、女性で5・8%で、女性に多い傾向がみられた。また、口蹄疫の発生前から家族間や職場などでトラブルを抱えた人に点数が高くなる傾向があったという。
 
 地域別で、点数化した数値が最も高かったのは高鍋町で8・587点。都農町8・151点、日向市7・750点と続いた。同センターは「小規模や高齢の農家が多く、埋却地の確保などが難航した地域で高い傾向がある」と分析している。
 
 被害が集中した西都・児湯地域の飲食店経営者や従業員らを対象とした調査も1~2月に実施。郵送で調査用紙を送り、441人から回答があった。約9割が「収入が減った」と答え、精神疾患の危険性がある人も高い割合だった。
 
 心のケアの留意点などを盛り込んだマニュアルも添付した。口蹄疫の被害地域の保健所が、相談窓口を設置するなどした対応状況が掲載されている。
 
 同センターは8月、口蹄疫の終息宣言から1年を迎えるのを機に、被害農家全戸への再調査に着手し ている。渡所長は「口蹄疫は人の移動自粛による孤立化や、家畜の殺処分による生活スタイルの変化をもたらし、心にも影響を与えた。回復には長期的な対応が 必要」と話している。(関屋洋平)
 
(2011年10月1日 読売新聞)

2011年9月27日22時13分朝日新聞
認知症の入院「2カ月で半数退院」目標に 厚労省検討会
 厚生労働省は27日、認知症患者の精神科病棟への入院が長期化しているとして、2020年度までに入院患者の半数を2カ月以内に退院させるという目標値を決めた。厚労省の有識者検討会が報告書をまとめ、大筋で合意した。
 
 08年の調査では、認知症で精神科に入院する患者の半数が退院するまで、6カ月かかっていた。し かし、入院が3カ月以上に及ぶと、入院前にいた施設に別の人が入所して戻れなくなることが増えたり、患者の心身の機能が低下したりして、再び地域や自宅で 受け入れることが難しくなるという。また問題行動の多くは、治療により1カ月程度で治まるとの意見もある。
 
 報告書は「入院を前提とするのではなく、地域での生活を支えるための精神科医療とする」と明記。入院期間の目標値を設定し、病状が安定している患者の入院期間短縮を図る

精神障害 家族の孤独
2011年09月25日朝日新聞
 
 事件現場となったアパート=川崎市
 今月16日、横須賀市の駐車場で。
 
 統合失調症の娘(当時39)の顔に父(67)が座布団を押し当て、窒息死させる殺人事件が4月、川崎市で起きた。精神障害者の世話に疲れ果て、家族を手にかける事件が後を絶たない。その背景を探った。
 
 閑静な住宅街の一角の木造2階建てアパート。近くには田畑もあり、人通りはまばらだ。父が長女を殺害した現場は空き部屋のままだ。「この辺の人は他人に関わらないようにしている」。同じアパートの女性は、この家族とあいさつしたこともなかったという。
 
 検察側の冒頭陳述などによると、父は1983年に妻と離婚。建設会社に勤めながら男手一 つで3人の子を育てた。だが、引っ込み思案の長女は中学で不登校になり、定時制高校も中退した。筋ジストロフィーの長男が95年に15歳で亡くなると一層 引きこもりがちに。2000年代初めから過呼吸を起こし、07年には統合失調症と診断された。
 
 その前後に次女が家を出てからは、食事以外の時間は寝てばかりの長女の世話を父が続けてきたが、病状は悪化するばかりだった。
 
 今年4月16日夜。父はいつも通り、医者から処方を受けた薬を長女に飲ませた。薬を飲んだことを忘れて再度飲もうとする長女。必死で止めているとき、ふいに「死にたい」という気持ちが芽生え、取り残される長女がふびんで一緒に死のうと決めた。
 
 翌日夜、睡眠薬で眠らせた長女の顔にポリ袋で包んだ座布団を押しつけて殺害。長女の乱れた手足をそろえ、互いの額を合わせて泣いた。そして何度もささやいた。「ごめんな。ごめんな」。自らも家中の睡眠薬を飲んで自殺を図った。
 
 冒頭陳述が読み上げられている時、父は鼻をすすりながら涙を流していた。
 
 次女の供述調書によると、父は次女に「もうヤダよ」とこぼしたことがあった。だが、他人に長女の面倒を見てもらうのはプライドが許さず、近所の親戚にも相談しなかった。主治医にも「娘は落ち着いています」と繰り返し、1人で抱え込んでいたという。
 
 横浜地裁は今月、懲役3年保護観察付き執行猶予5年の判決を言い渡した。
 
 今回の事件は決して特別なケースとはいえない。
 
 昨年3月には、伊勢原市で、父が統合失調症の長男(当時35)の将来を悲観して、長男の 首をネクタイで絞めて殺害。懲役3年6カ月の実刑判決を受けた。この父が役員をしていた自治会の元会長の減刑嘆願書によると、被告は家庭内の事情を話さ ず、黙々と地域活動をしていたという。
 
 名古屋工業大学大学院の粥川裕平教授(精神医学)によると、国内では統合失調症などに対 する社会の理解不足やケアシステムの貧困さから、家族が患者を恥に思って問題を抱え込むことが多く、患者の将来を悲観して心中を図る場合もある。その意味 では「この父親らも被害者としての側面がある」と指摘する。
 
■背景に社会の無理解・無関心
 
 厚生労働省によると、統合失調症の発症者は未受診の人も含めれば100人に1人とみられる。誰でも発症する可能性があるが早期治療でかなりの回復が見込める。精神科の治療や投薬とともに、社会生活を営む力を保つため、地域で暮らしながら治療することも重要だという。
 
 NPO法人「横浜市精神障害者家族連合会」=横浜市港北区=では、家族らが体験や知識を 共有する「家族学習会」を開催。苦しみや悩みを語り合い、治療に役立つ医療や福祉の勉強会も行う。石井紀男理事長は「誰かとつながれば、家族の気持ちに余 裕が生まれる。やがてそれが患者にも伝わり、前向きに生きようとする気持ちに変わる」と参加を呼びかけている。
 
 記者は普段、県警の捜査1課を担当し、悲惨な殺人事件を多く取材してきた。その中で、執行猶予が付けられる殺人事件の背景を探るために取材を始めた。
 
 どんな理由があろうと、人の命を奪う行為は許されるものではない。しかし、その背景には、記者も含めて、精神障害に対する社会の「無理解」と「無関心」があると強く感じた。明日、自分が診断されてもおかしくない病気だからこそ、正確な知識を身につけ、地域の一員として何ができるのかを考えたい。
 
(山本孝興)
 

2011.9.26毎日新聞
障害者差別禁止条例:策定目指し 県議会の改革21、関係団体と意見交換 /長崎

  県議会の民主・社民系会派「改革21」は25日、「長崎県障害者差別禁止条例(仮称)」策定を目指す関係団体との協議会を長崎市で開催。2月定例県議会へ の条例案提出を目指し、障害者団体や福祉施設などの代表と意見交換した。同会派は「相談員などのマンパワーを整備し、実効力のある条例にしたい」としてい る。
 
 国連総会は06年に「障害者権利条約」を採択し、翌年には日本も署名したが、現在も条約を受けた法整備がされていない。一方で06年、千葉県が全国で初めて差別禁止条例を制定し、以後▽北海道▽岩手県▽さいたま市▽熊本県--で条例が成立している。
 
 同会派が目指す条例案は▽福祉サービス▽医療▽商品やサービスの提供▽雇用▽教育▽建物や公共交通機関▽不動産取引▽情報の提供--の8分野で差別を禁じ、問題が起きた場合は相談員ら第三者が間に入り、話し合いを通じて解決を図る仕組みを明記する方針。
 
 協議会には12団体の代表者が出席し▽精神障害者のグループホームをつくる際に不動産会社から断 られた▽長崎国体の会場がバリアフリーでない--などの実情を報告。「教育現場から皆が一緒に生きることを学んで」「施設をバリアフリーにするにはお金が かかるが、条例は人の助け合いで壁をなくすことを目指してほしい」などの意見が出された。
 
 同会派などは県民の理解を進めるための初のタウンミーティングを10月に開き、来年2月定例会に条例案を上程、4月1日施行を目指すという。【蒲原明佳】
 
〔長崎版〕
 

毎日新聞 2011年9月26日 地方版

「通報義務」が壁 薬物依存症出所者の自立支援
2011年9月18日 大阪日日新聞

 刑務所などの出所者の再犯防止を目指し、NPO法人などに委託して住居の確保や自立支援を行う法務省の事業で、薬物依存症者をめぐ る現行ルールの課題が浮き彫りになっている。依存症回復で実績のある民間団体では、利用者がもし違法薬物を再使用した場合、医療施設などにつないで支援を 継続するが、この事業では、再使用の疑いがあれば保護観察所に報告するのが原則。民間の力を生かす落としどころが求められている。
  
薬物依存症者と回復者らで行うミーティングの様子 
 
 同事業は、出所者に就労先や帰住先がない場合は再犯率が高いことを踏まえ、民間との連携で出所後の環境を整えようとする社会復帰支援事業の一環。
 
 薬物依存症の出所者の中には、帰る場所がなかったり、帰住先が再使用につながりやすい環境のままだったりするケースは多く、回復支援で成果を上げているリハビリ施設「ダルク」が「受け皿」として名前が上がる。
 
 全国にあるダルクのうち、大阪ダルク(大阪市東淀川区)の倉田めばセンター長(57)は「なんとか協力したい」と心中を明かすが、受託の壁となっているのが「通報義務」だ。
 
 大阪ダルクでは、薬物依存症者が回復の過程の中でもし違法薬物を使用した場合、スタッフが同行して精神科病院に入院してもらうなどし、薬を抜いた後にリハビリを再開することにしている。
 
 依存性薬物は脳に作用し、依存症を発症すると「やめたくてもやめられなくなる」(倉田センター長)状態に陥るため、リハビリの継続が必須。
 
 しかし、今回の事業では、犯罪や非行に結び付く恐れのある行動を認めた場合、速やかに保護観察所に報告し、対応の指示を受けなければならない。
 
 大阪ダルクのリハビリで核となる薬物依存症者と回復者のミーティングでは、話の内容を外部に漏らさないことを前提に、仮に再使用があった場合でも告白しながら回復への道を歩む。
 
 もし通報の必要性が出てくると、正直に話せずリハビリが機能しなくなる可能性や、「ダルクは通報される」との認識が広がり、秘密厳守を徹底してきたダルクの存在意義にもかかわりかねない。
 
 法務省担当者は「仮出所であれば、出所時の約束事を(ダルクのルールと)どうすり合わせていくかが課題になる」などと説明する。
 
 大阪ダルクは、本年度は受託事業者の登録申請は見送ったものの、「今後とも協議を続けていきたい」と倉田センター長。協議先の大阪保護観察所も話し合いを継続する構えだ。
 

児童精神疾患専門医が連携 浜松方式の診療所オープン
(2011/9/18 07:31)静岡新聞
 
 発達障害や情緒障害など児童の精神疾患を専門的に治療する「子どものこころの診療所」が17日、 浜松市中区鴨江の市保健所横にオープンした。診療所の児童精神科医とともに浜松医科大や国立天竜病院など複数の医師が連携して子どもを治療する全国初の試 みで、不足している専門医の育成も目指す。
 診療所は中学3年までの子どもが対象で、保護者の指導やサポートも行う。診療所所長で精神科の山崎知 克医師が常駐し、浜松医大児童青年期精神医学講座の杉山登志郎特任教授ら同大の医師らも交代で診察に当たる。浜松市が開設し、同市発達医療総合福祉セン ターを運営する市社会福祉事業団が運営を担う。
 同日、開所式が行われ、鈴木康友市長や浜松医大精神神経科の森則夫教授らが出席した。開設に尽力 した杉山教授は「外来窓口や病床を持つ病院、専門家のいる大学が診療所と連携する仕組みは「浜松方式」として全国のモデルとなるはず。保護者のペアレント トレーニングも行い、普及させていきたい」と抱負を述べた。
 市内には同様の施設として市発達医療総合福祉センターがあるが、患者の増加に伴い、初診は2〜3カ月待ちの状態で、専門医や診療施設の少なさが課題となっていた。
 山崎所長は「発達障害や情緒障害の子ども、保護者がともに元気に生活を送れるように支援していきたい」と話した。
 診療所は予約制で地域の病院や保健所などからの紹介状が必要となる。
 
開設を祝う山崎所長(右)ら出席者=17日、浜松市中区鴨江の「子どものこころの診療所」

 2011年9月14日産経新聞関西
 
心の変調と付き合って 桂ざこばさん、体験語る メンタルヘルスフォーラム
 年間の自殺者数が3万人を超え、深刻な社会問題となる中、その動機の一因とされる鬱(うつ)病について考えるメンタルヘルスフォーラム「生きる!」(大阪精神科診療所協会主催、産経新聞社共催)が、大阪市中央区の大阪商工会議所・国際会議ホールで開かれた。
 
 フォーラムで講演した落語家の桂ざこばさんは、心の変調をきたした体験を披露。「人に指をさされただけで悪口を言われた気がしたが、今は症状とうまく付き合えるようになった」と話した。
 
 また、日本うつ病学会の神庭(かんば)重信理事長は「鬱病には多くのタイプがあり、診断が難しい。1カ月の間にたびたび憂鬱になったり物事を楽しめない気分になったりするような場合は、疑った方がいい」と説明した。
 
 パネルディスカッションの司会を務めた同協会の渡辺洋一郎会長は「精神疾患について正しい知識を得ることで、自殺の減少につながれば」と期待。また、会場では市民講演会「こころの病気とストレスと」も開かれ、同協会の稲田泰之理事が講師を務めた。
 
(2011年9月14日 08:32)

Bloomberg.co.jo 2011.9.14
家に帰りたい、精神障害者7万人の現実-かさむ医療費、進まぬ退院
 
 9月14日(ブルームバーグ):閉鎖病棟の廊下の片隅に60歳代の女性が膝を抱えてうずくまるように腰を下ろしている。横には目いっぱい膨らんだ茶色のかばん。迎えが来たから家に帰るとつぶやき続けている。
 
  女性は、群馬県高崎市の医療法人山崎会「サンピエール病院」に20年以上前から統合失調症で入院している患者だ。誰かが迎えに来ると信じて何度も荷物をまとめているが、引き取る家族もいない。一生ここにいることになるだろうと理事長と院長を兼務する山崎学氏は言う。
 
  医学的には治療の必要があまりないものの、引き取り手がいないなどの事情で社会生活を営めず、 入院生活を続ける「社会的入院」患者が精神科病院の病床を埋めている。日本の精神障害者の入院比率は先進国で最も高く、政府も退院を促すよう手を打ってき たが、一向に進まないのが現状だ。
 
  世界最大の公的債務を抱える日本は、世界一のスピードで高齢化が進んでおり、年間約34.8兆 円にのぼる医療費の伸びの抑制は野田佳彦政権にとっても重要課題の一つ。政府は2004年から、退院可能な精神障害者7万人の入院解消の目標を掲げてい る。年間1.8兆円に上る精神科医療費のうち入院費が74パーセントを占めている。
 
  横浜市で横浜カメリアホスピタルを経営する宮田雄吾院長は、「政府は医療費の削減しか考えていない」と指摘し、「7万人が病院からすぐ出るということは、そのうちの何万人かを浮浪者にする覚悟がないと駄目」と話す。
 
             前進わずか
 
  政府は約半世紀にわたり精神障害者を隔離する政策をとって来た。サンピエール病院の山崎氏ら精 神科医は、政策を逆行させるのは現実的ではないという。患者に生存する親類縁者がいないケースや、社会生活が困難な場合が多く、身内に精神障害者を不名誉 だと考える風潮も背景にあると、医師らは指摘する。
 
  厚労省が、10年計画で精神障害者の入院患者の解消計画を打ち出したのが04年。09年10月 行われた最新の調査によると、この間に実際に解消できたのは6806床にとどまり、なお34万8121床が残っている。政府は解消に弾みをつけるため、今 年度、全国25病院をモデル事業として選び、3-5年間で最低10%の病床を削減し、退院した患者に対する地域社会の世話を支援するチームを結成するよう 求めている。
 
  マッキンゼー・アンド・カンパニーのパートナー、ルードヴィヒ・カンツラ氏は、精神障害者の入院者削減の政府目標が達成できれば、年間約1000億円が節約できるとみる。
 
             米国の収容施設
 
  経済協力開発機構(OECD)によると、日本の65歳以上の人口は1990年には総人口の 12%だったが、2025年には3人に1人まで増加する見通し。OECDの09年12月の報告書によると、日本では病床の約3分の2を高齢者が占有。また 年間医療費34.8兆円のうち精神障害者の医療費は5.2%を占めている。
 
  米国や西欧では、1960年代に精神障害者の収容施設を閉鎖し、地域で受け入れる動きが始まっ た。しかし、日本では全国1076の精神科病院で病床利用率が9割という状態が続いている。OECDのデータによると、日本の1000人当たりの精神科病 床数は米国の約13.5倍、英国の4.5倍となっている。
 
  アイオワ大学の脳科学者、精神科医で、2000年に米国国家科学賞を受けたナンシー・アンド リーセン氏は、「日本では精神疾患を不名誉だと考える傾向が明らかに強いことに疑いはない」と指摘。「精神障害を持つ家族がいると、目に入らないように し、とりわけ気持ちの上でも遠ざけてしまう傾向がある」と話す。
 
            襲われた大使
 
  日本では、1950年代から患者は社会から切り離されてきた。政府が精神科の患者を自宅に閉じ込めるいわゆる「私的監置」を禁止したことが契機だ。入院しやすくするため、補助金を導入、病院の医療スタッフ配置条件も緩和した。
 
  また、1964年に当時の駐日米大使、エドウィン・ライシャワー氏が、統合失調症の患者に東京の大使館で襲われて社会問題化した後、患者の施設収容の必要性が求める声が強まり、政策を後押しした。
 
  松沢病院の岡崎氏は、「社会的入院で、入院する必要がないのにしている人がいる」と指摘。「宿泊施設がない、家庭に帰れない、両親がいなくて兄弟には扶養義務がない、仕事が得られない」といった事情で入院を継続せざるを得ない人たちが多いという。
 
  09年の厚労省調査によると、全国で30万人以上の精神障害者の医療費は月平均約40万円。患者の年齢や家族の支払い能力に応じて、個人の支払いは全額の3割、もしくはそれ以下になる。
 
             認知症患者
 
  厚生労働省精神・障害保健課の本後健課長補佐は、これまでの努力にもかかわらず、「結果として病床数はほとんど減っていない」という。課題として、患者の訪問支援や、増加している認知症への対応を挙げ、「政策に落とし込む作業をしている」という。
 
  厚労省の調査によると、08年の精神科病院での認知症患者の割合は17%で、10年前の11% から大幅に増加した。松沢病院の岡崎氏は、背景として認知症の治療施設が不足していることを挙げ、精神障害の症状がある場合には、内科など他の治療病棟が 受け入れないのが現状だという。
 
  サンピエール病院には、患者がエレベーターホールに入らないよう通路にスライドドアが設置され ている。山崎院長はドアを開錠しながら、患者の半数は高齢者で多くが認知症を患っていると話した。病室は2人-4人部屋で、各ベッドはピンクのカーテンと 木製のキャビネットで仕切られて、患者が脱出しないよう、窓は15センチほどしか開かないようになっている。
 
             屋上庭園
 
  患者は屋上に出れば、外気に触れることができる。高さ約3メートルの金網が張り巡らされた空間に、ハーブや花を植えた庭園が整備されている。
 
  OECDの報告書によると、日本の精神科病院の約9割は医師が病院を経営し、患者を退院させる インセンティブはほとんど働いていない。報告書は、高齢者に対する政府補助金が、「病院を事実上の老人ホームに転換させるという意図せざる効果を生んでい る」と指摘、「患者を病院にとどめることが、容易に収入を確保する道になっている」と分析する。
 
  政府資料によると、精神障害者の平均入院日数は米国では1週間余り、英国では11週間程度なのに対し、日本では307日間に及んでいる。
 
             日本でも可能
 
  マッキンゼーのカンツラ氏は「日本でも他国と同じように精神障害者の治療の仕組みをつくることはできるはずだ」といい、それは「政府が病院側にほとんど選択肢がないような計画を打ち出せるかどうかにかかっている」と述べた。
 
  国内の民間精神科病院の88%が会員となっている日本精神科病院協会は、12年度内に政府の保証のもと病院の一部を居住施設に転換する提案をする予定。
 
  同協会の会長を務めるサンピエール病院の山崎氏は、06年に約35億円かけて現在の522床の新病院に建て替えた。「国が50年かけて隔離収容型の政策をやってきて今36万床ある。変えるのであれば国がある程度責任を持ってやるべきだ」と主張している。
 

更新日時: 2011/09/14 15:10 JST

2011.9.13毎日新聞
高岡市民病院の患者自殺:高岡市へ損賠訴訟、双方の控訴棄却 /富山
  高岡市民病院で08年、精神神経科に入院中の女性患者(当時36歳)が病院の安全配慮が不十分で飛び降り自殺したとして、遺族が同市に対して約6900万 円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が12日、名古屋高裁金沢支部であった。山本博裁判長は、病院側の過失を認めて約3450万円の支払いを命じた1 審・富山地裁高岡支部判決を支持、遺族と市側の控訴を棄却した。
 
 判決によると、女性は08年5月、実家で自殺を図り、同病院を受診。医師の勧めで閉鎖病棟に入院したが、翌日、看護助手が鍵を開けたベランダから飛び降りて死亡した。【宮本翔平】
 
毎日新聞 2011年9月13日 地方版

精神科救急で夜間・休日の体制確保を-厚労省検討会
医療介護CBニュース 2011年9月9日(金)23時5分配信
 
 
厚生労働省の「精神科救急医療体制に関する検討会」は9月9日、報告書案を大筋で了承した(厚労省内)
 
 厚生労働省は9月9日、「精神科救急医療体制に関する検討会」の会合を開き、各都道府県が確保す べき精神科救急医療体制の在り方などを示した報告書案を大筋で了承した。報告書案は、精神科医療機関に対し、継続診療している患者について夜間・休日も対 応できる体制を確保すべきと指摘している。同省は月内にも報告書を公表し、これに基づいた体制整備の方針などを各都道府県に通知する予定だ。
 
 同検討会は、昨年の精神保健福祉法の一部改正で、都道府県による精神科救急医療体制の確保が法律上に明記されたことを受けて今年5月に設置され、必要とされる医療体制の具体的な内容などについて検討を進めてきた。
 
 報告書案は、(1)都道府県が確保すべき精神科救急医療体制(2)身体疾患を合併する精神疾患患者の受け入れ体制の確保(3)評価指標の導入―の3本柱。
 
 (1)では、すべての都道府県が、24時間365日、搬送や受け入れに対応できる精神科救急医療システムを確保するとともに、24時間365日対応できる精神医療相談窓口と精神科救急情報センターを設置する必要性を指摘している。
  精神科病院については、継続して診療している自院の患者などからの相談に対して夜間・休日でも対応できる体制を確保し、必要に応じて診療できる体制も確保 するよう提案。一方、精神科診療所については、少なくとも準夜帯にオンコール体制などで対応できる体制を確保し、必要に応じて診療できる体制を「可能な限 り確保することが望ましい」とした。ただ、難しい場合は、情報センターなどからの問い合わせに対し、夜間・休日でも対応できる体制を確保するよう求めてい る。
 
 (2)では、身体症状と精神症状のうち、治療を優先すべき症状に対応できる一般または精神科の救 急医療機関が患者を受け入れ、他方(精神科または一般)の医療機関がその診療を支援する体制を構築する必要性を指摘。一般・精神科医療機関の間で必要な手 続きなどについて事前に調整しておくよう求めている。このほか、医療従事者の対応力の向上のため、マニュアルや研修カリキュラムなどの作成を検討すべきと している。
 
 (3)には、▽精神科救急医療体制整備事業の評価▽精神科救急医療機関の医療の質や隔離拘束水準のモニタリング▽精神科救急医療システムへの参画の評価―が盛り込まれた。
 
 議論では、診療所の役割について三野進構成員(みのクリニック院長)が、「相談窓口や情報セン ターと連携することは、義務規定にして当然いいだろうと思う。できる限りの情報提供をしていくという形にしてはどうか」と提案。同省はこうした意見を踏ま え、診療所に最低限求められる役割を明示する方向で報告書案を修正したい考えだ。
 

.最終更新:9月9日(金)23時5分

“保護者制度”作業チームの報告を大筋了承-厚労省・精神医療検討チーム
医療介護CBニュース 2011年9月8日(木)23時23分配信
 
 厚生労働省の「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」は9月8日に開いた21回目の会合で、精神障害者の保護者制度を見直す上での論点を整理していた作業チームから検討結果の報告を受け、これを大筋で了承した。
 
 報告されたのは、検討チームの下に設置された「『保護者制度・入院制度の検討』に係る作業チー ム」での検討内容。精神保健福祉法で定められた保護者の義務規定を原則として存置しないとした2月の報告を踏まえ、今回は義務規定を削除した場合に代替措 置が必要かどうかについて整理した論点を報告した。
 
 報告ではまず、保護者が精神障害者の財産上の利益を保護しなければならないとする規定について、成年後見制度などの現行制度で対応できる可能性があると指摘。ただし、市民後見人の活用には慎重な検討が必要だとした。
  措置入院患者が退院する際の引き取りを義務付けた規定に関しては、来年4月に施行される改正障害者自立支援法で新しくできるサービスの利用が可能なことを 指摘。病院や施設への入院・入所中から住居の確保支援などを行う「地域移行支援」などの活用により、退院を支援することが必要ではないかとした。
  また、精神科病院などに退院や処遇改善を請求できるとする規定については、精神障害者本人とその保護者を対象とした現行制度に、本人が信頼して指名する人 を加えることなどを提案。現在認められている本人の代理人に関しては、弁護士のみが引き受けているとのデータもあることから、代理人になり得る人の範囲な どの検討もすべきではないかとした。
 
 このほか、医療に関する義務規定では、措置入院時の同意によらない治療や、精神科医療における家 族の位置付けなどについて整理した論点を提示。特に措置入院時の非同意治療については、医療観察法に基づき、本人の同意によらない入院時に指定入院医療機 関で設けられる倫理会議があることを指摘し、これを参考にした手続きを試行した上で、導入の可否を検討すべきだとした。
 
 意見交換では、保護者制度を原則存置しない方向性に対して、改めて賛同する声が上がった。ただ し、報告の細部に関しては、「退院請求などは保護者制度に残さず、アドボカシー(権利擁護)の制度をつくれば足りるのではないか」「市民後見人は(障害者 の元に)頻繁に通えるなど、最も(活用できる)可能性がある。なぜ慎重な検討が必要なのか」などの異論も出た。
 
.最終更新:9月8日(木)23時23分

愛知県に賠償命令 城山病院転落事故、患者側が逆転勝訴
2011年9月8日 21時37分中日新聞
 
 統合失調症で愛知県立城山病院(名古屋市千種区)に入院していた男性患者(37)が2階病室の窓 から転落、目に障害が残ったのは病棟の改善などを怠った県の責任として、約1900万円の損害賠償を求めた控訴審の判決が8日、名古屋高裁であった。渡辺 修明裁判長は、患者の訴えを棄却した1審名古屋地裁判決を取り消し、慰謝料や逸失利益など1550万円の支払いを命じた。
 
 高裁判決によると、事故は2004年1月に発生。頭を打ってけがをしたほか、外斜視などの障害が残った。
 
 病室には縦約160センチ、横約90センチのガラスの引き戸が2枚あり、いずれも全開できた。ベッドと窓のある壁との間隔は50センチ未満で、窓の高さは布団からわずか40センチ上だった。
 
 渡辺裁判長は「ベッドの上に立って引き戸を開閉することは十分予想される」と転落の危険性を指摘。「ベッドに座ったまま開閉するのが自然」とした1審判決を否定した上で「窓に柵などがなく、精神状態が落ち着いていたとしても危険」と結論付けた。
 
 木田夕美子院長は「今後の対応は判決文を読んだ上で検討したい」とコメントした。病院は転落事故後の04年4月、窓を全開できない仕組みにするなど対策を取ったという。
 
(中日新聞)

認知症退院促す目標値設定へ
2011年9月5日 4時17分   NHKニュース

認知症の患者が病院に入院している期間が長期化していることから、厚生労働省は病院に対して新規患者の半数を2か月で退院できるようにするといった目標値を初めて設定し、患者が地域で暮らせるよう退院を促していく方針を固めました。
 
厚生労働省によりますと、認知症で病院に入院している患者は平成8年の時点で2万8000人でした が、高齢化に伴って増え続け、平成20年の時点では5万2000人と、2倍近くに上っています。さらに、地域で通院できる医療機関や介護サービスが不足し ているために入院期間が長期化し、半年以上たっても退院できない患者は全体の半数を超えています。このため、厚生労働省は、病院に対して退院の数値目標を 初めて設けて、患者が地域で暮らせるよう退院を促していく方針を固めました。具体的には、患者の多くが入院治療で症状が安定してから徐々に薬の量を減らし ていけばおよそ2か月で退院が可能なことから、厚生労働省は平成32年度までに新規患者の半数を2か月で退院できるようにするという目標値を設定する方向 です。厚生労働省は、今週、この目標値を精神科医などで作る検討チームに諮るとともに、退院した患者を受け入れられるように介護サービスの充実や、病院と 介護施設などとの連携も進めていくことにしています。認知症患者を地域で支援している杉山孝博医師は「認知症患者の地域での受け入れを進めるために目標値 の設定は評価できる。今後は地域に戻った患者を介護する家族への支援や症状が悪化した患者を緊急に受け入れる施設の整備を早急に進めるべきだ」と話してい ます。
 

2011年9月5日17時43分朝日新聞
 
【和歌山】 県内唯一のリエゾンナース、患者や看護師の心をケア
 
スタッフと打ち合わせをする武用百子さん=和歌山市三葛
 
■ 和歌山県内唯一のリエゾンナース/武用百子さん(43) ■
 
 精神科の知識を持ち、病気の治療だけでなく心のケアも必要とする患者と向き合う。そんな専門の看護師を「リエゾンナース」と呼ぶ。リエゾンはフランス語で「連携」「橋渡し」といった意味もある。患者だけでなく、その家族や、看護師の精神的なケアも担う。
 
 勤務先は和歌山市三葛の県立医科大学保健看護学部。「頻繁に呼び出す患者さんがいる。心に不安を抱えてるみたい」。そんな相談が寄せられると、病棟に行って担当するスタッフから話を聞いたり、患者と面談したりして改善方法を考える。
 
 鹿児島県出身。北里大学(相模原市)卒業後、同大学病院の救命救急センターに看護師として就職した。救急の現場は、想像を絶する忙しさで、救命の困難な患者も少なくない。無力さを痛感し、精神的につらく、辞めたくなった。
 
 そんな時、患者や家族のためにセンターに配置されていた精神科医に悩みを聞いてもらい、救われた。「看護師でも同じような役割が果たせれば」と思った。
 
 結婚を機に和歌山に移り住んだ。子育てをしながら大学院で精神科を学び、県内でただ1人のリエゾンナースとして2000年、県立医大に復職した。
 
 「何のためにいるのか、初めは病院のスタッフたちにも分かってもらえなかった」。自らチラシを 作って病棟をまわったり、ナースステーションで看護師をつかまえて悩み事を聞き出したりした。「がんを告知された患者さんとどう接すればいいのか」「患者 さんに怒りをぶつけられた」。今では寄せられる相談件数は年間1千件を超える。
 
 一般的に労働環境が厳しく離職率が高いとされる看護師。自分も燃え尽きそうになった経験から、後輩たちを精神的に支えたいと思う。これまでの体験や知識を伝えるため、もうすぐ編著書を出版する予定だ。
 

(上田真美)

2011.9.3毎日新聞
暴行?:県精神医療センターで患者重傷 「看護師に殴られた」 /新潟

  長岡市寿2の「県立精神医療センター」(計400床、和知学院長)は2日、入院中の30代の男性が肋骨(ろっこつ)骨折など重傷を負っていたと発表した。 患者は「看護師に殴られた」と話したという。同センターは他者からの暴行があった可能性が高いとみて、警察と保健所に届け出た。
 
 同センターによると、けがをした男性は重度の精神障害のため01年から同病院に入院している。今年7月25日午前11時ごろ、トイレにいた男性が腹痛を訴えたため、主治医が男性を診察したところ、同センターに勤務する3人の看護師の名前を挙げ「殴られた」と話した。
 
 男性は26、27日に別の病院で受診し、左右の肋骨など計10カ所の骨折、左でん部から太ももに複数の内出血などが判明した。いずれも1~2カ月以上前のものと見られ、湿布を貼るなどで対応し、現在は経過観察中という。
 
 同センターの和知院長は会見で「関与した人間については、今後の警察の捜査を待ちたい。また、管理上の問題がなかったかをしっかりと原因究明、検証していきたい」と話した。【塚本恒】
毎日新聞 2011年9月3日 地方版
 
 
院内リンチか、入院患者肋骨10カ所骨折
2011.9.3 05:04サンスポ

.. 恐怖の院内リンチか-。新潟県長岡市の県立精神医療センター(和知学院長=わち・まなぶ=)に入院中の30代の男性患者 が、少なくとも10カ所の肋骨(ろっこつ)骨折や全身打撲などの不審なけがを負っていたことが2日、分かった。和知院長らが同センターで記者会見して明ら かにした。
 
 センターによると、判明したのは7月下旬で、命に別条はなく経過観察中。第三者に暴行、虐待を受けたのは確実として既に長岡署に届け出ており、同署は患者や病院関係者から事情を聴くなど事実確認を進めている。
 
 患者は直接の担当ではない男性看護師3人の名前を挙げ「殴られた」と話しているが、センターは「興奮状態で一貫性がないので信ぴょう性には疑問が残る。あとは警察にすべて任せている」としている。
 
 患者は2001年から重度の精神障害で入院。暴れることがあるため個室に入り、他の患者から隔離 したり拘束したりすることもあった。病棟外に出ることはないという。7月25日午前11時ごろ、患者の様子に異変を感じた看護師が主治医に連絡。診察と腹 部、胸部のコンピューター断層撮影(CT)とエックス線検査で骨折と全身打撲が確認された。1、2カ月前のけがとみられる。
 
 主治医は「自傷以外の可能性が高い」と判断。別の複数の病院で診察を受け、肋骨骨折のほかに腰の骨の一部も折れ、尻や太ももに内出血があることなども判明した。
 
 センターは400床に約320人が入院中。臨時職員を含む約310人が勤務している。

21時54分朝日新聞
障害者福祉サービス、原則無料に
 
 総合福祉法の素案障害者総合福祉法の素案をまとめた障がい者制度改革推進会議の作業部会=30日午後、東京・霞が関
 
 
  障害者自立支援法に代わる新たな障害者総合福祉法(仮称)の素案が30日、内閣府の作業部会でまとまった。福祉サービス利用の際の利用者負担を原則無償に することが柱。厚生労働省はこれをもとに法案化を進め、来年の通常国会への提出を目指す。ただ、同省内に異論も強く、実現性は不透明だ。
 
 2006年施行の自立支援法は、利用したサービスの一律1割負担が原則。利用が多い重度者ほど負担が重くなる仕組みのため、障害者の反発を受け、昨年末の法改正で支払い能力に応じた負担割合に変更。来年4月から実施される。
 
 ただ、自立支援法は13年8月までの廃止が決まっている。素案を示した作業部会は、メンバーの過半数を障害の当事者とする内閣府の障がい者制度改革推進会議に設置。当事者の声を反映するため、この会議で新しい仕組みを検討している。
 
 素案では、サービスの費用負担について食材費や光熱水費を除いて「原則無償」と明記。必要なサー ビスとして、手話や点字などコミュニケーションや、日常生活を送るための補装具など6分野を挙げた。ただ、「無償では国民の理解が得られるのか不安」とい う意見もあり、「高額な収入のある者には収入に応じた負担を求める」とした。
 

2011.8.31毎日新聞
障害者総合福祉法案:内閣府部会、予算倍増を提言 2兆円必要、法案化は不透明
  内閣府の障がい者制度改革推進会議総合福祉部会は30日、現行の障害者自立支援法を廃止して新たに作る障害者総合福祉法案のたたき台を、提言の形でまとめ た。障害者福祉予算を倍増し、経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均水準に引き上げることを当面の課題に掲げるなど、サービスの大幅な底上げを求めて いる。厚生労働省は来年の通常国会に同法案を提出し、13年8月までの施行を目指すが、財源にメドはついておらず、提言がどこまで法案に反映されるかは不 透明だ。
 
 福祉サービスについて、提言は「障害によって生じる社会生活上の困難を軽減する支援は原則として 社会が責任を担うべきだ」と指摘している。ただし、先月まとめた素案で「無料」としていた利用者負担は、複数の委員の指摘で「原則無償」に改め、高所得者 には所得に応じた負担を求める応能負担を導入するとした。
 
 課題に挙げた予算の増額に関しては、対国内総生産比(07年)でOECD加盟国平均並みを確保するには現行の約2倍、約2兆2051億円を要するとの試算を示し、「負担面も合わせ総合的に検討する」と記した。
 
 また、障害者に就労の場を提供する「障害者就労センター」を各地に創設し、法定の最低賃金以上の収入確保を目指すとした。【石川隆宣】
 
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 ◆提言の主な内容◆
 
・サービスの支給決定は障害者の意向を最大限尊重。障害程度は区分せず、本人が利用計画を策定して申請。協議不調に備え第三者の合議機関も設置
 
・就労支援を再編。労働法を適用し、最低賃金以上を目指す「障害者就労センター」と、労働法を適用せず年金や手当で所得を保障し、作業・創作活動を行う「デイアクティビティセンター」に
 
・障害に伴う支援は原則無償。移動の支援者の交通費なども負担なしに。高額所得者には収入に応じた負担を求める
 
・社会的入院・入所の早期解消のため、自ら選んだ住まいで暮らす「地域移行」の促進を法に明記
 
・障害者福祉予算をOECD諸国の平均水準に引き上げ
 
・第三者が、障害者の求めに応じて権利侵害の調査や改善を行う権利擁護(オンブズパーソン)制度の創設
 
毎日新聞 2011年8月31日 東京朝刊
 
 2011.8.30時事通信
高所得者除き無料化=障害者新法で政府の推進会議が提言

  政府の障がい者制度改革推進会議の総合福祉部会(部会長・佐藤久夫日本社会事業大教授)は30日、現行の障害者自立支援法に代わる新たな「障害者総合福祉 法」について提言をまとめた。現在、最大で経費の1割となっている障害福祉サービス(食費や光熱費などを除く)の利用者負担を、高額所得者を除き、無料化 するよう求めている。
 政府は今後、提言を基に法案を作成、来年の通常国会に提出し、2013年8月までの施行を目指す。ただ提言は財源などに触れておらず、調整が難航する可能性もある。 
  提言は、障害者に負担を課すことは健常者との間に新たな格差を生み出すと指摘。高額所得者には、収入に応じて現在の負担額の範囲内で負担を求めるが、それ 以外の人は、無料化する。高額所得と見なす目安は示さなかった。現行の自立支援法に基づく利用者負担は、高額所得者で上限が1割、その他の人は、1割以下 か無料となっている。
 提言はこのほか、現行の支援体制を、就労や生活など全国共通で提供する支援と、市町村が地域の実情に応じて提供する支援に再編することも要請した。(2011/08/30-21:43)

障害者新法の提言案を了承-総合福祉部会
医療介護CBニュース (火)22時23分配信
 
内閣府の「障がい者制度改革推進会議」の総合福祉部会は、新法「障害者総合福祉法」(仮称)に関する提言案を了承した(8月30日、厚生労働省)
 
 内閣府の「障がい者制度改革推進会議」の総合福祉部会(部会長=佐藤久夫・日本社会事業大教授) は8月30日、障害者自立支援法に代わる新法「障害者総合福祉法」(仮称)に関する提言案を了承した。今後は、この日の会合で出された委員の意見を踏まえ て提言を修正し、9月中にも上部組織の推進会議に報告する。
 
 了承されたのは、これまでの会合で検討された「障害者総合福祉法(仮称)骨格提言素案」を部会長らが修正した「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言―新法の制定を目指して―」。
 主な内容は、「障害者総合福祉法の骨格提言」や「関連する他の法律や分野との関係」など。
 
  「障害者総合福祉法の骨格提言」では、「利用者負担」や「報酬と人材確保」などの項目ごとに提言が盛り込まれている。「利用者負担」では、前回会合までに 示された素案で、障害に伴って必要になる支援を原則無償とすべきとしていた内容に、高所得者に対し、収入に応じた負担を求めることを追記した。さらに、自 立支援医療の利用者が低所得者の場合は全額公費負担とする部分は削除した。
 また、「報酬と人材確保」では、障害者福祉の従事者の年収水準を国家 公務員の「福祉職俸給表」と同程度にするよう提案していたが、「福祉職の給与を法外に上げるよう求めていると誤解を受ける可能性がある」(尾上浩二・障害 者インターナショナル日本会議事務局長)ことから、この提案を削除。少なくとも全国平均賃金以下にならないよう「事業者が適切な水準の賃金を支払う」こと と、「事業報酬体系を法的に構築する」ことを実現すべきとしている。
 さらに、「選択と決定(支給決定)」では、障害福祉サービスの支給決定に現 行の障害程度区分を使わず、障害者本人が策定したサービス利用計画を、市町村が支援ガイドラインに基づいたアセスメント(評価)を行うなどとしていた素案 の内容に言及。提言では、素案で示していた支給決定の仕組みについて、「試行事業を実施し、その検証結果を踏まえ、導入をはかる」と追記した。
 
■介護保険は「選択・併用」から「従来支援の継続」に
 素案で「障害者総合福祉法のサービ スと介護保険のサービスを選択・併用できるようにする」としていた介護保険との関係については、法の目的や性格が異なり、別個に制度設計されるべきとの観 点から削除された。代わって、介護保険サービスが支給される前から受けていた支援を「原則として継続して受けることができる」ことが盛り込まれた。
 
■難病などの検討会設置を提案
 「関連する他の法律や分野との関係」では、医療分野について、障害者の高齢化に伴って医療的ケアの担い手を増やす必要があることを明記し、医療的ケアを行える介護職員の増員の必要性を強調した。
 また、難病などに関する検討会を新設して、医療を受けながら地域生活を送れるように医療と就労分野の法令などについて検討すべきと追記した。
 
■提言取りまとめ後も会合開催を検討
 この日の会合で内閣府の東俊裕・推進会議担当室長 は、委員が今後も部会を開くよう求めている点について、「フォローアップ的な会合を開きたいが、(障害者総合福祉法案を策定する)厚労省と打ち合せをしな いといけない」と述べ、次回会合の開催を検討していることを報告した。
 
.最終更新:8月30日(火)22時23分

生活保護制度改革 密室協議に募る不安
   2011年8月25日中日新聞
 
  生活保護制度の改革を目的に進められている国と地方の協議に対し、受給者らが不満を募らせてい る。医療費の自己負担導入など、制度の縮小が議論されているのに、協議が非公開で、受給者が意見を述べる機会が一切設けられていないからだ。暮らしの実態 を訴える受給者の声に耳を傾けた。 (稲田雅文)
 
 「仕事がないのに生活保護を打ち切るとしたら、死ねっていうことですよね」と東京都内在住の四十代男性。二年半前から生活保護を受け、求職活動を続けている。今も、家族を養える仕事は見つからず、週一回、ハローワークで求人情報端末を操作する。
 
 七年前、長女の誕生を機に岩手県から単身東京へ出て仕事を探した。派遣社員として職を転々とした後、車の整備工場に勤めていた二〇〇八年末、派遣切りに遭い、失業。日比谷公園の年越し派遣村に身を寄せ、生活保護を申請した。
 
 厚生労働省によると、六月の有効求人倍率(季節調整値)は〇・六三倍で、雇用情勢は依然厳しい。協議では、失業した現役世代の受給者への対策が焦点の一つ。こうした世帯は〇八年のリーマン・ショック後から倍増。四月現在で二十四万三千五百世帯に上る。
 
 受給者が最も懸念するのが、自立を促す狙いで生活保護に期限を設ける有期保護の導入だ。提案した地方側は「機械的に保護を打ち切る制度にしてほしいという趣旨ではない」と協議で火消しに努めたものの、受給者の不安は尽きない。
 
 都内の三十代男性は統合失調症で就労が困難な境遇。十年以上前から生活保護を受け、検討されている医療費の一部自己負担導入に不安を感じている。
 
 同じ病気の妻と二人暮らし。お互い一人で病院に行くのは難しく、通院の際は互いに付き添う。生活 保護制度から「通院移送費」として出る一人分の交通費を除き、付き添い分は生活を切り詰めて捻出する。自己負担が導入されると、夫婦合わせて月十回以上あ る通院によって生活費がさらに削られる。男性は「私たちにとっては大きな問題。なぜ弱い人を苦しめようとするのか」と訴える。
 
 「わたしたちの声を聞いてください!」。八月十日、生活保護の受給者や支援者ら七十人が厚労省前の日比谷公園を起点に、声を上げながら東京駅近くまでデモ行進をした。
 
 参加者は「有期保護では生存権は守れない」「自己負担の導入はいのちの値引き」などと書かれた看板を掲げてアピールした。
 
 責任者を務めた東京都内の四十代男性も生活保護を受給する。昨年六月、職場での嫌がらせが原因でコンビニを退職。職を探しているときに体調を崩し、生活保護を申請した。今回の協議を知り、仲間とともにデモを準備した。「受給者の意見が反映されるべきだ」と話す。
 

政治社会人..認知症ケアめぐり与野党議員が意見交換-介護1万人市民委シンポ
医療介護CBニュース 2011年8月22日(月)22時30分配信
  
与野党の国会議員が認知症ケアの在り方をめぐって意見交換した(8月22日、東京都内)
 
 「これからの認知症ケアを考える」をテーマにしたシンポジウム(主催=介護の社会化を進める1万人市民委員会2010)が8月22日に開かれ、認知症ケアの在り方をめぐって与野党の国会議員が意見交換した。
 
 民主党の柚木道義衆院議員は、認知症ケアについて、「今の時代に合った、それぞれの家庭や地域に応じたモデルが大切」と指摘。地域全体で認知症の人を支えるため、既存の地域包括支援センターの役割を拡充した「地域生活支援センター」の創設を提言した。
 自民党の阿部俊子衆院議員は、「日本は医師の育成方法を間違えてきた」と述べ、認知症を早期に発見する上で「総合診療医」の育成が必要と主張。「介護保険制度を、(同居の)家族がいることを前提としたモデルから、独居モデルに切り替えるべき」とも訴えた。
  公明党の坂口力衆院議員は、認知症ケアを担う介護人材の養成をめぐり、「十分にやっていけるような対応を早く用意できるかどうか(が重要)」と、介護職員 の処遇改善の必要性を指摘。その財源については、「(65歳以上の)介護保険料を今より上げるのは現実問題として難しい」として、税制改正による公費負担 割合の引き上げなどを提案した。
 社民党の福島瑞穂参院議員は、「認知症の人を精神科病院に送り込むのではなく、地域で暮らせるようにしたい」と 強調。認知症の人が地域で暮らすための方策としては、認知症に対する正しい理解を広めることや、小規模多機能型居宅介護などの整備、相談・支援機関の充実 などを挙げた。
 
■訪問看護の再構築が必要―龍谷大・池田教授
 コメンテーターとして登壇した龍谷大社会学 部の池田省三教授は、認知症ケアをめぐる介護と医療の連携に関連して、「ケアマネジメントをきちんとやっていけるのは、訪問看護師ではないか」と述べ、訪 問看護サービスの再構築が必要と指摘した。これに対し、阿部議員は「訪問看護がしっかりすれば、在宅で認知症ケアを受けることは可能だと思う」と述べる一 方で、「(訪問看護事業所の報酬が)出来高払いでは、経営安定は望めない」と、包括的な報酬を提案。柚木議員は、「限られた(看護師の)人材をどのように 配置するかを考えないといけない」と述べた。
 
■「地域での認知症診療にインセンティブを」
 同じくコメンテーターとして登壇した「社会 福祉法人ロザリオの聖母会」海上寮療養所(千葉県旭市)の上野秀樹副院長は、「認知症の人に対して、精神科病院への入院はほとんど必要ない」と述べた上 で、「(往診などで認知症の人を)地域で支える医師のインセンティブになるような制度をつくってほしい」と要望した。
 これに対し柚木議員は、 「往診によって、それぞれの家庭で暮らしながらケアできるのが望ましい」としながらも、「財源の問題を考えると、一定の効率性も求めないといけない」と指 摘。「施設の中で、在宅に近い環境でサービスを提供できるような選択肢もあっていいのではないか」と述べた。また坂口議員は、「おしなべて在宅医療や在宅 介護の点数は低過ぎる。上げないといけない」と訴えた。
 
.最終更新:8月22日(月)22時30分

2011.8.20キャリアブレイン
日精協・山崎氏、「5疾病」で期待すること
【第166回】山崎學さん(日本精神科病院協会会長)
 
 社会保障審議会の医療部会は7月、都道府県が医療計画に記載する「4疾病5事業」に精神科疾患を 追加し、「5疾病5事業」とすることを了承した。昨年12月、同部会に追加を提案した日本精神科病院協会会長の山崎學さんは、精神科疾患は患者数が増加し ており、対策の重要性が高まっているものの、国の対策は「安かろう悪かろう」で、不十分だと指摘する。精神科疾患が「5疾病」に位置付けられることで、山 崎さんはどんなことを期待しているのか―。(高崎慎也)
  
日本精神科病院協会会長の山崎學さん
―4疾病(がん、糖尿病、脳卒中、心筋梗塞)に精神科疾患を追加し、「5疾病」とするよう医療部会に提案した背景を教えてください。
 患者数の増加、自殺者数への影響、国際的な動向を考慮しました。
 
 精神科疾患の患者は、2008年に323万人となり、1996年の218万人から1.5倍にまで増えています。これは、糖尿病(237万人)やがん(195万人)など既存の4疾病よりはるかに多い数字。特に、認知症やうつ病、発達障害の患者が増えています。
 自殺者数は98年以降、13年連続で3万人を上回っています。この背景には、気分障害の患者の増加があり、2008年には100万人を超えています。
 
 国際的な動向では、世界保健機関(WHO)は「DALY」(障害調整生命年)という新しい指標を 用いて精神科疾患の影響について調査しています。この指標は、ある病気にかかった人が死ぬまでにどれくらいの年月、その病気で苦しむのかを表すもの。この 指標で見ると、精神科疾患はがんや循環器疾患より障害を抱えたまま生きる年数が長いのです。
 
―提案の際には、「一般医療と精神科医療との連携強化や地域連携を一層強化する必要がある」と提言しています。
  認知症の場合には特にそうですが、精神疾患の患者には身体合併症を持っている人が非常に多い。例えば、糖尿病の治療をしている人が認知症にかかるケース。 内科では認知症の治療はできないので、精神科がかかわる必要が出てきます。また、近年は精神科の入院患者の高齢化が進み、約半数を65歳以上が占める状況 になっており、高齢化した精神障害者の合併症対策に一般科と連携して取り組む必要性が高まっています。精神科病院は単科の病院がほとんどなので、一般病院 との連携が重要になるでしょう。
 
―地域医療計画に「4疾病5事業」を位置付けることになった06年の医療法改正の際には、精神科疾患の追加を要望しなかったのですか。
 当時も日精協で検討しましたが、一部に反対意見があり、意思統一できなかったので見送りました。
 反対した先生からは、医療計画に記載がある病院と、記載されていない病院で差別化が進むのではないかと懸念する声がありました。ただ、この理由はおかしいと思います。すべての病院が参画できるような医療計画を国や都道府県に作らせればよいのです。
 
■各病院の役割・機能が明確に
 
―精神科疾患が加わり「5疾病」となることで、どのようなことを期待していますか。
 最も大きいのは、それぞれの病院や診療所が担う役割や機能が明確になることです。スタッフが充実しており、急性期から長期療養までを担う病院もあれば、スタッフが少なく急性期はできないが、長期療養はしっかりやるという病院も出てくるでしょう。
 
 また、精神障害者に対する偏見がなくなるでしょう。行政から大規模な補助金が投入され、精神科医療の財政的な底上げにつながることを期待しています。
 
―精神科医療はほかの科と違い、厚生労働省で社会・援護局が担当しており、障害福祉として扱われている面があります。地域医療計画に精神科疾患が位置付けられることで、こうした扱いが変わるとお考えですか。
  06年に障害者自立支援法が施行され、精神・知的・身体の三障害の制度が一元化された際に、精神科疾患対策は社会・援護局の担当になりましたが、本来は医 政局か健康局が担当すべきだと考えています。三障害といっても、知的・身体障害のような固定障害ではなく、精神障害は変動障害です。症状が安定していて も、いつ悪化するか分からないので、常に医療との接点が必要になります。
 
―診療報酬では、精神病棟入院基本料は、一般病棟入院基本料に比べて低い水準に抑えられています。
  わたしはむしろ、精神科の方が高く評価されてもおかしくないと考えています。一般科と違い、精神科の入院患者は放っておくと自傷・他害行為により、警察ざ たになることもある。精神科医療は、社会防衛的な機能も担っているのです。しかし、現状の診療報酬体系では、これに対する評価がなく、逆に減額されてい る。少なくともほかの科並みの点数にすべきです。
 
■「看護配置」でなく「人員配置」に
 
―そのほかに、次の診療報酬改定で是正すべきと考える項目はありますか。
 看護師の人数と入院患者の比率で入院基本料が決まる現在の仕組みは、おかしいと考えています。
 
 精神科では、PT(理学療法士)、OT(作業療法士)、PSW(精神保健福祉士)、臨床心理士な ど、さまざまな職種がかかわっています。60床病棟で3対1入院基本料を算定していれば、看護師が20人いなければならない計算になりますが、なぜ20人 全員が看護師である必要があるのでしょう。チーム医療の推進が叫ばれているのですから、20人のうち10人は看護師、残る10人はその病院の目指す方向性 によって、どの職種でもよい仕組みにすべきです。退院を中心にしたいので、残る10人のうち5人をPSWにする病院があってもいいし、高齢者が多いので介 護福祉士を8人配置する病院があってもいい。「看護配置」ではなく「人員配置」にして、自由に人員配置を決められるようにすべきです。
 
( 2011年08月20日 10:00 キャリアブレイン )

2011.8.11毎日新聞
生活保護改革:国と地方の協議難航、とりまとめ先送りへ
  生活保護制度の改革を目指す国と地方の協議が難航し、厚生労働省が当初予定していた今月中のとりまとめが延期される見通しになった。全国の保護受給者は 200万人を突破。財政負担も急増し、国も地方も改革の必要性は認めているが、働ける受給者への就労支援強化などで地方側は事務量の増加を懸念しており、 調整には時間がかかりそうだ。
 
 協議は厚労省政務三役と石川県知事、大阪市長ら地方代表の4首長との間で5月末にスタートした。 事務レベルの会合には東京都や川崎市も加わり、非公開(協議概要は後日公開)で進められ、5回目となる10日が最終の事務会合になる予定だった。しかし、 医療費の自己負担導入など自治体間の考え方に温度差がある課題があり、とりまとめ案を協議する本会合は9月以降になることが確実になった。
 
 一方、東京・霞が関の厚労省周辺では10日午後、生活保護受給者ら約70人がデモ行進。「密室協議ではなく、当事者の声を聞いてほしい」などと訴えた。【石川隆宣】
 
毎日新聞 2011年8月11日 2時32分

2011.7.28毎日新聞
生活保護制度:改革で「指定都市市長会」が緊急要請
  生活保護制度の改革案が8月にまとまるのを前に、政令市の市長でつくる「指定都市市長会」を代表して大阪市の平松邦夫市長が28日、細川律夫厚生労働相に 「地方の意見を十分反映した改革がなされるべきだ」と緊急要請した。生活保護に頼らずに就労・自立が可能な支援を行うことや、受給者に医療費の自己負担を 求める仕組みを検討することなどを求めた。
 
毎日新聞 2011年7月28日 23時32分

2011.8.9キャリアブレイン
骨格提言素案、介護保険・障害福祉の選択可- 障害者新法で総合福祉部会
 
 内閣府の「障がい者制度改革推進会議」の総合福祉部会(部会長=佐藤久夫・日本社会事業大教授) の第17回会合が8月9日に開かれ、障害者自立支援法に代わる新法「障害者総合福祉法」(仮称)に関する骨格提言の素案の一部が示された。素案では、障害 福祉サービスの利用者が介護保険サービスの対象となった場合に、どちらのサービスを利用するか選べるようにすべきとしている。8月末の次回会合には骨格提 言の取りまとめを終え、上部組織の推進会議に報告する予定だ。
 

内閣府の「障がい者制度改革推進会議」の総合福祉部会は第17回会合を開いた(8月9日、厚生労働省)
 
 骨格提言の素案は、同部会などの作業チームによる検討結果を基に、部会長らが作成した。同部会では、前回から骨格提言の取りまとめ作業が始められており、今回で素案の内容はほぼすべて委員に示されたことになる。
 
 意見交換では、素案が「障害者総合福祉法のサービスと介護保険のサービスを選択・併用できるよう にする」としている点について、福井典子委員(日本てんかん協会常任理事)が「(現行のように)介護保険が優先的に適用されると、(受けたサービス分だけ 利用料を支払う)応益負担を課されることになる」などと賛成した。これに対し斎藤縣三委員(共同連事務局長)は、「(障害福祉サービスを受ける)一方は無 料で、(介護保険サービスを利用する)もう一方は1割負担となることの整合性を考える必要がある」と指摘した。
 
 このほか、同部会と推進会議でつくる「医療合同作業チーム」の堂本暁子座長(前千葉県知事)が、 前日の推進会議の会合で示したのと同様の内容を報告。介護職が行える医療的ケアの範囲の拡大を検討すべきとした点には、「大切な自立支援だとは思うが、ま ずは医療職がすべきこと。介護職が法律上守られる仕組みがないと、大きな負担になるのではないか」(三浦貴子・全国身体障害者施設協議会制度・予算対策委 員会委員長)との意見が出た。
 また、精神障害者の保護者制度を廃止し、代わりに公的制度を設けるべきだとする報告については、山本眞理委員(全 国「精神病」者集団)が「廃止には賛成だが、莫大なお金がかかるであろう公的制度はいらない」と訴えたのに対し、河﨑建人委員(日本精神科病院協会副会 長)は「保護者制度の中で役割を見いだす(精神障害者の)家族もいる。廃止と決めず、制度の見直しをした上で公的制度を設けるべき」とした。
 

.( 2011年08月09日 22:00 キャリアブレイン )

2011.8.8読売新聞
障害者条例制定へ講演会北海道の事例を元道議が紹介
 
 北海道の事例を紹介する清水氏
  全国肢体不自由児・者父母の会連合会長の清水誠一・元北海道議が7日、宮崎市内で「北海道障がい者条例が出来るまで、出来てから」と題して講演した。約80人が参加し、2010年に施行された条例の内容などについて耳を傾けた。
 
 同様の条例は千葉、岩手、熊本県で制定されている。県内の障害者らでつくる「障害者差別禁止条例制定をめざす宮崎世話人会」(代表世話人=永山昌彦・障害者自立応援センターYAH!DOみやざき代表)が、県内での制定を目指して企画した。
 
 清水氏は、障害者自立支援法によるサービスは市町村間で格差があるため、障害者が暮らしやすい地域にするため、議員発議で条例案を作ったことを説明した。
 
 さらに障害者に対する虐待や人権侵害を調査し、知事に勧告を求めることができる「地域づくり委員会」を地区ごとに設け、障害者の就労を支援する企業を入札や融資などで優遇する認証制度を設けたことなどを紹介した。
 
 そのうえで「多くの地域で障害者が生活するための制度が整備されていない。宮崎県でも条例を作り、周知させることで、支援の充実を進めて」と呼びかけた。
 
(2011年8月8日  読売新聞)

障がい者条例へ集会 あす自治会館
2011年8月9日 09時57分 沖縄タイムス
 
(20時間38分前に更新)
 
 障がいのある人もない人もいのち輝く条例づくりの会(上里一之・岡島実共同代表)は8日、県庁で会見し、障害者の権利条例の制定に向けた緊急集会の開催をアピールした。10日午後7時から、那覇市旭町の自治会館で開催する。
 
 集会では、同会が県に提出した条例案に掲げるインクルーシブ社会の実現に向けた「権利保障の水準の確保」を求める声明文などを採択する予定。
 
 岡島代表は「障がいがある人がない人と同じような権利を保障されるために、障壁を除去することが必要。県はその視点を持って条例案を議論する土俵づくりをしてほしい」と訴えた。
 
 県は現在、条例策定に向けた県民会議の設置作業を進めており、委員を公募している。
 
 会見に出席した精神障がいがある女性は「外見から分からない障がいで、差別を受けてきた多くの仲間がいる。障がいがあっても幸せに生きる社会ができたらいいと思う」と訴えた。
 
 緊急集会の問い合わせは同会事務局、電話098(898)044

病院職員1億8000万円着服容疑
2011年08月06日朝日新聞
 
◆7年前から繰り返す◆
 
 入院患者の預かり金計約1億8千万円を着服していた桜ケ丘病院(金沢市観法寺町)の50 代の女性事務員は、7年前から横領を繰り返していた。5日の記者会見で富岡秀文院長は「患者さんの大切な財産の管理が、不適切だったことを心からおわび申 し上げます」と釈明。同病院を運営する医療法人社団浅ノ川の小市勝之理事長は「このことを厳粛に受け止め、再発防止のために内部管理体制を改めたい」と謝 罪した。
  病院によると、女性は同病院の事務課に所属。2003年ごろから患者の通帳などを1人で 管理する立場になり、04年1月~11年5月まで着服を続けた。当時の事務長ら管理職は、預かり金の残高点検をしていなかったという。女性は「1億円以上 は娘がブランド品購入などに充てた。自分のためには使っていない」などと話しているという。
  再発防止策として、同病院はマニュアルを見直し、通帳を預かる場合は原則として成年後見人をたてることなどを挙げている。また、病院側は管理職も厳正に処分する方針。
  この件を受け、県は週明けにも、通帳を預かることがある精神科を持つ各病院に再発防止を指導するとしている。
 (黒田壮吉)

2011.8.6読売新聞
病院事務職員、1億8千万着服…入院患者の預金
 
会見で横領を謝罪する、金沢・桜ヶ丘病院の理事長ら(5日、金沢市の桜ヶ丘病院で) 金沢市観法寺 町の精神科病院「桜ヶ丘病院」(富岡秀文院長、500床)は5日、50歳代の女性事務職員が、入院患者から病院が預かっていた預金口座などから、約1億 8000万円を着服していたと発表した。
 
 約7年間にわたり、37人の口座から引き出していたという。病院側は女性を業務上横領の疑いで県警に刑事告訴しており、近く女性を懲戒解雇し、理事長ら関係者も処分する方針。
 
 病院側の説明によると、女性は2004年1月~11年5月、37人の患者個人の預金口座から約1億6500万円、全入院患者約450人が預けていた「小遣い預かり金口座」から約1500万円、計約1億8000万円を着服した。
 
 預金口座は、身寄りのない患者や家族が遠方にいる患者、自ら預金管理できない患者などが、印鑑と ともに預けており、年金などが継続的に入金されていた。小遣い口座は、院内の売店や散髪などの代金をまとめて支払えるよう、患者が病院側に月数千~数万円 を預けているもので、一つの口座で病院が一括管理していた。
 
 女性は04年以前から他の職員と2人で口座管理を担当していたが、04年からは1人で任されていた。病院はこの約7年間、口座残高などをチェックしていなかったという。今年4月に就任した新事務長が5月に口座を調べ、不審な点があったことから内部調査を進めていた。
 
 被害金額のうち約1億円は、女性が個人口座に入金した後、クレジットカード決済に使われており、 残りの約8000万円は使途がわかっていない。女性は着服を認め、「子どもの買った高級ブランド品の支払いなどに充てた」と話しているという。女性は所持 金数十万円を弁済したが、ほかに預金などは残っていないという。
 
 病院側は被害金額を既に全額肩代わりし、ほぼ弁済を終えたとしている。37人のうち7人は既に死亡しており、相続人などと交渉中という。
 
 富岡院長は同日開いた記者会見で、「患者を守る病院で不適切な管理があったことをおわびする。院長として責任を重く受け止めており、弁済は病院が責任をもって行う」と謝罪した。
 
 桜ヶ丘病院は、「桜ヶ丘神経サナトリウム」として1960年に設立され、1997年に現在の名称となった。精神科としては県内最大規模。
 
(2011年8月6日10時14分  読売新聞)

認知症疾患医療センターの先進事例を紹介-待機日数、4分の1に短縮も
医療介護CBニュース2011年 8月5日(金)22時19分配信
 
日本精神科病院協会が開いた地域精神医療フォーラムには認知症疾患医療センターの担当者が集まった(8月5日、東京都内)
 
 日本精神科病院協会は8月5日、地域精神医療フォーラムを開き、熊本県や宮城県の認知症疾患医療センターの担当者が、認知症の早期の発見・診療や、認知症に関する医療・介護の連携などについての先進的な取り組みを紹介した。
 
 フォーラムでは、熊本県の認知症疾患医療センターの設立にかかわった熊本大大学院の教授が、同県 での取り組みとして、全県を対象に一定水準以上の専門医療を提供し、認知症に対応できる医師などの人材育成も担う「基幹型」の同センターと、県内の各地域 で地域包括支援センターや総合病院などと連携し、地域に密着して日常的な治療や支援を行う「地域拠点型」の認知症疾患医療センターを複数配置する「熊本モ デル」を紹介。これにより、2009年から10年にかけて入院件数がほぼ横ばいだった一方、新規患者数が約2倍、外来受診件数が約1.2倍に増えたと報告 した。しかし、患者数の増加で、予約から受診までにかかる期間の長期化を招き、BPSD(周辺症状)の急性期対応に遅れが出ている点を課題に挙げた。
 
 仙台市立病院精神科・認知症疾患医療センターの担当者は、認知症疾患医療センターに、精神保健福 祉士や保健師などを配置した「精神科医療相談室」をつくることなどが有効だとした。相談室では、一般医療機関や介護保険サービス事業所などとの連携を担う ほか、院内の身体科各科と連携しながら、認知症患者のトリアージを行うことから、医師が治療に専念できるようになり、予約してから初診までの待機日数を2 年間で平均約65日から約16日へと4分の1に短縮することに成功したという。
 
 平成病院(熊本県八代市)の担当者は、地域拠点型の認知症疾患医療センターとして、認知症に関す る勉強会を医師やケアマネジャー、民生委員を対象にそれぞれ開いたり、家族介護者の交流会を開いたりしている取り組みを説明。これにより、かかりつけ医や ケアマネジャーからの相談件数が増加したとした。
 
.最終更新:8月5日(金)22時19分

2011.8.1毎日新聞
社説:改正障害者基本法 評価できる点は多い

 障がい者 制度改革推進会議は民主党政権の目玉機関の一つだ。「私たちのことは、私たち抜きで決めるな」を合言葉に、官僚主導ではなく障害者自身が制度を作るという のだ。改正自立支援法や虐待防止法も相次いで成立したが、これらは旧政権からの法案であり、改正障害者基本法こそが推進会議の初仕事である。
 
 改正法は、障害定義を広くして制度の隙間(すきま)をなくし、施設や病院よりも地域での生活を基 本とするなど、理念は評価すべきものが多い。手話は言語であることも初めて法律に明記された。障害者も入る「政策委員会」を設置し、障害者基本計画の実施 状況を監視し首相に勧告できる仕組みも導入された。
 
 個別分野では「司法手続き」と「選挙」が注目される。刑事事件で障害者が判断能力の弱さにつけ込 まれて自白調書を取られて冤罪(えんざい)事件になったケースが数々ある。改正法では個々の障害者の特性に応じた意思疎通の手段の確保、関係職員の研修な どを義務づけた。また、障害者が選挙権を行使できるように配慮することも盛り込まれた。一方、医療、教育、労働の分野はめぼしい内容が少なく、推進会議内 でも「30点程度の内容だ」との酷評が聞かれる。
 
 「合理的配慮」も注目された。車いすの人が公平に入社試験を受けて採用されても職場が段差だらけ では働くことが制限される。このようなケースは間接差別とされ会社に合理的配慮義務を課すことが世界的な潮流だが、国内では経済界などからの警戒が強い。 改正法では「合理的な配慮」という表現で玉虫色の決着となった。また、条文の各所に「可能な限り」という言葉が登場することも懸念点として挙げられる。総 論では障害者への配慮をうたいながら、現実には財政の制約などを理由に不可能とされるのではないかとの不信が障害者の間に広がっている。
 
 全体的に見ると斬新な改革が随所にあるものの、推進会議が当初まとめた原案からは大幅に後退した のも事実だ。権利を前面に打ち出した原案に各省庁は警戒を強め、政府案としてまとめる中で現実的な内容に引き戻したためだ。現在、自立支援法に代わる「障 害者総合福祉法」「障害者差別禁止法」も論議が進んでいる。基本法より財源と直結する制度改革である。政府内には現実離れした案になるのではないかと懸念 が広がっている。障害者側の不満もわかるが、国民全体が寄せた税金をどう使うかは「私たち(障害者)」だけで決められるわけではない。
 
 改正基本法の成果と教訓をどう障害者側が受け止めるか、民主党の政治主導は本当に発揮されるのか。真価が問われるのはこれからだ。
 
毎日新聞 2011年8月1日 2時31分

2011.8.3読売新聞
脳に電流、アルツハイマー病に有効
  うつ病などの治療のため脳に電流を流す電気けいれん療法で、アルツハイマー病を引き起こすたんぱく質の働きを抑制できることを、金沢医科大学の加藤伸郎教授らの研究チームがマウスの実験で突き止めた。
 
 3日付の米科学誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」で発表する。
 
 アルツハイマー病の患者は、神経細胞の機能を低下させるたんぱく質「アミロイドβ」(Aβ)の濃 度が脳内で高まっている。加藤教授らは、マウスの脳内の情報伝達を担う電気信号を観察。Aβを過剰に作り出すアルツハイマー病のマウスでは、正常なマウス に比べ、信号の継続時間が約1・5倍の長さになっていることを発見した。
 
 信号を送る時間が長いと、脳内に送られるカルシウム量が過剰になって神経細胞に悪影響を与え、そ れがアルツハイマー病の一因になるとされる。Aβの増加で信号の継続時間が長くなっているマウスの脳に、電気けいれん療法と同様の電流を流すと、信号の時 間が正常な長さに戻った。
 
(2011年8月3日19時19分  読売新聞)

2011.8.3共同通信
アルツハイマー病に電気治療 マウスの実験で効果

 重症のうつ病患者らの治療に使われる電気刺激療法が、アルツハイマー病にも有効であるとするマウスの実験結果を、加藤伸郎金沢医大教授と国立病院機構宇多野病院(京都市)の山本兼司医師らのチームが、3日付の米科学誌ジャーナル・オブ・ニューロサイエンスに発表した。
 
 病気の進行を遅らせることが主眼の現在の治療薬と異なり、アルツハイマー病の主な原因物質のタンパク質「ベータアミロイド」の作用を直接抑えるのが特長。
 
 細胞の内外を出入りするイオンの通り道のうち、細胞を死滅から守るカリウムイオンの通り道が、必要な時にベータアミロイドの影響で開けなくなっている現象に注目。
 

2011/08/03 07:00   【共同通信】 
アルツハイマー病電気治療 マウスの実験で効果
2011.8.3 08:10 産経新聞

 重症のうつ病患者らの治療に使われる電気刺激療法が、アルツハイマー病にも有効であるとするマウスの実験結果を、加藤伸郎金沢医大教授と国立病院機構宇多野病院(京都市)の山本兼司医師らのチームが、3日付の米科学誌ジャーナル・オブ・ニューロサイエンスに発表した。
 
 病気の進行を遅らせることに主眼を置いた現在の治療薬とは異なり、アルツハイマー病の主な原因物質のタンパク質「ベータアミロイド」の作用を直接抑えるのが特長だという。
 
 ベータアミロイドが細胞内にたまるよう遺伝子改変したマウスの耳に電極を付け、電気刺激を与えたところ、通り道が開きやすくなる別のタンパク質が発現。道が開くようになったといい、細胞の死滅を防ぐことができると考えられる。

2011.7.29毎日新聞
改正障害者基本法:「社会のバリアー排除」成立

 障害 者の定義を見直し、社会的な障壁を取り除くための配慮を行政などに求めた改正障害者基本法が29日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。施行は8月5 日の見通し。06年に国連総会で採択された障害者権利条約の批准に必要な法整備の一環。障害の有無にかかわらず、人格と個性を尊重する「共生社会」の実現 を目的に掲げた。
 
 改正案では、障害者の定義も見直した。制度や慣行など社会的障壁により日常・社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの、とする定義を追加、障害者が社会参加できない理由には社会の側のバリアーがあるとした。
 
 基本的施策では、円滑な投票のための投票所の整備や、裁判など司法手続きの際に手話など障害者の 特性に応じた意思疎通の手段を確保することの配慮、関係職員に対する研修などを義務づけた。教育については、市町村教委によって障害のある子どもの受け入 れ対応が異なるため、本人や保護者に対し、「十分な情報を提供し、可能な限りその意向を尊重しなければならない」と定めた。また、東日本大震災で障害者に 避難情報が伝わらなかったケースを踏まえ、防災・防犯について必要な施策を講じることも義務づけた。【石川隆宣、野倉恵】
 
 ◇国連条約批准へ一歩
 今回の障害者基本法改正は、政府の国連障害者権利条約(06年採 択)の批准に向けた、国内法整備の第一弾と位置づけられる。障害の定義を見直すなど重要な転換が図られた意味は大きい。ただし、障害者と家族がメンバーの 過半数を占め、改正法について議論してきた政府の「障がい者制度改革推進会議」の素案とはまだ開きがあるなど課題も指摘されている。
 
 改正法で推進会議側が最も懸念するのは、障害者が「どこで誰と生活するか」などの選択の自由につ いて「可能な限り」と制約する文言が入った点だ。「障害が重度の場合、医療設備が必要など選択が保障されない場合がある」のが理由で、内閣府が各省庁と調 整し文案を作る中で盛り込まれた。「限定付きの基本法は他にない。男女平等などの基本法で『可能な限りの平等実現』はあり得ない」(福島瑞穂参院議員)と 批判する声は強い。
 
 推進会議を1年半傍聴してきた、重度障害を抱える長女の母親で埼玉県在住の新井たかねさんは「残 念な部分も多いので、私たちも(議論に)参加し働きかけ続けたい」と言う。長女は障害者自立支援法違憲訴訟の元原告。裁判での国との和解では当事者の意見 を尊重するとされた。それを受けた推進会議は毎回ネット中継され、「参加意識」を感じる障害者や家族は多い。基本法に基づき福祉サービスなど関係法令を見 直すことになるが、その過程で障害者の「参加意識」をしぼませないことも求められる。【野倉恵】
 
毎日新聞 2011年7月29日 12時51分(最終更新 7月29日 13時30分) 

 2011.7.29毎日新聞
解説:改正障害者基本法成立 国連条約批准へ一歩 障害者の「選択の自由」課題

  今回の障害者基本法改正は、政府の国連障害者権利条約(06年採択)の批准に向けた、国内法整備の第一弾と位置づけられる。障害の定義を見直すなど重要な 転換が図られた意味は大きい。ただし、障害者と家族がメンバーの過半数を占め、改正法について議論してきた政府の「障がい者制度改革推進会議」の素案とは まだ開きがあるなど課題も指摘されている。
 
 改正法で推進会議側が最も懸念するのは、障害者が「どこで誰と生活するか」などの選択の自由につ いて「可能な限り」と制約する文言が入った点だ。「障害が重度の場合、医療設備が必要など選択が保障されない場合がある」のが理由で、内閣府が各省庁と調 整し文案を作る中で盛り込まれた。「限定付きの基本法は他にない。男女平等などの基本法で『可能な限りの平等実現』はあり得ない」(福島瑞穂参院議員)と 批判する声は強い。
 
 推進会議を1年半傍聴してきた、重度障害を抱える長女の母親で埼玉県在住の新井たかねさんは「残 念な部分も多いので、私たちも(議論に)参加し働きかけ続けたい」と言う。長女は障害者自立支援法違憲訴訟の元原告。裁判での国との和解では当事者の意見 を尊重するとされた。それを受けた推進会議は毎回ネット中継され、「参加意識」を感じる障害者や家族は多い。基本法に基づき福祉サービスなど関係法令を見 直すことになるが、その過程で障害者の「参加意識」をしぼませないことも求められる。【野倉恵】
 
毎日新聞 2011年7月29日 東京夕刊 
 
2011.7.29時事通信
改正障害者法が成立=投票所バリアフリー化
 
障害者支 援の基本原則などを定めた改正障害者基本法が29日の参院本会議で全会一致で可決、成立した。就職や教育などあらゆる機会での差別を禁じた「障害者の権利 条約」批准に向けた国内法整備の一環。政府は今後、障害者総合福祉法(仮称)と障害者差別禁止法(同)の制定も目指す。
 改正法には、(1)障害者に政治参加を促すための投票所のバリアフリー化(2)障害者が刑事事件で取り調べを受けたり裁判に臨んだりする際の意思疎通を図る手段の確保-などが新たに盛り込まれた。
 また民主、自民、公明3党による修正で、障害者の定義に、自閉症など「発達障害」を含むことを明記したほか、東日本大震災を踏まえて国や自治体に、障害の程度や生活事情に応じた防災・防犯施策を講じることを義務付けた。(2011/07/29-12:18)

改正障害者基本法が成立
2011年7月29日 16時44分   NHKニュース
東日本大震災で障害者への情報の伝達がうまくいかなかったケースを踏まえ、国や地方自治体に、障害者の状態などに応じた防災・防犯対策を講じるよう義務づけるとした、改正障害者基本法が、29日の参議院本会議で可決・成立しました。
 
この法律は、東日本大震災で、耳が不自由な人が防災無線を聞けずに逃げ遅れるなど、障害者への情報 の伝達がうまくいかなかったケースを踏まえ、国や地方自治体に対し、障害者の性別、年齢、障害の状態、それに生活の実態に応じた、防災・防犯対策を講じる よう義務づけています。また、障害者が選挙で円滑に投票できるよう、投票所の段差をなくすといったバリアフリー化を進めることや、耳が不自由な人が裁判を 受ける際には、手話通訳者を配置するなど、障害者の特性に応じた意思疎通の手段を確保することなどが盛り込まれています。この法律は、大震災の教訓を踏ま え、障害者に対する防災・防犯対策の項目を追加するなどの修正を行っており、29日の参議院本会議で全会一致で可決され成立しました。

精神科救急検討会で論点整理-9月に報告書・厚労省
医療介護CBニュース 2011年7月28日(木)22時43分配信
 
 
7月28日の「精神科救急医療体制に関する検討会」では、これまでの議論などを踏まえた論点案を厚生労働省が示した(同省内)
 
 厚生労働省の「精神科救急医療体制に関する検討会」が7月28日に開かれ、これまでの議論などを踏まえた論点案を厚労省が示した。9月に開かれる次回会合で報告書を取りまとめる方針だ。
 
 論点案は、(1)都道府県が確保すべき精神科救急医療体制について(2)身体疾患を合併する精神疾患患者への対応―などが柱。
 (1)では、精神科救急医療体制の目標として、▽精神疾患・障害による重大行為を未然に防止する▽重症の救急患者に良質な医療を提供する▽在宅患者の地域生活維持を支援する―の3つを掲げた。
 (2)については、身体疾患を合併している患者では、合併症のない患者に比べて医療機関への受け入れに時間がかかっていることを問題視。合併症のある患者にも対応できる救急医療体制を確保する必要性があるとしている。

新法への骨格提言取りまとめで議論スタート-障がい者総合福祉部会
医療介護CBニュース 2011年7月26日(火)22時36分配信
 
 
内閣府の「障がい者制度改革推進会議」の総合福祉部会は16回目の会合を開き、「障害者総合福祉法」(仮称)に関する骨格提言の取りまとめに向けて議論を始めた(7月26日、厚労省内)
 
 内閣府の「障がい者制度改革推進会議」の総合福祉部会(部会長=佐藤久夫・日本社会事業大教授) は7月26日、16回目の会合を開き、障害者自立支援法に代わる新法「障害者総合福祉法」(仮称)に関する骨格提言の取りまとめに向けた議論を始めた。会 合では、同部会の作業チームが報告した検討結果を踏まえて作成された骨格提言の素案が、初めて示された。
 
 佐藤部会長らが示したのは、「障害者総合福祉法(仮称)骨格提言素案」。素案には、▽選択と決定 (支給決定)▽利用者負担▽報酬と人材確保▽支援(サービス)体系―などの項目ごとに提言が盛り込まれたほか、今後は医療分野など「関連する他の法律との 関係」なども追加される予定だ。
 
 「選択と決定(支給決定)」では、障害程度区分について、障害種別を超えた支給決定の指標とする には問題が大きいと指摘。自らが求める支援に関するサービス利用計画を障害者本人が策定し、市町村は支援ガイドラインに基づいてニーズのアセスメントを行 うことなどを提案している。
 「利用者負担」では、障害を持たない人との平等性の観点から、光熱費など誰もが支払う費用は障害者本人の負担とする 一方で、医療・リハビリテーションなど、障害に伴って必要になる支援は無料にすべきだとしている。また、自立支援医療制度の利用者負担をなくすことも提 案。ただし、障害者の医療費を無料にするのでなく、障害に伴う医療費の自己負担のみの無料化を強調している。
 「報酬と人材確保」では、障害者の サービスに対する選択権と請求権を保障するために、必要な人材と適正な事業報酬を確保すべきだと指摘。事業報酬では、利用率90%以上で採算が取れるよう 設定されている入所施設の報酬額を、利用率80%程度で採算が取れるようにすべきだとしている。さらに、障害者福祉の従事者の年収水準が国家公務員の「福 祉職俸給表」と同程度になる事業報酬にするよう提案している。
 「支援(サービス)体系」では、▽介護給付▽訓練等給付▽地域生活支援事業―に大 別されている現行のサービス体系について、「介護保険との整合性を意識したもの」だとして見直しを提案。具体的には、▽グループホームとケアホームを一本 化などした施設での「居住支援」▽居宅介護や移動介護を含む「個別生活支援」―などを全国共通の仕組みとして位置付ける。さらに、地域生活支援事業は、地 域の実情に応じて提供される「市町村独自支援」として提供できるようにする。
 
 8月上旬の次回会合では、この日の会合で示された素案をめぐる委員からの意見を反映させた修正案が、この日示されなかった項目を加えた上で提示される予定。8月末には、同部会で骨格提言として取りまとめる方針だ。
 
■障害児・者実態調査で修正案
 会合ではこのほか、今年度中の本格実施を予定している「生 活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」について、調査のための訪問を拒否する場合などの窓口を自治体に加え、厚生労働省にも設 ける修正案が示された。前回会合で委員から、調査に自治体や民生委員がかかわることに対して、障害があることを知られたくない人への配慮が必要との批判が 出たことを踏まえたもの。
 
.最終更新:7月26日(火)22時36分

2011.7.27毎日新聞
障害者総合福祉法:「サービス無料に」 推進会議が素案

  内閣府の「障がい者制度改革推進会議」の総合福祉部会は26日、現行の障害者自立支援法に代わる障害者総合福祉法(仮称)の骨格となる提言の素案を公表し た。障害福祉サービスの利用料を公的支援により無料とすべきだなどの考えが示された。だが、厚生労働省は難色を示している。
 
 同部会は障害者団体代表などが中心となって議論している。8月30日に提言をまとめる意向だが、法案づくりは難航しそうだ。
 
 現行法は、一定以上の所得がある人には障害福祉サービスの利用に自己負担を求めている。この点に ついて素案は、相談支援▽手話や点字、携帯電話などコミュニケーション手段▽食事や排せつのための補助用具、住宅のバリアフリー化▽交通費や入場料など社 会生活を送るための支援▽労働・雇用▽医療・リハビリテーション--の6分野を無料とするよう提言し、「障害のある人に負担を課すことは、障害のない人と の間に新たな格差と差別を生む」とした。【石川隆宣】
 
毎日新聞 2011年7月27日 東京朝刊
 
“障害者福祉サービス無料に”
2011年7月27日 5時6分   NHKニュース

新しい障害者支援制度の在り方を話し合う政府の検討会は、訪問介護やリハビリテーションなど、障害者の生活に欠かせない福祉サービスは原則無料にすべきだという提言を示しました。
 
この検討会は、障害者自立支援法が再来年までに廃止されることから、新しい障害者支援制度の在り方 について、障害者やその支援者などから意見を聞こうと設けられたもので、26日、提言を示しました。それによりますと、障害者自立支援法では、所得の低い 世帯を除いて福祉サービスを利用した人に原則1割の自己負担を求めていますが、提言では訪問介護やリハビリテーションの利用料、それに車いすの購入費や住 宅の改修費など生活に欠かせない費用は所得に関わらず原則無料にすべきだとしています。また、自治体は障害者にどのような福祉サービスを提供するか本人や その家族の希望を尊重し、十分に話し合ったうえで決めるべきだとしています。厚生労働省は、この提言を参考に新しい障害者支援制度の法案を作成し、来年の 通常国会に提出する方針ですが、財源の確保など課題も多く、政府内で協議を続けていくことにしています。
 

措置入院時の強制医療介入でモデル事業も-厚労省・精神医療作業チーム
医療介護CBニュース 2011年7月27日(水)22時35分配信
 
 
厚生労働省の「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」の下に設置された「『保護者制度・入院制度の検討』に係る作業チーム」の会合(7月27日、厚生労働省)
 
 厚生労働省の「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」で議論する論点を整理して いる「『保護者制度・入院制度の検討』に係る作業チーム」(座長=町野朔・上智大法学研究科教授)は7月27日、6回目の会合を開いた。この中で、措置入 院時の「強制医療介入」の在り方について、モデル事業の実施も視野に議論する必要性などを検討チームに報告する方針が確認された。
 
 事務局は、精神保健福祉法における規定について、本人の同意によらない入院として措置入院などの 詳細な手続きが規定されている一方で、治療行為に関しては手続きが定められていない問題点を提示。さらに、医療観察法に導入された手続きとして、医療機関 側が精神障害者から治療を行う上での同意を得るよう努力することや、同意を得られずに治療を行う場合に倫理会議を開いて決議することなどを紹介した。
  これに対し、笹井康典構成員(大阪府枚方保健所所長)は「医療観察法の手続きには、(医療機関が)かなり多くの人手と手間をかけていると聞く。(必要な治 療を同意なしに)人権擁護の視点に立って行うなら、今の(医療機関の)人員体制では厳しいのではないか」と現場での課題を挙げた。また、千葉潜構成員(青 仁会青南病院理事長)が「(比較的短期での退院もある)措置入院と医療観察法(による入院)ではだいぶ違う」と指摘。河崎建人構成員(日本精神科病院協会 副会長)は、「どこかでモデル的なことをやるべきではないか」と提案した。
 
 また、退院請求・処遇改善請求に関しても議論され、精神障害者の「保護者」以外に、「代理人」が 本人に代わって請求できる上、誰でも代理人を担えることが焦点となった。これについて鴻巣泰治構成員(埼玉県立精神保健福祉センター主幹)が、「誰でもな れるのなら、主治医でもなれてしまって本末転倒になる」と指摘。磯部哲構成員(慶大法科大学院准教授)は、「誰がなれるかという問題のほかに、代理人の権 限の範囲の問題もあるのではないか」と述べた。
 
 作業チームは、前々回からの議論を踏まえて整理した論点を、上部組織である検討チームの会合に報告する予定。
 
.最終更新:7月28日(木)16時0分

2011.7.26キャリアブレイン
入院短縮を目指し「目標値」設定を提案- 厚労省、精神病床の認知症患者を対象に
 
 厚生労働省は、7月26日に開かれた「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」 で、認知症患者が精神病床に入院する期間を短縮するため、退院に関する「目標値」を設定する案を提示した。また同省は、9月に開催される次回会合で、今年 5月以降の検討チームでの議論の取りまとめ案を示す方針を明らかにした。 
 
「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」の会合(7月26日、厚生労働省)
 退院に関する「目標値」を設定する案は、厚労省が作成した「精神保健医療福祉改革ビジョン」の基本姿勢である「入院医療中心から地域生活中心へ」を推進する施策の一環として示された。
 
 厚労省は、精神病床で治療に当たる認知症患者の約50%が半年以上入院している点に着目。患者が 入院治療を終える時期を「目標値」として定めることを提案した。具体的な数値としては、患者の50%が退院する時期を、「1か月後」「2か月後」「3か月 後」「4か月後」「5か月後」のいずれかに短縮することを提示している。目標達成の時期を、第7期の介護保険事業計画が終わる2020年に定めることも提 案した。
 
■退院後の“受け皿”の整備を求める意見が相次ぐ
 
 この提案に対し、構成員からは「(退院した認知症患者を)地域で受け入れる体制が、まだ十分では ない。その結果、家族が苦労している」(野村忠良・東京都精神障害者家族会連合会会長)、「入院患者の病状が安定しても、(家族や地域で患者を)受け入れ ることができない、では無理に退院させても意味がない。在宅介護をどのようにサポートするかを考えるべき」(東憲太郎・医療法人「緑の風」理事長)など、 認知症患者の退院を促すと同時に、患者が地域に戻った後の“受け皿”の整備を急ぐべきとする意見が相次いだ。
 
■精神病床の認知症患者、26年には9.2万人に-厚労省が推計
 
 厚労省は、提案に先立ち、精神病床における認知症患者数の変化を推計したデータを示した。推計によると08年に5.2万人だった入院患者は、14年には6万人を突破。20年には8万人近くになり、26年には9.2万人に達するとしている。
  また、同省の提案に先立ち行われたヒアリングでは、朝田隆構成員(筑波大大学院教授)が、認知症に関する疫学調査の結果を発表。若年性認知症について、茨 城県や熊本県、徳島市など5県2市で実施した調査の結果などから、「全国で3万7000人余りの患者がいると推定される」と述べた。
 
( 2011年07月26日 23:28 キャリアブレイン )

2011.7.26共同通信
認知症入院、15年後9万人に 精神科で1・8倍

 厚生労働省は26日、認知症で精神科病棟に入院する患者について、08年に5万2千人だったのが、今から15年後の26年には約1・8倍の9万2千人に増えるとの推計を省内の有識者検討会で示した。
 
 厚労省は急激な増加に対応するため、退院後も自宅などで医療や介護を受けられる支援態勢を整えた上で入院期間を短縮し、15年後の入院患者数を8万7千人以下に抑える目標を設定したい考え。
 
 アルツハイマー病などが原因の認知症で精神科に入院する患者は、1996年には2万8千人だったが、高齢化の進行により急増している。
 
2011/07/26 20:02   【共同通信】

2011.7.22毎日新聞
地上デジタル放送:24日完全移行 福祉施設など支援制度なく、資金難の壁 /山口
 ◇災害時など「情報格差」を懸念

  地上デジタル放送への完全移行が24日に迫る中、県内の社会福祉施設の一部から、資金難から「地デジ化できない」との悲鳴が上がっている。東日本大震災で は障害者など災害弱者の避難の遅れが問題となっており、災害・避難情報をテレビから入手できないことで新たな「情報格差」が生まれることが懸念されてい る。岩国市の障害者施設で実情を聞いた。【吉川雄策】
 
 県厚政課などによると、4月、国の依頼で県内の社会福祉施設1772施設に地デジへの移行につい て調べたところ、回答があった1067施設中、3分の1以上の365施設が3月末現在で「地デジを視聴できない」と回答。このうち、7月までに移行する予 定がないとした267施設のうち、「もともとテレビを設置していない」「移行する必要を感じない」などと回答した218施設を除く49施設が「購入費用が ない」と答えた。
 
 49の大半は学童保育の施設だが、56人の知的・精神障害者が通う施設「しらかば園」(岩国市室 の木町3)も、「買い替える余裕がない」と嘆く。就労支援や授産作業で3施設を抱える同園には計3台のテレビがある。他の障害者施設同様、経営は苦しい。 企業からの下請け発注などを受けても利用者の工賃や運営費などを支払うとほとんど残らないという。3台とも10年以上前に寄付を受けたもので、地デジ チューナーを付けたとしても遠くないうちに故障する可能性が高く、見送らざるを得ない状況だ。
 
 県の49施設に対する追跡調査(12日現在)では「ビデオやDVDを見るために使う」と地デジ化を諦めた施設も多い。簡易チューナーが無償提供される生活保護世帯などとは異なり、社会福祉施設には地デジ化への支援制度がないことなども一因という。
 
 しらかば園の森川敏昭施設長(68)は「地デジ化できないことで、災害時に情報の入手が遅れるのではと他の社会福祉施設の関係者も不安に思っている」と話し、地デジ対応のテレビや資金を寄付してくれる市民を探しているが見つからず、頭を抱えている。
 
 ◇難視聴地域、増加の可能性
 中国総合通信局によると、7月上旬現在で、県内の難視聴地域は609地区・6291世帯。2年前の同局の推計では118地区・1498世帯だったが、地デジへの移行が進むにつれて新たな難視聴地域が見つかり、さらに増える可能性があるという。
 
 難視聴地域では共同アンテナの設置や地域のケーブルテレビへの加入などで大半は対応できるが、一部は衛星放送で東京のテレビ局の番組を受信して対応する「暫定放送」でなければ見られない世帯もあるという。
 
 地デジへの完全移行は24日正午。地デジ化への問い合わせに応じるデジサポ山口(083・963・4400)では、24日は徹夜で相談を受け付ける。
 
毎日新聞 2011年7月22日 地方版

2011.7.22毎日新聞
そううつ病:見極めて 「うつ病」と勘違い注意 症状知り適切な治療を

 気分の高まるそう状態と気分の沈むうつ状態が交互に起きる「そううつ病」(双極性障害)。そうのサインを見落とし、うつ病と勘違いしてしまうと、適切な治療を受けられなくなる。専門家は双方の違いをきちんと認識し、治療することの重要性を訴えている。
【水戸健一】
 
 上機嫌だけれど、変に高笑いをするようになる。怒り出したら手がつけられなくなる一方で、ワンワンと泣き出す--。そううつ病を患う宇田川健さん(40)は、そうの苦しさを打ち明ける。大学1年の夏休みが終わったころに発症。病気との付き合いは約20年になる。
 
 当初は、「死にたい」と気分の沈む状態がうつだと分かったものの、「突然、スーッと気持ちが高くなる状態」になっても、そうとは考えなかった。うつ病と診断されて通院。そうとうつを繰り返していたが、医師にそう状態を相談することはなかった。
 
 自らを「尊敬されるべきだ」と思い込み、周りに命令口調になったり、罵詈(ばり)雑言を浴びせたり。そうをうまくコントロールできず、大切な友人を失ったという。「尊大な態度をとって相手を傷つけてしまった。申し訳なくて恥ずかしくて、もう会えなくなった」
 
    *
 
 日本うつ病学会によると、そううつ病は日本人の約100人に1人が発症するといわれる。遺伝、環 境、性格などが関係しているとされるが、原因ははっきり分かっていない。女性に多いうつ病と異なり、発症率に性差はほとんどない。発症の平均年齢は30歳 とされるが、子どもや高齢者がなることもある。
 
 そうの時は基本的に上機嫌で、どんどん新しいことを始め、あまり眠らなくても行動できる。一方、ちょっとしたことでもイライラし、怒りっぽくなるのも特徴だ。症状が悪化すると暴言や暴力が高じ、人間関係を損ない、社会的信用を失ってしまう恐れもある。
 
 そう状態が見落とされがちなのは、本人や周囲が「調子が良い」と勘違いしてしまうためだ。気分の 沈んだ時に受診するため、そう状態を「いつもの自分」と思い込み、医師に症状を正しく伝えられない。うつ病と診断された患者の約10人に1人が、最終的に そううつ病と判明するという。
 
 そううつ病とうつ病の相違について、東京女子医大病院の坂元薫教授(精神医学)は「治療の目的も、治療に使う薬も違う。診断を誤ると、症状が悪化する恐れがある」と注意を呼びかける。
 
 うつ病の治療は「うつをよくする」ことが目的で、主に抗うつ薬が処方される。一方、そううつ病の治療は「そうとうつの波をコントロールし、どのように小さくするか」に重点が置かれ、主に気分安定薬や抗精神病薬が処方される。
 
 そううつ病の患者にうつ病の治療を続けると効果が低いだけでなく、抗うつ薬によってそうが誘発さ れ、そうとうつの繰り返しが激しくなったり、急にそうになる「躁転(そうてん)」が起こるようになる。症状が繰り返されると、再発の頻度も高まる。東京女 子医大病院では、うつを訴える患者の診察の際、そうの有無を必ず確認しているという。
 
 坂元教授は「そうからうつに転じたタイミングが最も危険」と指摘する。うつの時に、そうの時の行動を振り返り、自責の念を抑えきれず自殺を図ってしまう恐れもあるからだ。ただ症例はそれぞれで異なるため、まずは専門医に相談するとよい。
 
 そうは多忙、睡眠不足といった負荷がかかることで起きやすい。葬式や災害、旅行、学園祭なども誘 発の原因になるという。坂元教授は、東日本大震災がそううつ病のきっかけとなることを懸念する。「阪神大震災でも、自分が被災地を救わなければいけないと いう気持ちに駆られ、そうになってしまう人がいた」という。震災を巡る放言で辞任した松本龍・前復興担当相も「軽度のそう状態」だったことを、入院中の病 院が明らかにしている。
 
    *
 
 宇田川さんは現在、NPO「地域精神保健福祉機構・コンボ」(千葉県市川市、電話047・ 320・3870)の共同代表として、そううつ病に苦しむ人たちの相談に乗っている。「そううつ病と診断されて驚いてしまう人もいる。けれど、家族や周囲 の支えがあれば働けるし、結婚もできる。少し時間がかかったとしても何とかなるから、あまり絶望することはない」と話す。
 
 そううつ病の治療には、家族や周囲の協力も欠かせない。患者に対し感情的にならず、言動を注意す る必要がある。受診を促すようにし、重症化した時は入院させることも重要だ。宇田川さんは「うつの時は離れて見守り、そうの時は薬をきちんと飲んでいるか チェックしてほしい」と呼びかけている。
 
 そううつ病などで受診する際は、日本精神神経学会のウェブサイト(http://www.jspn.or.jp/)にある「研修施設名簿」が参考になる。
 
==============
 
 ◇「そう」のセルフチェック
□不思議なくらい愉快な気分が続き、バリバリと仕事(勉強)ができる
 
□ちょっとしたことでイライラし、普段よりも怒りっぽい
 
□自分が偉くなったと思い込み、自分の意見が一番で他人の忠告を聞かない
 
□夜にほとんど眠らず、徹夜を続けても平気
 
□いつもよりおしゃべりで、多くの人と話したいと思う。また、話が止まらない
 
□アイデアが次々と浮かぶ
 
□いつもよりも活動的で、動き回ったり、予定を入れないと気が済まない
 
□金の使い方が荒くなり、高い買い物をしたり、借金をしたりする
 
 (坂元教授作成。該当が多ければ注意が必要)
 
毎日新聞 2011年7月22日 東京朝刊

2011.7.11神戸新聞
障害者施設待機者3年で5.6倍に 「知的」が8割 

   在宅サービスなどを利用しながら、障害者施設への入所を希望する兵庫県内の「待機者」が391人に上り、3年前の5・6倍に増えていることが県の調査で 分かった。知的障害者が全体の79%を占め、県障害者支援課は「施設から在宅への地域移行を目指しているが、進んでいないのが現状。施設を退所する人が少 ないことも影響しているのではないか」としている。
 

 全国知的障害者施設家族会連合会の由岐透会長は「入所者や保護者の高齢化が進み、施設の方が安心できる場合もある。地域移行は大切だが、必要としている人がいる以上、施設を整備してほしい」と話している。
 
 県障害者支援課によると、2010年5月~11年4月に施設への入所を市町に相談し、利用の必要があると判断されたケースを集計。障害者施設への入所希望者は、11年5月1日現在で391人となった。08年6月調査では70人だった。
 
 391人の内訳は、身体のみ60人▽知的のみ261人▽精神のみ21人▽身体と知的の重複34人▽身体と精神3人▽知的と精神11人▽身体と知的、精神1人‐で、知的障害がある人は計307人だった。
 
 年齢別では、391人のうち40歳以上が50%を占めた。最多の神戸市は162人だった。
 
(紺野大樹)
 
(2011/07/11 15:30)

2011年7月12日22時18分朝日新聞
日本の貧困率、過去最悪の16%

 所得が少なく生活が苦しい人の割合を示す「相対的貧困率」が、2010年調査(09年時点)は16.0%で、07年調査(06年時点)より 0.3ポイント悪化した。18歳未満に限ると15.7%で、ともに、厚生労働省が貧困率を算出している1985年以降、最悪の水準になった。同省が12日 公表した国民生活基礎調査でわかった。
 
 相対的貧困率は、すべての国民を所得順に並べて、真ん中の人の所得の半分(貧困線)に満たない人の割合を指す。経済協力開発機構(OECD)の08年報告書では、加盟30カ国の平均は10.6%。
 

2011.7.12読売新聞
貧困率、過去最悪の16・0%…厚労省調査
 
 全国民の中で、所得の低い人がどのくらいの割合でいるかを示す「相対的貧困率」が2010年調査で16・0%と、前回(07年調査)より0・3ポイント悪化し、過去最高となったことが、厚生労働省が12日公表した「国民生活基礎調査」でわかった。
 
 同省は、所得の低い非正規労働者や、高齢者の増加が要因とみている。
 
 今回の調査で「貧困」とされたのは、09年の年間所得が112万円未満の人たち。国民の6~7人 に1人が貧困状態であることを示している。1986年調査の貧困率は12・0%で、年々悪化傾向にある。経済協力開発機構(OECD)の00年代半ばの調 査では、加盟30か国の平均は10・6%だった。
 
(2011年7月12日23時01分  読売新聞)

生活保護、自殺が2倍超
2011.7.13 00:38 産経新聞
 厚生労働省は12日、平成22年の生活保護受給者のうち自殺者は1047人で、人口10万人当たりの自殺者数を示す自殺率では55・7人と、日本全体での自殺率24・9人(全国平均)に比べ2倍以上だったとの調査結果を公表した。
 
 21年調査の62・4人を下回ったが、依然高い水準。厚労省は「自殺の要因の一つとされる精神疾患がある人の割合が、受給者では高いため」とみている。
 
 自殺した受給者のうち、精神疾患の患者は684人で65・3%に上った。全人口のうち精神疾患があるのは2・5%(08年)だが、生活保護受給者では15・0%(09年)と6倍の比率で、高い自殺率につながっているとみられる。
 
 調査では、若い受給者の自殺率が高いことも判明。30代が138・2人、20代は113・9人で、いずれも全国平均に比べ5倍の差があった。

2011.7.6読売新聞
認知療法 専門家を育成…精神・神経研究センター
   うつ病治療 薬だけに頼らない
 
認知行動療法センターで、スタッフと会話をする大野センター長(中央)
 うつ病治療が薬物治療に偏る中、国立精神・神経医療研究センター(小平市)で、薬だけに頼らない治療の専門家を育てる認知行動療法センターが今月、本格的に始動した。
 
 欧米で普及している「認知行動療法」の専門家育成機関という全国でも珍しい組織で、関係者の期待が高まっている。
 
 認知行動療法は、物事に対する考え方や行動パターンを変えることで、患者の心の負担を軽くする治療法。地域医療に認知行動療法が定着した英国では、薬物療法と併用することで、自殺率が低下するなどの効果が出ているという。
 
 国立精神・神経医療研究センターでは4月、「認知行動療法センター」の事務局が発足。6月には、初代センター長に日本認知療法学会の理事長の大野裕氏を迎え、体制を整えた。
 
 今後、医師、看護師、保健師らを対象に、研修会を開催。認知行動療法について講義やグループワークなどを通じて、年間100人の専門家を育成することを目標としている。
 
 日本では、うつ病治療は抗うつ薬など薬物療法が中心というのが実情だ。読売新聞が2010年 3~4月、全国119の精神科診療所から回答を得た調査によると、薬物偏重の傾向があると「強く思う」が19%、「ややそう思う」が54%と7割が懸念を 示した。しかし、薬だけで症状がほとんどなくなる人は6割程度とされ、頭痛などの副作用が出る恐れがある点も含めて、薬物療法の課題が浮き彫りになってい た。
 
 こうした中、認知行動療法への関心が高まっていたが、日本では、研修を受ける機会が乏しく、専門家の育成が課題だった。センターの設立は、こうした声に対応したもの。東日本大震災の被災者のうつ病対策という点でも、専門家の育成を求める声は強まっている。
 
 大野センター長は、「自殺予防という社会問題の打開につなげる意味でも、専門家の育成は国の重要課題。多くの人材を育てていきたい」と話している。(大津和夫)
 
(2011年7月6日 読売新聞)

2011年7月3日 02:00障害者の働く場ニュース
今月末に完全移行!各地で障がい者世帯の地デジ化支援
 
7月24日に完全移行
テレビの地上波デジタル放送への完全移行が、いよいよ今月24日に実施される。
 
総務省の調査によると、延期予定の岩手県、宮城県、福島県を除き、5月末の時点で地デジ視聴に必要な受信環境に対応している世帯の割合は、戸建て住宅で98.7%(2280万世帯)。
 
障がい者が居住している世帯に向けては、地デジ化のための工事費を助成している自治体も多く、それぞれの自治体のホームページやパンフレットで呼びかけを行っている。
 
 
 
東京・千代田区でも助成実施
東京・千代田区では、重度心身障がい者及び精神障がい者の属する世帯や高齢者のみの世帯を対象に助成制度を設けており、概要は以下のとおり。
 
・助成対象世帯(障がい者居住世帯に該当する部分のみ抜粋)
以下の(1)~(3)全てに該当する世帯
(1)千代田区在住で、住民基本台帳又は、外国人登録原票に記載又は登録されている
(2)重度心身障がい者(身体障害者手帳1級若しくは2級又は愛の手帳1度若しくは2度)及び精神障がい者(精神障害者保健福祉手帳1級若しくは2級)の属する世帯
(3)地上デジタル改修工事を実施した世帯
 
・対象となる地上デジタル改修工事
(1)既存のVHFアンテナをUHFアンテナに変更する場合
(2)新たにUHFアンテナを設置する場合、又は、既存のUHFアンテナでアナログ放送を受信していてデジタル放送の受信に変更する場合
(3)加入しているケーブルテレビのアナログ放送をデジタル放送に変更する場合
(4)新たにケーブルテレビに加入する場合
(5)光通信事業者の回線を使用し、デジタル放送(旧アナログ放送:1チャンネル~12チャンネルに対応)の視聴を可能とした場合(拡充)
(6)簡易UHFアンテナの購入(拡充)
 
・助成金額
地上デジタル改修工事に要した費用(消費税を含む)を、10,500円を限度として助成。
ただし、アンテナ代を含む工事及び簡易UHFアンテナの購入の場合は、その費用の2分の1の額を助成対象額とし、10,500円を限度として助成。
 

なお、千代田区では、地上デジタル改修工事について、まちづくり推進部で問い合わせを受け付けている。
 
千代田区まちづくり推進部建築指導課
住所■〒102-8688 東京都千代田区九段南1-2-1 
電話■03-3264-2111(代表)
FAX■FAX 03-3264-4792
メール
■kenchikushidou@city.chiyoda.lg.jp

海外から「浦河べてるの家」研修 JICA9人(2011/07/06 09:59)北海道新聞
 
通訳の説明を受けながらべてるの家の利用者(左)と昆布の袋詰め作業を体験する研修参加者
 【浦河】障害者の雇用促進などをテーマにした国際協力機構(JICA)の研修で、8カ国9人の政府関係者や非政府組織(NGO)職員が日高管内浦河町を訪れ、働きながら地域で暮らす精神障害者の活動拠点「浦河べてるの家」の取り組みを学んでいる。
 
 参加者はガーナ、ヨルダン、モンゴルなどの20~50代の男女。6月中旬から7週間の日程で日本での研修が組まれ、浦河には地方研修の一環として4日から訪れている。近年は福島県で実施されていたが、福島第1原発事故の影響で変更になった。道内での実施は初めて。

精神疾患を追加して「5大疾患」
産経新聞 2011年7月7日(木)2時12分配信
 
 厚生労働省は6日、厚労相の諮問機関・社会保障審議会医療部会に対し、都道府県が作成する地域保健医療計画で「4大疾病」とされてきたがん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病に精神疾患を追加して「5大疾患」とする方針を示した。同部会はこれを了承した。
 
 医療計画をめぐっては、平成19年に施行された改正医療法により、4大疾病と5事業(救急医療、 災害医療、僻地(へきち)医療、周産期医療、小児医療、その他)ごとに、医療連携体制を構築。必要な医療機能を担う医療機関の名称や数値目標、予防対策な どが記載される新しい医療計画が作成されていた。
 
 しかし、高齢化に伴う認知症など精神疾患の増加を受け、厚労省は4大疾病と同等の重点対策が必要と判断。国の医療政策基本指針に精神疾患を加え、都道府県の医療計画にも反映させる方針を決めた。
 
.最終更新:7月7日(木)2時12分
 

精神疾患追加「5大疾病」に=患者増加で、重点的に対策―厚労省
時事通信 7月7日(木)0時32分配信
 
 厚生労働省は6日、医療対策に重点的に取り組んできたがん、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病の「4大疾病」に、新たに精神疾患を追加して「5大疾病」とする方針を社会保障審議会医療部会に報告し、了承された。
  厚労省によると、うつ病などの精神疾患の患者は増加し続けており、2008年度に323万人となるなど、従来の4大疾病の患者数を上回っている。また、年 約3万人に上る自殺者の9割は精神疾患に罹患(りかん)していた可能性があるとされており、09年に糖尿病で死亡した1万4000人の2倍に達していた。
 こうした患者数の増加や深刻な症状の多さから、厚労省は対策強化が必要と判断。症状に応じて、地域の精神科診療所と入院治療を行う病院などが連携して治療に当たることができる態勢の整備などを進める方針だ。 

2011.7.7読売新聞
4大疾病、精神疾患加え5大疾病に…厚生労働省
 
 厚生労働省は6日、「4大疾病」と位置付けて重点的に対策に取り組んできたがん、脳卒中、心臓病、糖尿病に、新たに精神疾患を加えて「5大疾病」とする方針を決めた。
 

 うつ病や統合失調症などの精神疾患の患者は年々増え、従来の4大疾病をはるかに上回っているのが現状で、重点対策が不可欠と判断した。
 
 同省は同日、国の医療政策の基本指針に精神疾患を加える方針を社会保障審議会医療部会で示し、了承された。この指針を基に都道府県は地域医療の基本方針となる医療計画を作る。
 
 4大疾病は2006年に重点対策が必要な病気として指針に明記。それを受けて都道府県が、診療の中核を担う病院の整備や、患者を減らすための予防策など、具体的な対策を立てた。
 
 医療計画は5年に1度見直され、次回は13年に予定している都道府県が多い。
 
 同省の08年の調査では、糖尿病237万人、がん152万人などに対し、精神疾患は323万人に上る。
 
(2011年7月7日01時59分  読売新聞)


精神疾患を追加、5疾病に-社保審・医療部会が合意
医療介護CBニュース 2011年7月6日(水)15時51分配信
 
 社会保障審議会の医療部会(部会長=齋藤英彦・国立病院機構名古屋医療センター名誉院長)は7月 6日、都道府県が5年ごとに策定する医療計画に記載する疾病に、精神疾患を新たに追加することで合意した。同省では、医療計画の見直し等に関する検討会に 報告した上で、年内にも省令を改正し、2013年度に見直される医療計画の基本指針に反映させる見通し。地域で必要とされる医療機能などについては、同検 討会で詰める方針だ。
 
 都道府県は06年の医療法改正で、4疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病)と5事業(救急、災害、へき地、周産期、小児)ごとに医療連携体制を構築し、それらを担う医療機関名を明示することになった。
  医療計画に記載する疾病は、▽患者数が多く、かつ死亡率が高いなど、緊急性を要する▽症状の経過によって、医療機関の機能に応じた細かな対応が求められる ▽特に、病院と病院、病院と診療所、そして在宅医療へとつながる連携に重点を置いている―の3つの考え方に基づいて定められている。
 
 この日の部会で厚生労働省は、精神疾患の患者数が08年の調査で323万人に上り、他の4疾病に 比べて多いことや、うつ病や認知症の患者数が増えていることなどから、「精神疾患は国民に広くかかわる疾患となっている」と指摘。精神疾患を発症した可能 性のある自殺者も増加しているため、病院や診療所、そして訪問看護ステーションなどが、それぞれの機能に応じた連携を推進する必要があるとして、4疾病へ の追加を提案した。
 
 これに対し、委員から反対意見は出なかった。高智英太郎委員(健康保険組合連合会理事)は、精神 疾患の患者数が増えている現状に懸念を示し、4疾病への追加に賛意を表明。その上で、「社会が(患者を)見守らなければならない要素をたくさん含んでいる ので、保険者集団としても一生懸命取り組んでいく」と述べた。
 一方、横倉義武委員(日本医師会副会長)は、「精神科の場合、入院治療後に社会復帰するための施設が地域で展開されている。ある意味では、他の4疾病よりも地域連携の観点が重要ではないか」とし、精神疾患を新たに加えるよう求めた。
 
.最終更新:7月8日(金)17時0分

2011.7.6読売新聞
4大疾病、精神疾患加え5大疾病に…厚生労働省
 
 厚生労働省は6日、これまで「4大疾病」と位置付けて重点的に対策に取り組んできたがん、脳卒中、心臓病、糖尿病に、新たに精神疾患を加えて「5大疾病」とする方針を決めた。
 

 うつ病や統合失調症、認知症などの精神疾患の患者は年々増え、従来の4大疾病をはるかに上回っているのが現状で、重点対策が不可欠と判断した。
 
 同省は同日、国の医療政策の基本指針に精神疾患を加える方針を社会保障審議会医療部会で示し、了承された。
 
 国の基本指針を基に都道府県が、地域医療の基本方針となる地域保健医療計画を作る。4大疾病は 2006年に重点対策が必要な病気として基本指針に明記された。それを受けて都道府県が、診療の中核を担う病院の整備や、患者数を減らすための予防策な ど、具体的な対策を立てた。
 
(2011年7月6日19時22分  読売新聞)

2011.6.28毎日新聞
こころの医療センター:病院から地域へ情報 初の公開講座に180人--笠間 /茨城
 笠間市旭町の県立こころの医療センター(土井永史院長)で27日、「地域に開かれた中核病院」を目指して今年度から始まった公開講座の第1回目が行われ、民生委員やケアマネジャーなど約180人が参加した。
 
 同センターは今年4月、県立友部病院から名称を変更した。病院側から地域に積極的に出ていく取り 組みを行っており、公開講座はその一環。この日は生活習慣病と睡眠呼吸障害について土井院長が講義した。睡眠呼吸障害によって、頭痛や脳血管疾患、精神神 経症状が出ることを説明。対処法として、頭痛や目まい感などの症状が出たら専門医療機関で検査を受けるほか、ラジオ体操など毎日できる運動を取り入れるこ とも有効だと話した。
 
 その後、参加者は東日本大震災を受けてオープンが延期されている同センターの新施設(288床) を見学した。自然光が入り、旧施設よりも明るい雰囲気となっている。秋ごろオープン予定。また、精神障害のために刑事責任を問えない状態で殺人や放火など を行った人に適切な医療を提供し、社会復帰を促進することを目的とした県内唯一の「医療観察法病棟」(18床)も公開された。
 
 公開講座と施設見学に参加した製薬会社の男性社員(55)は同センターの取り組みについては、「(公開講座に)一般の人も参加すれば病院に対する見方が変わり、患者を見る目も変わるのではないか」と話した。【杣谷健太】
 
毎日新聞 2011年6月28日 地方版



障害者新法成立以外に現行法改正も不可欠-障がい者制度改革推進会議
医療介護CBニュース 2011年6月28日(火)0時1分配信
 
 
内閣府の「障がい者制度改革推進会議」(6月27日、内閣府)
 
 内閣府の「障がい者制度改革推進会議」(議長=小川榮一・日本障害フォーラム代表)は6月27日 に会合を開き、下部組織の総合福祉部会との合同による作業チームから、「障害者総合福祉法案」(仮称)に盛り込むべき内容に関する検討結果の報告を受け た。報告は、障害者施策を向上させるには、障害者総合福祉法案を成立させるだけでなく、現行の精神保健福祉法などの改正も必要だとする内容。
 
 報告があったのは、「医療合同作業チーム」、「障害児支援合同作業チーム」など3チームによる検討結果。
 
 3チームは、政府が来年の通常国会への提出を目指している障害者総合福祉法案の各論に関する検討 結果を報告。医療合同作業チームの堂本暁子委員(前千葉県知事)は、精神障害者の「社会的入院」を解消するために精神病床の削減などの規定を、法案や関連 法に盛り込むべきだと主張した。
 
■総合福祉部会、9月以降も存続の見通し
 
 内閣府の東俊裕・推進会議担当室長は、法案に関する意見を8月末に取りまとめた後も、総合福祉部会を存続させ、厚労省から法案の内容などについて説明を受けることになるとの見通しを示した。
 総合福祉部会が23日に開いた会合では、意見取りまとめ後も法案策定作業に同部会がかかわるべきだとの意見が委員から上がっていた。
 
.最終更新:6月28日(火)0時1分

2011.6.27琉球新報
中高年のうつ病に特徴 9割が「膝下部帯状回」萎縮

 中高年のう つ病患者の約9割が神経伝達物質セロトニンの通路となる脳の膝(しつ)下部帯状回が萎縮していることが南斗クリニック(浦添市)の仁井田りち氏、南部病院 の仁井田明氏、琉球大学の本村真氏、関西外国語大学の上地明彦氏の研究で分かった。5月に発行されたニュージーランド医学誌「インターナショナル・ジャー ナル・オブ・ジェネラル・メディシン」オンライン版に掲載された。これまでもうつ病と脳の関係について多くの研究があるが、臨床に基づいたうつ病と脳の膝 下部帯状回に関する論文は初めて。
 研究はアルツハイマー病の補助診断で脳の局所の萎縮を見るためのMRI(磁気共鳴画像)ソフトウエア 「VSRAD」の検査法をうつ病に応用した。仁井田りち氏は「膝下部帯状回の萎縮の有無を評価することで、今後うつ病の早期発見、早期介入が期待できるか もしれない」と話している。
 現在、うつ病は面接で患者の体験行動を聞き取り、うつ病診断基準に照らし診断されている。客観的データに基づいた補助診断がないため、診断、治療薬の選択など医師間の共通認識を持ちにくいのが実情だ。
  研究は仁井田りち氏が担当した症例のうち、2010年1年間にMRIのVSRAD検査が可能な54歳以上の患者で、抗うつ薬で治療をしている症例と健常者 のMRI画像を比較した。抗うつ薬で治療をしている93%の患者に膝下部帯状回の萎縮が見られたが、健常者の萎縮は15%で明らかな有意差があった。萎縮 のあるうつ病患者は抗うつ薬の投与で症状は改善するが、症状が良くなった後も抗うつ薬の服用が必要だった。
 日本うつ病学会の神庭重信理事長は「高齢のうつ病で多くの場合に膝下部帯状回の萎縮が認められたことは、うつ病研究に一石を投じる」と評価。国立精神・神経医療研究センターの功刀浩部長は「うつ病や自殺の予防に役立つ貴重な研究成果」と話している。
(玉城江梨子)


精神科救急、栃木県が初調査 搬送先確保に「30分以上」2割
(2011年7月2日 05:00) 下野新聞
 
 自殺企図などの精神科救急患者の搬送状況をめぐり、県が県内全13消防本部に対して初めて実施し た調査の結果が1日までにまとまった。調査期間の3カ月間(2010年10~12月)の搬送件数は651件に上り、受け入れ先の医療機関を見つけるまでに 30分以上かかったケースは131件と2割を占めた。外傷などの治療と精神科領域の治療の双方が可能な医療体制の不備や連携不足が要因とみられ、精神科救 急の課題があらためて浮き彫りになった。
 
 調査は現場の救急隊員に書面に記入してもらう手法で実施。精神科への通院歴があったり、自殺企図や薬物中毒などが確認できた場合、「精神科救急患者」として調査対象者に入れた。
 
 県障害福祉課によると、調査対象の10年10~12月の県内総搬送件数は1万7029件。一般の 救急患者では受け入れ先が決まるまでに要した時間が30分以上のケースは8・6%(11月分)で、2倍以上の時間がかかる精神科救急患者に医療現場が苦慮 している実態がうかがえる。
 
 消防が医療機関に照会した回数で「4回以上」は82件。医療機関側が「受け入れ困難」とした516件の理由は「専門外」(108件)、「処置困難」(93件)、「手術中・患者対応中」(92件)などだった。
 
 身体の重症度では死亡19件、重症28件で、最多は軽傷の407件。しかし受け入れ先となった医療機関は、本来なら重症患者の治療を優先して行う「救命救急センター」が203件に上った。
 
 同課は「軽傷でも3次救急病院に搬送されており、搬送先のミスマッチが起きている」と分析。調査結果を踏まえ、精神科救急の体制づくりを本格化させる方針。
 
 県内の精神科救急医療体制の拠点は県立岡本台病院だが、同病院には精神科医しかいないため、外科や内科の専門治療も必要な救急患者は受け入れられないのが現状だ。
 
 県内で精神科病床のある救急医療機関は自治、獨協両医大病院など5カ所。これ以外の救急医療機関でも、精神科医が常勤したり、地域の精神科病院が輪番で救急患者を受け入れるなどの体制づくりが求められている。


2011.7.2朝日新聞
「がんばれ」ほどほどに 日本うつ病学会提言関連トピックス地震
 東日本大震災の被災者に「がんばれ」と言い過ぎないで――。日本うつ病学会の委員会(河西千秋委員長)が1日、被災者を支援する人たちや報道機関などに向けた緊急提言をまとめ、大阪市で始まった総会で発表した。
 
 提言は、「がんばれ」、「強く」、「絶対」といった励ましが、被災者には時につらく、「これ以上どうがんばればいいのか」と感じることもあると知ってほしい、とした。被災者にも、悲しいことや困ったことを相談するのをためらわないよう呼びかけた。
 
 学会によると、心の傷の多くは時間の経過とともに軽くなるが、2割くらいが悪化したり、心的外傷 後ストレス障害(PTSD)になったりする。震災から約4カ月たつこの時期、繰り返し励まされたり、過激な報道があったりすると、当時を思い出して重症化 する恐れがあるという。

次期改定「在宅医療・療養の重点評価を」-看保連
医療介護CBニュース 2011年7月1日(金)19時4分配信
 
 看護系の48学会・団体が加盟する看護系学会等社会保険連合(看保連、井部俊子代表)はこのほ ど、来年度の診療報酬改定に向けた要望書を厚生労働省保険局の鈴木康裕医療課長に提出した。要望書では、看護師が果たしている在宅医療・療養を推進する機 能について重点的に評価するよう求めている。
 
 要望は、▽在宅医療・療養を推進する看護師の機能への評価▽新たなチーム医療への評価▽在宅療養を支える訪問看護への評価▽医療の安全性を高める機能への評価▽算定要件の拡大―の5本柱。
 
 看保連は「在宅療養指導料」について、算定要件の拡大と点数の引き上げのほか、看護師の判断に よって指導した場合にも算定できるようにすることを要望。また、看護師が外来通院中のがん患者の療養先を調整した場合に評価する「療養調整指導料」(仮 称)の創設や、電話による療養相談、トリアージに対する評価などを求めている。
 
 チーム医療については、▽一般病床に入院している精神科診療が必要な患者をケアする精神科コンサルテーション・リエゾンチーム▽虐待発見・予防のための虐待防止チーム▽慢性腎臓病(CKD)患者に療養指導を行うサポートチーム―などへの評価を要望。
 訪問看護への評価では、医療ニーズが高い退院後の患者について、2か月間は医療保険による訪問看護を実施できるようにすることや、24時間対応が可能となるよう「24時間対応体制加算」などの引き上げと休日・夜間・早朝加算の新設などを提案している。
 
 医療の安全性については、急性期医療が必要な認知症患者に転倒・転落リスクに応じた看護ケアを行うことに対する「認知症患者安全管理加算」(仮称)の創設を要望。
  算定要件の拡大では、▽「院内トリアージ加算」の対象患者を全年齢に拡大する▽訓練を受けた看護師が精神療法を実施した場合にも「入院精神療法」を算定で きるようにする▽「がん患者カウンセリング料」の算定回数制限(患者1人につき1回まで)を緩和する―ことなどを求めている。
 
.最終更新:7月1日(金)19時4分

2011年2月から7月までのニュースはパソコンのクラッシュで失ってしまいました。
申し訳ありません。