認知症患者の精神病床受け入れ増 緊急度低くても7割
2010年3月5日(金)信濃毎日新聞

 
 
 信濃毎日新聞社は精神病床で入院治療を受けている認知症患者の状況を探るため、精神病床がある全国の病院にアンケートを行い、4日、結果をまとめた。認知症の入院患者が「かなり増えている」「増えている」との回答が76・2%に上り、精神科病院などでも認知症患者の増加が見られることが分かった。さらに、緊急度は低いが施設介護などが望めないため受け入れたケースが「ある」が73・4%、退院が可能なのに入院が続いているケースが「ある」も78・0%で、多くの病院が「社会的入院」を引き受けている実態が浮き彫りになった。
 
 入院治療の必要度が低い認知症患者が精神病床で入院を続ける背景には、介護施設の不足などがある。精神病床がどこまで受け皿になるべきか。認知症患者の増加に対応するため、国は病院と施設の役割分担を早急に示す必要がある。
 
 調査は2月、精神病床がある全国の精神科病院、総合病院などを対象に行い、県内外の288病院から回答を得た。
 
 退院が可能なのに入院が続く主な理由を2つまで聞いたところ、「介護施設に空きがなく、順番待ちをしている」が最も多く70・0%。次いで▽「家族が退院を望んでいない」52・9%▽「転院先が見つからない」21・1%▽「介護施設に入所を拒まれている」15・2%−の順。「行き先が決まらないのに退院させられない」「退院できない認知症患者は増えている」といった記述が目立った。
 
 認知症の入院患者のうち、入院期間が1年以上の人が5割以上いる−とした病院は32・8%で、入院の長期化もうかがえる。一方で、精神病床が主に担っている統合失調症の入院患者は「かなり減っている」「減っている」が37・0%で、「かなり増えている」「増えている」の9・4%を大きく上回った。
 
 認知症患者の受け入れについては、激しい症状が収まるまでの「急性期(3カ月以内)に限るべきだ」が41・6%、「急性期以外でも受け入れるべきだ」が33・2%、「治療の必要度が低い社会的入院も含めて受け入れるべきだ」が8・0%で、意見は分かれている。
 
 薬物治療以外の療法に「力を入れている」は62・2%に上った一方、「力を入れていない」も34・6%あった。身体拘束を軽減する取り組みは、82・5%が「行っている」と回答した。
 
 

2010.3.4読売新聞
統合失調症の治療中断、3割
初診から半年以内
 幻聴や妄想に苦しむ統合失調症患者の3割が、初診から半年以内に治療を中断してしまうことが、厚生労働省研究班の家族調査で分かった。
 
 調査は、都内の家族会などの協力で昨年実施。患者の家族1485人の回答(うつ病などを一部含む)をまとめた。
 
 治療中断の理由(複数回答)は、「本人が精神疾患と思っていなかった」が52%で最多。統合失調症患者は当初、幻聴などを現実の出来事と考えるのが特徴で、病気の知識を深めることが重要だが、十分に対応できない医療機関が多い現状が結果に表れた。
 
 また「精神科の通院に抵抗感」(32%)、「薬の副作用が苦痛、心配」(30%)、「カウンセリングなど薬以外の治療が十分利用できない」(20%)などの回答も目立ち、精神医療への不信感が浮かび上がった。
 
 家族が異変に気づいてから、本人が精神科を受診するまでに1年以上かかる例も36%に上った。家族が受診を勧めても患者が嫌がり、初診までに症状を悪化させるケースが多かった。
 
 東京都精神医学総合研究所研究員の西田淳志さんは「症状悪化で初診が強制的な入院になると、本人や家族が医療に不信感を抱き、退院後、治療を中断してしまう。悪循環を断つには、精神医療の質を高めると共に、医師らのチームが家庭に出向いて対応するなど、早期支援の仕組み作りが欠かせない」と話す。
 
(2010年3月4日 読売新聞)

2010.3.3共同通信
障害福祉職員の月収7200円増 報酬改定で、効果は限定的

 厚生労働省は3日、2009年4月に実施した障害福祉サービス事業所向けの報酬改定で、常勤職員の平均月収が08年から2・4%、7176円増え30万5660円になった、との調査結果を発表した。非常勤職員では2461円増の11万9962円。
 
 深刻な人材不足を受け、職員の処遇改善のため改定で報酬を平均5・1%引き上げたが、人員確保や福利厚生に充てた事業所もあり、賃金面では限定的な効果にとどまった形だ。
 
 06年の障害者自立支援法施行後、初の改定だった。調査は09年10月、全国の約1万4千事業所を対象に実施。9月時点で給与の前年比較が可能な約7千人分を集計した。
 
 職種別では、常勤の理学療法士と作業療法士で1万7528円増など、ほとんどの職種が賃上げとなったが、非常勤の職業指導員では5175円の賃下げとなった。
 
 また厚労省は、09年9月時点の介護職員の平均月収について確定値を公表。22万9930円で08年から8930円増えた。1月公表の速報値と大きな違いはなかった。
 
2010/03/03 12:43   【共同通信】
 
2010.3.3時事通信
障害福祉従事者、7000円増=報酬改定後の平均給与−厚労省

 厚生労働省は3日、障害福祉サービス従事者の処遇状況の調査結果を公表した。2009年4月、障害者自立支援法の施行後に初めて報酬が5.1%増額されたため、同年9月の常勤職員の平均給与は08年9月比7176円増の30万5660円、非常勤職員は同2461円増の11万9962円だった。
 全国1万3800カ所の施設・事業所を対象に調査、9400カ所、6900人分の回答を得た。報酬のプラス改定を受け、給与の引き上げを実施済みか予定しているのは43.7%だった。(2010/03/03-10:17)

2010.3.5キャリアブレイン
来年度事業計画を決定―日本精神科病院協会
 
 日本精神科病院協会(日精協)は3月5日、定期代議員会で来年度の事業計画を決定した。事業計画には、精神医療改革に関する政策的な検討と提言作りなど、42項目にわたる重点事業などを盛り込んだ。
 
 日精協は、政策や経済、病院の経営管理などを議論する各委員会から提起された項目を基に、来年度の事業計画を決定。このうち、重点事業に掲げているのは、▽厚生労働省の「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」の報告書(昨年9月)を踏まえた精神医療改革に関する政策的な検討と提言作り▽来年度の診療報酬改定への対応と12年度の医療保険と介護保険の同時改定に向けた情報収集や提言作成▽看護師の精神科病院就職のための研修会支援―など、計42項目。
 中でも、12年度に控えた医療・介護保険の同時改定を、精神科医療をめぐる大きな転換期と位置付け、慢性期医療の評価法や、認知症医療における精神科の役割の整理などを重点項目に挙げている。
 
 計画にはこのほか、一般事業として、▽24時間ケア付きの地域の受け皿作りなど、精神障害者福祉の拡充▽今年7月に施行後5年を迎える医療観察法の改正点や実施上の問題点についての提言―など、33項目を盛り込んだ。
 
更新:2010/03/05 15:25  キャリアブレイン

生活保護 免許取得の費用、条件を緩和 通勤費も前倒し
2010年3月2日21時21分朝日新聞

    
 厚生労働省は2日、生活保護世帯の高校卒業予定者が自動車の運転免許証を取得する費用の支給要件を緩和する方針を決めた。「貧困ビジネス」の温床とも指摘される無料低額宿泊所についても、別の宿泊所に移りやすくする。生活保護の実施要領を改正し、4月からの実施を目指す。
 
 運転免許証の取得費用は現在、生活保護世帯の就労支援として38万円を上限に支給されているが、採用条件として欠かせない場合などに限られている。今回の実施要領改正で、高卒予定者に対しては仕事上免許証が必要な場合などに対象を広げる。
 
 生活保護の受給者が新たに就職した際の通勤費については、前倒しを認める。今までは、初任給を受け取るまでは受給者が立て替えなければならなかったが、就職支度費として支給可能にする。
 
 無料低額宿泊所では、別の宿泊所に転居する際の敷金や引っ越し代についても支給することができるようにする。一方で、自治体が不適切な施設と判断した場合には、敷金などの支給はしない。
 
 無料低額宿泊所は、一部の事業者で受給者から高い利用料を徴収したり、劣悪な環境に住まわせたりする実態が問題となっている。厚労省では現在、法律による規制強化策を検討中で、それまでの間も対応する必要があると判断した。

2010.2.27毎日新聞
救える命・自殺未遂者を支える:第1部・現場/4 相次ぐ精神科病棟休止 /秋田

 ◇地域との連携に難題
 09年11月半ばの深夜、厚生連由利組合総合病院(由利本荘市)の夜間救急に、10代後半の男性がやってきた。統合失調症の病歴があり、自傷の恐れに加え、「殺したい」などと口走ったのを心配した家族が連れてきたのだった。
 
 病院はすぐ自宅に待機していたこの日の当番医に連絡。当番医が救急車で付き添って、精神科専門の秋田東病院(秋田市)に引き継いだ。
 
     ◆
 
 由利本荘市の救急搬送先の65%を占め、本荘・由利地域の医療の中核を担う同病院。しかし常勤の精神科医がいなくなり、08年1月に精神科病棟を休止した。平日の外来は秋田大からの派遣で対応するが、夜間は県の「精神科救急医療システム」に基づき、輪番制の当番精神科病院に受け入れてもらう。
 
 内閣府の自殺対策白書で示された世界保健機関の統計では、自殺者の6割以上がうつ病などの精神疾患を抱えていた。精神科救急は、自殺未遂者のケアとも密接な関係がある。
 
 本荘・由利地域は域内の受け入れ先が2病院のみで、秋田市か大仙市がほとんどだ。由利組合の菊地顕次院長は「当番を務める精神科以外の医師が輪番の病院と連携し、全体で機能を維持している」と話す。
 
     ◆
 
 県によると、精神科病棟がありながら休止している総合病院(09年4月現在)は由利組合のほか、鹿角組合、米内沢の2病院。地域の中核的な位置付けである平鹿、雄勝、仙北、秋田の各組合病院などは、精神科病院と機能分担し精神科病棟自体を持たない。
 
 自殺未遂者をフォローするためには、入り口となる中核病院の救急と地域医療との連携が不可欠となる。だが入り口が身近な地域でない場合、その後のケアにつなぐのは容易ではない。身体の病気から精神的な病気を引き起こす患者もおり、総合病院で同時に治療が必要な場合もある。
 
 「なんとか精神科病棟を復活してほしい」との声を住民や地域の診療所などから受ける菊地院長は「非常に危うい綱渡りをしている。このままでいいわけではない」と厳しい現状を吐露する。
 
     ◆
 
 自殺未遂をする人の多くは、精神科に行く前に別の診療科にかかっている。地域の診療所や病院内の別の科の医師が気づき専門医に橋渡しすれば、継続ケアにつなげられる。
 
 常勤医確保が困難な状況で、いかにして危険サインをいち早く察知できるか。菊地院長は言う。「人はいきなり自殺をするのではなく、必ず前兆がある。まわりの医師もそれを見逃さないようにすることが大事だ」=つづく
 
 ◇従事医師数に格差
 県によると、08年の精神科従事医師数は秋田周辺医療圏(秋田市、男鹿市など)が人口10万人当たり19・1人に対し、湯沢・雄勝5・5人▽大館・鹿角6・6人▽北秋田7・3人▽横手8・0人▽由利本荘・にかほ8・7人▽能代・山本9・8人▽大仙・仙北15・4人−−と地域差が大きい。一方、秋田大医学部付属病院の中永士師明医師によると、秋田市消防本部がまとめた県内で自殺を試みた人の救急搬送事例は05〜07年に1288例。人口10万人当たりでみると由利本荘の53・6が最も多く、次いで鹿角が51・4。だが両地区とも精神科医が常勤している総合病院は一つもない。
 
毎日新聞 2010年2月27日 地方版

【愛知】愛知県は城山病院の建て替えを計画(2010/2/26)建通新聞
 
■  愛知県病院事業庁は、県全体の精神科医療体制の中核病院として、先進的な専門医療を提供するため、「城山病院」を建て替える。2010年度は基本設計の発注を予定しており、当初予算案に約7200万円の事業費を盛り込んだ。
 改築後の施設は病棟、医療観察法病棟、診療管理棟、デイケア・体育館棟の4棟となる予定。機能は急性期治療対応、難治症例対応、回復期リハビリ対応のほか、新たに精神科救急対応、思春期対応、ストレス関連疾患対応を加え、病床数は300床規模。
 医療観察法病棟では、心神喪失などの状態で重大な他外行為を行った精神障害者を対応し、病床数は35床規模。
 所在地は名古屋市千種区徳川山町4ノ1ノ7。現在の場所で診療機能を継続しながら建替え工事を実施する。
 同病院は1932年に現在地に「愛知県立精神病院」として開設した。35年に100床(鉄筋コンクリート造2階建て延べ2359平方b)となり、47年に「愛知県立城山病院」に改称した。
 その後、東病棟、北病棟、中病棟、南病棟、デイ・ケアセンターなどが順次竣工し、現行の許可病床数は342床。2005年に外科を廃止し、精神科・神経科・内科・歯科の4診療科となった。
(2010/2/25)

2010.2.27読売新聞
心神喪失で不起訴から、責任能力認め懲役10年

 自宅で寝ていた母親(当時71歳)の胸を包丁で刺して殺害したなどとして殺人などの罪に問われた無職根本和彦被告(42)に対し、東京地裁は26日、求刑通り懲役10年の判決を言い渡した。
 
 根本被告を巡っては計4回の精神鑑定が実施され、結論が分かれていたが、田村政喜裁判長は「働く気力が沸かずに自殺を考え、母親らを道連れにしようとした動機は理解できる」などと述べ、完全責任能力を認めた。
 
 判決によると、根本被告は2007年12月、自宅1階の寝室で母親の胸を包丁で刺して殺害、兄にも10日間のけがを負わせた。
 
 捜査段階で行われた2度の鑑定で、根本被告は、「心神耗弱」「心神喪失」とされたため、東京地検はいったん不起訴とし、心神喪失者医療観察法に基づく審判を同地裁に申し立てた。しかし、審判での鑑定の結果、完全責任能力があったと判断されたため、08年7月、根本被告を起訴した。
 
 同地裁は、公判中、根本被告が裁判官の呼びかけに応じなくなったことなどから、4度目の鑑定を実施し、責任能力を認める鑑定書が提出されていた。
 
(2010年2月27日00時28分  読売新聞)

2010.2.23毎日新聞
損賠訴訟:措置入院中に男性死亡 県に賠償命じる−−地裁判決 /宮城

 仙台市宮城野区の精神病院で男性(当時30歳)が死亡したのは、県の「措置入院」に基づいて入院したのにかかわらず医師の適切な治療がなかったためとして、石巻市の男性の両親が、男性を入院させた県を相手に損害賠償など約7548万円の支払いを求めた訴訟の判決が22日、仙台地裁であった。畑一郎裁判長は「男性を速やかに総合病院へ転院させていれば、救命できたがい然性が高い」として約2558万円の支払いを命じた。
 
 判決によると、男性は06年4月に統合失調症と診断され、県が精神保健法に基づき精神病院に入院させた。その後、男性は医薬品投与の副作用で口腔(こうくう)内出血や湿疹(しっしん)を伴う「スティーブンス・ジョンソン症候群」(SJS)を発症し、同5月に死亡した。
 
 畑裁判長は、県の責任について「措置入院患者への治療行為は公権力の行使に当たる」と認定。担当医師についても「発熱や口腔内出血からSJSの可能性は予見できた。医師には投薬中止義務違反と転院義務違反があった」と指摘した。【鈴木一也】
 

毎日新聞 2010年2月23日 地方版
 
 
2010.2.23河北新聞
措置入院訴訟 宮城県の責任認定 2560万円支払い命令
 仙台市宮城野区の民間病院に措置入院させられた石巻市の男性=当時(29)=が死亡したのは処方された薬の副作用が原因だとして、両親が措置入院を決めた宮城県に約7550万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は22日、県に約2560万円を支払うよう命じた。
 
 畑一郎裁判長は「医師は薬の説明書にある注意に従い、副作用の可能性がある症状が出た段階で直ちに投与を中止すべきだった」と判断。さらに「専門医がいる総合病院に転送させる義務があった」と述べた。
 
 地裁は2007年12月、病院の責任を否定し「措置入院者に対する病院の医療行為は県の公権力の行使に当たり、公務員の職務行為と解される。賠償責任を負うのは医師や病院ではなく県だ」とする中間判決を出した。
 
 判決によると、男性は統合失調症を患い06年4月、県の決定で措置入院し、向精神薬の投薬治療を受けた。歯痛を併発して鎮痛剤を服薬した後、薬の副作用で全身の皮膚がただれ、翌月に中毒性表皮壊死(えし)症のため転院先で死亡した。
 

2010年02月23日火曜日

2010.2.23神戸新聞
自殺食い止めへ一般開業医と精神科医連携 神戸
 
 全国の自殺者が12年連続で3万人を超える中、神戸市医師会は3月から、一般のかかりつけ医と精神科専門医の連携を緊密にする「神戸G‐Pネットワーク」を稼働させる。自殺の大きな要因となっているうつ病などをかかりつけ医が早期発見し、専門医や総合病院と連携し、自殺を食い止めるのが狙いだ。
 
 兵庫県内では1998年、自殺者が1000人を超えて以降、高止まりの傾向が続いている。2008年、1300人を切ったが、09年は再び増加し、1354人になった。このため、同市医師会は08年12月から、神戸市や県精神科病院協会、県精神神経科診療所協会などとともに検討委員会を設置し、同ネットワーク設置を決めた。
 
 同医師会によると、情報を集約するセンターを、精神科専門病院内に設置。精神保健福祉士が、一般のかかりつけ医と専門医のつなぎ役を務め、患者の治療状況などについて追跡調査もする。
 
 具体的には、同医師会会員の1500開業医を受診した患者に、幻覚、妄想などの訴えがある▽自殺念慮が強い‐などの症状が出た場合は、同センターを通じ計20カ所の専門診療所、専門病院に患者の容体や生活状況を記した「G票」を送り、患者を紹介する。また、約130カ所はうつ病などの早期治療を施す「登録かかりつけ医」に指定する。
 
 専門医は患者を治療するとともに、病名や治療計画、薬の処方内容を記した「P票」を作り、かかりつけ医と情報を共有。そのほかの病気との合併症がある場合などは総合病院とも連携する。
 
 同医師会の近藤誠宏理事(55)は「将来的には、産業医や企業、学校にもネットワークに入ってもらい、県内全域の取り組みにしたい」と話す。
 
 同医師会は、同ネットワークの稼働に合わせ、3月20日午後2〜4時半、同市中央区橘通4の市医師会ホールで「神戸自殺総合対策拡大会議」を開き、民間団体との連携を考える。入場無料。定員100人。申し込みは同12日まで。神戸市医師会TEL078・351・1410(高田康夫)
 
(2010/02/23 08:35)

2010.2.25読売新聞
精神疾患の調査報告会
 3月4日午後1時、東京・世田谷区の成城ホール。統合失調症患者らの家族1485人の調査結果をもとに、家族支援のあり方を考える。無料。問い合わせはNPO法人世田谷さくら会((電)03・3308・1679)。
 
(2010年2月25日 読売新聞)

思春期の心の病 県が治療専門科
2010年02月22日朝日新聞
 
  摂食障害や引きこもり、うつなど、思春期に目立つ心の病の治療にあたる専門科が、県立精神医療センター芹香(きんこう)病院(横浜市港南区)に設置されることになった。16歳から20歳前後の患者を対象にする。2014年度のスタートを目指し、外来や専門の病室も完備する予定という。
 
(木村尚貴)
 
  何度も手を洗うなどの強迫性障害や、摂食障害、うつ病、手首を切るなどの自殺未遂といった精神疾患の症状は早ければ小学校の低学年からあらわれ、その数は増加傾向にあるとされる。思春期の患者の症状は複雑で、大人と一緒の治療によってかえって症状が悪化するケースもあり、専門家の間では思春期の心の病に対してはきめ細やかな対応が必要と指摘されている。
 
  だが、思春期の心の病のケアについて、県内では県立こども医療センター(同市南区)が15歳以下を対象にした専門科を開くなどしているだけで、16〜20歳前後の患者は大人と同じように通常の精神科にかかっているのが実態だった。県病院局県立病院課によると、採算が取れないため民間病院に専門科が設置されることはほとんどなく、県内の民間病院での治療例も「把握していない」という。
 
  こうした背景から、県は14年度の新病棟開設に向けて整備が進んでいる精神医療センター内に専門科を設置する方針を決め、新年度から設計に着手する。
 
  専門科は患者一人一人にきめ細かい治療をするため、個室中心の病床を30床近く作り、外来も用意する。外来では、大人の患者と診療時間をずらすなどの配慮もする。
 
  診療報酬上の「児童・思春期精神科入院医療管理加算」の対象施設としての基準を満たすことを念頭に置き、精神保健福祉士や臨床心理技術者など専門スタッフを配置。入院治療中に学校の勉強をフォローする「学習室」もつくる。
 
  同課は「思春期特有の心の病の治療に対するニーズにこたえたい」としている。
 

精神障害者の全県ネットワーク設立へ 有志が準備
2010年2月19日(金)信濃毎日新聞
 
 
 県内の精神障害者が4月、障害者自身でつくる当事者会や個人を結ぶ「県ピアサポートネットワーク」を立ち上げる。これまで家族会や作業所などの職員が主体となる組織はあったが、障害がある人自身の全県的ネットワークはなかった。各地の当事者会の連携を深めるとともに、作業所などに通っていない個人にも参加を呼び掛け、悩みや情報を共有していく。
 
 県精神保健福祉センター(長野市)によると、県内には当事者会が少なくとも10はある。当事者会の連絡会をつくりたいとの声が寄せられたことから、センターが検討を呼び掛けた。
 
 集まった10人余が昨年秋、設立に向けた準備会合を始めた。ネットワークをつくり、情報の交換や、障害への理解を深める啓発活動などに取り組むことを決めた。
 
 精神障害者らでつくるNPO法人「ポプラの会」(同市)の事務局で18日に開かれた5回目の会合には12人が参加。同会事務局長の大堀尚美さんが代表に内定した。
 
 ネットワーク設立の背景には当事者の活発な活動がある。ポプラの会は当事者による相談業務のほか、英会話やヨガ教室、高校に出向いて体験を語る活動などに取り組んでいる。県内の作業所などでつくる組織「せいしれん」のセミナーは、障害がある人が実行委員になり毎年開かれている。
 
 一方、当事者会のない地域では悩みを抱えても話せる場がない、情報が行き渡りにくいといった課題があるという。ネットワーク設立には、当事者会を地域に増やし、患者の孤立を防ぐ狙いもある。
 
 「ポプラの会で活動することで元気をもらい、人の役に立てる幸せを感じた」と大堀さん。「当事者同士だから話せることもある。互いに支え合いながら自分の得意なことをしたり、やりたいことを実現させたりして、その人らしく暮らせるようにしたい」。
 
 副代表に内定した男性(39)は「身体・知的と同様に精神障害者にも鉄道などの運賃割引が実現されるよう活動したい」と、活動を通じて障害への理解が深まることを期待している。
 
 4月下旬にネットワークの発足式と交流会を予定している。発足式などで入会を募る計画だ。

2010.1.30毎日新聞
累犯障害者:出所後の自立支援 県、来月に定着センター開設へ /宮城
 ◇「福祉とつなげ再犯防止」

 知的障害や高齢の受刑者の出所後の自立を促すために、県は2月1日に「県地域生活定着支援センター」を開設し、社会福祉施設への入所などさまざまな福祉サービスを利用できるよう支援する事業を始める。知的障害を持つ受刑者は出所しても住居などの生活拠点がなく、福祉サービスを受ける行政手続きも知らないまま自立した生活を送れずに再び犯罪を繰り返すケースが多く、「累犯障害者」として社会問題化している。宮城県の開設は全国で11番目。立岡学センター長(36)は「福祉とつなげれば再犯は防げるはず」と意気込んでいる。【比嘉洋】
 
 県社会福祉課によると、支援センターの運営は、立岡氏が理事長を務めるNPO法人「ワンファミリー仙台」に委託する。同NPOは02年に路上生活者の就労や住宅支援活動を開始。09年2月には路上生活者を一時的に保護する「シェルター」の運営を始めたところ、これまでに約100人が利用し、うち5人が知的障害者だったという。
 
 この5人のうち4人は前科があった。累犯障害者の多くは社会や人とのつながりが切れているためアルコールやギャンブルに依存しやすくなり、定職に就けず、所持金がなくなると犯罪を犯す「負の連鎖」に陥っているという。立岡氏はシェルターの運営を巡って県と話し合いを続けている中で、今回の支援センターのことを知り、事業に乗り出すことを決めた。立岡さんは「福祉関係者とのネットワークを広げることで、より良いサービスを提供できる」と語る。
 
 支援センターのスタッフは5人。宮城刑務所に非常勤で勤める社会福祉士や精神保健福祉士と、元保護観察官が仙台保護観察所などと連携し、障害者手帳の発給など受刑者に必要な福祉のニーズを出所前から把握する体制を整える。さらに、ワンファミリーを中心に出所後の受け入れ先となる授産施設や養護老人ホームと連携し居住地を確保する。
 
 事業費は国庫で全額負担。県は約1700万円を10年度当初予算に計上する方向で厚生労働省と調整している。
 
 ◆「拒否」の恐れも
 
 しかし、支援センターの開設後も、「元犯罪者」との理由で受け入れを拒否する福祉施設が相次ぐ恐れもある。仙台保護観察所によると、宮城刑務所からは年間20人ほどの知的障害者が出所する。保護観察所側は「犯罪は軽微な場合も多く、受け入れ先には事件の内容をできるだけ丁寧に説明し理解を求めたい」としている。
 
 受け入れ先の確保に加え、別の課題も浮上している。厚労省の狙いと裏腹に支援センターの開設が全国で足並みがそろわなかったため、他県の刑務所を出所した元受刑者が支援センターのある宮城県への居住を希望する可能性もある。国が負担する事業費には支援センターの事務所の家賃などが含まれていないため、事業の受託を見送るNPOや社会福祉法人は多い。県社会福祉課は「先に開設した自治体ほど業務の負担が重くなる可能性もある」と指摘する。
 
 法務省のまとめによると、08年に入所した全国の受刑者2万8963人のうち237人(0・8%)が、医師により知的障害者と診断された。このうち再犯者は155人(65・4%)に上っている。
 
毎日新聞 2010年1月30日 地方版
 

性暴力を問う〜被害者たちの叫び 最新記事
 
<8>「社会変える」勇気の一歩2010年2月20日
<7>ひとりぼっちと思わないで2010年2月19日
<6>裁判員制に懸念と期待2010年2月18日
 

<8>「社会変える」勇気の一歩
私も顔を上げて生きる
 何かを訴えるような目で見つめる女性、少年時代に性虐待を受けた場所でむせび泣く青年、バラが彫られた腕に残るリストカットの跡――。写真一点一点に、被写体になった性暴力被害者のプロフィルが添えられている。
 
 米国在住のフォトジャーナリスト、大藪順子(のぶこ)さん(38)は、性暴力のむごさと、生き抜く被害者の力強さを、カメラを通じて伝え続けている。
 
 新聞社のカメラマンだった1999年、イリノイ州の当時の自宅で強姦(ごうかん)に遭った。うつ状態やパニック障害に苦しむ日々。「レイプで人生を終わらせたくない」。2年後、米国やカナダで撮影を始め、70人の素顔に向き合った。日本でも、写真展や講演会で体験を語る。
 
 2006年4月、故郷の大阪で開いた講演会。大藪さんは、聴衆の中にいるだろう〈声なき被害者〉に呼びかけた。
 
 「自分を責めないで。あなたは犠牲者じゃなくて、サバイバーなんです」
 
 苦難を乗り越え、生き抜いた人をたたえる意味が込められた言葉、サバイバー。
 
 会場で、兵庫県に住む響子さん(仮名)(31)が涙を流しながら聞いていた。
 
     □■□
 
 響子さんは13歳の時、警察官を名乗る男に、民家の陰に連れ込まれ、性器を触られた。怖くて誰にも言えず、胸の奥に封じ込めた。
 
 それからは、度々体調を崩し、学校を休んだ。何度も死にたいと考える。出会い系サイトで知り合った男たちとの関係に依存もした。「私は、どこかおかしい」。でも、自分では理由が分からなかった。
 
 記憶の扉が開いたのは、26歳の時。ふと手にした本に「性的虐待」という言葉を見つけ、突然、13年前の被害がよみがえった。本にあったトラウマの症状が、自分に当てはまっていた。あれが私の人生を狂わせてきたのか――。
 
 過去を克服するために、被害者の自助グループに参加し、思いを打ち明けた。フラッシュバックと闘い、わき上がる怒りと「犯人から逃げなかった自分が悪い」という自責の念に、もがいた。
 
 大藪さんの講演を聞いたのは、そんな時だった。
 
 「私も顔を上げて生きる」
 
 07年11月、自らの企画で、仲間とともに大藪さんの写真展を開いた。さらに一歩を踏み出そうと、春からは、1年間の滞在予定でカナダに渡る。
 
 「過去は消せない。それでも、生き延びた自分に誇りを持ちたい」
 
     □■□
 
 大藪さんと、「性犯罪被害にあうということ」の著者、小林美佳さん(34)。実名で被害を公表した2人の女性は昨夏、支援者らに後押しされ、「性暴力をなくそう」キャンペーンを始めた。
 
 啓発用の冊子には、こう記した。
 
 〈みんなが性暴力の本当の姿を理解し、「あなたが悪いのではない。悪いのは暴力をふるった側だ」と言ってあげられるようになることが、被害者が声をあげられる条件です。そして、この犯罪を根絶する第一歩なのです〉
 
 2人は口をそろえる。
 
 「今、社会が耳を傾け、知ろうとしてくれている、と肌で感じる。この機会を逃してはいけない」
 
(おわり)
 社会部・岸辺護、久場俊子、辻阪光平、佐々木栄が担当しました。
 
(2010年2月20日  読売新聞)
 
 
 
<7>ひとりぼっちと思わないで
「命守る」支援者も連携
 
 
(上)被害者の相談に乗るヴィスコの森さん(下)SACHICO設立に尽力する加藤さん 岡山市の犯罪被害者支援団体「VSCO(ヴィスコ)」専務理事の森陽子さん(60)には、忘れられない少女がいる。
 
 自宅で同級生から強姦(ごうかん)の被害に遭った中学1年生。2006年秋、母親からの依頼で初めて対面した。カウンセラー歴を積んできたが、「最近の子はこんな感じなのかな」と戸惑った。取り乱す様子もなく、淡々として見えたからだ。
 
 しかし、少女は家出や自傷行為のリストカットを繰り返すようになった。連絡を取り続け、やんわりと精神科の受診を勧めてもみたが、「私は弱くない」と嫌がった。
 
 2年後、家出先で睡眠薬を飲み、亡くなった。死因はショック死。15歳だった。
 
 苦しみの深さに気づけていたら――。以来、「見えない奥底の傷もくみ取れるようになりたい」と願い続けてきた。
 
     □■□
 
 犯罪被害者保護法成立から10年。性犯罪では、告訴期限(6か月)の撤廃、集団強姦罪の新設、事件直後の感染症検査や避妊措置の公費負担などが進められてきた。
 
 しかし、お茶の水女子大の戎能(かいのう)民江副学長(法女性学)は指摘する。「性暴力で仕事や安心できる家を失った人への公的支援は、なきに等しい。医療・精神面をケアする専門的な受け皿も足りない。社会が議論を避けてきたからだ」
 
 そんな「壁」に立ち向かい、森さんら25人のスタッフは日々、奔走している。
 
 自宅で襲われた女性が公営住宅に転居できるよう、自治体にかけあう。通院や、事情聴取の行き帰りに付き添う。商店街で募金活動をし、精神科の受診費用などを支給する独自の基金も設けた。
 
 「大切な命をもう失いたくない」と森さん。「DV(家庭内暴力)もセクハラも、見向きもされない時代があった。実情を訴え続ければ、社会はいつか受け止めてくれる」
 
     □■□
 
 医療関係者も動き始めた。4月、阪南中央病院(大阪府松原市)内に、全国初の総合支援窓口「性暴力救援センター・大阪(SACHICO)」が誕生する。
 
 女性支援員が24時間、SOSの電話を受け、寄り添う。外来とは別に、専門の待合室や診察・面談室を設け、精神科医や弁護士にもつなぐ。必要なサポートを一か所の窓口で提供する仕組みだ。
 
 「女性の一生を診る医師として、性暴力の問題は避けて通れない」。センター準備室長の加藤治子さん(60)は、同病院の産婦人科医として長年、勤務する中で、そう思い続けてきた。心身の早い回復には初期対応が重要だが、一人で悩んだ末、心の傷が深くなってから来院する人も少なくない。専門家が連携し、「被害者のための場所」をつくろう、と呼びかけた。
 
 「置き去りにされてきた被害者のために、まず旗を立てたい。そして『ひとりぼっちと思わないで』と伝えたい」
 
 旗の下には今、支援員希望者36人が集う。
 
(2010年2月19日  読売新聞)
 
 
 
<6>裁判員制に懸念と期待
抵抗できずは「合意」じゃない
 「裁判員裁判の対象から、性犯罪を除いてほしい」
 
 昨年10月、日本弁護士連合会の犯罪被害者支援委員会が開いた意見聴取の場で、東京都在住の美月さん(仮名)(29)が訴えた。
 
 9年前、3人組の男に車に押し込められ、強姦(ごうかん)の被害に遭った。「抵抗すれば殺される」。防衛本能から従順を装った。刑事告訴はしていない。
 
 「抵抗できなかったことが、合意と取られる恐れが少しでもあるのなら、心配です。今の法制度では、被害者が守られている、と実感できません」
 
□■□
 日本では61年前の最高裁判例が今も生きている。強姦罪の成立には、「抵抗が著しく困難になるほどの暴行・脅迫」が必要とされる。
 
 被害者側の行動がこと細かに突き詰められ、「叫ぶなど激しい拒絶がなかった」と、無罪になった事件もある。
 
 中京大法科大学院の柳本祐加子准教授は「『嫌なら大声を上げて逃げるはず』『知人なら合意があるだろう』といった〈強姦神話〉は根強い。合意を巡って、被害者の性的な過去が引き合いに出されることもある。裁判員に女性が落ち度を責められ、追及される場面が出てこないか」と危惧(きぐ)する。
 
 2008年10月、国連規約人権委員会は、日本政府に、強姦罪の適用範囲をもっと広げ、被害者に「抵抗」の証明を課す負担を取り除くべきだ、と勧告した。米国では、法廷で被害者の性的過去を聞くことを制限するレイプ・シールド法があるが、日本にはない。
 
□■□
 日弁連での会合では、別の被害者、岡山県のゆかりさん(仮名)(28)が、裁判員制での審理に賛成意見を述べた。
 
 「社会の目が性犯罪の深刻さに向き始めたのに、除外されたら、被害者は、また闇に取り残されてしまう」
 
 同僚の男からの被害をきっかけに出社できなくなり、1か月足らずで解雇された。社会への不信を抱えていたが、男が準強姦罪に問われた公判では、泣きながら書いた意見陳述書の全文を、裁判長が読み上げてくれた。
 
 思いに耳を傾けてもらえたことに、心に日が差す思いだった。裁判員にも被害者の声が届くのなら――。
 
 裁判員裁判で扱われる事件のうち、2割を性犯罪が占める。これまでに審理された性犯罪事件で被害者本人が別室からの「ビデオリンク方式」などで意見陳述したケースでは、裁判員から「生の声に心が痛み、気持ちが伝わった」との感想が聞かれた。
 
 「裁判員の理解が進み、少しでも被害者が溶け込める社会になれば」とゆかりさん。一方、美月さんは「裁判員にアピールする“道具”として、嫌でも引っ張り出されるようにならないか」と心配する。
 
 〈市民感覚〉への、懸念と期待が交錯する。
 
(2010年2月18日  読売新聞)


性暴力を問う〜被害者たちの叫び 最新記事
 
<5>出社できず解雇、困窮2010年2月17日
<4>不用意な言葉で2次被害2010年2月16日
<3>よみがえる記憶と闘う2010年2月15日
<2>私たちを置き去りにしないで2010年2月13日
<1>実名告白 2000人つなぐ2010年2月12日
 

<5>出社できず解雇、困窮
これからどうすればいいの
 「このまま休むようなら、辞めてもらわざるをえない」
 
 2008年3月。会社に呼び出された岡山県在住のゆかりさん(仮名)(28)は、信じられない思いで社長の言葉を聞いた。「うちは母子家庭です。困ります」。何度も訴えたが、手続きは進められた。
 
□■□
 その1週間前、同僚の男に「現場を手伝って」と言われて車に同乗し、意識がもうろうとしたところを襲われた。車から逃げ、警察に届けたが、悪い夢のようだった。
 
 後になって、直前に男から手渡され、「眠気覚まし」と思って飲んだ薬が、睡眠薬だったと知った。
 
 誰とも会いたくない状態が続き、部屋に引きこもった。「ママ、どっか痛いん? 大丈夫か?」。泣いてばかりいると、小学生の息子が心配してくれた。でも、「自分は汚れてしまった」と感じ、抱きしめてやることもできなかった。
 
 会社には、男から勤務中に受けた被害を訴え、「出社できない」と伝えていたが、1か月足らずで辞めさせられた。一方、男は準強姦容疑で逮捕されるまでの2か月間、何食わぬ顔で出勤。会社側は事件を知っていたのに――。
 
 「社会ってこんなものなの?」。食欲がなくなり、眠れない日が続いた。自殺さえ考えたが、「息子を残しては逝けない」と踏みとどまった。
 
□■□
 生活がある。心にむち打ってハローワークに通った。
 
 「辞めた理由は何ですか」。失業手当の申請時に聞かれた。「解雇された」と訴えたが、信じてもらえない。手続きに必要な会社作成の離職票では、自主的に退職したことになっていた。思い切って、性被害が原因、と明かしたが、気まずそうにされただけだった。
 
 その後は、退職理由を「セクハラ」にした。ある日、職探しの窓口で、女性職員から「私も前の職場でセクハラされたけど、バネにしてきた。あなたも頑張って」と明るく言われ、たまらず言い返した。
 
 「あなたの被害とは違う。一緒にしてほしくない」
 
 なぜ辞めたのか、聞かれるのがつらい。ハローワークまで行っても、ドアの前で足がすくむようになった。
 
 再就職先は今も決まっていない。失業手当はとうに切れた。貯金も、もう底をつく。暮らしに不可欠な車の所有が認められないと知り、生活保護はあきらめた。
 
 「これからどうすればいいの」。見えない糸に縛られ、一歩も動けないと感じる。
 

 生活まで脅かす事件の影響。法務省による犯罪被害者の追跡調査(1999年)では、強姦事件の被害者の4人に1人が「引っ越さなければならなかった」、6人に1人が「仕事や学校を続けられなくなった」、「生活が苦しくなった」と答えた。
 
(2010年2月17日  読売新聞)
 
 
 
<4>不用意な言葉で2次被害
虐待されている気分だった
 
 昨年11月、性犯罪被害者の支援をテーマに開かれたフォーラム。家族など身近な人からの2次被害についても話し合われた(岡山市内で) 数年前、自宅で強姦(ごうかん)事件に遭い、今なお、忌まわしい記憶と闘う久美子さん(仮名、20歳代)は、当時の捜査を思い返し、こう表現する。
 
 「精神的に虐待されている気分でした」
 
 あの日、男が逃げた後110番し、放心状態で玄関先にうずくまっているところへ、警察官が駆けつけた。風呂上がり直後の事件で、髪はぬれたまま。殴られた顔は紫色に腫れ上がっていた。しかし、着替えも治療も後回しで、現場検証が始まった。
 
 「写真を撮ります」。警察官に求められるまま、襲われた場所を震えながら指さした。刑事が加害者役になり、マネキン相手に暴行を再現する写真にも一緒に写るよう言われた。みじめさが募った。
 
 誰かにそばにいてほしい一心で、知人を呼んだが、被害の詳細を明かすつもりは、まだなかった。それなのに、「妊娠していたらいけないから――」という警察官の不用意な一言ですべて知られてしまった。不信は今も消えない。
 
□■□
 性暴力の被害者が事件後も傷つけられる「セカンドレイプ(2次被害)」。捜査の過程だけで起こるものではない。
 
 埼玉県に住む女性(22)は、飲み会で知り合った男に強引に自宅に連れ込まれ、体を触られた。幼少期からの性被害もよみがえり、自殺を考えるほど思い詰めた。「この苦しみをみんなに知ってもらって、被害を減らせれば」。そう思い、体験をインターネットのブログにつづった。
 
 ある日、批判コメントが集中する“炎上”が起きた。
〈いい事されて良かったね〉
〈しょせん未遂〉
〈ブログのアクセス(閲覧)数を上げたいだけでしょ〉
 
 書き込みの欄に、言葉の刃(やいば)が並んでいた。
 
□■□
 横山ノック大阪府知事(当時)が1999年の知事選中、運動員の女子大生にわいせつ行為をしたとして強制わいせつ罪で有罪判決を受けた事件。告訴した女子大生をサポートした市民団体「性暴力を許さない女の会」の栗原洋子代表は「初めて彼女に会った時、ずっと泣いていて、重圧につぶれかけていた」と振り返る。女子大生は知事に「真っ赤なウソ」と公然と非難され、週刊誌には写真を載せられた。好奇の目にさらされ、大学も変わらざるをえなかった。
 
 法廷では実名で呼ばない、証言の際には、ついたてを置く――。この事件の公判で、女子大生の弁護団が求めた「異例の措置」は今や、被害者の当然の権利になった。
 
 しかし、被害者の支援活動を続けてきた栗原代表は言う。「確かに制度面は前進したかもしれない。でも、被害を訴え出た女性が『そんな服を着ているからだ』『なぜ逃げなかったのか』などと責められ、孤立する現状は、10年たっても変わっていません」
 
(2010年2月16日  読売新聞)
 
 
 
<3>よみがえる記憶と闘う
いつになったら楽に
 
 
「社会に訴えたいことは?」。記者の質問に、関東在住のある被害者が、しばらく考えた後、書き残してくれた言葉 ベッドに横になり、何気なくテレビのバラエティー番組を見ていた時だった。
 
 お笑い芸人が、おどけた様子で、急に脇から画面に現れた。その瞬間、久美子さん(仮名、20歳代)は、思わず身をすくめた。慌ててふとんに潜り込み、手探りでテレビのリモコンを探す。電源を切った手が震え、動悸(どうき)がなかなか治まらない。
 
 「あの日」から、すべてが変わった。
 
□■□
 襲われたのは数年前。深夜の自宅アパートだった。風呂上がりに脱衣所で髪をふき、ふと顔を上げると、覆面の男が物陰から飛び出してきた。「騒ぐな、殺されたいのか」。怖くて声も出なかった。
 
 自宅は、忌まわしい強姦(ごうかん)の記憶を呼び起こすだけの場所になった。「泥棒が入った」ことになっていたが、近所の人から「大丈夫だった?」と声を掛けられるたび、びくびくした。
 
 耐え切れず引っ越したが、何も変わらない。ミシッという家鳴りが、男の足音に聞こえる。「絶対また侵入してくる」。何度、鍵を確かめても安心できない。目をつむると、覆面の男が殴りかかってくる姿が浮かび、眠れない夜が続いた。
 
□■□
 <生きる気力をなくす>
 
 <記憶が抜け落ちる>
 
 <自分を責める>
 
 性暴力の被害者は、特に精神的な後遺症が重いと言われる。記憶や恐怖が鮮明によみがえり、パニックになる「フラッシュバック」に苦しむ人も多い。加害者と同じ服の色、コロンの香り、車のエンジン音――。何でも引き金になる。
 
 久美子さんの場合、それは「目の前に突然現れる男性」だった。途端に恐怖で足がすくむ。商品棚の陰から人が出てくるのが怖くて、近くのスーパーにも、一人で行けなくなった。
 
 半年後、男は逮捕された。一人暮らしの女性宅を狙い、同様の犯行を重ねていた。
 
 「負けたくない」と、勇気をふるって裁判を傍聴し、男の素顔も見届けた。しかし、今もフラッシュバックが起きては、振り出しに戻る日々が続く。「いつになったら楽になれるの」と途方に暮れる。
 
 何も知らない両親に悟られぬよう気丈に振る舞っているが、後ろめたい。将来、誰かと結婚しても、打ち明けられるかどうか。「何年か後、刑務所を出た男は、何食わぬ顔で日常に戻れるかも知れない。でも私は、死ぬまで一人で闘わなくてはならないんです」
 

 「思い出すのがつらくて、昨日は一睡もできなかった」。取材後、久美子さんは記者にこう打ち明けた。「それでも、被害者の苦しみを少しでも知ってほしかった」と話した。
 
(2010年2月15日  読売新聞)
 
 
 
 
 
<2>私たちを置き去りにしないで
社会に求める「理解」
 

全国から講演の依頼が相次ぐ。「被害者がきちんと伝えれば、周囲もわかってくれる。そう信じて活動していきたい」と小林さん(東京・千代田区の日比谷公園で)=源幸正倫撮影 2009年9月、青森地裁。性犯罪を裁く全国初の裁判員裁判が開かれた。「性犯罪被害にあうということ」の著者、小林美佳さん(34)も、法廷に足を運んだ。被害者の一人として、裁判の実相を知っておきたいと思ったからだ。
 
 2件の強盗強姦(ごうかん)罪などに問われた被告の男。入廷する姿を目にした途端、傍聴席で体の震えがとまらなくなった。
 
 <Aさんの背後から包丁を突きつけ、「言うことを聞け。殺すぞ」と言って脅し……>。検察官の冒頭陳述が、自らの記憶と重なる。男の弁明を聞くうち、憤りと悔しさがこみ上げた。たまらず法廷を飛び出し、廊下で泣き崩れた。
 
 翌日、被害女性2人が別室からの「ビデオリンク方式」で意見陳述した。〈一生傷を負ったまま生きなくてはいけないなら、いっそ死にたい〉〈許せない。女性として一番ひどいことをされた〉。一言一言が胸に刺さった。「男と同じ建物内にいることさえ、耐えられないはずなのに」
 
 判決は懲役15年。2人の声が裁判員に届いたのか、求刑通りの厳刑だった。
 
 それでも、小林さんは思う。「いくら刑が重くなっても、心の傷は消せない。振り絞る思いで語った2人の葛藤(かっとう)、声も上げられない被害者たちの苦しみを、置き去りにしないでほしい」
 

 内閣府の08年調査では、無理やり性交された経験のある女性の62%が「恥ずかしい」「無駄と思った」と誰にも言うことができず、警察に相談したのはわずか4%だった。
 
 警察庁は10年度、性犯罪被害者対象の「ワンストップ支援センター」を試験導入する。女性の負担を減らすため、病院に民間の支援スタッフと専門の警察官が常駐。事情聴取と診療、カウンセリングを1か所で行う。
 
 だが、被害者は「まず捜査ありきなら、敷居は高いまま」と不安を漏らす。精神科医の小西聖子(たかこ)・武蔵野大教授は「被害を打ち明けづらいことが、性暴力の特徴。水面下の被害者をすくい上げ、支える意識が社会全体に必要だ」と指摘する。
 

 小林さんと交流する2000人の「仲間」も、警察に届けたのは1%に過ぎない。小林さんは「普通に生活することさえどんなに大変か、わかってもらえなければ、一歩を踏み出せない」と語る。
 
 社会に何を求める?
 
 世間との溝を感じた時、仲間にメールで問いかける。
 
 あったかい気持ち
 
 聞いてくれる人
 
 理解
 
 〈声なき被害者〉の叫びが、小林さんの背中を支える。
 
(2010年2月13日  読売新聞)
 
 
 
 
 
<1>実名告白 2000人つなぐ
「なぜ隠れなきゃいけないの」
 
 
毎日のようにメールで寄せられる被害者の声に向き合う小林さん。「込められた思いを精いっぱい受け止めたい。そして返したい」 小林美佳さん(34)(東京都)は毎晩、勤務先から帰宅すると、パソコンと向き合う。
 
 画面に浮かぶ新着メール。
 
 私も性暴力の被害者です
 誰も分かってくれない
 死にたい
 
 同じ苦悩を味わった女性たちのつぶやき。<話してくれてありがとう>。一つずつ、思いを巡らせながら返信を終えると、午前3時を回っていることもある。
 
 2008年4月、「性犯罪被害にあうということ」を著し、実名で体験を公表した。以来、ホームページに掲載したアドレスに、多くの女性たちからメールが届く。
 
 初めて打ち明けます
 言えてよかった
 
 勇気を振り絞っただろう、告白に胸が詰まる。「行き場を失って、ここにたどり着いたんだと思う。私にできるのは、精いっぱい受け止めること」
 
 こうして、つながった「仲間」は、2000人を超えた。
 
□■□
 00年8月、道を尋ねてきた2人の男に車に押し込まれ、強姦(ごうかん)された。カッターナイフの刃を出し入れする音、スピーカーから響く大音量、恐怖で凍りついた体――。
 
 20分後に解放された時、24年かけて築いた自分のすべてが崩れ去った、と感じた。
 
 〈汚れた体〉〈生け贄(にえ)〉――。自らを蔑(さげす)む言葉ばかりが頭を巡る。あの車に似た車や大きな音に出くわすと、震えがとまらない。記憶が途切れ、折り返しの電車で何往復もしていたことがあった。体重は13キロ減った。犯人の行方はわからない。
 
 迷った末、身近な人に打ち明けた。「お前だけがつらいんじゃない」「誰にも言わないで」とさとす家族。「ごめん」「何も言えない」と困った顔をする友人。腫れ物に触るような態度が、「黙っていろ」という圧力に思えた。周囲とすれ違い、気持ちが荒れた。最初は受け入れてくれていた恋人も、「支え切れない」と去っていった。
 
 2年後、事情を知る別の男性と結婚。「マイナスの人生を一気にプラスに」と願ったが、夫に体を求められるたび、こっそり吐いた。3年で離婚した。
 
□■□
 転機は、インターネットで見つけた、性暴力の被害者が集う掲示板だった。
 
 「顔見知りに」「薬を使われた」「就職面接と偽られた」――。あまりの多さに驚いた。
 
 同年代で、事件に遭った時期も近い「りょうちゃん」の書き込みを見つけた。冷静に意見を述べ、ほかの被害者にも的確にアドバイスしている。
 
 思い切ってメールすると、すぐに返事が来た。〈わかるよ〉の一言に、心から癒やされ、やり取りを重ねた。
 
 思い通りにならない心身のつらさ、被害を隠して生きるやましさ、周囲に理解されない苦しみ……。すべて分かち合えた。
 
 仲間の輪が広がるにつれ、共通して抱える〈生きづらさ〉が見えてきた。「悪いのは被害者じゃないのに。いつまでも隠れていなきゃいけないのか」。誰かが立ち上がって声をあげないと、思いは伝わらない。実名で、自らを語る覚悟を決めた。
 
□■□
 実名手記への驚きと反響は大きく、小林さんが講演やシンポジウムで発言する機会も増えた。
 
 人前で話すたび「美佳さんって強いんですね」と言われる。そうじゃないのに、と恥ずかしくなる。
 
 今でも壇上で涙がとまらなくなり、パニックに襲われる。体験を語った翌日はぐったりする。それでも活動を続けるのは、そこでまた、仲間と言葉を交わし、つながれるから。
 
 「一人でも多くの被害者の声を聞きたい。そして『あなたの気持ち、わかるよ』『あなたの存在は尊いんだよ』って言ってあげたいんです」
 
(2010年2月12日  読売新聞)

障害者、就農で活路を
2010年02月18日朝日新聞
 
滑川町の農場でのブドウ栽培に向けた作業=昨年8月、けやきファーム提供
 
◇関東での事例報告 県内でも取り組み/耕作放棄地利用も

 障害者の就労の場として農業を活用する動きが全国的に広がっているとして、関東での事例が17日、「農業分野における障害者就労セミナー」(関東農政局主催)で発表された。増加する耕作放棄地の新たな利用法としても注目され、県内でも取り組む団体がある。
 
   ◇
 
 「一人ひとりに合った支援が必要。器具などを工夫し、障害者の能力を引き出す環境を」。この日、さいたま市中央区のさいたま新都心合同庁舎で開かれたセミナーで、厚生労働省障害福祉課の武田牧子・地域移行支援専門官が述べた。千葉県の農場で障害者を雇っている企業も「才能に障害はない」と、障害者が様々な農作物を作っていることを紹介した。

 県農地活用推進課によると、県内の耕作放棄地は3219ヘクタール(2008年度)。高齢化や後継者不足から増加傾向にあるという。

 そんな中、さいたま市のNPO法人「けやきファーム」(塩浦綾子理事長)は、知的障害者の就労の場として、耕作放棄地の利用を計画している。塩浦理事長が会長を務める関東自動車(本社・同市浦和区)は30年以上、養護学校のバス送迎に携わってきた。「自分が稼げなくなったらどうしよう」と生徒の将来を不安がる親の声もあり、07年、同法人を立ち上げた。

 経済的に自立できる環境として耕作放棄地に着目。心身に好影響があるとされる園芸療法の効果も狙っている。

 08年、滑川町福田に約7千平方メートルの農地を確保。1年がかりで整備し、昨年3月にはブドウなど200本以上を植樹した。事務局長の塩浦一穂さん(50)は「農業の素人なので、収穫物だけでは商品として太刀打ちできない」。収穫物をジャムやジュースに加工して販売する考えだ。

 加工作業所やグループホームとして、現在は使われていない同市桜区の同社の寮を改装する案もある。職場と住居を確保し、障害者の自立を側面支援できるというわけだ。将来は作業所の近くにも畑を確保し、大豆や小麦などを作りたいという。

 ブドウを収穫できるのは2、3年後。現在はボランティアが協力して作業しており、運営が安定してから障害者を受け入れる予定。塩浦さんは「できることから一歩ずつ。みんなが安心して生きていける社会を作りたい」と話している。

2010.2.15キャリアブレイン
「障がい者総合福祉法」の議論スタート―改革推進会議
 
 内閣府は2月15日、「障がい者制度改革推進会議」の第3回会合を開き、障害者自立支援法に代わる「障がい者総合福祉法」(仮称)の在り方などについて議論した。
 
 会議ではまず、「障害者が地域で生活する権利」がテーマとなった。委員からは、障害者権利条約での自立した生活および地域社会に受け入れられることとの規定を受け、「総合福祉法」で明文化すべきとの意見が続出した。
 障害者にとっての「自立」の概念については、障害者団体などでは「自己決定」とイコールという共通理解があるとされた。その上で、北野誠一委員(おおさか地域生活支援ネットワーク理事長)は、「仲間や支援者の支援などを活用して、自分で選んだ当たり前の市民生活を生きること」とする定義を示した。
 また、障害者の定義については、社会モデルやICF(国際生活機能分類)に基づいて考えるべきとの意見が多く示された一方で、新谷友良委員(全日本難聴者・中途失聴者団体連合会常務理事)からは、「社会モデル的な障害というのは誰が判断するのか。個別分野で慎重な議論が必要ではないか」などと疑問が投げ掛けられた。佐藤久夫委員(日本社会事業大教授)は「総合福祉法」の対象について、障害者の法律とうたうのであれば、「機能障害か疾患症状があるということを確認した上でサービスの提供対象にする、という手続きが必要ではないか」と述べるなどさまざまな論点が示され、今後継続して議論をしていくことが確認された。
 
 このほか、新谷委員は同推進会議での議論とは別に、国土交通省で交通体系における議論が別個に行われている例を示し、同会議とは無関係に障害者関連の施策を進めている状況を訴えた。
 これに対し福島瑞穂消費者・少子化担当相は、「うまく(推進会議の)意見が反映できるように、どういうチャンネルでやったら良いのかも含め、各省庁と検討させてほしい」と述べた。
 
■専門部会で「総合福祉法」を議論
 同会議では、夏ごろまでに項目ごとに議論を行う専門部会を設置するとしていたが、東俊裕室長はこれに先行して「総合福祉法」に関する部会を3月にも設置することを提案し、了承された。
 
更新:2010/02/15 22:00   キャリアブレイン

2010.2.12キャリアブレイン

2010年度診療報酬改定のポイント(1

 2010年度診療報酬改定は、中央社会保険医療協議会(中医協)が212日に長妻昭厚生労働相に答申し、方向性が固まった。これまでに分かっている主な改定の内容と点数を整理した。

初・再診料
 再診料については、診療所(71点)を2点引き下げる一方、病院(60点)を9点引き上げ、69点で統一する。また、再診料に対する「外来管理加算」(52点)は、2008年度の診療報酬改定で導入された「5分要件」を廃止し、診療時間が短くても算定できるようにする。代わりに、薬の処方をメーンにしたいわゆるお薬外来をなくすための要件を加える。

 一方で、標榜している診療時間以外に患者からの電話の問い合わせに対応し、必要に応じて診察したり、専門医を紹介したりする診療所には、「地域医療貢献加算」(3点)の再診料への上乗せを認める。
 また、レセプト並みの明細書を無料発行している診療所には、「明細書発行体制等加算」として再診料ごとに1点の算定を認める。
 これら2つの加算を新設するのに伴い、地域医療に貢献したり、明細書を発行したりすれば再診料の引き下げ分を上回る最大4点を上乗せできることになる。厚労省では、地域医療貢献加算を算定できるのは全診療所の3割程度と見込んでいる。

 中医協による議論では、再診料の統一と外来管理加算の「5分要件」の取り扱いをめぐり、診療側と支払側が激しく対立。特に診療側の安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は、「個人診療所の71点(の維持)は増点でも何でもない」などと抗議し、診療所を引き下げる形での統一に最後まで反対した。
 決着は中立の公益側による裁定に持ち込まれ、210日の総会で診療所を2点引き下げる公益案が示されると、安達委員は「許容することは到底できない」と抗議し、いったん退席した。

 中医協が改定案と共に長妻厚労相に提出した附帯意見では、再診料を含む基本診療料に対する影響を検証し、その結果を今後の報酬改定に反映する方向性が盛り込まれた。

入院料(一般病棟など)
 一般病棟の151入院基本料(1日につき954点)は934点に下げる一方で、一般病棟での入院早期の加算を、現在の428点から450点(14日まで)に引き上げる。08年度に新設された準71入院基本料は廃止する。

 また、一般病棟や結核、精神病棟のうち「71」と「101」の看護配置を敷いている病棟で、「72時間ルール」だけを満たせない場合に算定できる「71」「101」特別入院基本料を新設。所定の入院基本料の80%の算定を3か月間だけ認める。ただし、▽算定期間中も引き続き看護師の確保に努力し、その旨を地方厚生局などに届ける▽最後に算定してから1年以内は、この基本料を算定できないなどの条件付き。

 このほか、現在は71入院基本料に導入している入院患者の「看護必要度・重症度」の概念を101入院基本料にも拡大する。71入院基本料で実施している「一般病棟用の重症度・看護必要度」の評価票で全入院患者の状態を継続的に測定・評価している場合に、「一般病棟看護必要度評価加算」として1日につき5点の算定を認める。
 一般病棟のほか、特定機能病院や専門病院の101入院基本料についても同じ取り扱いにする。

 「後期高齢者特定入院基本料」は、名称から「後期高齢者」を削除。75歳以上に限定している対象年齢の要件を廃止する。現在の仕組みでは、75歳以上の患者が90日を超えて入院する場合は、後期高齢者特定入院基本料として通常よりも低い928点を算定、検査や処置などに対する診療報酬もこの中に包括される。
 ただし、「人工呼吸器を装着している」など12通りの「特定除外項目」のどれかに該当する患者は減額対象にならず、通常の出来高の入院基本料を算定する。
 これに対して来年度の報酬改定では、90日を超えた入院に対する減額措置の対象を全年齢に拡大する。ただ、新たに対象となる患者については、「退院支援状況報告書」を地方厚生局などに毎月提出すれば、90日を超えても従来の出来高算定を認める。

入院料(精神、療養病棟)
 精神病棟入院基本料では、▽新しい入院患者のうち重症者(GAFスコア30以下または身体合併症患者)の割合が4割以上▽身体疾患への治療体制を確保している▽平均在院日数が80日以内−の場合に算定できる「131入院基本料」(920点)を新設する。

 一方、療養病棟入院基本料は、入院患者の医療ニーズの高さ(医療区分)や日常生活動作の状況(ADL区分)などに応じてAE5通り(7501709点)を設定している現在の形から、看護配置と重症度に応じた2段階の設定に変更する。
 具体的には、▽看護職員および看護補助者が「201」配置以上▽医療区分2または3の患者が全体の8割以上−を満たす場合に算定する「療養病棟入院基本料1」と、看護職員および看護補助者が「251」配置以上の「療養病棟入院基本料2」に再編。それぞれについて9区分の点数を設定する。

 また、現在は記録だけが求められている患者の状態像などに関するデータの提出を要件に組み込む。このほか、急性期病院の一般病床、介護老人保健施設や自宅などから患者を受け入れた場合に算定できる「救急・在宅等支援療養病床初期加算」(150点、14日まで)を新設する。

 療養病棟入院基本料の見直し後に評価が最も高くなるのは、入院基本料1の「医療区分3ADL区分3」(1758点)で、現行で最も高い入院基本料A1709点を49点上回る。逆に評価が最低になるのは入院基本料2の「医療区分1ADL区分1」(722点)で、現行で最低の入院基本料E750点)よりも28点低くなる。

更新:2010/02/12 21:00   キャリアブレイン

 

 

2010年度診療報酬改定のポイント(2

■DPC
 段階的に廃止する調整係数に代わる新たな機能評価係数として、「効率化に対する評価」(効率性指数)など6項目を初年度に導入。新係数による評価は原則として4月に開始する。ただ、「地域医療への貢献に係る評価」は、各病院の41日現在の状況を集計するため、開始が8月にずれ込む。また、「正確なデータ提出に係る評価」(データ提出指数)は、部位不明や詳細不明コードが4割以上になった場合、新係数の評価を1年間にわたり5%削ることになっているが、対象となるICD10コードを周知して来年4月から実施する。

 「救急医療の入院初期診療」(救急医療係数)は、包括点数での評価が困難なため、緊急入院した患者と入院患者全体の入院2日間の費用の差額を実績に応じて診療報酬に上乗せする。

 DPCの調整係数は、来年度以降の報酬改定で段階的に廃止することが決まっているが、何回をかけて「全廃」するかは、来年度に話し合う。中医協ではこれまで、初年度に調整係数による「上積み相当部分」の4分の1を新係数に置き換え、その分の診療報酬を「救急医療の入院初期診療」を除く5項目に均等配分することを決めている。

 厚労省が25日の中医協総会に提示したシミュレーションでは、こうした形で新係数を導入した場合、大規模病院や特定機能病院ほど有利とする結果を示している。

救急医療
 「救命救急入院料」は、充実度が高いセンターへの加算を、現在の500点から1000点に倍増する。一方で、二次救急医療機関による算定を想定している「救急医療管理加算」(現在600点)と「乳幼児救急医療管理加算」(150点)は、それぞれ800点と200点に引き上げる。
 手厚い看護配置で高度な急性期医療を提供する病床を評価する「ハイケアユニット入院医療管理料」も、3700点から4500点に上げる。
 また、現在の「入院時医学管理加算」(1日につき120点)は「総合入院体制加算」に名称変更し、総合的かつ専門的な入院医療をいつでも提供できる病院への評価として明確化する。点数や要件は見直さない。

 このほか、病院と診療所の小児科医の連携による救急外来を評価する「地域連携小児夜間・休日診療料1」(24時間対応なし)は現在の350点から400点に、「同診療料2」(24時間対応あり)は500点から550点にする。
 小児以外への救急外来での連携を評価するため、「地域連携夜間・休日診療料」(100点)も新設する。

周産期、小児医療
 ハイリスク分娩管理の評価を2000点から3000点(1日につき)に引き上げ、対象疾患を拡大。「妊産婦緊急搬送入院加算」も5000点から7000点に変更し、妊娠に関連する異常以外で搬送された場合にも算定を認める。

 一方、地域の小児救急入院を担う医療機関による算定を想定して、「小児入院医療管理料」に、常勤小児科医(小児外科医)を「9人以上」配置した場合の評価を新設する。この区分を「同管理料2」に位置付け、1日につき4000点の算定を認める。
 見直し後は、現在の同管理料2を同管理料33600点)に変更するなどして、評価を計5区分に再編。既存の区分の点数は変更しない。また、特定機能病院に対しても同管理料の算定を新たに認める。

チーム医療
 急性期病棟への看護補助者の配置を評価する「急性期看護補助体制加算」や、多職種による栄養管理を評価する「栄養サポートチーム加算」(週1200点)、医師や看護師、臨床工学技士などの専任のチームが人工呼吸器の管理を評価する「呼吸ケアチーム加算」(同150点)をそれぞれ新設する。
 急性期看護補助体制加算は、一般病棟(特定機能病院を含む)や専門病棟のうち、「71」か「101」の看護配置を敷いている病棟が対象。看護補助者の配置数が「501以上」の場合の「加算1」と、「751」の「加算2」を設定し、共に14日を限度に算定できる。特定の時間の配置を手厚くするなど、看護補助者の傾斜配置を認める。
 ▽緊急入院患者数が年200人以上の病院か、総合周産期母子医療センター▽「重症度・看護必要度」の基準を満たす患者が、「71」の場合は15%以上、「101」の場合は10%以上▽急性期看護の適切な看護補助に関する看護補助者向けの院内研修会を開いている−などの基準を設ける。

 栄養サポートチーム加算も、一般病棟(特定機能病院を含む)や専門病棟のうち「71」か「101」の看護配置を敷いている病棟による算定を想定。「栄養管理実施加算」の対象で、栄養障害があると判定された患者ごとに算定する。
 算定要件には、▽対象患者に対する栄養カンファレンスと回診の実施(週1回以上)▽栄養治療実施計画の策定とそれに基づくチーム医療の実施▽1日当たりの算定患者数が1チームにつきおおむね30人以内などを組み込む。
 これらのほか、栄養管理に関する研修を修了した常勤医や看護師、薬剤師、管理栄養士でつくる専任チームの設置や、これらのうち1人を「専従」にすることも求める。歯科医師、歯科衛生士、臨床検査技師などをチーム内に配置するのが「望ましい」としている。

 一方、呼吸ケアチーム加算は、一般病棟(特定機能病院を含む)か専門病棟の入院基本料の届け出病棟に入院し、48時間以上継続して人工呼吸器を装着している患者ごとに算定する。
 ▽人工呼吸器装着をした後一般病棟での入院期間が1か月以内▽人工呼吸器の離脱に向け、医師や専門の研修を受けた看護師らの専任チームによる診療などが行われた−などの場合に週1回に限り算定できる。
 専任チームには、人工呼吸器管理などの十分な経験がある医師や、人工呼吸器管理の6か月以上の研修を受けた看護師、人工呼吸器の保守・点検の経験が3年以上の臨床工学技士、呼吸器リハビリテーションなどの経験が5年以上の理学療法士らが参加する。

病院勤務医の負担軽減
 現在は「入院医学管理加算」と「ハイリスク分娩管理加算」「医師事務作業補助体制加算」の要件に組み込んでいる勤務医の負担軽減計画の策定を、「急性期看護補助加算」「栄養サポートチーム加算」「呼吸ケアチーム加算」「小児入院医療管理料」「救命救急入院料」にも拡大。勤務医の勤務状況の具体的な把握や、勤務状況の改善策を提言する責任者の配置、業務の役割分担を推進する多職種による委員会の設置などを求める。
 勤務時間の把握では当初、タイムカードの活用も検討したが、結局は見送られた。

 「医師事務作業補助体制加算」(入院初日)については、医師の事務作業を補助する医療クラークを手厚く配置した場合の評価を設定する。
 同加算は、2008年度の報酬改定で勤務医の負担軽減を図る狙いで新設されたが、中医協の診療報酬改定結果検証部会が行った調査で一定の効果を上げていることが分かり、普及を図ることにした。
 新しくつくるのは、「151補助体制加算」(810点)と「201補助体制加算」(610点)の2区分。これにより同加算の区分は、現在の4通りから6通りになる。
 現行で点数が最高の「251補助体制加算」も、355点から490点に引き上げる。このほか、「501」が185→255点、「751」が130→180点、「1001」が105→138点。

 「151」と「201」は、三次救急病院や小児救急医療拠点病院のほか、緊急入院患者が年800人以上の病院による算定を想定。また既存の251では、緊急入院患者が年200人以上の病院などの従来の対象に、「全身麻酔による手術件数が年800件以上」を追加する。
 中医協ではこのほか、軽症患者による救急病院の受診を少なくするため、一定の条件を設けて患者に負担を求める仕組みの導入も検討したが、「軽症かどうかを患者は判断できない」などの慎重論があり、導入は見送られた。


 

 

更新:2010/02/12 21:00   キャリアブレイン

 

 

2010年度診療報酬改定のポイント(3

精神医療
 精神科病棟「131」入院基本料のほか、うつ病に対する専門療法を評価する「認知療法・認知行動療法」、アルコール依存症に対する専門的治療を評価する「重度アルコール依存症入院医療管理加算」などを新設する。認知療法・認知行動療法は、1日につき420点を算定。重度アルコール依存症入院医療管理加算は、「30日以内」なら200点、「31日以上60日以内」なら100点(共に1日につき)を算定できる。

 また、思春期の子どもの心の診療の特性に応じた入院医療を評価する「児童・思春期精神科入院医学管理料」は、650点から800点に引き上げる。

がん対策
 がん診療に関する地域連携を評価するため、がん診療連携拠点病院が、患者の退院後の治療を地域の医療機関との地域連携診療計画に基づいて連携して行うことを評価する「がん治療連携計画策定料」(退院時750点)を新設する。また、地域の医療機関が同拠点病院と適切な情報交換を行った際に算定できる「がん治療連携指導料」(情報提供時300点)も新設する。
 さらに、「放射線治療病室管理加算」を500点から2500点に大幅に引き上げるほか、がんの特性に配慮したがん患者に対するリハビリテーションの評価として「がん患者リハビリテーション料」(1単位につき200点)を新設する。
 「がん診療連携拠点病院加算」は、「キャンサーボード」の実施や「院内がん登録」を充実させていることを評価し、400点から500点に引き上げる。

リハビリテーション
 疾患別リハビリテーションのうち、大腿骨頚部骨折などの患者に提供する「運動器リハビリテーション料」に、手厚い人員配置を評価する区分として「運動器リハビリテーション料1」(1単位につき175点)を新設。現在の「運動期リハビリテーション料1」を、見直し後は「同リハビリテーション料2」にする。これにより同リハビリテーション料は、現在の2区分から3区分になる。

 脳卒中などの「脳血管疾患等リハビリテーション料」は現在、常勤の医師や理学療法士らの人員配置などに応じて3区分し、廃用症候群のリハビリに対する評価は包含している。来年度の報酬改定では、これら3区分のリハビリテーション料をそれぞれ廃用症候群とこれ以外の場合に分けた上で、廃用症候群以外の「リハビリテーション料1」(現在は235点)と「リハビリテーション料2」(同190点)については、それぞれ245点、200点に引き上げる。「リハビリテーション料3」と各区分の廃用症候群に関しては、現行の点数を維持する。
 また、各疾患の「早期リハビリテーション加算」は、30点から45点(1単位につき)に変更する。

 一方、「回復期リハビリテーション病棟入院料1」は1690点から1720点(1日につき)に引き上げ、11日当たり2単位以上のリハビリテーションの提供新しい入院患者の2割以上が重症患者−の2点を新たに求める。
 「入院料2」でも2単位以上の実施を求め、点数を1595点から1600点(同)にする。

 このほか、亜急性期病床で充実したリハビリテーションを提供している場合の評価として、「リハビリテーション提供体制加算」(1日につき50点)も新設する。疾患別リハビリテーションを1週間に平均16単位以上提供することを求める。

医療、介護連携
 現在は、急性期と回復期の2段階で実施している地域連携診療計画(地域連携パス)への評価を、回復期病院を退院した後の療養を担う中小病院や診療所、介護施設を加えた3段階の評価にする。
 回復期病院が他の医療機関・介護事業所と連携し、患者の退院後の診療計画をつくった場合、「地域連携診療計画退院時計画加算」として100点を算定できるようにする。
 また、回復期病院を退院した患者を引き受ける病院(200床未満)や、診療所が算定する「地域連携診療計画退院時指導料2」も新設。初回月に300点を算定する。

 このほか、患者が入院している医療機関の主治医をはじめとする医療スタッフとケアマネジャーとの連携を促し、退院後のスムーズな介護サービスの導入につなげる「介護支援連携指導料」(300点)を新設する。入院中に2回算定できる。

後発品の使用促進
 後発医薬品(来年度薬価改定から、先発品より薬価が高い後発品を除く)については、「後発医薬品調剤体制加算」(現行4点)の算定要件を現行の処方せんベース(調剤率30%以上)から数量ベースに改め、3段階の調剤率(20%以上、25%以上、30%以上)でそれぞれ6点、13点、17点を加算できる。ただし、13月の後発品の調剤数量に関しては、現行の後発品(先発品より高い後発品も含む)の取り扱いとし、薬局がその3か月間の実績で要件を満たせば、同加算の要件の1割以内の変動の範囲で9月末まで算定を認める。
 また、「変更不可」欄に署名などの無い処方せんに関しては、含量が異なるか、類似した別剤形の後発品への変更調剤を認める。その場合、変更後の薬剤料が増えないことに加え、患者が同意することが条件となる。
 このほか、後発品の品質や安全性などに関する情報を収集し、それを評価した上で後発品の使用を進める体制への評価として、「後発医薬品使用体制加算」(入院基本料に30点を加算。採用品目数の割合が20%以上)を新設する。
 なお、次の薬価改定で先発品より薬価が高くなる後発品については、改定の告示に合わせて厚労省が公表する。

その他
 診療報酬明細書(レセプト)並みの医療費の明細書に関しては、レセプトを電子請求している医療機関に対し、全患者への無料発行を原則義務化する。
 明細書は現在、レセプトを電子請求している病院に対し、患者が希望した場合に発行を義務付けている。これに対して見直し後は、明細書の発行機能がないレセプトコンピューターを使用しているなど「正当な理由」がない限り、原則全患者への無料発行を義務化する。明細書がいらない患者は医療機関の窓口に申し出る形にする。

 人工腎臓については、現行の「外来・入院」の区分から「慢性維持透析・その他」の区分へと見直しを行う。また、エリスロポエチンの使用量の減少および同じ効能を有する低価格のダルベポエチンへの置換が進んでいる現状を踏まえた評価を行う。具体的には「慢性維持透析」の場合、4時間未満は2075点、4時間以上5時間未満は2235点、5時間以上は2370点で、「その他」の場合、1580点。
 さらに人工腎臓における合併症防止の観点から、使用する透析液についてより厳しい水質基準を達成した場合の評価として、専任の透析液安全管理者1人が配置されていることなどを要件に「透析液水質確保加算」(110点)を新設する。

更新:2010/02/12 21:00   キャリアブレイン

 


「統合医療」推進へ厚労省がプロジェクトチーム 効果や安全性分析
2010.2.11 21:54産経新聞

  西洋医学に漢方や自然療法を取り入れた「統合医療」推進に向け、厚生労働省はプロジェクトチーム(PT)を設置、効果や安全性の本格的分析を始めた。推進は民主党がマニフェストで示した公約。鳩山由紀夫首相も初の施政方針演説で「積極的な推進の検討」を約束していた。
 
 統合医療は中国医学やカイロプラクティック、アロマセラピーなど多岐にわたる「相補・代替医療」で構成。個別の症状に応じ、治療法や薬を選ぶ患者中心の医療が期待され、薬剤コストが低く医療費抑制が見込めるのが利点だ。
 
 統合医療をめぐっては、1月の参院予算委員会で鳩山首相が「問題点が指摘はされているが、政府としても真剣に検討したい」と述べ、長妻昭厚労相もPT設置の考えを示した。厚労省は平成22年度予算案に、漢方分野に特化した研究費10億円を新規計上している。

2010.2.11日本経済新聞
再診料、690円に統一 開業医に譲歩、下げ小幅

 中央社会保険医療協議会(中医協)は10日、2回目以降の外来診察でかかる再診料について4月から開業医の診療所を20円引き下げ、690円とすることを決めた。診療所より安かった中小病院を90円引き上げて26年ぶりに統一する。診療所の再診料引き下げは「開業医優遇」の実態を是正するのが狙いで、夜間対応などで地域医療に貢献している診療所には再診料とは別に報酬を加算して配慮する。ただ開業医主体の日本医師会(日医)の抵抗は強く、再診料の減額幅や加算額は当初目指した水準より小幅にとどまった。
 
 診療所の収入に占める比重の高い再診料の改定は、今回の診療報酬見直しの目玉だった。(07:00)

2010.2.9日本経済新聞
有料老人ホーム急増、需要増え5年前の5倍に 入所者も最多
 全国の有料老人ホーム数は2008年で3400施設、入所者数は14万人を突破してともに過去最多を更新したことが9日、厚生労働省のまとめで分かった。施設数は前年より3割弱、入所者は2割強増えた。5年前に比べて施設数は約5倍、入所者は約3倍となった。届け出義務が強化されたことに加え、高齢化の進展に伴う需要増もあり急増したとみられる。
 
 同省が発表した「社会福祉施設等調査」によると、08年10月1日時点で有料老人ホームは3400施設で前年より729施設(27.3%)増えた。定員は2万8954人(19.6%)増えて17万6935人、入所者も2万6225人(22.9%)増の14万798人となった。
 
 5年前の03年時点では施設数は694施設、入所者数は4万2661人だったが、施設数は4.9倍、入所者数は3.3倍となった。(22:01)
 
 
 
要介護認定「軽度化」は改善 基準見直しが奏功
2010年1月15日20時37分朝日新聞
 介護保険で使えるサービス量を決める「要介護認定」について、厚生労働省は15日、東京都内で開かれた有識者会議で、昨年10月に認定基準を見直した後の審査状況を公表した。昨年4月の基準改定後、軽く判定されるケースが相次いだため、基準を見直した。その後は、介護サービスを使えない「非該当」と判定される割合が半減するなど、ほぼ改善されたという。
 
 昨年10〜11月に全国1396市町村で申請を受けた約17万1千件の判定結果を集計。「非該当」から、最も介護の必要度が高い「要介護5」まで8段階の割合を調べたところ、非該当は見直し前の2.3%から1.1%に半減。2008年まで過去3年の平均0.8%と、ほぼ同水準に戻った。また、介護の必要度が最も低い「要支援1」は17.7%から16.1%に。過去3年の平均は14.8%だった。
 
 さらに、昨年4〜9月に初めて要介護認定を受け、非該当になった人が、10月以降に再申請した結果、93%は介護が必要だと判定された。
 
 同省は「軽度に判定される状況は、ほぼ解消した」と分析。ただ、要支援1の割合が旧基準より高い傾向にあり、調査員らへの研修を徹底するよう、自治体に求める。
 
 また、同省は基準見直し後、自治体に対し、非該当とされた人らに再申請を呼びかけるよう要請したが、実際に個別に呼びかけられた人は約6割。地域によって、再申請などの手続きが十分周知されていない可能性がある。
 
 会議では、今後の要介護認定のあり方をめぐり、委員側が十分に時間をかけて議論することや、公開の場で審議するよう国に要請した。

「偏見、差別、変えられる」 心の健康フォーラム (2010年2月7日)信濃毎日新聞
心の健康について4氏がパネル討論したフォーラム
 「心の健康づくり地域共生への路(みち)を考えるフォーラム」(NPO法人県精神保健福祉会連合会など主催)が6日、伊那市の県伊那文化会館で開かれた。精神障害への理解を深めて偏見や差別をなくそうと、県内各地の約250人が参加した。
 
 「人はなぜ偏見を持ち、差別するのか」をテーマにしたシンポジウムは4人が討論。信大医学部(松本市)の天野直二教授(臨床神経病理学)は「病気を正しく診断し、薬を処方して予防することが大事だ」と強調。障害者の共同作業所「麦の郷(さと)」(和歌山市)の伊藤静美理事は「地域住民が互いを放っておけないと思い、支え合う社会をつくる必要がある」と述べた。
 
 たかぎクリニック(京都市)の高木俊介院長は、精神科病院に患者を収容する制度が問題だとし「制度がつくってきた偏見や差別は変えられる」と主張。信濃毎日新聞の飯島裕一編集委員は「心の病がある人を個人の弱さが原因として切り捨てることは問題だ」と指摘した。
 
 討論後の質疑応答では、統合失調症の男性が「これから自分を信じて生きていきたい、と感じた」と涙ながらに訴えた。別の統合失調症の男性は「病気について前向きな報道を望みたい」と述べた。
 
(提供:信濃毎日新聞)

「死にたい」に気付いて 医師ら声掛けの大切さ強調
2010年2月7日琉球新報 
      
 
うつ病治療や死にたい気持ちへのかかわり方について話し合った県民健康フォーラム=6日、那覇市、パシフィックホテル沖縄
 
 第1回県医師会県民健康フォーラム「誰もがなりうる『うつ病』―気付きの大切さと関わる勇気―」(県医師会、琉球新報社主催)が6日、那覇市のパシフィックホテル沖縄で開かれた。2009年の県内の自殺者が過去最悪の406人(警察庁統計の暫定値)に上る中、「自殺の最大の原因」と言われるうつ病対策に社会全体で取り組む必要があることや、「死にたい気持ち」に気付き、声を掛ける勇気の重要性について講演した。
 約600人が参加。用紙に記入された質問に医師が答える形で進行した質疑応答では、切迫した悩みを訴える声が相次ぎ、問題の深刻さをうかがわせた。
 「家族に精神科に行くのを止められた。もう誰にも相談したくない。自殺をしていないのは勇気がないから」。切実な訴えに答えた田中治さん(琉大医学部高次病態医科学講座精神病態医学分野助教)は「話すことで何かが変わる可能性はゼロではない。精神科は敷居が高いかもしれないが、医師も生身の人間で、何も特別な存在ではない。相談者として一緒に考えていきたい」とつらい思いに寄り添った。
 きょうだいを自殺で失った人からは「家族がなぜ放っておいたのか許せない」という複雑な心境も聞かれた。
 近藤毅さん(同教授)は「亡くなった人の家族は自分を責めている。家族も苦しんでいると思うと許す気持ちも出てくるのではないか」と助言した。
 講演で薬師崇さん(同助教)は「うつ病になった人の周りにいる人は、共に分かち合いたいと思っている。恥ずかしい、周りに迷惑を掛けるという気持ちを乗り越え、勇気を持って打ち明けてほしい」と話した。
 仲本晴男さん(県立総合精神保健福祉センター所長)は不眠や食欲低下などうつ病の身体症状を説明。
 内科かかりつけ医の立場から、田名毅さん(首里城下町クリニック第一院長)は「医療にかかわる者は患者の精神状態に意識を払うことが必要」と指摘した。田中さんは「聞いてほしいが、自分から言えないのが死にたい気持ち。声を掛けるおせっかいは、死にたい気持ちを持っている人にはありがたい」と強調した。

明細付き医療費領収書「全患者に無料発行」を提案 厚労省
2010.2.3 21:51産経新聞

  厚生労働省は3日、全国のほとんどの病院を対象に、診察の内容や薬の種類など医療費の詳しい内訳が記された「明細付き領収書」を、原則として全患者に無料で発行するよう義務化する方針を明らかにした。
 
 同日開いた中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)に提案したが、診療側委員が「全員に出す必要はない」「コストがかかる」などと難色を示したため、実施時期を含め結論は5日の次回会合に持ち越した。
 
2010.2.3日本経済新聞
診療費の明細書、無料発行義務付けへ 厚労省が10年度

 厚生労働省は3日、検査や薬剤などの名称と費用を明記した「明細書」を患者全員に無料発行することを医療機関に義務付ける案を明らかにした。同日の中央社会保険医療協議会(中医協)に提示した。医療の内容や費用を患者が把握しやすくするのが狙いで、厚労省は2010年度から実施したい考えだ。
 
 ただ、診療側の委員には慎重論も残る。明細書の無料発行が義務付けられれば、現段階では全国で約8800ある病院の9割、同約8万9000ある診療所の5割弱が対象になる。
 
 「明細書」には投与を受けた薬剤や検査内容、診断方法などが詳しく書かれ、それぞれの点数も記されている。現在でも、健康保険組合など保険者に医療費の支払いを電子請求している医療機関は、患者の求めがあれば明細書を発行しなければならない。ただ、患者にあまり知られていないうえに有料のケースもあり、「ほとんど普及していない」(厚労省)。 (20:28)

2009.11.21日本経済新聞
診療明細書、発行進まず 厚労省調査、患者への周知不足

 医療機関で受けた検査名や投与された薬剤の名称など詳しい診療内容とそれぞれの費用が分かる「明細付き領収書」の発行について、約半数の医療機関が患者に周知していないことが厚生労働省の調査で分かった。患者の要望があった場合に発行することは努力義務(大病院は義務)になっているが、実際の発行は進んでおらず、周知不足の実態が浮かび上がった。
 
 調査は今年7〜8月に全国の医療機関から無作為で抽出した3000施設にアンケートを配布。病院445施設、診療所189施設など計1039施設が回答した。回答率は34.6%。(21日 16:00)

2010.2.3キャリアブレイン
【中医協】精神病棟入院基本料、「13対1」新設で合意
 
 中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)は2月3日に総会を開き、精神科医療をめぐる診療報酬上の評価について協議した。このうち「精神病棟入院基本料」では、手厚い看護体制への評価として、来年度の報酬改定で「13対1入院基本料」を新設することで合意。また、現行の「10対1入院基本料」については、平均在院日数の要件を緩和する一方、入院患者の重症度に関する基準を設けることも決まった。さらに、急性期入院料の早期退院に対する評価に加え、5年を超える入院患者の地域への移行を評価する「精神科地域移行実施加算」なども点数を引き上げる。
 
 新設される13対1入院基本料の要件は、▽新規入院患者に占める重症者(GAFスコア30以下、または身体合併症患者)の割合が4割以上▽身体疾患への治療体制を確保している医療機関―の2点。また、10対1入院基本料では、平均在院日数の要件を現行の「25日以内」から「40日以内」に緩和し、新規入院患者のうち重症者(GAFスコア30以下)の占める割合を5割以上とする新たな基準を設けた上で、より短い入院期間への加算にシフトする。これらの変更に伴い、精神病棟の「特定機能病院入院基本料」についても同様に見直す。
 
■精神科急性期治療病棟入院料は施設基準を緩和
 
 「精神科救急入院料」「精神科救急・合併症入院料」「精神科急性期治療病棟入院料」の3加算については、入院期間「30日以内」の点数を引き上げることで、より早期の退院を評価。3加算ではまた、医療観察法上の入院処遇が終了した人の転院を受け入れた場合の算定を認めるとともに、受け入れた月は措置入院などと同様に、入院患者数の算定から除外して扱うことも決まった。さらに、精神科急性期治療病棟入院料では、全病床の7割以上、または200床以上を精神病棟で占めるか、あるいは特定機能病院とする現行の算定要件を廃止する。
 このほか、精神と身体の両方の疾患に対する治療を評価する「精神科身体合併症管理加算」も、点数を引き上げるとともに、13対1入院基本料が新設されることを踏まえ、算定要件を一部変更する。
 
■精神科地域移行実施加算も引き上げ
 
 精神科の慢性期入院医療に関しては、5年を超える長期入院患者を直近1年間で5%以上減少させた実績を評価する「精神科地域移行実施加算」(現行は1日につき5点)の点数も引き上げる。また、統合失調症患者に投与する抗精神病薬の多剤・大量投与に歯止めを掛けるため、現行の「非定型抗精神病薬加算」(同10点)を抗精神病薬の種類数で「加算1」と「加算2」に再編するほか、現行では患者の状態とは関係なく一律に評価している「精神療養病棟入院料」を見直し、重症度に応じた「重症者加算」を新たに設けることでも合意した。加算1の点数を引き上げる一方、加算2は現行の点数を維持する見通し。精神療養病棟入院料の本体については減点する。
 
■強度行動障害やアルコール依存症などで3加算を新設
 
 専門的な医療の提供が必要な疾患への入院医療体制を評価するため、来年度の報酬改定では、「強度行動障害入院医療管理加算」「重度アルコール依存症入院医療管理加算」「摂食障害入院医療管理加算」の3加算を新設するとともに、「児童・思春期精神入院医療管理加算」の点数を引き上げる。
 
 この日の総会では、13対1入院基本料について、診療側の委員から「重症者の割合を増やした方がよい」「在院日数で縛りをつくるべきだ」などの意見が出たため、厚生労働省側は今後これについて検討する方針。また、改定案で重症度の基準が設けられたことを踏まえ、今後の診療報酬改定結果検証部会でこれについて検証する方向で一致した。
 
更新:2010/02/03 20:10   キャリアブレイン
 
【中医協】認知症患者の退院調整加算などを新設
  厚生労働省は1月29日、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)の総会に、認知症患者の退院調整加算の新設などを盛り込んだ認知症医療の推進についての来年度の診療報酬の改定案を示し、おおむね了承された。認知症疾患医療センターなど専門医療機関が診断し、療養方針を決定した認知症患者を、かかりつけ医が管理した場合の評価も新設する。
 
 改定案によると、専従の精神保健福祉士と臨床心理技術者が勤務する医療機関の算定を想定した「認知症治療病棟退院調整加算」(退院時1回)を新設する。
 
更新:2010/02/03 20:10   キャリアブレイン
【中医協】通院・在宅精神療法、病診で一本化へ
 
 中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)は2月3日の総会で、病院と診療所で一部異なる点数が付いている「通院・在宅精神療法」を来年度の報酬改定で見直し、病診で加算を一本化した上で、「30分以上」の診療に対する加算を引き上げることで合意した。また、うつ病への治療に効果がある「認知療法・認知行動療法」への診療報酬上の評価を新設することも決まった。
 
 現行の通院・在宅精神療法では、初診日に精神保健指定医が通院精神療法を行った場合、1日につき500点を算定。これ以外の場合は、病院が30分以上360点、30分未満330点なのに対し、診療所では30分以上360点、30分未満350点で、短時間診療に対する病院への評価が低くなっている。次期改定では、初診日への評価を維持する一方、それ以外の加算について病診で統一し、長時間診療への評価を引き上げる。
 
 一方、新設される認知療法・認知行動療法は、▽気分障害の患者の治療計画を作成し、患者に対して詳細に説明▽30分を超える診療時間で算定可だが、16回が限度▽厚生労働科学研究班作成のマニュアルに準じる―の3点が算定要件となっている。
 
■「精神科デイ・ケア」など早期の地域移行を評価へ
 
 この日の総会では、「精神科ショートケア」「精神科デイ・ケア」「精神科ナイトケア」「精神科デイ・ナイトケア」「重度認知症患者デイ・ケア料」の5加算について、各療法の算定開始から1年以内は本体に点数を上乗せする要件を新たに設けることも決まった。現行の食事の提供に対する加算は、本体点数に包含される。「ショートケア」では現行の点数を維持する一方、他の4加算に関しては点数を引き上げる見通し。

2010/02/02 22:17   キャリアブレイン
障害者の定義を「社会モデル」へ―制度改革推進会議
 
 内閣府は2月2日、「第2回障がい者制度改革推進会議」を開催し、障害者基本法の在り方について法改正を視野に議論した。障害者の定義については、障害者が困難に直面する原因を個人の心身の機能に求める「医療モデル」ではなく、障壁を取り払うための努力を社会の側にも要請する「社会モデル」の考えなどを盛り込むことなどが指摘された。
 
 今回は障害者基本法について、▽基本的性格▽障害の定義▽差別の定義▽基本的人権の確認▽モニタリング▽障害者に関する基本的施策▽その他―の7項目に分けて議論した。
 
 障害者基本法の基本的な性格については委員から、障害者を保護される客体ではなく、権利の主体として位置付けるべきとの要望があったほか、障害があっても地域社会で差別を受けずに暮らせることが必要との意見が出た。
 大谷恭子委員(弁護士)は、法改正においては障害者基本法の基本理念を示し、障害者の権利を明示した「権利章典」としての性格を持たせることが不可欠とし、各政策に対する「親法」として、拘束力を持たせる必要があるとした。
 障害の定義については、「医療モデル」ではなく、「社会モデル」の考えを盛り込むといった意見が多く見られた。また、現在の定義が狭いことから、難病や発達障害などが障害として認められない「制度の谷間」があるとの指摘もあった。清原慶子委員(東京都三鷹市長)は「多様な障害のある方を包含できるような、包括性が求められると思う」と述べた。
 また、差別の定義については、障害者基本法の3条3項で「何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない」と差別の禁止はうたっているが、差別の定義はなく、法規範性があいまいとの指摘があった。
 法改正でも、差別を定義し、「直接差別」「間接差別」「合理的配慮を行わないこと」の差別の3類型が含まれることを明記すべきとの意見が出た。
 障害者権利条約の批准後、同条約の実施状況の監視などを行うモニタリング機関の設置案が、上部組織の「障がい者制度改革推進本部」で示されているが、人権機関設置のためのガイドラインである「パリ原則」がモデルになるといった指摘や、独立的な機関に人権の保護や促進のための調査権や勧告などの権限が付与される必要があるなどの意見もあった。
 次回会議は15日に開催され、「障がい者総合福祉法」(仮称)をはじめ、障害者自立支援法や障害者の雇用などについて話し合われる。今後は隔週のペースで開催される予定だ。
 
更新:2010/02/02 22:17   キャリアブレイン
 
2010.1.11毎日新聞
障害者:政府が定義見直し 「社会の制約」考慮

 政府は、身体障害など「障害者」の定義について、抜本的な見直しに乗り出す。従来は個人の問題として心身の機能に注目する「医学モデル」だったが、社会参加を難しくしている社会の側の問題を重視し、必要な支援を把握する「社会モデル」への転換が狙い。「障がい者制度改革推進本部」(本部長・鳩山由紀夫首相)内に設置され、12日に初会合を開く「推進会議」で議論に入る。
 
 障害者については、障害者基本法で「身体障害、知的障害、精神障害があるため、日常生活または社会生活に制限を受ける者」と定める。さらに、身体障害者福祉法など障害ごとに福祉法令があり、それに基づき障害者自立支援法や障害者雇用促進法などが運用されてきた。例えば身体障害では、視覚や聴覚、肢体のほか、腎臓や心臓の障害、HIVは対象だが、他の多くの内臓や免疫系などの障害は対象外だ。
 
 しかし、対象外の人でも社会参加が難しい例は少なくない。見直しでは、障害者は「社会参加に支援やサービスが必要な人」との考え方を基に、一人一人の経済状況や住環境などを踏まえて障害者として認定する定義のあり方を検討する。
 
 政府が07年に署名した国連障害者権利条約は障害者について、「障害のある人であって、さまざまな障壁との相互作用で、平等に完全に参加するのを妨げられる」状態などととらえる。日本は条約を批准していないが、鳩山首相は昨年12月の改革推進本部設置の際、批准へ向け法整備を急ぐよう指示した。
 
 見直しは、障害福祉だけでなく雇用や教育など国内法全体に影響する。「推進会議」メンバーで車椅子を使う尾上浩二・DPI日本会議事務局長は「障害を個人の問題でなく、移動や就労など参加を難しくしている社会の制約の面からみる。参加に必要な支援を促すもので、大きな転換となる」と指摘している。【野倉恵】
 
毎日新聞 2010年1月11日 2時30分(最終更新 1月11日 17時52分)

害者自立支援給付:新宿区が「65歳以上認めず」の内規
2010年2月2日 22時11分 更新:2月2日 23時27分毎日新聞

妻の礼子さんの手を借りながら、夕飯を食べる篠沢秀夫名誉教授=東京都豊島区の病院で2010年2月2日、馬場直子撮影 障害者自立支援法で定められた居宅介護などの自立支援給付について、東京都新宿区が昨年10月以降、65歳以上の障害者から新規申請があっても認めないよう内規で定めていたことが分かった。厚生労働省は実態に応じて同給付と介護給付の両方を適用するよう求めており、区は「不適切だった」と認め、2日、措置を撤回した。
 
 ◇篠沢秀夫名誉教授の申請で発覚…指摘受け撤回
 テレビ番組「クイズダービー」で活躍した篠沢秀夫学習院大名誉教授(76)と妻礼子さん(69)が1月に自立支援給付の申請について相談した際に断られ、内規が発覚した。篠沢名誉教授は昨年2月に進行性の難病「筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症」(ALS)と診断され、既に介護給付を受けていた。
 
 厚労省の07年の通知などによると、65歳以上の障害者は、介護保険制度のサービスを受けるのが基本だが、介護負担が大きい場合などは、生活の手助けや補装具費補助などの自立支援サービスも受けることができる。
 
 だが区は昨年10月、「対象者が増えると事務作業などの面で処理しきれなくなる」と自立支援給付の運用ルールを改定していた。
 
 厚労省障害福祉課は「障害者自立支援法は、自治体は申請があれば面接を行い調査したうえで支給の是非を決めるよう定めている。新宿区の対応は法律違反の可能性もある」と指摘している。
 
 中山弘子新宿区長は2日、「職員から報告を受けてがくぜんとした。明らかに不適切で間違った対応。即座に改めるよう指示した」と話した。【小泉大士】
 
 ◇篠沢名誉教授の妻「とりつくしまがなかった」
 篠沢名誉教授はALSを患い、昨年4月に気管を切開し、たんの吸引など24時間介護が必要になった。自宅介護で、礼子さんが夜中2〜3時間おきに吸引しなければならない。
 
 礼子さんは1月、自立支援給付について区に相談したが、断られた。「とにかく新規は受け付けないととりつくしまがなかった。職員は『障害者が増え、税金で賄いきれない』と言った。まるで障害になるのが悪いようだった」と憤る。
 
 区から2日、謝罪申し出を受け、礼子さんは「少しほっとしています」と笑顔に。篠沢名誉教授は「家内が僕の介護で疲れ果てているのが、一番心配していることです。介護士に助けていただければ幸いです。妻に遠慮し(トイレなど)ガマンしていたのです」と紙に感想を書いた。【馬場直子】

2010.1.30キャリアブレイン
【中医協】「夜勤72時間ルール」で四病協のアンケート結果を報告―西澤委員
 
 中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)は1月29日の総会で、四病院団体協議会(四病協)が行った看護基準の月平均夜勤72時間規制(いわゆる「夜勤72時間ルール」)に関するアンケート結果について、診療側の西澤寛俊委員(全日本病院協会長)から報告を受けた。回答した病院の約7割が「夜勤72時間ルール」の影響で勤務調整が困難となり、夜勤状況も厳しくなったとしている。
 
 アンケートは1月19−21日、四病協に加盟する日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会の会員病院から無作為抽出した496病院を対象に実施。このうち411病院の看護部長(師長)、または看護職員配置の責任者から有効回答を得た。回答した病院は医療法人が約8割を占め、病床規模別では「100−199床」(35.8%)、「200−499床」(34.5%)、「50−99床」(16.1%)などの順だった。
 
 各病院の看護師の充足度を聞いたところ、「大いに不足」が13.9%、「不足」57.9%で、全体の約7割が人員不足に陥っている現状が浮き彫りとなった。また、看護師の求人に対する反応については、「極めて悪い」(22.1%)と「悪い」(60.8%)を合わせると8割以上に上り、「良好」と回答したのは16.5%にとどまった。
 一方、「夜勤72時間ルール」に伴う勤務調整では、「困難」(62.8%)が最多。規制後の夜勤状況の変化では、「とても厳しくなった」と「厳しくなった」を合わせて7割を超えた。さらに、ルール導入で医療安全が向上したかどうか尋ねたところ、「効果はない」(62.5%)が過半数を占めた。
 今後の看護基準に関する意見では(複数回答)、「柔軟な勤務体系にできることが望ましい」(73.5%)、「現行より緩やかな規制が望ましい」(62.8%)、「現行の基準が適当」(11.7%)、「月平均夜勤時間はもっと短縮すべき」(6.8%)などの順だった。
 
 この日の総会では、アンケート結果に対する意見交換を行わなかったが、西澤委員は「この結果を踏まえ、一般病棟入院基本料の月平均夜勤のところで主張していく」と述べた。
 
更新:2010/01/30 00:30   キャリアブレイン

2010.1.29キャリアブレイン
【中医協】認知症患者の退院調整加算などを新設
 
 厚生労働省は1月29日、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)の総会に、認知症患者の退院調整加算の新設などを盛り込んだ認知症医療の推進についての来年度の診療報酬の改定案を示し、おおむね了承された。認知症疾患医療センターなど専門医療機関が診断し、療養方針を決定した認知症患者を、かかりつけ医が管理した場合の評価も新設する。
 
 改定案によると、専従の精神保健福祉士と臨床心理技術者が勤務する医療機関の算定を想定した「認知症治療病棟退院調整加算」(退院時1回)を新設する。
 
 また、認知症外来医療への評価として、「認知症専門診断管理料」(1人につき1回)と「認知症患者地域連携加算」(月1回)も新設する。
 このうち認知症専門診断管理料の算定要件として改定案では、「認知症疾患医療センター等の専門医療機関において、認知症の鑑別診断を行い、療養方針を決定して患者及び家族に詳細な説明を行った場合」としている。
 一方、認知症患者地域連携加算は、外来で管理している認知症患者の症状が悪化したり、定期的な評価が必要になったりして専門医療機関に紹介を行う場合、「診療情報提供料(T)」に加算する。
 
 意見交換では、安達秀樹委員(京都府医師会副会長)が認知症患者地域連携加算について、「この加算がないから認知症外来診療が進まないという状況はない」と指摘し、新設する必要はないとの認識を示した。その上で、「枠がはまっていて、優先順位があるということならば、これをくれるんだったら71点(診療所の再診料)の議論をしてほしい」と求めた。
 これに対して、伊藤文郎委員(愛知県津島市長)は、かかりつけ医が地域で認知症患者を見守ることの重要性を指摘。この加算の新設が高齢化社会に向けた「中医協からのサイン」になると、その必要性を主張した。
 厚労省側は再度、議論を行う考えだ。
 
 認知症医療ではこのほか、現行の「認知症病棟入院料」の名称を「認知症治療病棟入院料」に改める。さらに、入院早期の患者の確定診断が適切な治療などにつながるとの考えから、現在「90日」を境に点数を分けているのを「60日」を境とし、早期対応への評価を引き上げる。
 
更新:2010/01/29 23:35   キャリアブレイン

うつ、パソコンで予防 ネット療法サイト開設
2010年1月30日15時3分朝日新聞

    
 仕事や人間関係で落ち込んだり、不安を感じたりしたときに、うつ病にならないための技術を学ぶウェブサイトのサービスが始まる。考え方や行動を修正することで心を軽くする「認知行動療法」の手法を用いる。国内では例のない本格的サイトになるが、欧米ではこの手法を利用したネット療法が広がっている。
 
 うつ病治療を受けている人は100万人を超え、生涯で15人に1人がかかるとされている。認知行動療法は、精神療法の中で高い効果が実証された療法で、英国では軽いうつ病患者に対して国がコンピューターによる療法を薦めている。日本でも厚生労働省が、専門家の養成や診療報酬の点数化に向け動いている。
 
 「うつ・不安ネット」(http://www.cbtjp.net/)。サイト運営会社ウーマンウエーブ(東京)が31日に既存のこのサイトで一部サービスを始め、本格運用は4月。当面は無料で2月下旬以降に課金する。
 
 例えば、「上司が自分だけにつらく当たる」と悩む人が、そのときの気持ちやそう考える根拠などを書き込むと、この文章をもとに、心が軽くなる思考法が自動返信される。活動記録をつけながら、気持ちが楽になる行動や落ち込みやすい心の癖の改善法などを学ぶ。
 
 サイトを監修した精神科医の大野裕・慶応義塾大教授によると、先行する携帯サイトの利用者486人を調べた結果、20〜30代の女性が多く、恋愛や職場の人間関係の悩みが半数近くを占めた。約8割に改善がみられたという。(岡崎明子)

2010.1.26読売新聞
触法精神障害者 指定入院機関整備へ
県立病院敷地内 社会復帰図る

 県は、殺人や放火などの重大な事件を起こしながら、精神障害などのため刑事責任を問えない人に対して治療を行い、社会復帰を促す県内初の「指定入院医療機関」を整備する方針を固めた。県立岡本台病院(宇都宮市下岡本町)敷地内の建設に向け、設計委託費など約6000万円を新年度予算案に盛り込む予定。開設は2012年度後半になる見込みだ。
 
 指定入院医療機関は、01年6月の大阪・池田小学校の児童殺傷事件をきっかけに、05年7月に施行された「心神喪失者等医療観察法」に基づく施設。刑事責任が問えないとして不起訴や無罪になった「触法精神障害者」について、検察官からの申し立てを受けて裁判官と精神科医が審判を行い、入院の決定を受けた人は同機関で1年半を目安に治療を受け、裁判所が認めれば退院して社会復帰する。
 
 県が設ける施設は18床で延床面積1920平方メートル。総事業費9億9000万円は、全額を国からの補助金で賄う。厚生労働省の基準に基づき、少なくとも医師3人や看護師28人、臨床心理士ら5人の計36人が配置され、治療にあたる。
 
 同省によると25日現在、指定入院医療機関は全国に18か所449床あるが、同省が目標とする約800床には届いていない。県障害福祉課によると、関東地方では本県以外のすべての都県で、すでに設置しているか、検討が始まっている。
 
 一方、他県では、設置予定地の周辺住民から安全確保など管理体制について不安の声があがり、玄関を二重構造にしたり、高いフェンスを設置したりした事例もある。県は、こうした他県の例を参考に検討を進める方針で、「今後、説明会などで周辺住民の理解を得ていきたい」としている。
 
(2010年1月26日  読売新聞)
指定入院施設を建設へ、宇都宮市に
2010年01月20日朝日新聞                                                        
│指定入院医療機関設置が計画される県立岡本台病院=宇都宮市下岡本町│    
        
 他人を傷つける「重大な他害行為」に及びながら、精神障害などで「善悪を判断できない」と認定されて刑事責任を問われなかった人を治療して社会復帰させる「指定入院医療機関」が、県内では初めて宇都宮市に設置される。県は2010年度当初予算案に約6千万円を盛り込む方針で、12年度後半の開設を予定する。総事業費9億9千万円はすべて国からの補助金で賄われる。(細見るい)
 施設が設けられるのは、精神科と神経科を持ち、県内で唯一、精神科の救急を扱う宇都宮市下岡本町の県立岡本台病院(堀彰院長)の敷地内。県障害福祉課によると、延べ床面積1920平方メートルで18床を備える病棟を建てる。10年度中に地質調査をして設計に着手。建築工事は11年度に始める計画だ。
 指定医療機関は、01年に大阪教育大付属池田小学校で起きた児童殺傷事件などをきっかけとして05年7月に施行された「心神喪失者等医療観察法」に基づき、厚生労働省が全国で設置を進めている。同法は不起訴や無罪になった触法精神障害者について、隔離するのではなく、社会復帰させることを前提にしている。
 他人を傷つけた人が精神障害などで「心神喪失」などの状態にあり、刑事責任を問えないと裁判所が判断した場合、各地の保護観察所にいる「社会復帰調整官」が、指定入院医療機関の中から入院先を指定。通常、患者は18カ月程度の入院治療の後、社会復帰する。
 厚労省によると、指定機関は昨年3月末時点で、13都県に各1カ所ある国立病院と、3府県の医療センターの計16カ所となっている。
 県障害福祉課によると、指定機関に入院した県内の患者数はこれまでに10人前後。熊本県や千葉県の指定機関に入院しているといい、担当者は「国からの設置要請は、法律ができてからずっとあった。遠くの病院に入院させている現状をこのままではいけないと思った」と話す。
 他地域では、建設予定地の近くの住民から「安全確保の面で不安」という声があがる例もあった。県は今後、県立岡本台病院の周辺住民の理解を得るため、施設について説明するとともに、内覧会の開催も検討している。
 新設する病棟には、厚労省が定めた基準に従い、少なくとも医師3人、看護師28人、精神保健福祉士や作業療法士らが計5人配備され、夜間は警備員を置く。そのほかのセキュリティー対策についても他都府県の施設を参考にするという。

岡本台病院に触法精神障害者の入院施設整備へ
(2010年1月20日 05:00下野新聞)
 
 殺人や放火など重大犯罪を起こし、心神喪失などを理由に不起訴や無罪になった精神障害者を受け入れる厚生労働省の指定入院医療機関として、県が新年度から県立岡本台病院(宇都宮市下岡本町)の整備を始める方針であることが19日までに分かった。触法精神障害者の治療と社会復帰を図る医療観察法に基づく事業で、県内では初めて。2012年度中の開設を予定しているが、管理態勢など検討すべき課題も多い。
 医療観察法は、01年6月に起きた大阪・池田小児童殺傷事件をきっかけに05年7月に施行。心神喪失などで責任能力を問えない触法精神障害者は、検察の申し立てに基づく裁判所の決定で指定医療機関への強制入院などの措置が取られ、専門的な治療を受ける。退院も裁判所が判断する。
 県の整備計画では、同病院敷地内に延べ床面積1920平方メートルの専門病棟(18病床)を新築。医師や看護師など40人前後を配置し、一般の精神科病院より手厚い医療態勢となる。
 総事業費は約9億9千万円で、財源は全額国庫支出金。新年度予算では、地質調査や設計委託などの費用計6055万4千円を計上する方針だ。
 課題となる安全管理については厚労省の基準に従い、2重で鍵がかかる扉や病棟を囲むフェンス、警備員の常駐などを今後検討し、ハード・ソフト両面で徹底していくという。
 厚労省によると、指定医療機関は国や都道府県、独立行政法人が運営する病院に限定。09年8月4日現在で全国18施設に計449床を確保し、新たに9施設で整備している。同日までに全国で880人が入院、411人が退院を許可されている。
 一方で地元住民の反対があった自治体もあり、当初の設置目標の720床には達していない状況だ。
 県障害福祉課は「精神障害で犯罪を起こした人の再犯防止のため、より高度な医療を提供するのが制度の目的。地域住民にも説明する機会を持ち、理解を得たい」としている。

2010.1.26キャリアブレイン
精神科慢性期治療への評価引き上げを―日精協
 
 厚生労働省が1月15日から22日まで実施した「2010年度診療報酬改定に係る検討状況について(現時点の骨子)」への意見募集に対し、日本精神科病院協会(日精協)は、入院基本料の増額と共に、精神科の慢性期治療を提供する病院が算定する「精神療養病棟入院料」や「認知症病棟入院料」の評価の引き上げなどを要望した。
 
 精神科に対する診療報酬では、「精神科急性期治療病棟入院料」や「精神科救急入院料」が08年度に増額されるなど、救急医療への評価が手厚くされているが、日精協は「(精神科では)急性期における治療と慢性期における双方の医療提供が必要」と指摘。慢性期治療への診療報酬上の評価引き上げを主張した。
 
 一方、精神科の慢性期入院医療に対して「現時点の骨子」では、「状態像によらず一律の評価となっていることを見直し、重症度に応じた加算を新設する」としているが、日精協では「十分な病態像の調査も行われていない現在、これに着手するには準備不足と言わざるを得ない」「全く理解できない」などと抗議した。
 
 このほか、アルコール依存症の治療に関しては、専門的な治療プログラムが必要な入院患者の数に応じて入院基本料に加算する仕組みの導入を主張。また、うつ病に対する「認知行動療法」については、他の精神科専門療法と同じ日に実施しても算定を認めるよう求めた。
 
■2次救急への評価充実など要望―医法協
 
 一方、日本医療法人協会(医法協)は、2次救急医療機関が算定する「救急医療管理加算」と「乳幼児救急医療管理加算」について、評価を引き上げるとともに、「意識障害または昏睡」などの場合に限って算定を認める現在の仕組みを見直し、無条件で算定できるよう要望した。
 医法協はまた、「現時点の骨子」が看護師不足問題を「著しく軽視している」と指摘。一般病棟入院基本料7対1と10対1に対してのみ、看護職員の月平均夜勤時間を72時間以内にする要件を満たせない場合の評価を新設するのではなく、この要件そのものの緩和を求めた。
 
 また全国保険医団体連合会は、高齢者の長期入院で報酬が減額になる現在の「後期高齢者特定入院基本料」に対して、「老人の追い出しにつながっている」と指摘。「現時点の骨子」に盛り込まれた減額措置の全年齢層への拡大をやめ、同入院基本料そのものを廃止すべきだと主張した。このほか、病院勤務医の負担軽減につなげるため、現在は特定機能病院を除く急性期病院だけに認められている「医師事務作業補助体制加算」の算定をすべての救急医療機関に拡大するよう求めた。
 
更新:2010/01/26 15:19   キャリアブレイン

2010.1.25キャリアブレイン
「共通言語」としてのICFの在り方を議論
 
 厚生労働省は1月24日、ICF(国際生活機能分類)の教育や普及について考えるシンポジウム「生活機能分類の活用に向けて」を都内で開催した。医療や介護、ソーシャルワークといった専門職種間だけでなく、障害や疾病を持つ当事者とも意思の疎通ができる「共通言語」としてのICFの在り方などを議論した。
 
 ICFは、人の生活機能と障害の分類法として2001年5月にWHO(世界保健機関)の総会で採択された。心身の健康状態と併せ、その人を取り巻く社会的な状況などについての項目も盛り込んでおり、障害や疾病を持った人やその家族と保健・医療・福祉など幅広い分野の従事者が、障害や疾病の状態についての共通理解を持つことなどを目的としている。
 
 前半の講演では、国立長寿医療センター研究所の大川弥生・生活機能賦活研究部長が、ICFを「『生きることの全体像』についての共通言語」と定義。対象者の全体像を見落とすことなく把握し、障害や疾病の当事者が自分の問題を分析し、希望を伝えたり、専門職と意見を統一したりする際などにも活用できると説明した。
 
 また、日本介護支援専門員協会の木村隆次会長は、介護予防で使用するアセスメントシートが、健康状態だけでなく運動・移動、日常生活、社会参加、対人関係などの領域を確認する形式を採用しており、ICFの考え方が盛り込まれているとのとらえ方を示した。また、ケアプランを進める上で、利用者とサービス提供者が目標を共有するのにICFの「共通言語」という概念が役立っており、「目標と言葉を共有できると、達成に向けた意欲が生まれる」と述べた。
 
 後半のシンポジウムでは、千葉大医学部付属病院の藤田伸輔・地域医療連携部准教授が 日本の保険病名はICD(国際疾病分類)でコード化されているが、「それを意識することなく日常的な言葉として活用している」と述べた上で、難解と見られがちなICFについても、「すべてのコードを覚える必要はなく、普通に使う言葉が、ICFだったら何に相当するのか、それが分かるようなツールをつくることが課題ではないか」と語った。
 
 また、座長の日本社会事業大の大橋謙策学長は、社会福祉の分野では1970―90年代までは施設中心にサービスを提供し、在宅で課題となる家族関係や生活自立能力などは問題にせずに済んでいたと説明。「病院や施設の中では自立できても、自宅では自立できないこともあったのではないか」と指摘し、「在宅で生活すると(疾病や生活など)全体を考えなくてはならない」と述べ、ICFを活用できる可能性があることを示した。
 
更新:2010/01/25 13:08   キャリアブレイン

入院患者の身体拘束 病院の措置は「合法」 患者側逆転敗訴 最高裁判決
2010.1.26 11:39産経新聞

  愛知県一宮市内の病院に入院した女性=当時(80)=が、身体拘束で苦痛を受けたとして、病院側に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(近藤崇晴裁判長)は26日、「拘束は緊急でやむを得ない行為だった」などとして、身体拘束の違法性を認めて病院側に賠償を命じた女性側逆転勝訴の2審判決を破棄、女性側控訴を棄却した。拘束は正当とした1審判決が確定した。
 
 同小法廷は「身体拘束以外に女性の転倒などを防ぐ適切な方法はなく、拘束時間も必要最小限だった」と指摘。「患者の身体抑制はやむを得ない場合にのみ許されるが、病院のとった拘束は緊急でやむを得ず、違法ではない」と判断した。患者の身体拘束の違法性が争われた裁判で最高裁が判断するのは初めて。
 
 身体拘束をめぐっては、精神病院には特例が認められているが、一般病院には拘束を認める根拠となる法令はない。厚生労働省は平成13年、高齢者ケアのための「身体拘束ゼロの手引き」を作成し、例外的に許される基準として、危険が差し迫っていることや、ほかの手段がないことを挙げた。一方、逆に拘束しなかったために転落や転倒で負傷したなどと主張し、患者や家族が医療機関に損害賠償を求めるケースもある。
 
 1、2審判決などによると、女性は同市内の一宮西病院に入院中だった平成15年11月15日夜から翌朝、ナースコールを繰り返し、大声を出すなどした。このため、看護師はミトン(手袋のような抑制具)を使って女性をベッドに拘束した。女性はミトンを外そうとして負傷した。女性は1審途中で死亡したため、遺族が訴訟を受け継いでいた。
 
 1審名古屋地裁一宮支部は不必要な身体拘束は避けるべきだとしながらも、拘束は、生命や身体に切迫した危険があったからだと認定。方法も必要最小限だったとし、合法と判断した。
 
 これに対して2審名古屋高裁は「患者を拘束して身体的自由を奪うことは原則として違法」と指摘。身体の危険が差し迫っていたわけではなく、看護師らが適切に対応するなど、ほかの手段がなかったわけでもないとして、拘束は違法と結論づけ、病院側に計70万円の支払いを命じていた。

介護スタッフの月給、平均9千円増 報酬3%増額後
2010年1月25日22時48分朝日新聞
 
 介護保険サービスの対価として支払われる介護報酬が2009年度改定で3%増額された後、介護従事者の処遇がどれぐらい改善したかについて、厚生労働省は25日、実態調査の結果(速報値)を公表した。平均給与は全体で改定前より月額約9千円増えたが、給与などの引き上げ予定がないところも13%あった。
 速報値は、改定効果を検証する社会保障審議会介護給付費分科会で示された。
 調査は、全国の特別養護老人ホームや訪問介護事業所など7141カ所を対象に実施。うち70.5%分を暫定集計し、従事者4万2千人余りの状況を調べた。
 同一の従事者について、08年9月の給与と改定後の09年9月と比べると、平均で月額22万2308円が23万1366円に増額。職種別では、ホームヘルパーを含む介護職員は約8900円増の月19万9854円だった。また、施設別で増加額が最も多かったのは特養で、約1万2千円。認知症グループホームは約9千円増、訪問介護事業所は約5900円増だった。
 ただ、今回のデータは、月給や日給、時給を区別せず集計。さらに、報酬改定を踏まえての給与引き上げか否かも区別していないため、分科会ではデータの整理が必要という指摘が相次いだ。
 09年度改定では、従事者の処遇改善のため、制度開始後初めてプラス改定された。厚労省は報酬アップで、「従事者(常勤換算)の賃金を月2万円上げられるだけの財源を確保」と説明していたが、半分程度にとどまった。
 また、介護職員のさらなる処遇改善のため、月額1万5千円相当の賃金引き上げを助成する交付金が報酬改定後に設けられたが、この分は調査に含まれていない。同省は「交付金の影響もみて、分析が必要」とし、10年度に報酬改定と交付金の影響を踏まえた調査を実施する方針だ。
2010.1.25読売新聞
介護職員の平均給与9千円増、報酬改定で

 厚生労働省は25日、昨年4月に実施された介護報酬改定(3・0%増額)を受け、介護職員の平均給与が月額にして約9000円増加したとする調査結果(速報)を発表した。

 報酬改定が職員の待遇改善につながっているかどうかを検証するため、全国の特別養護老人ホームや訪問介護事業所など約7100か所を対象に、昨年10月に調査を実施。回答がそろった約5000か所、約4万2000人分を集計した。
 その結果、看護職員、ケアマネジャーなどを含む介護職員の平均給与は、改定前の2008年9月は22万2308円だったが、改定後の09年9月は23万1366円となり、9058円増加した。増加額が最も大きかったのは特別養護老人ホーム(1万2052円)、最も小さかったのは訪問介護事業所(5868円)だった。
 昨年4〜9月の給与の引き上げ状況(複数回答)については、43・7%が「定期昇給を実施した」と回答。「報酬改定を踏まえて給与を引き上げた」ところが23・4%あった一方、「給与の引き上げを行わず、今後も予定なし」というところも13・1%あった。
(2010年1月25日21時58分  読売新聞)
 
2010.1.26毎日新聞
介護報酬:改定を反映、従事者給与9000円増−−09年・厚労省調査

 厚生労働省は25日、昨年4月の介護報酬改定(3%アップ)が介護従事者の処遇改善に与えた影響の調査結果(速報)を公表した。パート職員らを含む09年9月の平均給与(一時金の1カ月分などを含む)は23万1366円で、08年同期の22万2308円と比べ9058円増加。職種を介護職に限ると8919円増えた。同省は「改定の影響があった」とみているが、定期昇給する人の昇給分も含まれているという。
 09年10月1日時点で全国7141施設を対象に調査し、5034施設の回答を集計。08年9月、09年9月ともに在職した人が対象で時給制や日給制のパート職も含まれる。
 職種別で最も増えたのは生活相談員・支援相談員の1万2291円増で、最少は作業療法士らの8102円増。施設の種別では、特別養護老人ホームが1万2052円増で最多で、最少はパートが多い訪問介護事業所の5868円増だった。
 
 調査結果について、東京介護福祉労働組合の清沢聖子書記長は「零細事業所では、こんな増額はあり得ない。回答した施設の規模が偏っていないのか疑問だ。生活相談員など、離職率が高くない関連職種も含めているのもおかしい」と話した。【佐藤浩】
 
毎日新聞 2010年1月26日 東京朝刊

2010.1.15日本経済新聞
要介護認定、軽度に判定「ほぼ解消」 厚労省調査

 厚生労働省は15日、判定が軽くなる傾向があるとして2009年10月に見直した介護保険の要介護認定基準の判定に関する実態調査をまとめた。自立を示す「非該当」や要介護度が最も軽い「要支援1」の判定割合が、基準を修正する前に比べてそれぞれ減少した。厚労省は「軽度に判定される問題はほぼ解消した」としている。
 要介護の判定を巡っては09年4月に導入した新基準に対し、「判定が軽くなる傾向がある」との批判が続出。厚労省が昨年10月に基準を変えた。
 今回の調査では基準見直し後の昨年10〜11月に実施した約17万人分の判定結果を修正する前(09年4〜9月)の判定と比較した。2.3%だった「非該当」の判定割合は1.1%に縮小。「要支援1」の判定も17.7%から16.1%に減った。一方、「要支援2」の判定割合は、14.7%から15.6%に増加した。(15日 23:58)

201.1.14日本経済新聞
特養ホームの負担軽減延長 厚労省方針

 厚生労働省は2000年に介護保険ができる以前から特別養護老人ホームに入居している約2万人について、3月末で切れる利用者負担の軽減措置を延長する方針を決めた。対象者の約4割が90歳以上、9割以上が低所得層になっており、負担が増えると利用が難しくなると判断した。
 
 特養ホームの入居者は介護費用の10%を利用者負担として支払い、食費と居住費も負担する必要がある。軽減措置の対象者は利用者負担が0〜5%に軽減され、標準的な例で1日あたり320円かかる居住費についても免除される。(14日 23:01)

2009.12.23日本経済新聞
特養ホーム待機者42万人 要介護度の高い17万9000人も
 長妻昭厚生労働相は22日、介護の必要度の高い人が入居する特別養護老人ホームについて、入所待ちの人が約42万人いると発表した。高齢者の増加や施設整備の遅れが背景にある。厚労相は「状況は深刻だ。打開すべく取り組んでいる」と述べ、必要な対策に乗り出す考えを示した。
 
 厚労省が各都道府県の調査を集計し、取りまとめた。入所待ちの状況をみると、在宅の人が約19万9000人、医療機関や有料老人ホームなどにいる人が約22万3000人だった。要介護別にみると、介護の必要度の比較的低い要介護1〜3の対象者が約24万3000人、比較的高い要介護4〜5が約17万9000人だった。入所待ちの人数は2006年の前回調査と比べ3万〜4万人増加した。(01:31)
 
2009.12.2日本経済新聞
外国人の介護者、3割の施設に 都内、特別養護老人ホーム

 東京都内の特別養護老人ホームで、外国人の介護従事者のいる施設が3割に達していることが2日までの東京都社会福祉協議会の調査で明らかになった。多くの施設が外国人の受け入れにあたり、日本語によるコミュニケーション能力を課題として挙げていることも分かった。
 
 調査は今年8月、都内の全特養ホーム389施設にアンケート用紙を送付。うち81%にあたる316施設から回答を得た。(02日 20:01)
 

2010.1.23読売新聞島根
県の表記「障がい者」に 4月から 「“害”のイメージ払拭」

 島根県は、障害者などを表す際の「害」の字の表記を改め、4月からは「障がい者」と、平仮名を交えて記すことを決めた。県が作成する公文書やパンフレットなどで変更し、「害」の字が持つマイナスイメージを取り除く考え。県障害者福祉課は「表記だけでなく、偏見などを払拭(ふっしょく)する取り組みにも一層力を入れたい」としている。
 県内の障害者団体などから、「害」の字に対し、「否定的な意味があり、表記方法を改めてほしい」との要望が県に寄せられていたため、昨春から表記方法を検討。障害者らへの心理的な負担に配慮して、人にまつわる表記では、平仮名交じりとすることを今月になって決めた。
 「障がい」と記すのは、原則として、県が2010年度以降、新たに作る文書や広報誌、看板などで、障害者自立支援法などの法律や団体名、障害者とは関係がない「障害物」や「電波障害」などは、これまで通りの漢字表記を使う。
  県障害者福祉課によると、全国では11道府県が、平仮名交じりの表記を採用。県内では、松江、出雲両市などが既に公文書などで平仮名を使っている。同課も、新年度の組織改編で、課の名称が変更される可能性があるという。
 同課の担当者は「たかが表記の問題と思われるかもしれないが、文字には意味が込められている。庁内で表記が混在しないように今回の方針を徹底したい」としている。
 
(2010年1月23日  読売新聞)

指定入院施設を建設へ、宇都宮市に

20100120日朝日新聞


指定入院医療機関設置が計画される県立岡本台病院=宇都宮市下岡本町

 他人を傷つける「重大な他害行為」に及びながら、精神障害などで「善悪を判断できない」と認定されて刑事責任を問われなかった人を治療して社会復帰させる「指定入院医療機関」が、県内では初めて宇都宮市に設置される。県は2010年度当初予算案に約6千万円を盛り込む方針で、12年度後半の開設を予定する。総事業費9億9千万円はすべて国からの補助金で賄われる。(細見るい)

 施設が設けられるのは、精神科と神経科を持ち、県内で唯一、精神科の救急を扱う宇都宮市下岡本町の県立岡本台病院(堀彰院長)の敷地内。県障害福祉課によると、延べ床面積1920平方メートルで18床を備える病棟を建てる。10年度中に地質調査をして設計に着手。建築工事は11年度に始める計画だ。

 指定医療機関は、01年に大阪教育大付属池田小学校で起きた児童殺傷事件などをきっかけとして05年7月に施行された「心神喪失者等医療観察法」に基づき、厚生労働省が全国で設置を進めている。同法は不起訴や無罪になった触法精神障害者について、隔離するのではなく、社会復帰させることを前提にしている。

 他人を傷つけた人が精神障害などで「心神喪失」などの状態にあり、刑事責任を問えないと裁判所が判断した場合、各地の保護観察所にいる「社会復帰調整官」が、指定入院医療機関の中から入院先を指定。通常、患者は18カ月程度の入院治療の後、社会復帰する。

 厚労省によると、指定機関は昨年3月末時点で、13都県に各1カ所ある国立病院と、3府県の医療センターの計16カ所となっている。

 県障害福祉課によると、指定機関に入院した県内の患者数はこれまでに10人前後。熊本県や千葉県の指定機関に入院しているといい、担当者は「国からの設置要請は、法律ができてからずっとあった。遠くの病院に入院させている現状をこのままではいけないと思った」と話す。

 他地域では、建設予定地の近くの住民から「安全確保の面で不安」という声があがる例もあった。県は今後、県立岡本台病院の周辺住民の理解を得るため、施設について説明するとともに、内覧会の開催も検討している。

 新設する病棟には、厚労省が定めた基準に従い、少なくとも医師3人、看護師28人、精神保健福祉士や作業療法士らが計5人配備され、夜間は警備員を置く。そのほかのセキュリティー対策についても他都府県の施設を参考にするという。

 

岡本台病院に触法精神障害者の入院施設整備へ

(2010120 05:00下野新聞)

 殺人や放火など重大犯罪を起こし、心神喪失などを理由に不起訴や無罪になった精神障害者を受け入れる厚生労働省の指定入院医療機関として、県が新年度から県立岡本台病院(宇都宮市下岡本町)の整備を始める方針であることが19日までに分かった。触法精神障害者の治療と社会復帰を図る医療観察法に基づく事業で、県内では初めて。2012年度中の開設を予定しているが、管理態勢など検討すべき課題も多い。

 医療観察法は、01年6月に起きた大阪・池田小児童殺傷事件をきっかけに05年7月に施行。心神喪失などで責任能力を問えない触法精神障害者は、検察の申し立てに基づく裁判所の決定で指定医療機関への強制入院などの措置が取られ、専門的な治療を受ける。退院も裁判所が判断する。

 県の整備計画では、同病院敷地内に延べ床面積1920平方メートルの専門病棟(18病床)を新築。医師や看護師など40人前後を配置し、一般の精神科病院より手厚い医療態勢となる。

 総事業費は約9億9千万円で、財源は全額国庫支出金。新年度予算では、地質調査や設計委託などの費用計6055万4千円を計上する方針だ。

 課題となる安全管理については厚労省の基準に従い、2重で鍵がかかる扉や病棟を囲むフェンス、警備員の常駐などを今後検討し、ハード・ソフト両面で徹底していくという。

 厚労省によると、指定医療機関は国や都道府県、独立行政法人が運営する病院に限定。09年8月4日現在で全国18施設に計449床を確保し、新たに9施設で整備している。同日までに全国で880人が入院、411人が退院を許可されている。

 一方で地元住民の反対があった自治体もあり、当初の設置目標の720床には達していない状況だ。

 県障害福祉課は「精神障害で犯罪を起こした人の再犯防止のため、より高度な医療を提供するのが制度の目的。地域住民にも説明する機会を持ち、理解を得たい」としている。


働き盛りは不眠にご注意 広島県が受診呼び掛け暦
2010/1/20 中国新聞

 
 広島県は、うつ病のサインである不眠の早期受診を、働き盛りの男性に呼び掛けるカレンダーを作成した。自殺の要因のうつ病を早期に発見し、自殺予防につなげてもらうのが目的で、県内の自殺者の3割近くを占める中高年の男性を対象にした。希望者には、無料で送付する。
 
 「パパ、ちゃんと眠れてる?」とのメッセージを表紙に載せ、不眠が気になる場合は、医師や専門機関に相談するよう呼び掛けている。2カ月ごとのページには「眠る前に自分なりのリラックス法を」「目覚めはよいですか」などの助言や問い掛けを添えた。
 
 県内7保健所とその支所など計16カ所の電話相談窓口は裏表紙に記している。1万部を作製した。このうち7千部は、県内の事業所と市町に配布。残る3千部のうち200部は希望者に送付するほか、地域や職場での会合に活用してもらう。
 
 県内の自殺者(2008年)のうち、40歳以上60歳未満の男性が28.6%を占めている。県健康対策課Tel082(513)3069。(加納亜弥)
 
【写真説明】中高年男性に不眠の早期受診を呼び掛けるカレンダー

日医、診療報酬改定に意見公募で反対投稿 中医協外され
2010年1月22日20時51分朝日新聞

    
 2010年度の診療報酬改定をめぐり、日本医師会(日医)は、厚生労働相の諮問機関・中央社会保険医療協議会(中医協)がまとめた骨子に対する見解を公表した。骨子で「検討」とした救急病院で受診した軽症患者への「特別料金」の導入には反対を表明。再診料の引き下げも容認しない考えを示した。
 
 中医協の骨子については、15日から22日までを「パブリックコメント」手続きの期間とし、一般からの意見を募集している。政権交代後、日医の執行部は中医協メンバーから外されたため、今回初めてパブコメ手続きにのっとって意見を出すことになる。
 
 中医協が、救急病院などを受診した軽症患者から特別料金を徴収する仕組みを検討していることについて、日医は「現段階では時期尚早」と、議論の不十分さを指摘。そのうえで「患者は自ら判断できるわけではなく、かえって重症化を招く恐れもある」と主張している。この項目は、病院勤務医の負担軽減策として中医協の医師ら診療側委員が検討を求めたものだが、日医は逆の姿勢を示した形だ。
 
 また、病院(600円)と診療所(710円)で格差がある再診料については、「診療所を下げて統一することは認められない」と強調。診療所分を引き下げたうえで、地域医療への貢献度に応じて加算するという厚労省の足立信也政務官の考えを批判した。

2010.1.22毎日新聞
兵庫・芦屋の財産処分訴訟:資産家財産奪う 父娘に賠償命令−−神戸地裁支部
 兵庫県芦屋市の高級住宅街「六麓荘(ろくろくそう)」に土地を所有していた大阪府豊中市の資産家の女性(60)が、行きつけのブティック経営者の父娘に財産を奪われたとして、計約1億6900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が21日、神戸地裁尼崎支部であった。工藤涼二裁判官は、女性が統合失調症に罹患(りかん)しているのを認識したうえで利用したと認定し、経営者に約1億5000万円を支払うよう命じた。
 
 判決によると、経営者らは芦屋市内でブティック(既に閉店)を経営。客だった女性が「親族に財産を取られる」と不安を訴えたことから「財産を守ってあげる」などと告げて信用させ、財産の処分を勧めた。経営者らは女性が通院していたことを知っていた。【中里顕】
 
毎日新聞 2010年1月22日 東京朝刊

2010.1.15毎日新聞
統合失調症:対応、分かりやすくDVDに
 統合失調症の人への対応法を分かりやすくまとめたDVD「統合失調症の人の回復力を高める家族のコミュニケーション」(制作・NHK厚生文化事業団)の販売が始まった。
 
 統合失調症は周囲の人たちがストレスのない環境をつくることで再発率が下がるとされる。だが、幻覚や幻聴などが現れた際、具体的にどうすればよいか分からない家族も多い。そこで、全国の家族会で実践例を説く高森信子さんの講義を収録、ドラマ仕立ての会話例も盛り込んでいる。
 
 DVD3枚に解説冊子付きで1300円(送料込み)。申し込みははがきかファクスでNPO法人地域精神保健福祉機構・コンボDVD係(〒272−0031、千葉県市川市平田3の5の1の2階、ファクス047・320・3871)へ。代金は商品と一緒に郵送される用紙で郵便局から振り込む。問い合わせは047・320・3870へ。
 

毎日新聞 2010年1月15日 東京朝刊

障害者向け求人誌創刊 豊橋のNPO、東海3県初
2010年1月15日中日新聞
 
障害者らが取材、編集した障害者向け求人・生活情報誌「バリナビ」=豊橋市で
 
  障害者の就労支援をする豊橋市南瓦町のNPO法人「福祉住環境地域センター」が、障害者向けの求人・生活情報誌「Barri Navi(バリナビ)」を創刊した。同法人を利用する精神障害者の2人が取材から編集までを担当した。同法人によると、「障害者による、障害者のための情報誌」の発刊は、東海3県では初めてだ。15日から地方自治体や関係事業所などに配る。
 
 情報誌は、加藤政実代表(60)らが、障害者の自立と不足しがちな障害者向け求人情報の提供を目的に1年前に発案。昨夏からスタッフが三河・遠州地方の企業を訪問して、求人・企業広告の提供を依頼するなど準備を進めてきた。
 
 情報誌は全カラー、A3判1枚の二つ折り。創刊号は独自に集めた求人情報11件を載せたほか、実際に働く障害者のインタビュー企画「がんばる障がい者」や障害者を雇用する企業・施設の紹介、障害者就職面接会の日時などを記した。
 
 主な取材・編集を担当するのは、統合失調症を患う半田一彦さん(39)ら。半田さんは昨年12月に豊橋市の弁当製造配達会社で働く障害者の男性(33)を訪ね、1時間以上かけてインタビュー。取材前は「普段から人と密接に話すことがないし、うまく話せるかな」と不安だったが、「実際にコミュニケーションを取ると楽しかった」という。編集は写真を多く配して、読みやすくまとめた。
 
 創刊号は1万部刷り、同法人利用の精神障害者らが三河・浜松エリアの市町村や福祉施設など100カ所以上に配る。加藤代表は「障害者が少しでも外に出て働けるきっかけになれば」と期待を掛ける。
 
 年4回(3、6、9、12の各月10日)発行。発行費用など15万円は広告収入で賄い、編集や配布に携わった障害者には工賃を支払う。求人、企業広告は随時募集中。
 
 (問)NPO法人福祉住環境地域センター=電0532(52)4315
 
 (世古紘子)
 
2010.1.15読売新聞
障害者の求人情報満載
豊橋のNPO、フリーペーパー創刊
 
創刊された「バリナビ」  障害者の自立支援に取り組む豊橋市南瓦町のNPO法人「福祉住環境地域センター」(加藤政実理事長)が、障害者を対象に求人・生活情報を満載したフリーペーパー「バリナビ」を創刊した。15日から無料で配布するが、障害者向けのフリーペーパーは全国的に珍しいという。
 
 同センターは昨年10月、精神障害の人たちが有機野菜を使って運営する農園カフェをセンター内にオープンさせたが、障害のある人たちの働く場所や機会をさらに増やすため、創刊を計画した。
 
 バリナビはA3サイズの二つ折り。現在、豊橋市内などで元気に働いている障害者の紹介や求人広告、店舗情報を掲載している。編集は同センター職員と障害者らが共同で行い、年4回、毎回1万部を印刷。東三河や静岡県浜松市一帯の市町村、社会福祉協議会やハローワーク、喫茶店などに配布する。人件費や制作費用は広告収入でまかなう計画。
 
 制作を担当する男性職員は、「障害があっても仕事ができる環境づくりにつなげていきたい」と話している。
 
(2010年1月15日  読売新聞) 

きょう「バリナビ」創刊
 
 2010.1.15東日新聞
障害者のための無料情報誌「バリナビ」

 
 障害者の就労・自立を支援する豊橋市のNPO法人・福祉住環境地域センター(加藤政実代表)は15日、障害者が障害者向けに作る東三河の求人・生活無料情報誌「バリナビ」創刊号を発行する。
 
 同法人は農園やカフェ、介護サービスなどの事業を展開しながら、精神障害者など約30人の職業・生活訓練を行うことで自立支援する活動を行っている。この不景気により、とくに障害者の雇用環境が悪化する中、同紙は、企業の障害者に対する理解を進めるとともに、障害者がさまざまな職種や企業を知る機会を広げるために発行する。
 
 A3の2つ折り、カラー4ページで発行は1万部。東三河を中心とした企業で働く障害者の姿や障害者を雇用する企業の紹介、求人情報などを掲載する。年4回発行、東三河、浜松西部の自治体や社会福祉協議会、ハローワーク、大型ショップなど100カ所以上に配布する。
 
 同法人のパソコン部門で就労訓練を行い、同紙で働く障害者のインタビューを担当した豊橋市の半田一彦さん(39)は「初対面の人とうまく話せるか不安だったが、思ったより楽しかった。いずれは文章をまとめることにも挑戦したい」。
 
 加藤代表は「企業に理解を深めてもらうことで障害者の職域を単純作業以外にも広げることができれば」と話していた。
 
 問い合わせは、同法人=電話0532(52)4315=へ。
 

「抗鬱薬で副作用」 弁護士の12%が刑事弁護で指摘 日弁連調査
2010.1.15 00:30産経新聞

  被告が服用する抗鬱(うつ)剤の副作用で衝動や攻撃性が高まり、犯行に影響したと疑われる事件があるとして、日弁連が弁護士を対象にアンケートを行ったところ、回答者の12%が刑事弁護で副作用の影響を指摘していたことが14日、分かった。実際に判決で心神耗弱(こうじゃく)が認められたケースもあったという。日弁連は引き続き詳しく調査を行い、将来は実例を集めて立証に役立てたいとしている。
 
 対象の抗鬱剤は、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)と呼ばれる医薬品で、商品名は「パキシル」「ジェイゾロフト」など。厚生労働省は昨年、薬事・食品衛生審議会で、服用の影響による他害行為の疑い事例が約40件あったと報告した。
 
 日弁連はこれを受けてアンケートを実施。刑事弁護を担当した被告や少年について、普段の行動から説明しにくい唐突な行動や精神科などの受診歴、SSRIの服用の有無を尋ねた。この結果、回答した234人のうち30人がSSRIの副作用を公判などで指摘した経験があったという。
 
 アンケートに応じた大阪弁護士会の弁護士は19年8月、強盗致傷などの罪に問われた被告の公判で、飲酒後に大量のSSRIを服用していたことから犯行時の心神耗弱を主張。判決でも認められ、減刑された。
 
 平成11年に全日空機の機長が刺殺されたハイジャック事件でも、東京地裁はSSRIの服用歴があった被告の心神耗弱を認めており、日弁連は「偏見、差別の助長や鬱病治療の障害にならないよう配慮しながら、引き続き調査を進めたい」としている。

勤務医の処遇改善を明記 中医協が診療報酬改定の骨子
2010年1月15日23時20分朝日新聞
 厚生労働相の諮問機関・中央社会保険医療協議会(中医協)は15日、2010年度の診療報酬改定の骨子をまとめた。医療崩壊を止めるため病院勤務医の処遇改善を明記した一方、意見が対立している病院と診療所で110円の差がある「再診料」については、「統一する方向で内容を検討」とするにとどまり、具体的な水準は今後の議論に委ねられた。
 
 骨子は同日から22日まで、一般から意見を求める「パブリックコメント」の手続きにかけられる。
 
 骨子の取りまとめで最後まで議論が白熱したのは、重要課題の一つとされた「病院勤務医の負担軽減」。病院への報酬を手厚くする項目が並ぶ原案に対し、山形大医学部長の嘉山孝正委員は、「病院の収入が上がるだけでは、勤務医は何にも喜ばない」と指摘。「職場環境をきちんとしていないから医療崩壊した」と強調した。
 
 最終的に、勤務医の負担を軽減する体制を整えた場合に報酬を厚くする項目の拡大に加え、「処遇改善」につながる体制を要件とした報酬支払いを明記。メッセージを強く打ち出すことで決着した。
 
 再診料をめぐっては、診療所(710円)と病院(600円)の格差について、診療側委員が「710円を引き下げての統一には同意しない」との立場を強調。一方、支払い側は診療所を引き下げて統一するよう主張しており、溝は埋まっていない。
 
 前回改定で批判が相次いだ、再診で5分以上の診察が必要となる「外来管理加算」をめぐっては、「時間の目安は廃止した上で、点数や新たな要件を検討する」とされた。
 
 また、患者にとってのわかりやすさも重視。患者ら支払い側委員が求めている「原則、全患者への明細書の無料交付の義務づけ」については、「明細書の発行が義務づけられる医療機関の対象を拡大」とした上で、「その要件や内容は検討」とされた。
 
 長妻昭厚労相は同日、来年度の改定について中医協に諮問。中医協は2月中旬に答申する予定で、4月の改定実施を目指す。
 
 
症状軽い救急外来患者から特別料金 中医協が検討開始
2010年1月15日20時29分朝日新聞
    
 症状が軽いのに救急外来を受診する患者から特別料金を徴収できるよう、中央社会保険医療協議会(中医協=厚生労働相の諮問機関)が15日、検討を始めた。救急医療に携わる病院勤務医の負担を軽くする狙い。2010年度の診療報酬改定に合わせて、4月から導入される可能性がある。
 
 救急医療の現場では、軽症患者が自分の都合で休日や夜間に受診することが問題化している。07年中に救急搬送された約490万人の過半数は軽症と診断された。高齢者の軽症患者は07年までの10年間で2.5倍近くになった。こうした状況が医師らの負担を増やし、医療崩壊を招いたと指摘されている。
 
 中医協で検討されている案では、救急外来に来た患者の状態を医師らが事前に確認し、軽症の場合には特別料金がかかることを説明する。それでも患者が希望して受診すれば、特別料金を徴収することができるようにする。
 
 対象機関は、重度の患者を受け入れる救急救命センター(全国で221施設)に限定。救急外来での診療の優先順位を決める「トリアージ」を参考に各医療機関が判断基準を決め、値段もそれぞれ設定する。徴収対象の典型例として「海外旅行のために長期の薬がほしい」「虫さされがかゆい」などを理由に来院する患者が示されている。
 
 現在も200床以上の大規模病院では初診料への上乗せが認められているなど、特別料金を導入している医療機関もある。例えば、昨年8月から診察料とは別に5250円の「時間外診療特別料金」を徴収し始めた鳥取大学医学部付属病院では、軽症患者が減っているという。
 
 中医協では、幅広く特別料金を課すことで救急医療現場への軽症患者を抑制する方向で検討する。ただ、中医協の患者代表ら支払い側委員には導入に慎重な意見が強い。
 

診療報酬改定:勤務医の負担軽減…骨子案まとまる
2010年1月15日 20時27分毎日新聞
 
 10年度の診療報酬改定を議論する厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)は15日、救急、産科、小児科、外科の各分野で加算充実と同時に、医師の事務作業を補助する人(医療クラーク)を増員した場合に報酬を手厚く配分するなど病院勤務医の負担軽減策を中心とする改定の骨子案をまとめた。これに基づき、具体的な報酬額を配分する。厚生労働省は同日から、骨子案について国民の意見を募る「パブリックコメント」を22日まで実施する。
 
 政府は、診療報酬全体で0.19%の増額を決定。うち手術など医師の技術料にあたる「本体部分」は1.55%引き上げる。医療費ベースでは5700億円の増額で、うち4000億円程度を早い段階での入院患者への治療に充てるなど、従来よりも配分内容に踏み込んで提示した。
 
 骨子案によると、医師不足が深刻な救急、産科、小児科、外科を重点的に引き上げる。重症患者を受け入れる救急救命センターの入院料について、体制を充実させた病院に報酬を手厚くする。また新生児を24時間体制で治療できる新生児集中治療室(NICU)の満床状態を解消するため、NICUから患者を受け入れた病院にも重点配分する。外科の手術料も引き上げる。
 
 病院勤務医の負担を減らすため、病院での入院基本料について、比較的医師の手間がかかる入院日数が早い段階での報酬を加算。医療クラークの増員は、通常医師が担ってきた事務的な作業を肩代わりすることで、負担を減らす狙いがある。
 
 また、救急病院を受診した軽症の患者から医療保険外の特別料金を徴収する方針に関連して、徴収の条件として、受診前に医師や看護師が患者の状態を見て軽症に該当するか確認▽別途費用が発生することを診療前に患者に説明▽基準を院内やホームページで公表−−−−などを示した。【佐藤丈一】

特養待機者、東京4.3万人 兵庫・大阪など2万人超
2010年1月15日23時6分朝日新聞
 厚生労働省は15日、特別養護老人ホーム(特養)への入所を希望しながら入れない待機者について、都道府県別の人数を公表した。東京都が4万3746人と最も多く、全国で42万1259人いる待機者の1割を占めた。厚労省は全国で待機者の抽出調査を進めており、年齢や性別、認知症の有無、家族構成などを4月に公表する予定。その際に、改めて全国の待機者数も推計する方針だ。
 
 厚労省は昨年12月に、自宅や病院、介護老人保健施設などで入所待ちをしている人の全国合計数を公表。今回、都道府県別内訳を示した。
 
 東京都以外で待機者が多かったのは、兵庫県(2万5100人)、神奈川県(2万2865人)、北海道(2万2420人)など。一方、待機者が少なかったのは佐賀県(1317人)、徳島県(1462人)など。ただ、一部の県は集計基準が異なり、佐賀県は在宅の待機者のみ。

救急病院の軽症患者から特別料金徴収も 診療報酬改定の骨子
2010.1.15 18:29産経新聞

  中央社会保険医療協議会(中医協)は15日、長妻昭厚生労働相からの諮問を受け、平成22年度診療報酬改定の骨子を決定した。救急など医師不足が深刻な病院勤務医対策が柱となっている。
 
 同日の中医協では、2月中旬の答申に向け、具体的な点数配分の議論も始まった。厚労省は救急医の負担軽減策として、重症患者向けの救命救急センターを受診した軽症患者から特別料金を徴収できるようにするルール案を提示。通常の窓口負担とは別に数千円(金額は個別に設定)の負担が必要になることを地域の住民に知らせ、安易な救急受診を抑制するのが狙いだ。
 
 具体的には、救命救急センターで診察を受ける前に看護師らが重症度を確認(トリアージ)し、軽症判定でも患者の希望で受診した場合に特別料金を徴収できることとする。現在も特別料金は徴収できるが、ベッド数200床以上の大病院などに限定されている。

開業医の再診料、引き下げ提案見送り 診療報酬改定の骨子案
2010.1.13 17:26産経新聞

 
 厚生労働省は13日、平成22年度診療報酬改定の骨子案を中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関、中医協)に提示した。医師不足が深刻な救急や産科、小児科、外科などの病院勤務医対策が柱。ただ、財源捻出(ねんしゅつ)策として、焦点となっている開業医の再診料引き下げについては厚労省側からの提案はなく、中医協の今後の議論に委ねた。
 
 再診料は、開業医が710円(窓口負担は原則3割)なのに対し、病院は600円(同)。骨子案では「同一のサービスには同一の価格であることが分かりやすい」として、再診料は開業医と病院で統一する方向で検討するとしたが、統一する金額については、中医協内でも意見がまとまっていないため明記を避けた。
 
 厚労省は、開業医の再診料を引き下げる形で統一し、追加財源を確保したい考え。だが、同日の中医協で地方医師会代表が「開業医の水準まで病院の再診料を引き上げる以外の形には異論がある」と反対姿勢を鮮明にしており、最終決着まで曲折が予想される。
 
 このほか、救急医療に積極的に取り組んでいる病院へ支払われる報酬を引き上げるほか、救急病院がパンクしないよう救急後の患者を受け入れる開業医の報酬も手厚くすることなどが盛り込まれた。一方、利益率が高く看護師の少ない病院や高齢者が長期入院する療養病床の入院基本料を引き下げる方向で検討していく。
 
 
日医と民主党のバトル再開へ 開業医の再診料下げめぐり
2010.1.12 23:04産経新聞

 
 平成22年度の診療報酬改定が、13日からの中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関、中医協)で具体的な点数配分の議論が始まる。診療報酬全体は10年ぶりに引き上げられ、医師不足が深刻な病院の勤務医対策に重点配分される方向だ。ただ、全体の引き上げ幅が0・19%と小幅で、追加財源を捻出(ねんしゅつ)するには、開業医の「再診料引き下げ」が検討されるため、再診料の下げ幅をめぐり、民主党と日本医師会(日医)のバトルも再開しそうだ。
 
 ■手厚い勤務医対策
 
 22年度診療報酬改定は、医師の技術料にあたる本体部分が1・55%引き上げられるが、勤務医の負担軽減が最も重視されている。引き上げ財源5700億円のうち4400億円が入院医療に充てられ、特に病気やケガをした直後の「急性期」の入院医療へは4000億円の投入が決まった。
 
 具体的な勤務医対策は前回改定で実施された対策の拡充が中心だ。
 
 前回は、勤務医の負担軽減計画を作成することを条件に病院へ加算報酬が支給される制度が導入されたが、実行されていないケースがあるため、計画実行を新たな支給条件とする可能性が高い。勤務医の事務作業を補助する医療クラーク(秘書)は調査で勤務医の負担軽減効果が高いことが分かり、増員を図るために加算報酬が増額されそう。このほか、外科医不足に対応して手術料の引き上げも認められる方向だ。
 
 患者側は、こうした手厚い勤務医対策を取る病院に入院すると窓口負担が増える。救急病院の負担軽減のため、一部の救急病院ですでに始まっている軽症患者への割増料金徴収が本格導入される公算が大きい。
 
 ■開業医は冷遇
 
 手厚い勤務医対策の割を食いそうなのが開業医だ。長妻昭厚生労働相ら厚労政務三役は予算編成過程で、財務省に診療報酬の本体部分引き上げ額を6300億円で要求した。だが、最終引き上げ額は600億円減額されたため厚労省は、追加財源を、割高感が指摘されている開業医や眼科、皮膚科などの報酬を引き下げることで捻出する方針だ。
 
 有力な選択肢が2回目以降に受診した場合に開業医へ支払う再診料の引き下げだ。現在、病院の再診料は600円(患者の窓口負担は原則3割)だが、開業医は710円(同)。両者に110円の差があるが、従来から「同じサービスで料金が違うのはおかしい」との批判があった。
 
 中医協では、いくらで再診料を統一するかが最大の焦点だ。政務三役の一人は「金額の高い開業医に合わせることはあり得ない」としており、厚労省側は開業医の再診料引き下げを提案し、680円前後での再診料統一を目指している。
 
 開業医冷遇の背景には、次期参院選で自民党からの推薦候補擁立を維持する日医に圧力をかける狙いがある。日医の民主党への支持動向次第で再診料の統一額が変動する可能性もあり、日医執行部は難しい選択を迫られそうだ。(桑原雄尚)

キャリアブレイン
「障がい者制度改革推進会議」が初会合−夏めどに基本方針
 
 内閣府は1月12日、「障がい者制度改革推進会議」の初会合を開いた。同会議は昨年12月に鳩山由紀夫首相を本部長として設置された「障がい者制度改革推進本部」の下部組織で、障害の当事者や有識者らで構成。障害者基本法の抜本的な改正や「障がい者総合福祉法」(仮称)の制定などに向けて議論を進め、今夏をめどに基本方針を取りまとめる。
 
 福島瑞穂消費者・少子化担当相は冒頭のあいさつで、同会議が障害者権利条約の実施状況の監視などを行う「モニタリング機関」や、障害を理由とする差別などの禁止に関する制度のほか、障害者の教育や雇用などについて議論してほしいと述べた。
 また、障害者権利条約の批准に向けた障害者基本法の抜本的な改正や「障がい者総合福祉法」の制定、障害者の差別禁止法制の整備を行う上で、同会議が「改革のエンジン部隊」となるよう求めた。
 続いて厚生労働省の山井和則政務官が、障害者自立支援法の違憲訴訟をめぐり、1月7日に原告団・弁護団と基本合意に至ったことを報告。長妻昭厚労相は基本合意の場で、障害者の意見などを十分に踏まえずに拙速に制度を施行し、応益負担を導入したことなどによって、障害者や家族などに混乱や生活への悪影響を招いたなどと反省の意を表明したと述べた。
 また山井政務官は、今後は障害者の参画の下に十分に議論を行い、障害者自立支援法に代わる新制度ができるまでの間、市町村民税の非課税対象などの障害者福祉サービスと、補装具の利用者負担を無料とする措置を講じる方針を説明した。
 
 初会合では、同会議の議長に小川榮一氏(日本障害フォーラム代表)が選出された。
 また、内閣府参与で同会議の東俊裕室長が、障害者制度改革を検討していく上での論点として、▽障害者制度の基本的な在り方▽差別の禁止▽虐待の防止▽教育▽情報の入手・利用▽地域社会での自立した生活▽保健医療−などを示した。
 同会議では、各省庁が概算要求を示す8月ごろをめどに基本方針をまとめ、秋ごろからは部会に分かれて議論していく予定だ。
 
更新:2010/01/12 21:38   キャリアブレイン
 

2010.1.12共同通信
障害者自身が参加し議論 改革推進会議が初会合
 障害者政策全般を抜本的に見直すために、障害者自身や家族らが参加した政府の「障がい者制度改革推進会議」の初会合が12日開かれ、冒頭、福島瑞穂特命担当大臣が「今日は歴史的な日。当事者と家族が『私たち抜きに私たちのことを決めないで』と言うことを強く実現していきたい」とあいさつした。
 
 議長には小川栄一日本障害フォーラム代表を選出。出席した障害者からは「聞き取りやすいマイクの設置を」「事前資料は点字に変換しやすいデータを使って」など運営への要望が相次いだ。
 
 会議では、障害者権利条約の批准に向けた障害者基本法の抜本改正や、民主党がマニフェスト(政権公約)に掲げた「障がい者総合福祉法」(仮称)制定などについて、夏までに基本方針を示した中間報告を取りまとめる予定。
 
2010/01/12 18:23   【共同通信】
 
障がい者制度、改革会議が初会合 障がい者や家族も参加
2010年1月13日0時36分朝日新聞
 
障がい者制度改革推進会議の初会合。障害のある人も参加して、新しい制度構築に向けた議論が始まった=東京・霞が関、中村写す
 障害者自らが制度作りに参加する政府の「障がい者制度改革推進会議」の初会合が12日開かれ、今夏をめどに制度改革案の骨格を示すことを決めた。障害者の差別を禁じた国連の障害者権利条約を批准するための国内法整備を目指す。政権交代で廃止が決まった障害者自立支援法にかわり、福祉サービスの利用者負担を決める制度の論議も本格的に始まった。
 
 改革推進会議のメンバー24人のうち14人は、障害のある人やその家族ら。福祉サービス利用の際に原則1割の自己負担を課す自立支援法などが当事者不在でつくられ、強く批判されたことから、障害者らが主体的に制度構築に参加する態勢とした。
 
 この日の会合では、障害者施策を担当する福島瑞穂・内閣府特命担当相が「改革の具体的な検討を進めていくための、いわばエンジン部隊」と会議を位置づけた。
 
 そのうえで福島氏は、障害者施策の基本理念を定めた障害者基本法の抜本改正▽障害者自立支援法に代わる障がい者総合福祉法(仮称)▽障害者差別禁止法制――の3点について、夏までに骨格を示す方針を提案した。いずれも障害者権利条約の批准に必要だとして障害者団体などが対応を求めていたものだ。
 
 最終的には会議の方針を踏まえ、全閣僚でつくる「障がい者制度改革推進本部」(本部長・鳩山由紀夫首相)を経て、基本方針を閣議決定する考えだ。同本部では、当面5年間を改革の集中期間として、関係省庁の施策の見直しを進めていく。
 
 同会議で議論すべき課題は山積している。この日は、事務局トップで障害がある東俊裕・同会議担当室長=内閣府参与=が大枠の論点を示した。その内容は、「障害」や「差別」の定義をどうするのかといった根本的な問題から、虐待の通報義務者の範囲など具体的なものまで約100に上るという。
 
 一方、障害者自立支援法を廃止した後の新制度のあり方では、同法の違憲訴訟の原告団らと厚生労働省が今月7日に合意した基本文書に論点が盛り込まれた。原告らの(1)市町村民税非課税世帯には利用者負担をさせない(2)介護保険の優先原則を廃止(3)実費負担の早急な見直し――などの指摘をもとに、厚労省が利用者負担のあり方などを検討することが明記された。ただ、厚労省で進める検討と推進会議の議論との役割分担は明確ではなく、今後の意見調整が課題だ。
 
 今後は月2回程度の協議を予定している。初会合は会場の都合で一般傍聴が認められずに障害者団体から批判が出たことから、毎回、会議の模様をインターネットで配信して公開していくことも確認した。(中村靖三郎)
 
2010.1.12毎日新聞
障害者:政策立案、政府「推進会議」初会合

 障害者が参加して関係行政を抜本的に見直す政府の「障がい者制度改革推進本部」(本部長・鳩山由紀夫首相)の「改革推進会議」初会合が12日開かれた。委員25人の6割の14人は自身や家族が障害者である団体幹部らで構成。障害者自立支援法廃止後、2013年8月までに制定する新制度のほか、国連障害者権利条約の早期批准に向けた国内法整備、障害者差別禁止法や障害者虐待防止法などを協議する。障害者が議論・調査して政策作りに直接参加する初の仕組みとなる。
 
毎日新聞 2010年1月13日 東京朝刊

障がい者制度、改革会議が初会合 障がい者や家族も参加
2010年1月13日0時36分朝日新聞
 
障がい者制度改革推進会議の初会合。障害のある人も参加して、新しい制度構築に向けた議論が始まった=東京・霞が関、中村写す
 
 障害者自らが制度作りに参加する政府の「障がい者制度改革推進会議」の初会合が12日開かれ、今夏をめどに制度改革案の骨格を示すことを決めた。障害者の差別を禁じた国連の障害者権利条約を批准するための国内法整備を目指す。政権交代で廃止が決まった障害者自立支援法にかわり、福祉サービスの利用者負担を決める制度の論議も本格的に始まった。
 
 改革推進会議のメンバー24人のうち14人は、障害のある人やその家族ら。福祉サービス利用の際に原則1割の自己負担を課す自立支援法などが当事者不在でつくられ、強く批判されたことから、障害者らが主体的に制度構築に参加する態勢とした。
 
 この日の会合では、障害者施策を担当する福島瑞穂・内閣府特命担当相が「改革の具体的な検討を進めていくための、いわばエンジン部隊」と会議を位置づけた。
 
 そのうえで福島氏は、障害者施策の基本理念を定めた障害者基本法の抜本改正▽障害者自立支援法に代わる障がい者総合福祉法(仮称)▽障害者差別禁止法制――の3点について、夏までに骨格を示す方針を提案した。いずれも障害者権利条約の批准に必要だとして障害者団体などが対応を求めていたものだ。
 
 最終的には会議の方針を踏まえ、全閣僚でつくる「障がい者制度改革推進本部」(本部長・鳩山由紀夫首相)を経て、基本方針を閣議決定する考えだ。同本部では、当面5年間を改革の集中期間として、関係省庁の施策の見直しを進めていく。
 
 同会議で議論すべき課題は山積している。この日は、事務局トップで障害がある東俊裕・同会議担当室長=内閣府参与=が大枠の論点を示した。その内容は、「障害」や「差別」の定義をどうするのかといった根本的な問題から、虐待の通報義務者の範囲など具体的なものまで約100に上るという。
 
 一方、障害者自立支援法を廃止した後の新制度のあり方では、同法の違憲訴訟の原告団らと厚生労働省が今月7日に合意した基本文書に論点が盛り込まれた。原告らの(1)市町村民税非課税世帯には利用者負担をさせない(2)介護保険の優先原則を廃止(3)実費負担の早急な見直し――などの指摘をもとに、厚労省が利用者負担のあり方などを検討することが明記された。ただ、厚労省で進める検討と推進会議の議論との役割分担は明確ではなく、今後の意見調整が課題だ。
 
 今後は月2回程度の協議を予定している。初会合は会場の都合で一般傍聴が認められずに障害者団体から批判が出たことから、毎回、会議の模様をインターネットで配信して公開していくことも確認した。(中村靖三郎)

2010.1.12毎日新聞
障害者:政府「推進会議」初会合

 障害者が参加して関係行政を抜本的に見直す政府の「障がい者制度改革推進本部」(本部長・鳩山由紀夫首相)の「改革推進会議」初会合が12日開かれた。委員25人の6割の14人は自身や家族が障害者である団体幹部らで構成。障害者自立支援法廃止後、2013年8月までに制定する新制度のほか、国連障害者権利条約の早期批准に向けた国内法整備、障害者差別禁止法や障害者虐待防止法などを協議する。障害者が議論・調査して政策作りに直接参加する初の仕組みとなる。
 
毎日新聞 2010年1月12日 23時20分(最終更新 1月12日 23時36分)

キャリアブレイン
「障がい者制度改革推進会議」が初会合−夏めどに基本方針
 
 内閣府は1月12日、「障がい者制度改革推進会議」の初会合を開いた。同会議は昨年12月に鳩山由紀夫首相を本部長として設置された「障がい者制度改革推進本部」の下部組織で、障害の当事者や有識者らで構成。障害者基本法の抜本的な改正や「障がい者総合福祉法」(仮称)の制定などに向けて議論を進め、今夏をめどに基本方針を取りまとめる。
 
 福島瑞穂消費者・少子化担当相は冒頭のあいさつで、同会議が障害者権利条約の実施状況の監視などを行う「モニタリング機関」や、障害を理由とする差別などの禁止に関する制度のほか、障害者の教育や雇用などについて議論してほしいと述べた。
 また、障害者権利条約の批准に向けた障害者基本法の抜本的な改正や「障がい者総合福祉法」の制定、障害者の差別禁止法制の整備を行う上で、同会議が「改革のエンジン部隊」となるよう求めた。
 続いて厚生労働省の山井和則政務官が、障害者自立支援法の違憲訴訟をめぐり、1月7日に原告団・弁護団と基本合意に至ったことを報告。長妻昭厚労相は基本合意の場で、障害者の意見などを十分に踏まえずに拙速に制度を施行し、応益負担を導入したことなどによって、障害者や家族などに混乱や生活への悪影響を招いたなどと反省の意を表明したと述べた。
 また山井政務官は、今後は障害者の参画の下に十分に議論を行い、障害者自立支援法に代わる新制度ができるまでの間、市町村民税の非課税対象などの障害者福祉サービスと、補装具の利用者負担を無料とする措置を講じる方針を説明した。
 
 初会合では、同会議の議長に小川榮一氏(日本障害フォーラム代表)が選出された。
 また、内閣府参与で同会議の東俊裕室長が、障害者制度改革を検討していく上での論点として、▽障害者制度の基本的な在り方▽差別の禁止▽虐待の防止▽教育▽情報の入手・利用▽地域社会での自立した生活▽保健医療−などを示した。
 同会議では、各省庁が概算要求を示す8月ごろをめどに基本方針をまとめ、秋ごろからは部会に分かれて議論していく予定だ。
 
更新:2010/01/12 21:38   キャリアブレイン

2010.1.11毎日新聞
障害者:定義見直し 「社会の制約」考慮、あす初会合−−政府
 政府は、身体障害など「障害者」の定義の、抜本的な見直しに乗り出す。従来は個人の問題として心身の機能に注目する「医学モデル」だったが、社会参加を難しくしている社会の側の問題を重視し、必要な支援を把握する「社会モデル」への転換が狙い。「障がい者制度改革推進本部」(本部長・鳩山由紀夫首相)内に設置され、12日に初会合を開く「推進会議」で議論に入る。
 
 障害者については、障害者基本法で「身体障害、知的障害、精神障害があるため、日常生活または社会生活に制限を受ける者」と定める。さらに、身体障害者福祉法など障害ごとに福祉法令があり、それに基づき障害者自立支援法や障害者雇用促進法などが運用されてきた。例えば身体障害では、視覚や聴覚、肢体のほか、腎臓や心臓の障害、HIVは対象だが、多くの内臓や免疫系などの障害は対象外だ。
 
 しかし、対象外の人でも社会参加が難しい例は少なくない。見直しでは、障害者は「社会参加に支援やサービスが必要な人」との考え方を基に、経済状況や住環境などを踏まえて障害者として認定する定義のあり方を検討する。
 
 政府が07年に署名した国連障害者権利条約は障害者について、「障害のある人で、さまざまな障壁との相互作用で、平等に完全に参加するのを妨げられる」状態などととらえる。日本は条約を批准していないが、鳩山首相は昨年12月の改革推進本部設置の際、批准へ向け法整備を急ぐよう指示した。
 
 見直しは、障害福祉だけでなく雇用や教育など国内法全体に影響。推進会議メンバーで車椅子を使う尾上浩二・DPI日本会議事務局長は「障害を個人の問題でなく、移動や就労など参加を難しくしている社会の制約の面からみる。参加に必要な支援を促すもので、大きな転換となる」と指摘している。【野倉恵】
 
毎日新聞 2010年1月11日 東京朝刊

2010.1.8共同通信
委員の6割が障害者と家族 新改革会議、異例の構成
 障害者問題を担当する福島瑞穂特命担当相は8日の記者会見で、政府の「障がい者制度改革推進本部」の下に新設する改革推進会議の委員24人を発表した。6割の14人は障害者自身や家族らを充てた。12日に初会合を開く。
 
 政府の障害福祉関係の審議会などにはこれまでも障害者らが参加していたが、過半数を占めるのは異例。入所施設などの事業者が入っていないことも特徴で、利用者サイドの視点で議論が進みそうだ。
 
 当事者など14人の委員には、障害者団体の代表のほか、民主党の障害者政策に影響を与えている「障害者インターナショナル日本会議」の尾上浩二事務局長や、障害者自立支援法の違憲訴訟で弁護団長を務める全盲の竹下義樹弁護士らが入る。
 
 それ以外の10人は大学教授や自治体の首長ら。24委員のほか、日本経団連の1人がオブザーバーとして参加する。
 
2010/01/08 12:46   【共同通信】
 
もっと知りたい ニュースの「言葉」
障害者自立支援法(2008年12月8日)身体、知的、精神と障害ごとに分かれていた従来の障害福祉サービスの一元化や、サービスの利用量に応じて原則1割を負担する「応益負担」の導入が柱。市町村民税の課税の有無や所得水準などにより負担上限額が設定されている。2006年の施行後、負担軽減策も取られたが、負担が重いとの声は根強い。現在、来年の通常国会に同法改正案を提出するため、厚生労働省が制度の見直しについて検討中。
 
 

「障がい者制度改革推進会議(第1回)」の開催について
 
 「障がい者制度改革推進会議(第1回)」を、下記のとおり開催いたしますので、お知らせいたします。
 1.日時:平成22年1月12日(火)13:00?15:00
 2.場所:中央合同庁舎第4号館12階 共用1208特別会議室
 3.議題:(1)推進会議の運営について
      (2)今後の進め方について
      (3)その他
 4.出席者:福島内閣府特命担当大臣
       泉内閣府大臣政務官(予定)
       山井厚生労働大臣政務官(予定)
       障がい者制度改革推進会議構成員 (別紙)
 5.取材:傍聴可。冒頭から大臣あいさつ(13:10メド)までカメラ撮り可
 ・報道関係者で傍聴を希望される方及びカメラ撮りを希望される社は、12:55まで
 に、会議室前へ集合してください。
 ・傍聴可能な人数は、会場の都合により、1社につき原則1名とします。
 (椅子席は限りがあります。)
 ※福島大臣等の日程は予定であり、変更になる場合がありますのであらかじめ御了承
 ください。
 
 本件問い合わせ先:
 内閣府障がい者制度改革推進会議担当室
 参事官補佐 池田 浩
 参事官補佐 神林 浩
 電話: 03-3581-0278(直通)
 
 --
 別紙
 
 障がい者制度改革推進会議構成員名簿
 
 大久保 常明 (福)全日本手をつなぐ育成会常務理事
 大谷 恭子 弁護士
 大濱 真 (社)全国脊髄損傷者連合会副理事長
 小川 榮一 日本障害フォーラム代表
 尾上 浩二 (NPO)障害者インターナショナル日本会議事務局長
 勝又 幸子 国立社会保障・人口問題研究所情報調査分析部長
 門川紳一郎 (福)全国盲ろう者協会評議員
 川? 洋子 (NPO)全国精神保健福祉会連合会理事長
 北野 誠一 (NPO)おおさか地域生活支援ネットワーク理事長
 清原 慶子 三鷹市長
 佐藤 久夫 日本社会事業大学教授
 新谷 友良 (社)全日本難聴者・中途失聴者団体連合会常務理事
 関口 明彦 全国「精神病」者集団運営委員
 竹下 義樹 (福)日本盲人会連合副会長
 土本 秋夫 ピープルファースト北海道会長
 堂本 暁子 前千葉県知事
 中島 圭子 日本労働組合総連合会総合政策局長
 中西 由紀子 アジア・ディスアビリティ・インスティテート代表
 長瀬 修 東京大学大学院特任准教授
 久松 三二 (財)全日本ろうあ連盟常任理事・事務局長
 藤井 克徳 日本障害フォーラム幹事会議長
 松井 亮輔 法政大学教授
 森 祐司 (福)日本身体障害者団体連合会常務理事・事務局長
 山崎 公士 神奈川大学教授
 オブザーバー 遠藤 和夫 日本経済団体連合会労働政策本部主幹
 (敬称略 五十音順)

障害者自立支援訴訟、終結へ 厚労相「3年内に新制度」
2010年1月8日0時59分朝日新聞

    
 障害者が福祉サービスを利用する際に原則1割の自己負担を課す障害者自立支援法の違憲訴訟をめぐり、全国の原告・弁護団らと厚生労働省は7日、訴訟の終結に合意した。長妻昭厚生労働相は「障害者の尊厳を深く傷つけた」と反省の意を表明。2013年8月までの新制度への移行を約束した。
 
 06年の施行後に負担増を強いられた障害者らが「生存権などの侵害にあたり違憲」として、全国14の地方裁判所で71人の原告が提訴。今後は各地裁で和解を中心に終結に向けた手続きが進められる。
 
 長妻氏と原告・弁護団らは7日、厚労省で基本合意文書に署名した。同法について「十分な実態調査の実施や障害者の意見を十分踏まえず、拙速に施行」したと指摘。そのうえで「心からの反省の意を表明するとともに、この反省を踏まえ、今後の施策の立案・実施に当たる」とした。
 
 さらに、同法廃止後の新たな福祉法制の実施に向けて、「障がい者制度改革推進本部」(本部長・鳩山由紀夫首相)で、障害者自身が参加して議論を進めることを確約。残る課題として医療費の負担軽減策が盛り込まれた。
 
 自立支援法の施行は06年。支払い能力に応じた負担から、サービスの利用量に応じて原則1割を負担する仕組みへ変わり、障害が重い人ほど負担がのしかかった。反発を受けて自公政権は負担軽減措置を取り、平均負担率は3%程度になったが、障害者の憤りは収まらなかった。
 
 鳩山政権が誕生し、連立与党が自立支援法廃止で合意したのを受けて、長妻厚労相は就任早々その方針を明言。厚労省と原告側が解決に向けて協議を進めていた。
 
 原告側は声明文で「社会保障裁判の歴史や障害者福祉運動において画期をなす歴史的なもの」と評価。長妻氏は「今日を新たな出発点として、障害者の皆様の意見を真摯(しんし)に聴いて新しい制度をつくっていく。その前にできる見直しは進める」と表明した。
 
 ただ、法律が廃止されるまで1割負担の仕組みは残る。厚労省は来年度予算で負担軽減のため300億円を要求したが、医療費の軽減分が盛り込まれず、政府案は約100億円にとどまった。原告らは見直しを求めているが、復活は難しい状況だ。
  
 
2010.1.7読売新聞
自立支援法訴訟終結へ、障害者原告と国が文書
 「障害者自立支援法は憲法違反だ」として、障害者ら71人が全国14地裁に起こした集団訴訟について、長妻厚生労働相と原告側が7日、同省内で同法廃止などを盛り込んだ基本合意文書に調印した。
 

 2008年10月に始まった集団訴訟は、判決が一度も示されることなく、終結することになった。
 
 調印後、長妻厚労相は「障害者自立支援法が障害者の皆様の尊厳を深く傷つけてきた。厚生労働大臣として心から反省の意を表明する」と述べた。
 
 06年施行の障害者自立支援法は、障害者の受ける福祉サービスの利用料について、原則1割を自己負担とした。
 
 原告側は訴訟で「障害の程度が重いほど、自己負担が重くなる仕組みで、憲法が定める生存権の保障に反する」と訴えてきた。
 
 これに対し、民主党は昨年の総選挙で同法の廃止を公約に掲げ、長妻厚労相も昨年9月、同法の廃止を表明していた。
 
 この日の基本合意文書は〈1〉国が同法廃止を確約し、遅くとも13年8月までに新たな総合的福祉制度を制定する〈2〉障害者の意見を十分に踏まえずに制度を施行した国は、障害者や家族らに混乱と悪影響を招いたことについて反省の意を表明する〈3〉新たな総合的福祉制度の制定には、障害者が参加して十分な議論を行う――などが盛り込まれた。
 
 原告を代表して調印した広島訴訟の原告・秋保(あきやす)喜美子さん(60)は「きょう、道が開けたことに感動している。誰もが安心して暮らしていける制度を作っていきたい」と喜びを語った。
 
 また、竹下義樹弁護団長は「勇気を持って訴訟に参加して闘ってきた原告をたたえたい。今後の(制度策定の)論議に主体的にかかわりながら、原告らを支援していく」と決意を述べた。
 
(2010年1月7日23時48分  読売新聞) 
 
2010.1.8毎日新聞
障害者自立支援法訴訟:終結へ 厚労相「障害者尊厳傷つけた」 原告と合意
 障害福祉サービス利用の原則1割を障害者が負担する障害者自立支援法の違憲訴訟を巡り、原告団、弁護団と長妻昭厚生労働相の3者が7日午後、「基本合意」に調印した。合意は、支援法実施で障害者に悪影響をもたらしたことについて、政府が「心からの反省」を表明、同法廃止後、13年8月までの新制度制定に障害者が参画するなどの内容。全国14地裁で71人が「障害が重いほど負担も重い(応益負担の)法律は憲法違反」と国を訴えた裁判は終結へ向かい、施行後3年余りの障害者福祉法制を大きく転換させた。【野倉恵】
 
 基本合意は、このほか、利用者負担や制度の谷間を作らないための障害の範囲見直しなどを、新法の論点とする▽来年度予算案にない低所得者の医療費負担を当面の重要課題とする▽基本合意の履行状況を確認するための原告団・弁護団と国(厚労省)の定期協議の実施など。
 
 同日夕、厚労省内で開かれた調印式で長妻厚労相は「(法律で)皆さまの尊厳を深く傷つけ、心から反省の意を表明します。障害者施策の新しいページを切り開いていただき感謝申し上げる」とあいさつ。原告を代表し署名した原告第1号の広島県廿日市市、秋保喜美子さん(60)は「一人一人の(原告の)思いが合意に入り、感激している」、弁護団長の竹下義樹弁護士は「訴訟を終わらす決断をした71人の原告をたたえてほしい」と述べた。
 
 裁判で原告らは、「法律は障害を自己責任のように感じさせ、生存権の保障を定めた憲法に反する」と訴えてきた。法施行後、福祉サービス対象者約51万人の75%を占める市町村民税非課税世帯では、9割で月額平均8452円負担が増えた。
 

毎日新聞 2010年1月8日 東京朝刊
 

2010.1.7毎日新聞
障害者自立支援法:違憲訴訟で国と原告団が「基本合意」

 
障害者自立支援法違憲訴訟についての基本合意文書に署名し、握手する原告団の秋保喜美子さん(中央)と長妻昭厚労相(右)=厚労省で2010年1月7日、馬場理沙撮影 障害福祉サービス利用の原則1割を障害者が負担する障害者自立支援法の違憲訴訟を巡り、原告団、弁護団と長妻昭厚生労働相の3者が7日午後、「基本合意」に調印した。合意は、支援法実施で障害者に悪影響をもたらしたことについて、政府が「心からの反省」を表明、同法廃止後、13年8月までの新制度制定に障害者が参画するなどの内容。全国14地裁で71人が「障害が重いほど負担も重い(応益負担の)法律は憲法違反」と国を訴えた裁判は終結へ向かい、施行後3年余りの障害者福祉法制を大きく転換させた。
 
 基本合意は、このほか、利用者負担や制度の谷間を作らないための障害の範囲見直しなどを、新法の論点とする▽来年度予算案にない低所得者の医療費負担を当面の重要課題とする▽基本合意の履行状況を確認するための原告団・弁護団と国(厚労省)の定期協議の実施など。
 
 同日夕、厚労省内で開かれた調印式で長妻厚労相は「(法律で)皆さまの尊厳を深く傷つけ、心から反省の意を表明します。障害者施策の新しいページを切り開いていただき感謝申し上げる」とあいさつ。原告を代表し署名した原告第1号の広島県廿日市市、秋保喜美子さん(60)は「一人一人の(原告の)思いが合意に入り、感激している」、弁護団長の竹下義樹弁護士は「訴訟を終わらす決断をした71人の原告をたたえてほしい。これからがスタート」と述べた。
 
 裁判で原告らは、「法律は障害を自己責任のように感じさせ、生存権の保障を定めた憲法に反する」と訴えてきた。法施行後、福祉サービス対象者約51万人の75%を占める市町村民税非課税世帯では、9割で月額平均8452円負担が増えた。【野倉恵】
毎日新聞 2010年1月7日 20時59分(最終更新 1月7日 21時24分)
   
2010.1.7毎日新聞夕刊
障害者自立支援法訴訟:原告・政府が和解協議

 障害福祉サービス利用の原則1割を障害者が自己負担する障害者自立支援法の違憲訴訟を巡り、原告団・弁護団と政府が7日午後、和解を視野に入れた最終協議を行う。両者が同法廃止後の新制度の話し合いに障害当事者が参加していくなどの基本合意を交わすことになれば、和解に進む可能性もある。
 
 障害者自立支援法を巡る訴訟は08年10月以降、全国14地裁で約70人が提訴。原告側は、「応益負担」は重度の人ほど負担が重くなるとして「憲法の生存権の保障に反する」などと訴えてきた。
 
 長妻昭厚生労働相は政権交代後の昨年9月、同法廃止を表明。原告団に協議を申し入れ、厚労省と与党議員らを交えて話し合いを重ねてきた。
 
 その過程で原告団・弁護団側は、来年度政府予算案について、低所得者のサービス無料化を強く要望し、厚労省は当初300億円の計上を目指したが、一部は対象外となり、計上額は107億円となった経緯がある。
 
 原告団・弁護団と政府の基本合意に向けた協議では、自立支援法への政府の反省や謝罪、医療費の無料化などについて話し合われる見込みだ。【野倉恵】
 

毎日新聞 2010年1月7日 東京夕刊
  
 
障害者訴訟、終結へ 国と原告合意 低所得者世帯は無料化
2010.1.8 09:55産経新聞

  障害福祉サービス利用の原則1割を障害者が自己負担する「障害者自立支援法」の違憲訴訟で、和解に向けて協議していた国と原告団・弁護団は7日、同法廃止を含む基本合意文書に調印した。厚労省は現行法の廃止に伴い、平成25年8月までに新法を制定する。原告側は訴訟を終結させることになる。
 
 新法制定までの当面の措置として、4月から低所得の障害者世帯を対象に自己負担を無料化する。
 
 平成18年施行の自立支援法は、サービスの利用量に応じて負担額が決まる「応益負担」としたため、障害者からは「サービスの必要な重度の人ほど負担が重くなる」と批判が出ていた。
 
 20年10月以降、全国14地裁で約70人が提訴。「生存権の保障などを定めた憲法に違反する」などと主張していた。
 
 合意文書では、現行法の立法過程について「実態調査の実施や障害者の意見を十分踏まえることなく、拙速に制度を施行」と総括し、原告側の要望を盛り込む内容となった。
 
 新法の制定に向け、厚労省に「障がい者制度改革推進本部」を設置し、障害者のニーズに合わせた施策の検討をすることになる。
 
 調印式に出席した長妻昭厚労相は「障害者の生活に悪影響を与え、尊厳を傷つけたことに反省の意を表明します」と謝罪した。
 
 一方、広島原告の秋保喜美子さん(60)は「国には、誰もが生きがいを持って暮らせる制度を作ってもらいたい」と話した。
 
  
2010.1.7共同通信
自立支援法訴訟、終結へ 合意文書に調印
 障害福祉サービスの利用を原則1割自己負担とした障害者自立支援法をめぐる違憲訴訟で、和解に向けて協議していた長妻昭厚生労働相らと原告団、弁護団は7日、厚労省で会い、訴訟を終結させることで合意した。
 
 国が反省の意を示す基本合意書に調印。その後の記者会見で竹下義樹弁護団長は「具体的な訴訟手続きはこれから議論するが、和解を中心に考えたい」と述べ、全国14地裁で71人の原告が係争中の訴訟は和解を軸に終結させる考えを表明した。
 
 その上で「国が法律の変更を訴訟当事者と合意するのは初めてで、裁判所の判断を待たずに解決に至るのも異例だ」と、国の対応を評価した。
 
 一方、長妻厚労相は調印式で「拙速な制度の実施で障害者の尊厳を深く傷つけたことに心から反省し、それを踏まえ新たな障害者制度の構築に取り組みたい」と述べた。
 
 合意文書では、福祉サービスの利用量に応じて負担額が決まる現行の「応益負担」を速やかに廃止し、2013年8月までに自立支援法に代わる新たな制度を実施することを明記。新設の「障がい者制度改革推進本部」で、障害者の参加の下に十分に議論する。
 
2010/01/07 21:27   【共同通信
 
 
2010.1.6共同通信
障害者支援法訴訟、和解で調整 厚労相と原告団ら会談へ

 障害福祉サービスの利用を原則1割自己負担とした障害者自立支援法をめぐり、違憲訴訟を起こしている原告団、弁護団と政府が和解に向け最終調整に入ったことが6日、分かった。7日にも長妻昭厚生労働相と原告団、弁護団が会談し、合意に至れば和解の手続きを進める見通し。
 
 ただ、政府の2010年度予算案で、障害者の負担軽減策が当初の方針よりも縮小したことから、原告らの一部には慎重意見もあり、流動的な面も残っている。
 
 06年施行の自立支援法は、サービス利用量に応じて負担額が決まる「応益負担」としたため、障害者から「より多くのサービスを必要とする重度の人ほど負担も重くなる」と批判が強かった。
 
2010/01/06 23:23   【共同通信】
  
 
2010.1.7日本経済新聞
障害者自立支援法、集団訴訟終結へ 原告側と国、合意書調印

 障害者が福祉サービスを利用する際、原則1割の自己負担を課した障害者自立支援法は違憲と訴えた集団訴訟で、国と原告・弁護団は7日、訴訟の解決に向けた基本合意書に調印した。全国14地裁で争われている訴訟は和解を中心にすべて終結に向かうことになった。合意書には遅くとも2013年8月までに同法を廃止し、新法を制定することを盛り込んだ。
 
 06年施行の同法は福祉サービスの利用量に応じて負担額を決める「応益負担」としたため、障害者らは「重度の人ほど負担が大きくなる」と批判。08年10月以降、計71人が「生存権の保障などを定めた憲法に違反する」などと提訴していた。
 
 7日調印した基本合意書では「国は速やかに応益負担制度を廃止し、遅くとも13年8月までに同法を廃止し、新たな総合的な福祉法制を実施する」と次の衆院選までに新法を制定することを明記した。(07日 21:02)
 
 
2010.1.7毎日新聞
障害者自立支援法:原告・政府が和解協議 違憲訴訟を巡り

 障害福祉サービス利用の原則1割を障害者が自己負担する障害者自立支援法の違憲訴訟を巡り、原告団・弁護団と政府が7日午後、和解を視野に入れた最終協議を行う。両者が同法廃止後の新制度の話し合いに障害当事者が参加していくなどの基本合意を交わすことになれば、和解に進む可能性もある。
 
 障害者自立支援法を巡る訴訟は08年10月以降、全国14地裁で約70人が提訴。原告側は、「応益負担」は重度の人ほど負担が重くなるとして「憲法の生存権の保障に反する」などと訴えてきた。
 
 長妻昭厚生労働相は政権交代後の昨年9月、同法廃止を表明。原告団に協議を申し入れ、厚労省と与党議員らを交えて話し合いを重ねてきた。
 
 その過程で原告団・弁護団側は、来年度政府予算案について、低所得者のサービス無料化を強く要望し、厚労省は当初300億円の計上を目指したが、一部は対象外となり、計上額は107億円となった経緯がある。
 
 原告団・弁護団と政府の基本合意に向けた協議では、自立支援法への政府の反省や謝罪、医療費の無料化などについて話し合われる見込みだ。【野倉恵】
 

毎日新聞 2010年1月7日 11時57分(最終更新 1月7日 13時01分)

2010.1.5読売新聞
自閉症者の脳、たんぱく質減少…治療法に光
 自閉症患者の脳では、感情などに関係する神経がうまく働いていないことを、厚生労働省研究班(主任研究者=森則夫浜松医大教授)が明らかにした。
 

 脳内の特定のたんぱく質が健常な人に比べ3割程度少ないという。自閉症の新しい診断や治療法に結びつく成果で、米専門誌に5日掲載された。
 
 自閉症は、〈1〉相手の気持ちが読めない〈2〉自分の気持ちをうまく伝えられない〈3〉特定のものに強くこだわる――などの症状があり、100人に1人の割合で患者がいるとされる。
 
 自閉症は脳内の神経伝達物質であるセロトニンとの関係を指摘する「セロトニン仮説」が有力視されてきたが、証明されていなかった。研究班は、18〜26歳の自閉症患者20人の脳を陽電子放射断層撮影(PET)で計測。感情などをつかさどるセロトニン神経の表面にあり、セロトニンを回収する働きを持つたんぱく質が、脳全体で減っていることを初めて示した。
 
 また、脳の帯状回という部位でこのたんぱく質が少ないと「相手の気持ちが分からない」という症状が、視床という部位で少ないと「こだわり」の症状がそれぞれ強まることもわかった。
 
 研究班は「自閉症は脳の障害であることがはっきりした。治療法開発に加え、社会的理解にもつながる」と期待している。
 
(2010年1月5日22時52分  読売新聞)
 

2010.1.6読売新聞
「うつ百万人」陰に新薬?販売高と患者数比例
 
  うつ病患者が100万人を超え、この10年間で2・4倍に急増している。不況などの影響はもちろんだが、新規抗うつ薬の登場との関係を指摘する声も強い。安易な診断や処方を見直す動きも出つつある。
 
 東京の大手事務機器メーカーでは、約1万2000人いる従業員中、心の病による年間の休職者が70人(0・6%)を超える。2か月以上の長期休職者も30人を超えた。多くがうつ病との診断で、10年前までは年間数人だったのが、2000年を境に急増した。
 
 この会社の産業医は、「『うつ病は無理に励まさず、休ませるのが良い』との啓発キャンペーンの影響が大きい」と話す。うつ病への対処としては正しいが、「以前なら上司や同僚が励まして復職させたタイプにも、何も言えなくなった。性格的な問題で適応できない場合でも、うつ病と診断されてしまう」と、嘆く。
 
 国の調査では、うつ病など気分障害の患者は、2000年代に入り急激に増えており、一概に不況だけの影響とは言えそうにない。
 
 患者急増との関係が指摘されているのが、新規抗うつ薬「SSRI」だ。年間販売高が170億円台だった抗うつ薬市場は、1999年にSSRIが登場してから急伸。2007年には900億円を超えた。
 
 パナソニック健康保険組合予防医療部の冨高辰一郎部長(精神科医)によると、欧米でも、この薬が発売された80年代後半から90年代初めにかけ、患者の増加がみられた。
 
 冨高部長は「SSRIが発売されたのに伴い、製薬企業による医師向けの講演会やインターネット、テレビCMなどのうつ病啓発キャンペーンが盛んになった。精神科受診の抵抗感が減った一方、一時的な気分の落ち込みまで、『病気ではないか』と思う人が増えた」と話す。
 
 田島治・杏林大教授が、学生にテレビCMを見せた研究では、見なかった学生の倍の6割が「気分の落ち込みが続いたら積極的な治療が必要」と答え、CMの影響をうかがわせた。
 
 ◆安易な投薬…薬なしで回復の例も◆
 
 うつ病は一般的に、きまじめで責任感が強い人が陥りやすいとされる。自殺に結びつくこともあり、早期発見・治療は自殺対策の柱のひとつにもなっている。
 
 ところが近年は、「自分より他人を責める」「職場以外では元気」など、様々なタイプもうつ病に含まれるようになった。検査数値で測れる身体疾患と違い、うつ病の診断は難しい。このため、「抑うつ気分」などの症状が一定数以上あれば要件を満たす診断基準が普及した。「なぜそうなったか」は問われず、性格や日常的な悩みによる落ち込みでも診断され、かえって混乱を招いた面がある。
 
 田島教授が行った精神科診療所の医師に対する調査では、約8割の医師が、うつ病の診断が広がり過ぎていることに懸念を示した。
 
 安易な投薬を懸念する声もある。抗うつ薬は、うつ病治療の柱とされているが、宮岡等・北里大教授は「薬なしでも自然に回復するうつ病も多い」と話す。
 
 海外では、軽症には薬物療法ではなく、カウンセリングや運動などを最初に勧める治療指針も多い。渡辺衡一郎・慶応大専任講師は「日本でも、まず抗うつ薬ありきという認識を見直す時期に来た」と話す。
(医療情報部 高橋圭史、佐藤光展)
 
(2010年1月6日03時03分  読売新聞)

2009.12.24八重山毎日新聞
県内初、福祉タクシーが始動 「買い物や通院に活用を」NPO法人ゆうき
障がい者や要介護者ら対象、初乗り210円と割安
 
 障がい者や要介護認定者を対象にした自家用有償旅客運送が24日からスタートする。障がい者専用の福祉タクシーで、料金は初乗り210円と割安。特定非営利活動法人障害者居宅介護サービスゆうき(大浜安克理事長、石垣市美崎町)が実施するもので県内唯一。「社会的な弱者の皆さんが買い物や通院の際に利用してもらいたい」と呼びかけている。
 
 福祉有償運送を行う場合は、道路運送法79条に基づき利害がからむ関係団体で構成する協議会の承認が必要となっており、「ゆうき」の事業は8月の石垣市福祉有償運送運営協議会(山田隆一会長、委員12人)で全会一致で承認されていた。
 利用者は身体、知的、精神、内部障害などの障がい者と、介護保険法で定める要介護認定か要支援認定を受けている人たちに限られている。
 車両には運転手と介助者がつく。電話(82-3600)で受け付け、自宅から外出先まで運送する。料金メーターを設置しており、初乗りから350メートルごとに60円加算される仕組み。
 大浜理事長が福祉有償運送事業を思い立ったのは、障がいをもつ市民から「入院先に出掛ける際に往復運賃が高く家計を圧迫している」との声を聞いたのがきっかけ。 
 運輸事務所の登録を受け、自費(300万円)を投入してリフト付きワゴン車を購入、実現にこぎ着けた。「障害のある人とない人、お年寄りを大事にし、ともに生きる福祉のまちづくりに貢献したい」と話している。

2009.12.24毎日新聞
アール・ブリュット・ジャポネ展:パリの美術館が日本の障害者作品展−−館長に聞く

 パリにあるアル・サン・ピエール美術館のマルティーヌ・リュサルディ館長が来日した。来年3〜9月、同美術館で日本の障害者の芸術作品約1000点を展示する「アール・ブリュット・ジャポネ展」を企画した人である。アール・ブリュットとは何か、日本の作品の魅力などについて語ってもらった。【聞き手・野沢和弘】
 
 ◇無垢な芸術に魅力 他国にない陶磁器作品/新鮮さに高まる期待
 −−アール・ブリュット(生の芸術)とは何でしょう。
 
 マルティーヌ ジャポネ展では日本の障害者施設や精神科病院から集められた作品ばかりだが、アール・ブリュットとは障害者に限定したものではない。文化の主流にある人たちとは別に、独自に自然な形で本物の芸術を作り出している人たちがいる。彼らは「世界の不思議」を伝えるメッセンジャーかもしれない。誰しも自分の中の深いところに無垢(むく)な部分があるが、普通は社会生活をしているうちにだんだんそれが傷んだり、自分でふたをするようになる。ところが、無垢の部分が残っていてそれを芸術として表すことができる人がいるのだ。
 
 −−日本の作品の特徴は?
 
 マルティーヌ 陶磁器の作品を挙げることができるだろう。他の国では陶磁器のアール・ブリュットはあまり見られない。日本のアーティストたちが伝統的な陶磁器でまったく違う表現をしているのはとても面白い。しかし、アール・ブリュットというのは、個人それぞれの内面の世界を自分の特殊な手法で表現しているものであり、それはどの国にも共通した特徴だ。文字をデザインとして使って画面いっぱいに表現する作品などは国が違っても共通して見られる。
 
 −−どの国にもアール・ブリュットはあるのですか。
 
 マルティーヌ フランスやアメリカ、ブラジル、台湾の作家の展覧会をやったこともある。もちろんヨーロッパ全体でアール・ブリュットは認められている。いろんな国に総合的にアール・ブリュットに関する認識が広がっていると思う。
 
 −−今日的な意味は?
 
 マルティーヌ 社会の中には、望むか望まないかに限らず、この社会の動きに対して逆を行く、対立する考えを持ち出す、抵抗の考え方を持っている人たちがいる。アール・ブリュットの芸術家たちは無意識にそれをやっている人だと思う。意図してやっているわけではない。今、グローバル化の中で社会の価値観が役に立つもの、お金になるもの、商品価値があるものに向き、経済性や収益性ばかり考えている。それに対して、アール・ブリュットの芸術家たちは、個人的に表現をするだけの人で、その作品に商品価値があるかとか、人が受け入れてくれるかとかは全然考えない。密教的な意味もあるし、物欲からまったく離れた作品でもある。
 
 −−ジャポネ展はどう評価されるでしょう。
 
 マルティーヌ パリの人々は期待して待っている。たぶん身近にあるような作品もあれば、すごく新鮮さをもたらしてくれる作品もあり、両方を満たしてくれるはず。今、アール・ブリュットに注目が集まっているのは、社会が無意識的に危険な状況にあって、純粋にものを作り上げることを大切だと考えているからではないだろうか。人間の本質的な価値を無意識に探っているのではないかと思う。
 
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 ◇アール・ブリュット・ジャポネ展
 パリ市立アル・サン・ピエール美術館で来年3月22日〜9月中旬に開かれ、日本の20都道府県計64人の作品約1000点が展示される。障害者施設に通う知的障害者や精神科病院に入院している人たちの作品は「アール・ブリュット」「アウトサイダー・アート」などと呼ばれ、最近国内でも注目されている。日本の作品はスイスやフランスでも評価が高いが、これほど大がかりな展覧会は初めて。アル・サン・ピエール美術館は1868年に建設された市場を改築、1986年に美術館としてオープン。19世紀の金属建築の美しさを残し、芸術家たちが集まるモンマルトルの丘のふもとにある。同館ホームページはhttp://hallesaintpierre.org/
http://hallesaintpierre.org/
 
毎日新聞 2009年12月24日 東京朝刊
 
 

社会保障調査:「食料買えない」経験ある15%…07年
2009年12月24日 20時20分毎日新聞
 
 過去1年間に経済的理由で必要な食料を買えなかった経験のある世帯が15.6%(07年時点)に達することが24日、国立社会保障・人口問題研究所が初めて実施した社会保障実態調査で分かった。厚生労働省が10月に初公表した相対的貧困率15.7%(06年が対象)と、ほぼ同じ割合。経済的理由などから医療機関に行けなかった世帯も2%あった。調査は07年7月1日現在で実施し、全国の1万766世帯から有効回答を得た。
 
 「過去1年間にお金が足りなくて家族が必要とする食料が買えないことがあったか」を尋ねると、77%は「まったくなかった」と答えたが、よくあった2.5%▽ときどきあった4.5%▽まれにあった8.6%で、計15.6%が食料が買えない事態を経験していた。母子家庭など「一人親世帯・2世代」に限ると、計38.4%が経験していた。
 
 相対的貧困率とほぼ同じ点について同研究所は「偶然だろうが、食料の側面でみると実際に約15%の困窮者がいると言えるだろう」と分析している。
 
 一方、過去1年間に世帯内の人が医療機関に行ったかを尋ねたところ、行かなかった世帯は11.5%。このうち「健康ではなかったが行けなかった」のは17.0%で、全世帯の2.0%を占めた。理由は自己負担割合が高いなど経済的理由が38.4%と最多。多忙など時間的理由27.0%▽健康保険に未加入14.2%−−などが続いた。【佐藤浩】

診療報酬「10年ぶりプラス改定」で決着- 産経新聞(2009年12月23日15時53分)
 

長妻昭厚生労働相と藤井裕久財務相は23日、平成22年度予算編成で焦点となっていた診療報酬改定について、本体部分に薬価部分を加えた全体で0.19%引き上げることで合意した。10年ぶりの「プラス改定」となる。 
 
 
 
 
 

来年度診療報酬、0.19%引き上げ=10年ぶりのプラス改定−長妻厚労相
時事通信 12月23日16時36分
 
 長妻昭厚生労働相は23日、2010年度の診療報酬改定率について、全体で0.19%の引き上げで決着したことを明らかにした。財務省内で記者団に語った。内訳は医師の技術料などの本体部分を1.55%引き上げ、薬価を1.36%引き下げる。プラス改定は2000年度以来、10年ぶり。
 2年に1度改定される診療報酬は、本体部分と薬価に分かれる。診療報酬全体は自公政権下で02年度から4回連続でマイナスとなっており、長妻厚労相は「一連の引き下げが医療崩壊を招いた」として、全体で0.36%のプラス改定を求めていた。 
 
[時事通信社]

2009.12.23読売新聞
貝塚中央病院の患者死亡事故、元看護師を起訴…大阪

 大阪府貝塚市の精神科「貝塚中央病院」で昨年1月、入院中の男性患者(当時48歳)が違法な身体拘束中に重体になり、救急搬送先で死亡した事故で、大阪地検は22日、元職員の看護師、栗原誠一容疑者(53)を業務上過失致死罪で起訴した。捜査関係者によると、病院幹部や職員らは以前の主張をそろって一転させ、「栗原容疑者が独断で拘束したが、医師の指示があったように記録を改ざんした」と説明しているといい、貝塚署は改ざん指示の刑事責任についても検討する。
 
 栗原容疑者は「自分の出勤時には、患者はすでに拘束されていた」と一貫して否認しているという。
 
 起訴状では、栗原容疑者は昨年1月20日夕方から翌日未明の間のいずれかの時刻に患者をベッドに拘束。締め方が緩かったため、ベッドから落ちて腹部の拘束帯だけで宙づりになって腸管壊死(えし)を起こし、3月に死亡した、としている。
 
 精神保健福祉法では、身体拘束には「精神保健指定医」の資格を持つ医師の判断が必要。病院側関係者はこれまで「指定医である田村善貞理事長が当直の非指定医を介して電話で拘束を指示した」と同署や岸和田保健所に説明してきた。逮捕容疑でも医師の指示による拘束とされていた。しかし逮捕後になって「実は医師の指示なしの拘束だった。栗原容疑者から懇願され、看護記録などを作り替えた」と説明を大幅に変更。これに沿って起訴したという。
 
(2009年12月23日  読売新聞)

http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken12/iryouhoushu.html
医療費(診療報酬)について(「勤務医の給料」と「開業医の収支差額」について) 2009年12月21日(月)掲載
 

○ 月123万円、月211万円、月205万円という数値自体は、中央社会保険医療協議会が実施した調査の結果(917病院、1047診療所が回答)であるが、病院勤務医の数値が「給与」である一方、開業医(個人)の数値は「給与ではなく収支差額」である。
 
○ 開業医(個人)の収支差額で賄っている費用としては、院長の報酬相当額のほかに、例えば、
 
?診療所を建築するために借り入れた借金(元本)の返済
?診療所の老朽化に備えた建て替えや修繕のための準備金
?病気やけがにより休業した場合の所得補償のための費用(休業した場合に収入は激減)
?老後のための退職金相当の積立て(サラリーマンのような退職金はない)
といったものが含まれるものであり、勤務医の「給与」とは内容や性質が異なるものである。
 
○ また、全国の病院勤務医11万8157人、開業医7万1192人の平均年齢は、病院勤務医が43.4歳(※1)、開業医が59.4歳(※2)となっている。
 
(出典:「医師・歯科医師・薬剤師調査」(平成18年12月31日現在))
 
※1 大学附属病院以外の病院における、開設者を除く勤務者の平均年齢である。※2 診療所の開設者の平均年齢である。
 

平成21年12月9日
厚生労働省保険局医療課
照会先 : 尾崎
(電話) 03-5253-1111(内線3274)
(直通) 03-3595-2577
 
 
平成22年度診療報酬改定について
 

○ 医療は国民の生活を支える最も重要な社会基盤の一つである。我が国の医療費(対GDP比)は国際的に見ても低水準であるが、医療現場の努力により、効率的かつ質の高い医療を提供してきた。
 
○ しかしながら、高齢化の進展による患者増などにより、医療現場は疲弊しており、特に救急・急性期の入院医療は危機的な状況にある。前回の診療報酬改定においても、厳しい勤務環境におかれている病院勤務医の負担軽減や、救急医療や周産期・小児医療の充実などを重点課題として取り組んだが、必ずしも十分な効果が出ていない現状にある。
 
○ 例えば、有識者の研究によれば、急性期の入院医療を担うDPC対象病院の年間の赤字は総額3,500億円にのぼると推計されている。また、平成21年度医療経済実態調査によれば、年間の緊急入院患者受け入れが200名以上の病院の経営実態は、補助金等による補填を行った後の総損益差額ベースで見ても、1施設当たりで年間約1億円の赤字となっている。
 
○ こうした状況の下、三党連立政権合意では「医療費(GDP比)」の先進国(OECD)並みの確保を目指す」ことが、また、民主党のマニフェストでは「医療従事者の増員に努める医療機関の診療報酬(入院)を増額する」ことが示されている。平成22年度診療報酬改定においては、これらを踏まえ、「国民の安全・安心を支える医療の再構築」に取り組んでいく必要がある。
 
○ 具体的には、救急医療の充実など喫緊の課題に対応するため、急性期を中心とする入院医療に優先的かつ重点的に配分するとともに、急性期後の受け皿としての後方病床・在宅療養の機能を強化する。さらに、手術等の医療技術の適正評価、医療の高度化への対応、医師補助業務の充実等を通じた勤務環境の改善、医療安全への取り組みなど、我が国の医療をめぐる課題に対応していくことが求められている。
 
○ これらを総合的に勘案すれば、薬価改定と医療材料価格改定により捻出される約5,000億円を全て診療報酬本体の財源として充当するとしても、これを超える規模の財源が必要であり、全体としては10年ぶりのネットプラス改定を行うことが必要である。
 
 
 

 平成22年度診療報酬改定の基本方針
平成21年12月8日
社会保障審議会医療保険部会
社会保障審議会医療部会
T 平成22年度診療報酬改定に係る基本的考え方
1.基本認識・重点課題等
○ 医療は、国民の安心の基盤であり、国民一人一人が必要とする医療を適切に受けられる環境を整備するため、医療提供者や行政、保険者の努力はもちろんのこと、患者や国民も適切な受診をはじめとする協力を行うなど、各人がそれぞれの立場で不断の取組を進めていくことが求められるところである。
○ 我が国の医療費が国際的にみてもGDPに対して極めて低水準にあるなかで、これまで医療現場の努力により、効率的で質の高い医療を提供してきたところであるが、高齢化の進展による患者増などにより、医療現場は疲弊してきている。
○ 前回の診療報酬改定においても、こうした医療現場の疲弊や医師不足などの課題が指摘される中で所要の改定が行われたところであるが、これらの課題は必ずしも解消しておらず、我が国の医療は、依然として危機的な状況に置かれている。
○ このような状況については、前回改定の改定率が必ずしも十分でなかったために、医療現場が抱える各種の課題が解消できなかったと考えられることから、今回の改定においては、医療費全体の底上げを行うことにより対応すべきであるとの意見があった。一方で、賃金の低下や失業率の上昇など、国民生活も厳しい状況に置かれており、また、保険財政も極めて厳しい状況にある中で、医療費全体を引き上げる状況にはなく、限られた財源の中で、医療費の配分の大幅な見直しを行うことにより対応すべきとの意見があった。また、配分の見直しのみでは医療危機を食い止めることは困難なところまできているので、今回は医療費全体の底上げと配分の見直しの両者により対応すべきとの意見があった。

○ このような議論を踏まえた上で、平成22年度診療報酬改定においては、「救急、産科、小児、外科等の医療の再建」及び「病院勤務医の負担の軽減(医療従事者の増員に努める医療機関への支援)」を改定の重点課題として取り組むべきである。
○ また、その際には、診療報酬だけで現在の医療が抱える課題の全てを解決できるものではないことから、診療報酬が果たすべき役割を明確にしつつ、地域特性への配慮や使途の特定といった特性を持つ補助金をはじめとする他の施策との役割分担を進めていくべきである。
2.改定の視点
○ 「救急、産科、小児、外科等の医療の再建」、「病院勤務医の負担の軽減(医療従事者の増員に努める医療機関への支援)」といった重点課題以外にも、がん対策や認知症対策など、国民の安心・安全を確保していく観点から充実が求められている領域も存在している。
このため、「充実が求められる領域を適切に評価していく視点」を今回の診療報酬改定の視点の一つとして位置付けるべきである。
○ 一方、医療は、これを提供する側と受ける側との協働作業であり、患者が必要な情報に基づき納得した上で医療に参加していける環境を整えることや、安全であることはもちろん、生活の質という観点も含め、患者一人一人の心身の状態にあった医療を受けられるようにすることが求められる。
このため、「患者から見て分かりやすく納得でき、安心・安全で、生活の質にも配慮した医療を実現する視点」を今回の診療報酬改定の視点の一つとして位置付けるべきである。
○ また、患者の視点に立った場合、質の高い医療をより効率的に受けられるようにすることも求められるが、これを実現するためには、国民一人一人が日頃から自らの健康管理に気を付けることはもちろんのこと、生活習慣病等の発症を予防する保健施策との連携を図るとともに、医療だけでなく、介護も含めた機能分化と連携を推進していくことが必要である。
このため、「医療と介護の機能分化と連携の推進等を通じて、質が高く効率的な医療を実現する視点」を今回の診療報酬改定の視点の一つとして位置

付けるべきである。
○ 次に、医療を支える財源を考えた場合、医療費は保険料や公費、患者負担を財源としており、国民の負担の軽減の観点から、効率化の余地があると思われる領域については、その適正化を図ることが求められる。
このため、「効率化の余地があると思われる領域を適正化する視点 」を今回の診療報酬改定の視点の一つとして位置付けるべきである。
U 平成22年度診療報酬改定の基本方針(2つの重点課題と4つの視点から)
1.重点課題
(1) 救急、産科、小児、外科等の医療の再建
○ 我が国の医療が置かれている危機的な状況を解消し、国民に安心感を与える医療を実現していくためには、それぞれの地域で関係者が十分に連携を図りつつ、救急、産科、小児、外科等の医療を適切に提供できる体制をさらに充実させていくことが必要である。
○ このため、地域連携による救急患者の受入れの推進や、小児や妊産婦を含めた救急患者を受け入れる医療機関に対する評価、新生児等の救急搬送を担う医師の活動の評価や、急性期後の受け皿としての有床診療所も含めた後方病床・在宅療養の機能強化、手術の適正評価などについて検討するべきである。
(2) 病院勤務医の負担の軽減(医療従事者の増員に努める医療機関への支援)
○ また、救急、産科、小児、外科等の医療を適切に提供できる体制を充実させていくためにも、これらの医療の中心的役割を担う病院勤務医の過酷な業務に関する負担の軽減を図ることが必要であり、そのためには、これらの医療を担う医療機関の従事者の確保や増員、さらには定着を図ることが出来るような環境を整備することが必要である。
○ このため、看護師や薬剤師等医師以外の医療職が担う役割の評価や、看護補助者等医療職以外の職員が担う役割の評価など、入院医療の充実を図る観点からの評価について検討するとともに、医療クラークの配置の促進など、医師の業務そのものを減少させる取組に対する評価などについて検討するべきである。

○ また、診療所を含めた地域の医療機関や医療・介護関係職種が、連携しつつ、それぞれの役割を果たしていけるような仕組みが適切に機能することが、病院勤務医の負担の軽減につながると考えられることから、この点を踏まえた診療報酬上の評価について検討するべきである。
2.4つの視点
(1) 充実が求められる領域を適切に評価していく視点
○ 国民の安心・安全を確保していくためには、我が国の医療の中で充実が求められている領域については、診療報酬においても適切に評価していくことが求められる。
○ このため、がん医療の推進や認知症医療の推進、新型インフルエンザや結核等の感染症対策の推進や肝炎対策の推進、質の高い精神科入院医療の推進や歯科医療の充実などに対する適切な評価について検討するべきである。
○ 一方、手術以外の医療技術の適正評価についても検討するとともに、新しい医療技術や医薬品等については、イノベーションの適切な評価について検討するべきである。
(2) 患者からみて分かりやすく納得でき、安心・安全で、生活の質にも配慮した医療を実現する視点
○ 医療は、これを提供する側と受ける側との協働作業であり、患者の視点に立った場合、分かりやすくて納得でき、安心・安全で、生活の質にも配慮した医療を実現することが求められる。
○ このため、医療の透明化や、診療報酬を患者等に分かりやすいものとすることなどを検討するほか、医療安全対策の推進や、患者一人一人の心身の特性や生活の質に配慮した医療の実現、疾病の重症化予防などに対する適切な評価について検討するべきである。
(3) 医療と介護の機能分化と連携の推進等を通じて、質が高く効率的な医療を実現する視点
○ 患者一人一人の心身の状態にあった質の高いサービスをより効率的に受け

られるようにするためには、医療と介護の機能分化と連携を推進していくことなどが必要であり、医療機関・介護事業所間の連携や医療職種・介護職種間の連携などを推進していくことが必要である。
○ このため、質が高く効率的な急性期入院医療や回復期リハビリテーション等の推進や、在宅医療や訪問看護、在宅歯科医療の推進など、医療と介護の機能分化と連携などに対する適切な評価について検討するべきである。
○ その際には、医療職種はもちろんのこと、介護関係者をも含めた多職種間の連携などに対する適切な評価についても検討するべきである。
(4) 効率化余地があると思われる領域を適正化する視点
○ 医療費は保険料や公費、患者負担を財源としており、国民の負担を軽減する観点から、効率化の余地があると思われる領域については、その適正化を図ることが求められる。
○ このため、後発医薬品の使用促進や、市場実勢価格等を踏まえた、医薬品・医療材料・検査の適正評価などについて検討するべきである。
○ また、相対的に治療効果が低くなった技術については、新しい技術への置き換えが着実に進むよう、適正な評価の在り方について検討するべきである。
V 後期高齢者医療の診療報酬について
○ 75歳以上の方のみに適用される診療報酬については、若人と比較した場合、複数の疾病に罹患しやすく、また、治療が長期化しやすいという高齢者の心身の特性等にふさわしい医療を提供するという趣旨・目的から設けられたものであるが、行政の周知不足もあり、高齢者をはじめ国民の方々の理解を得られなかったところであり、また、中央社会保険医療協議会が行った調査によれば、必ずしも活用が進んでいない実態等も明らかになったところである。
○ このため、75歳以上という年齢に着目した診療報酬体系については、後期高齢者医療制度本体の見直しに先行して廃止することとするが、このような診療報酬が設けられた趣旨・目的にも配慮しつつ、具体的な報酬設定を検討することとするべきである。

W 終わりに
○ 中央社会保険医療協議会におかれては、本基本方針の趣旨を十分に踏まえた上で、国民、患者の医療ニーズに即した具体的な診療報酬の改定案の審議を進められることを希望する。


2009.12.19毎日新聞
障害年金:うつ病患者対象、2級受給狙い「攻略本」 ウェブ通じ1万円前後、悪用懸念
 ◇「オーバーに表現を」
 うつ病患者を対象に障害年金2級を受給することを目指したマニュアルが複数のウェブサイトで販売されている。2級に認定されやすくなるような診断書を主治医に書いてもらうための方法が書かれているが、不正請求を誘発する恐れもあり、関係者からは「攻略本のようで好ましくない」と問題視する声が上がっている。【奥山智己】
 
 障害年金は、厚生年金が1〜3級、国民年金が1、2級に分かれている。厚生年金の場合、平均標準報酬月額と加入月数によるが、平均支給額は月額で1級約16万円▽2級約12万円▽3級約7万円。国民年金の場合、年額で1級約99万円▽2級約79万円で、さらに子どもがいれば人数に応じて加算される。申請には医師の診断書が必要だ。
 
 ウェブサイト上で販売されているマニュアルは少なくとも6種類ある。数十〜100ページで販売価格はほとんどが1万円前後だ。
 
 あるマニュアルでは、1級は寝たきり状態でなければ認定されにくいとして、2級を目指すことを提案。認定されやすい診断書を書いてもらうポイントを紹介している。
 
 例えば、診断書には食事を自分で取れるかや、お金を管理できるかなど日常生活能力を尋ねる六つの設問があり、「自発的(適切)にできる」「自発的に(おおむね)できるが援助が必要」「自発的にはできないが援助があればできる」「できない」という内容の四つの選択肢がある。マニュアルは、6問のうち3〜4問で「自発的にはできないが援助があればできる」との選択肢にマルをつけてもらうことが望ましいとしている。
 
 さらに、こうした診断書を書いてもらうため、医師に過去の受診歴や症状などを書いた書類を提出することが重要と指摘。作成の際には「もちろんウソは書けません」と断りながら、2級の基準を満たすような表現になるよう「多少オーバーに」「医師を誘導する感じに」書けばよいとしている。
 
 別のマニュアルを作製・販売している40代の男性は「年金の受給経験があったので、うつ病患者のため、他のマニュアルを参考にしながら作った。悪用は想定していない」と説明している。
 
 元東京都精神保健福祉課長で「まいんずたわーメンタルクリニック」(渋谷区)の仮屋暢聡(のぶとし)院長は「マニュアルは違和感を感じる。年金制度を詳しく知らない医師もおり、不正を招きかねない」と指摘する。社会保険庁年金保険課は「マニュアルによる不正請求の例は聞いたことがないが、攻略本のようで好ましくない」と話している。
 
毎日新聞 2009年12月19日 東京夕刊
 
 

2009.12.19読売新聞
「自閉症」が増加?子供の1%近くに…米推計

 【ワシントン=山田哲朗】米疾病対策センター(CDC)は18日、米国の子供の110人に1人が、社会性や意思疎通の能力の発達が遅れる「自閉症スペクトラム障害」(ASD)を持つとの推定を発表した。
 

 2007年発表の推定値「150人に1人」(0・66%)から大幅に増加した。診断が広まったことで発見される件数が増えた効果も考えられるが、CDCのキャスリーン・ライス博士は記者会見で「自閉症などが実際に増加している可能性も排除できない。公衆衛生上の緊急の問題だ」と話した。
 
 CDCは全米11州で、30万人以上の8歳児について病院や学校の2006年の記録を調査した。その結果、0・9%に当たる2700人以上が自閉症やアスペルガー症候群などASDに該当すると判断した。
 
 自閉症などの人は、先天的な脳機能の障害で他人とうまくコミュニケーションがとれない。詳しい原因は不明で、日本でも増加が懸念されている。
 
(2009年12月19日10時49分  読売新聞)

2009.12.17毎日新聞
障害者自立支援法:応益負担廃止までの軽減策、実現危うく 財務省が難色
 障害者自立支援法で福祉サービス利用に原則1割の自己負担を求めていることに関し、長妻昭厚生労働相が同法廃止までの措置として打ち出した低所得者向け負担軽減策の実現が危ぶまれている。来年度予算の折衝で財務省が難色を示しているためだ。障害者からは「政治が変わっても、障害者の生活は変わらないのか」と不安の声が上がっている。
 
 長妻厚労相は就任直後、同法廃止と4年以内の新制度導入を表明。同法は、障害が重くサービスが必要な人ほど負担がかさむ「応益負担」を求めるが、福祉サービス対象者約51万人の75%は市町村民税非課税世帯だ。11月公表の実態調査では、同法施行後に非課税世帯の9割で負担が月平均8452円増えていた。長妻厚労相は当面の措置として来年度、非課税世帯の利用料を無料化する方針で、約300億円の財源が必要と見積もるが、見通しが立っていない。
 
 重度の身体障害で車椅子を利用する広島県廿日市市の秋保喜美子さん(60)は作業所に通い、織物などで月3000〜4000円の工賃を得る。非課税世帯だが、同法施行で、ほぼゼロだった施設やホームヘルプの利用料が月2万4600円必要に。前政権時代に軽減措置が2回実施されたが、昼食代などを含めると月3000円を負担する。「1000円、2000円が私たちには大きい。工賃が消え、蓄えに回せず、不安です」と訴える。
 
 重い知的障害と身体障害を抱え、入所施設で暮らす埼玉県川口市の新井育代さん(30)も、負担は食費なども含めると施設分だけで同法施行前の1・5倍の月約5万円。月1万7000円のおむつ代などもあり、母たかねさん(63)は「月約8万円の障害基礎年金では足りない。施設も経営が圧迫されている」と話す。
 
 秋保さんも新井さんも、支援法を違憲と訴える集団訴訟の原告に名を連ねる。「健常者と同じように暮らすための支援は、『益』ではなく当然」との思いからだ。原告弁護団長の竹下義樹弁護士は「財政難はわかるが、それでも財源を組み替えられるか、政権交代の意味が問われる」と指摘する。【野倉恵】
 
毎日新聞 2009年12月17日 東京夕刊
 
  
2009.12.16毎日新聞
障害者自立支援法:廃止までの負担軽減を長妻厚労相に要望
 障害者が福祉サービスの原則1割を負担する障害者自立支援法を巡り、障害者団体幹部らが16日、同法廃止までの負担軽減策の予算化を長妻昭厚生労働相に申し入れた。
 
 主な障害者団体が加盟する「日本障害フォーラム」の三沢了副代表らが要望書を手渡した。長妻厚労相は「障害者の負担を減らすべく財政当局に説明しており、厳しい状況だが理解されるよう努力したい」と述べた。
 
毎日新聞 2009年12月16日 22時48分

2009.12.15毎日新聞
政府:「障がい者制度改革」論議スタート

 政府は15日午前、障害者政策全般を見直すため、全閣僚で構成する「障がい者制度改革推進本部」(本部長・鳩山由紀夫首相)の第1回会合を開いた。下部組織に委員の半数以上を障害者や障害者団体幹部とする「障がい者制度改革推進会議」を設置。当事者が政策作りに直接参加し、障害者自立支援法廃止後の新たな障害者福祉サービスなど制度全体を検討する。
 
 本部は、福島瑞穂特命担当相と平野博文官房長官が副本部長を務める。会合で鳩山首相は「推進本部の『障がい』の害はひらがなで、このこと自体意味がある。けん引役として制度改革に当たり、国連障害者権利条約の批准を急ぎたい」と述べた。「推進会議」を担当する内閣府参与には、国連障害者権利条約(08年発効)を検討した国連特別委員会の政府代表団顧問を務め、車椅子を使用する東俊裕弁護士(熊本弁護士会)が21日付で就任する。【野倉恵、鈴木直】
 
毎日新聞 2009年12月15日 東京夕刊
 
 

2009.12.15読売新聞
厚労省、診療報酬0・35%引き上げ要求へ
 厚生労働省は15日、医療機関などに支払われる診療報酬の2010年度改定で、総額で約0・35%の引き上げを求める方針を発表した。
 
 足立信也厚労政務官が記者会見で明らかにしたもので、政務官は診療報酬のうち医師の技術料など「本体部分」を約1・73%増やす必要があると指摘した。同省の調査では「薬価部分」が約1・37%引き下げられるため、その差が約0・35%となる。政務官は、財務省は総額でマイナス1%を求めていることも明らかにした。
 
(2009年12月15日23時45分  読売新聞)
 

2009.12.15毎日新聞
診療報酬:「本体」部分6300億円の増額要求へ…厚労省

 厚生労働省の足立信也政務官は15日の記者会見で、来年度の診療報酬改定に関連して、医師の技術料にあたる「本体」部分で6300億円程度の増額を求め、財務省と交渉に入る考えを示した。
 
 診療報酬は手術など医師の技術料にあたる「本体」と薬の公定価格である「薬価」の合算で決まる。6300億円を診療報酬の改定率に換算するとプラス1.73%。薬価部分はすでに1.37%程度引き下げる見通しが示されているため、薬価との差し引きで報酬全体で0.35%程度(約1300億円)の引き上げを目指すことになる。財務省は診療報酬で約4000億円の削減を求めており、決着まで難航しそうだ。【佐藤丈一】
 
毎日新聞 2009年12月15日 22時59分
 
 
2009.12.15日本経済新聞
診療報酬、医科本体部分で6300億円必要 厚労省政務官

 厚生労働省の足立信也政務官は15日の記者会見で、患者や公的保険が医療機関に支払う診療報酬の2010年度改定について「(医師の技術料に当たる)医科本体部分で6300億円の財源が必要だ」との考えを示した。緊急患者を受け入れる救急病院などに診療報酬を手厚く配分し、医療体制の強化や勤務医の確保につなげるためだ。財務省に今後要求する。
 
 診療報酬全体をどれだけ増減させる効果があるかを示す「改定率ベース」では、本体部分が約1.73%のプラスとなる計算だ。厚労省は6300億円のうち約5000億円を薬価部分の引き下げで賄いたい考え。差し引き1300億円の財源を探さなければならない。診療報酬全体の改定率は約0.36%のプラスで、300億円強の国庫負担が必要になる。
 
 厚労省は当初、医科本体で3%の増額改定を求める考えだった。だが診療報酬の大幅な引き上げは患者負担の増加や保険料の上昇につながる。中央社会保険医療協議会(中医協、厚生労働相の諮問機関)で改定率を巡る意見書がまとまらなかった点にも配慮し、要求水準を引き下げた。(15日 23:49)
 

精神病院を捨てたイタリア―捨てない日本 [著]大熊一夫[掲載]
2009年12月13日朝日新聞
[評者]柄谷行人(評論家)
 
■「地域精神保健」という試み
 
 著者は元新聞記者で、1970年にアルコール依存症を装って精神病院の鉄格子の中に入り、その体験を朝日新聞に「ルポ・精神病棟」として連載した。それは地獄のような世界であった。その後も著者は、この“地獄”をなくすにはどうすればよいかを模索してきた。いろんな改革案に出合ったが、それらはあくまで精神病棟の存在を前提にしたものだ。80年代に、著者は画期的な方法を知る。それは精神病棟そのものを廃止し、そのかわりに、地域精神保健センターを作るというものである。
 
 これは、イタリアの精神科医フランコ・バザーリアが60年代に始めた運動である。精神病棟の廃止に対して、病人が凶暴になったらどうするのか、という反論がある。しかし、それは概して、精神病院に強制的に入れられたり拘禁服を着せられたりする結果、生じる反応である。原因と結果がとりちがえられている。また、精神病院がなければ病人は治癒しないのではないか、という反論がある。しかし、精神病院でも病人が治癒するわけではない。大切なのは、たとえ病気がなおらなくても、彼らが一般社会で生きていける環境を作りだすことである。バザーリアが始めた運動は、それを実現した。
 
 地域精神保健システムは、イタリアだけでなく、60年代に世界的に広がった傾向であった。たとえば、68年にイギリスの医師デービッド・クラークが世界保健機関(WHO)から委嘱されて来日し、精神病棟を減らすように勧告している。日本側はこれを無視した。その結果、日本は現在、経済的先進国の中で人口当たりの精神病棟が格段に多い国となった。最近は「地域精神保健の時代到来」と叫ばれているが、本質的には何も変わっていない。
 
 一方、イタリアでは、20世紀の末には保健省管轄のすべての精神病院が閉じられた。この本の表題は、日本とイタリアの違いがいかにして生じたかを示すものである。しかし、本書には、日本にも、数少ないながら、地域精神保健センターの試みが各地でなされていることが紹介されている。
 
    ◇
 
 おおくま・かずお 37年生まれ。朝日新聞記者を経て大阪大学大学院教授を務めた。

2009.12.11共同通信
首相、障害者権利条約締結に努力 「チャレンジド」に変更も

 鳩山由紀夫首相は11日、官邸で開かれた「中央障害者施策推進協議会」であいさつし、障害者への差別を禁止し社会参加を促進する障害者権利条約に関し「日本は不十分な状況。締結しなければならない」と述べ、締結に必要な法整備に取り組む姿勢を強調した。
 
 同時に「障害者」の表記に関して、英語の「チャレンジド」の方が望ましいとの考えを示した上で「新政権で考えなければならない」と述べ、名称変更を前向きに検討する意向を表明した。
 
 首相は米国留学時代の経験に触れ「チャレンジドの人がチャレンジ精神で健常者以上に見事に暮らしている姿を見て、こういう日本にしたいと感じた。チャレンジドの皆さんがこの国に生まれて良かったと感じられるよう最善の努力をする」と述べた。
 
 協議会は、障害者らの意見を直接政策づくりに反映させるため、2005年に内閣府に設置された。

2009.12.10読売新聞
患者拘束死で看護師逮捕、容疑者は否認

 大阪府貝塚市の精神科「貝塚中央病院」で昨年1月、入院中の男性患者(当時48歳)が違法な身体拘束中に重体になり、救急搬送先で死亡した事故をめぐり、貝塚署が元職員の男性看護師(53)を業務上過失致死容疑で今月1日に逮捕していたことがわかった。
 

 男性看護師は「拘束したのは自分ではない」と否認しているという。過失による事故の捜査で医療従事者を逮捕するのは異例。
 
 事故は昨年1月21日未明に発生。6人部屋でベッドに拘束されていた男性患者の体が左横にずり落ち、腹部の拘束帯だけで宙づりになって発見された。別の病院へ運ばれたが、腹部圧迫による腸管壊死(えし)で3月に死亡した。逮捕容疑では、男性看護師は、医師の指示で患者を拘束した際、拘束帯の締め方がゆるかった過失の疑いがある、とされている。
 
 精神保健福祉法では、身体拘束には「精神保健指定医」の資格を持つ医師の判断が必要で、直接診察が条件とされている。病院側は、指定医である田村善貞理事長が当直の非指定医を介して電話だけで拘束を指示したと説明。岸和田保健所は違法な拘束にあたるとして昨年3月、改善指導した。
 
 男性看護師は読売新聞の取材に、「自分が準夜勤で入った時、既に男性は拘束されていた。夜勤のリーダーだったので責任をかぶり、理事長の指示があったように記録を改ざんした」と説明しており、病院側の主張と食い違っている。
 
(2009年12月10日14時39分  読売新聞)

2009.12.9毎日新聞
薬物依存症:認知行動療法、広めよう 国内の医療関係者向け、東京で講習会

 薬物依存症に対する治療効果が海外で確認されている「認知行動療法」を国内でも広めようと、医療関係者向けの初めての講習会が8日、東京都小平市の国立精神・神経センターで始まった。この治療法はワークブックを使った低コストで平易な内容が特色。同センターは講習会を継続し、数少ないとされる薬物依存症患者の受け入れ先の拡大を目指す方針だ。
 
 同センター薬物依存研究部が2日間の日程で開き、全国の精神科医や看護師ら42人が参加した。最も有名な米研究所の治療プログラムを参考に、国内向けのワークブックや治療プログラムを開発した同研究部の松本俊彦室長が講演。週1〜2回の講義形式による外来治療を継続し、薬物使用の引き金や対処法を学ぶというプログラム全体の流れを解説した。松本室長は「薬物依存症は高血圧や糖尿病と同じ慢性疾患で、治療の継続が大切」と強調し、「ワークブックを読みながら治療方法が習得できるので、専門知識がない人でも治療に参加できる」と助言した。
 
 認知行動療法は厚生労働省の研究事業として同センターなど5カ所の施設で試行されており、患者の治療継続率が高く、覚せい剤などの再使用が少ないとの結果が出ている。問い合わせは同研究部(042・346・1954)へ。【江刺正嘉】
 
毎日新聞 2009年12月9日 東京朝刊
 
 
2009.11.30毎日新聞
覚せい剤依存症:患者の入院先 一部の医療機関に偏る
 薬物汚染が広がる中で、覚せい剤依存症の患者の入院先が一部の医療機関に偏っていることが、国立精神・神経センター(東京都小平市)の調査で分かった。薬物依存症治療の実績がある4施設に全国の患者の約1割が集中していた。こうした実態はこれまでほとんど明らかになっていなかった。再犯率が高い覚せい剤犯罪の背景には、医療の貧弱さがあるとみられ、専門家は薬物依存症に対する治療体制の整備が急務だと指摘している。【江刺正嘉】
 
 厚生労働省の調査(06年6月末時点)によると、全国の精神科の医療施設1645カ所に入院している患者は計32万308人で、このうち覚せい剤など精神作用物質が原因の患者は1万6115人(全入院患者の5.0%)。精神作用物質の内訳別では、アルコールが1万4548人(同4.5%)▽覚せい剤762人(同0.2%)−−など。
 
 同センター薬物依存研究部の和田清部長が、薬物依存症の治療実績がある▽東京都立松沢病院(世田谷区)▽瀬野川病院(広島市)▽十全会回生病院(福岡県宗像市)など4施設(全施設の0・2%、1施設は施設名非公表)に、厚労省調査と同じ時点の患者受け入れ状況を問い合わせた結果、覚せい剤依存で入院している全国の患者の12.7%にあたる97人が入院していた。
 
 こうした患者偏在の原因を探るため、和田部長らの厚労省研究班は07年、入院ベッドがある全国の精神科医療施設1639カ所に薬物依存症の治療に関するアンケートを実施、409施設(25.0%)から回答があった。
 
 それによると、薬物関連の精神疾患患者の診療状況について、外来・入院とも受け入れていると回答した施設が44.4%ある一方で、「すべて断っている」施設も16.6%あった。薬物依存症に特化した治療プログラムがある施設はわずか5.1%。薬物関連患者への認識(複数回答)では、「病院スタッフや患者間のトラブルが多い」が47.2%でトップで、「刑事司法的対応が優先されるべきだ」も21.5%あった。
 
 和田部長は「薬物依存は単なる『犯罪』で、『司法の対象』という意識が医療関係者に根強いことがうかがえる。医師が処方する向精神薬による依存症患者も増えており、取り締まるだけの従来型の対応では薬物汚染は防げない。専門の治療プログラムを普及させるべきだ」と話している。
 
毎日新聞 2009年11月30日 2時30分(最終更新 11月30日 2時30分)

20091210日号タウンニュース

港北区生活支援センター開所半年 利用状況は?

精神障害者の居場所づくり進むか

精神障害者の自立や社会参加の支援を目的とした「港北区生活支援センター」(鳥山町・新井秀幸所長)が12月、開所半年を迎えた。利用状況はどうか?センターを取材した。

 現在、登録者は309人(男性198人、女性111人。11月30日現在)。1日の平均利用数は57.6人だ(施設訪問26.7人、電話30.9人)。市内に14の同様施設があるが、港北区の利用者は20歳から40歳代が多いという。

 夕食サービスも実施。こちらの1日平均は11.8人で、来所者の約半分が利用しており、食事だけの利用者の姿もみられる。コミュニケーションを一時でも深めたいという思いがあると考えられている。

「心理・情緒に関するもの」トップ

 センターでは、相談者の病状の聞き取りは強制しないため、全員の病名は把握していないが、統合失調症とうつ病の人が多いと分析している。

 11月の相談内容トップは、「心理・情緒に関するもの」の982件、次いで「生活相談」の559件、「センターの利用法について」の385件と続く。

 スタッフの星野三佳子さんは「今後の生活のことや就労に関する問合せが多いですね」と話す。

市内40歳代女性からの一本の連絡

 相談内容は主に「心」「社会保障」「就労」の3つに分けられる。

 「私はうつ病と診断を受けていますが、一人暮らしでさびしい」。市内在住40歳代の女性からの電話。スタッフは気持ちを落ち着かせ、話を「聞く」ことに徹底する。初回は互いに緊張感のなか話しが進むが、徐々に悩みが解明され、2、3回と回数を重ねるなかで信頼感が生まれてくる。

 「スタッフの○○さん、いませんか?」。ときには、個々の名前で呼ばれることも。ただ、無理に来所を呼びかけることはせず、相談者の気持ちに沿った対応を心がけている。

 その他には、障害年金受給の方法などの制度について、仕事に就くにはどうしたら良いのか?−などの相談が寄せられる。

 新井所長は「夕食だけの利用者を含めて、徐々に登録者が増えてきました。思いを話すだけで気持ちが楽になる。今後も地域住民の手助けができるようなセンター運営をしたい」と語る。予約・問合せは同施設(電話045・475・0120)。

 

心をつなぐ電話相談

センターを盛りあげるスタッフ


2009.12.9日本経済新聞
社保審、診療報酬改定で基本方針 救急、産科など評価

 社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の医療保険部会と医療部会は8日、患者や公的保険が医療機関に支払う診療報酬の2010年度改定の基本方針を発表した。救急、産科、小児科への手厚い配分などを重点課題に掲げた。病院勤務医の負担を軽くするため、看護師などの医療従事者を増やす医療機関を評価すべきだとした。
 
 診療報酬の改定については社保審が基本方針をつくり、政府が診療報酬をどの程度増減させるかを示す「改定率」を決める。中央社会保険医療協議会(中医協)がこれを踏まえ、個別の診療に対する報酬の配分を決める仕組みだ。
 
 社保審は高齢化による患者の増加で「医療現場は疲弊してきている」と指摘。小児や妊婦などの救急患者を受け入れる医療機関を診療報酬で評価すべきだとした。看護師や薬剤師など勤務医以外の医療従事者を増やしている医療機関を評価し、勤務医の負担軽減につなげるべきだとも指摘した。(01:07)

2009.12.8読売新聞
「障がい者制度本部」を設置…障害の表記見直しも
 政府は8日の閣議で、障害者施策を総合的に推進する「障がい者制度改革推進本部」(本部長・鳩山首相)を設置した。平野官房長官と福島消費者相が副本部長で、全閣僚がメンバー。
 
 今後5年間を障害者制度改革の集中期間と位置づけ、基本的な方針案を作成するほか、法令における「障害」の表記を「障がい」に見直すことも検討する。
 
 民主党は衆院選の政権公約(マニフェスト)で、「国連障害者権利条約」の批准に必要な国内法の整備を行うため、同本部を内閣に設置するとしていた。
 
(2009年12月8日18時27分  読売新聞)
  

2009.12.8毎日新聞
障害者制度改革:本部設置を閣議決定

 政府は8日午前、「障がい者制度改革推進本部」(本部長・鳩山由紀夫首相)の設置を閣議決定した。全閣僚で構成する。障害者政策全体を見直すため、本部の下に過半数を障害者団体メンバーらで構成する「制度改革推進会議」(仮称)を置き、当事者を中心に政策立案に当たる。
 
 推進会議は身体、知的、精神などの障害者団体幹部ら20〜30人を予定。福島瑞穂特命担当相は記者会見で「障害者の問題は当事者が一番よく分かっており、反映させる仕組みにしたい」と述べた。
 
 推進本部は年内にも初会合を開く。【野倉恵】
 

毎日新聞 2009年12月8日 12時47分

AED医療用電極パドル:4657個自主回収 作動せず患者死亡

2009128 1938分 更新:128 2125分毎日新聞

日本光電工業が自主回収するものと同型式の使い捨て電極パドル=鮎川耕史撮影

 医療機器販売会社「日本光電工業」(東京都新宿区)は8日、同社が輸入・販売した半自動除細動器用使い捨て電極パドルの不良品が見つかったとして、4657個を自主回収すると発表した。機器が作動せず、患者が死亡するケースが奈良県で発生し、部品の欠陥が判明したという。

 使い捨てパドルは米国のカテコインク社製。回収する製品の型式は「P−510」で、今年10〜11月に出荷された「Y080609−3」との表示のあるロットが対象。医療・消防機関に納入されており、一般向けの販売はないという。

 日本光電工業などによると、今月4日、心肺停止状態の男性(65)を救助しようと駆けつけた救急隊員が、電極パドルを除細動器に接続して使おうとしたところ、機器が作動せず、男性は死亡した。連絡を受けた同社がメーカーに原因調査を依頼。問題のロットに規定外の工具で製造された不良品が交じっていることが判明した。除細動器との接続不良を起こす欠陥があるという。

 電極パドルは、不整脈などを発症した患者の体に張り付け、除細動器からの電流を心臓に送るための医療用品。日本光電工業を巡っては、先月、別の米メーカーから輸入した自動体外式除細動器(AED)に故障が見つかり、同社が約10万7000台の点検・修理を進めている。問い合わせは同社(03・5996・8000)。【鮎川耕史】


2009.12.08共同通信

うつ病を入院で治す 
専門病棟で2〜3カ月 
通院の難治患者らに 

 うつ病になった人らに2〜3カ月入院してもらい、専門病棟で休養、さまざまな療法を受けてもらう。精神科の総合外来を持つ不知火病院 (福岡県大牟田市)は、通院や自宅療養が主流となっているうつ病の治療に入院を積極的に取り入れている。通常の治療では改善しない患者の、もうひとつの選択肢となっている。
 自然から刺激
 福岡市の中心部から電車で約1時間。有明海に注ぐ川の河口付近に、同病院の「ストレスケアセンター・海の病棟」がある。
 1989年に開設され病床数は48、外出や面会が自由な全開放型の病棟だ。窓を多くして風や光を取り込みやすくし、雨音もよく響くように設計。自然からの刺激を受けやすくしてある。病室は2階にあり、ナースセンターを中心に4人部屋や2人部屋、個室が並ぶ。4人部屋に出入り口を三つ設けるなど、緊張感の軽減に配慮した。
 スタッフは医師、看護師、臨床心理士のほか、社会復帰などを支援する精神保健福祉士、非常勤のアロマセラピストや音楽療法士など計40人弱で構成する。

 自責感、気兼ね
 入院の対象は、自殺しようとしたことがある人や、判断力が落ち、交通事故やガスの消し忘れなどの危険がある人。薬や精神療法を受けて1〜2カ月以上たっても十分な効果が出なかったり、夫婦や家族関係に問題があったりするケースも入院が望ましいという。
 徳永雄一郎院長は「通院や自宅療養では、休職している姿を家族に見せたくないとの思いが生じ、自責感の拡大にもつながる。隣近所への気兼ねもあるし、共働きの場合は日中、孤独で不安が増すなど、治療環境の面で問題が懸念される」と話す。
 実家に帰省したとしても、長期になれば親に申し訳ないと自分を責め、親は対応に戸惑うことになりかねないという。

 入院治療は大きく3段階に分かれる。2週間〜1カ月は、症状の回復に重点を置き、薬物療法や十分な休養に充てる。
 次にカウンセリングや、個人、集団で行う精神療法、家族を対象にした療法を始め、患者ごとにうつ病の原因と対策、職場での問題点を明らかにしていく。条件が整えば3カ月目ごろから復職支援のプログラムを開始。仕事を模擬的にやり、上司や同僚への対応を練習する。
 半数「適応可能」
 開設以来、九州を中心に関東や関西からも計3千人以上の患者が平均で72日間入院した。
 男性は90%以上が勤労者、女性は勤労者が約40%、主婦が約30%で、職種は公務員や教諭、情報技術(IT)関連が目立つ。
 数値が7以下で「治った」と判定されるうつ病の国際的な評価尺度で治療結果を見ると、患者の入院時の平均は24・5だったが、退院時は6・4に低下。社会への適応を調べる尺度でも、退院時に約半数が「適応可能」に回復したという。
 再入院は全体の20%強、入院中に自殺した人は6人。「入院した人の47%が死にたいとの思いを持ち、15%は自殺しようとした経験があることを考えると、著しく少ない」と、徳永院長。

 一方、休職者に復職支援プログラムを実施した割合は、2007年で32%。徳永院長は「うつ病の回復が必ずしも復職に直結せず、復職は難しいのが現状。症状回復と復職という2段階の治療が重要だ」と指摘している。(共同通信 谷本敏之)(2009/12/08


20009.12.7キャリアブレイン

半世紀遅れの「精神医療の転換期」−厚労省専門官

 厚生労働省社会・援護局の吉川隆博障害保健専門官は125日、東京都内で開かれた日本精神科看護技術協会主催の精神保健福祉フォーラムで、「精神保健医療福祉の更なる改革に向けて−精神医療・看護はどう変わるか?−」をテーマに講演した。吉川専門官は、豪、米、英などの先進国が1960年以降、精神病床数を減らして精神医療改革を実施し成果を出してきたのに対し、日本は「半世紀遅れでようやく本気で精神医療改革に取り組んでいこう(と考え)、そういった施策を進めているところ。わたしも皆さんも精神医療の転換期に立っている」と述べた。

 講演で吉川氏は、精神保健医療福祉施策の改革経緯や、改革に向けた考え方や具体像を説明した。
 この中で、往診について「精神科病院で往診をしているのは13%ぐらいしかない。診療所でも16%と非常にまだまだ少ない状況」と述べ、国が掲げる在宅医療推進に向け、医師の往診体制を強化する施策を講じる必要性を訴えた。
 また、入院・外来を含め精神科を受診する認知症患者が増えているとも指摘。認知症患者の入院先の割合が「療養型病床」「老人病床」「そのほかの一般病床」に比べ「精神病床」で「非常に高くなっている」と述べた。その上で、認知症の治療・看護の考え方を提示。妄想や徘徊といったBPSD(認知症の行動・心理症状)のある患者を治療する場合、精神科の病院はどういった機能の病棟を備え、どのような専門性を持った人を配置するべきかなど対応の検討を行う必要性を示した。
 さらに、認知症などの精神疾患と身体疾患を併せ持つ患者に対する診療の際、一般医療との連携をどうするかなども「大きな課題」とした。

 厚労省は049月、「精神保健医療福祉の改革ビジョン」を策定。改革ビジョンでは、基本的な方策の「入院医療中心から地域生活中心へ」を推進するため、国民の意識改革や精神保健医療福祉体系の再編と基盤強化を10年で進め、受け入れ条件が整えば退院可能な者約7万人について、解消を図るとしている。さらに10年間の中間点に当たる今年9月、厚労省は、後期5か年の重点施策策定に向けた有識者による報告書を公表し、改革ビジョンの目標を継続し、精神病床約7万床の減少を促進する方向などを打ち出している。


更新:2009/12/07 11:00   キャリアブレイン


2009.12.7毎日新聞
障害者:制度改革へ自ら政策立案 新組織のメンバーに
 障害者自立支援法廃止後の法制度全体に当事者の声を直接反映させるため、政府は近く「障がい者制度改革推進本部」(本部長・鳩山由紀夫首相)を設置し、本部内にメンバー20人中11人を障害者や障害者団体幹部とする「制度改革推進委員会」を設けることを決めた。障害者が議論・調査して政策作りに直接参加し、責任も持つ初の仕組みで、支援法に代わる新法など法制度全般を協議。発達障害も対象とするなど障害範囲の見直しや現制度に代わるサービス給付体系の検討も進める。
 
 障害者団体代表らは「責任は重いが、主体となる意味は大きい」と受け止める。01年設置の従来の政府の障害者施策推進本部では、中心は省庁職員らの「課長会議」などで、障害者が主体となる受け皿はなかった。新政権の「本部」に置く推進委は、「ヒアリング対象でなく、政策決定のエンジン役」(民主党議員)を目指す。推進委の下には専門チームを設け▽支援法に代わる「障がい者総合福祉法」▽虐待の早期発見・救済を図る障害者虐待防止法▽08年5月発効の国連障害者権利条約の締結に向けた障害者基本法改正−−などを検討する。
 
 障害者福祉サービスを巡っては、利用料の原則1割を負担(応益負担)する現行の自立支援法は長妻昭厚生労働相が廃止を明言。民主党は総合福祉法で所得に応じた応能負担とするとしている。推進委では、制度利用の谷間が生じないよう、対象に発達障害や難病、内部障害などを含めることを検討。6段階の「障害程度区分」に基づきサービス内容を決める現行の仕組みについては、現場から「障害実態や個人の状況を反映しづらい」との訴えが強いのを受け、個々のニーズを反映した認定方法に見直す。
 
 障害者の人権問題に詳しい障害者団体代表の一人は「今までは政府と対立する構図だったが、政府に参画すればどれだけのものができるか。次世代に大きな責任を負うことになる」と話す。【野倉恵】
 

毎日新聞 2009年12月7日 2時30分(最終更新 12月7日 2時30分)

2009.12.6毎日新聞
ニッポン密着:東京の路上生活者、6割に精神疾患 救済対策手つかず
 精神科医らが東京・池袋で路上生活者の実態を調査した。約6割がうつ病や統合失調症の症状などの精神疾患を抱えていた。全国の路上生活者は1月の国の調査で1万5759人。底なしの不況で増加が懸念され、就労・自立支援のあり方が問われる。厚生労働省は「精神疾患の患者や知的障害者がずっと路上にいるのは好ましくない」としつつも、特別な対策はとっていない。初冬の東京を歩いた。
 
 約320人の路上生活者がいる新宿区。11月下旬の午後4時すぎ、頭上のJR中央線ガードを走る電車と、行き交う車の騒音が交差する歩道に男性がうずくまっていた。布切れを縫い合わせた服を着て、穴のあいた帽子をかぶっている。髪やひげは伸び放題だ。
 
 「10年ほど前からここにいる。年齢? 数えたことないが50過ぎかな」。大きなバッグや袋が台車に載せてある。「着物の作り方や絵を教えている。相手が食事をくれる。作品が多くてアパートに入りきれないから路上暮らし。冬は寒いが仕方ない」
 
 荷物の中に色鉛筆はあるが、作品は見あたらない。「彼は近くの市場で野菜くずなどを拾ってきて、煮て食べている」と巡回相談担当の区職員。調査に携わった国立病院機構久里浜アルコール症センター(神奈川県)の森川すいめい医師は「幻想と現実の区別がついていない。統合失調症の症状でしょう」と語った。
 
 別の夜、新宿・歌舞伎町。歩道に60代らしい女性がしゃがんでいた。頭にスカーフを巻き、緑色のカーディガン姿。暮らしぶりを尋ねると、いきなり生い立ちらしき話を始めたが、とめどなく、会話はかみ合わなかった。
 
        □
 
 路上から昨春、アパート暮らしに戻った1級建築士の男性(58)がいる。11月下旬、千葉県市川市の自宅を訪ねた。風呂付き6畳一間。テレビや冷蔵庫などの家財に加えて観葉植物もある。「人間的な生活ができているんだと、うれしくなる。路上にいたころはうつ病がひどくて救いを求めることさえ難しかった」
 
 宮城県出身。大学卒業後、東京都内の複数の建築事務所で働いた。多忙だった。40代半ば、突然仕事の内容が頭に入らなくなった。精神科の診断はうつ病。原因は分からない。独身。約800万円の貯金があり、治療のため退職したが、4年たっても改善しない。食事を作るのもつらくなった。病のせいか、よく連絡を取り合う2歳上の兄に援助を求めることも思いつかない。蓄えが尽き、99年春から千葉県市川市の江戸川にかかる橋の下に段ボールで小屋を作り路上生活を始めた。
 
 年末が近づく度、冬を乗り切れるのか心配だった。見回りの市民団体が差し伸べる手は、人と会うのが苦痛で断り続けた。生活保護も考えた。しかし、路上の仲間から「窓口で、仕事をしろと追い返されるだけ」と聞かされ、足を運ぶことはなかった。結局、コンビニで廃棄される期限切れ弁当で食いつないだ。
 
 07年暮れ、体調が悪化し体が鉛のように重く動かなくなった。「このまま死ぬかも」。そう思い至りようやく路上生活者を対象にした市川市の健康診断を受け、高血圧や腎臓病で治療が必要と診断された。
 
 生活保護を受け、昨年夏に今のアパートに移り、うつ病も落ち着いてきた。「独り言を続ける人や、アルコール依存症のような人を何人も見た。5人に1人は私みたいな精神疾患を抱えていると感じた。私も死にかけなければ福祉を受けなかった……」。男性は当時を振り返った。
 
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 新宿区の担当者は「巡回相談で統合失調症かなと思っても、一般職員では判別できない」と実情を語る。こうした路上生活者を救済する方策はまだない。
 
 「精神保健福祉士ら専門職を雇うため補助を増やしてほしいとの自治体要望はあるが、そんな視点で検討したことはない。どんな対策がとれるかも分からない」。厚労省地域福祉課の担当者はこう話すと口をつぐんだ。【桐野耕一】
 
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 ■ことば
 
 ◇路上生活者の精神疾患調査
 JR池袋駅周辺で08年末〜09年1月に実施した。診察に応じた80人の63%に精神疾患があった。うつ病40%、幻覚など統合失調症の症状15%、アルコール依存症15%。複数の症状がある人もいた。調査した森川医師によると、統合失調症の症状は通常100人に1人。森川医師は「調査の精神疾患の有病率は、海外の報告例とほぼ同じ。全国調査をして早急に対策をとる必要がある」と訴えている。
 

毎日新聞 2009年12月6日 東京朝刊

「結婚しなくてもいい」増え7割に 内閣府調査
2009年12月6日0時39分朝日新聞

    
「結婚は個人の自由だから、結婚してもしなくてもどちらでもいい」と考える人が70%に上ることが、内閣府が5日発表した「男女共同参画社会に関する世論調査」でわかった。07年の前回調査より4.9ポイント増えた。
 

年代別でみると、若くなるほど「どちらでもいい」が多かった。70歳以上は47%だったが、60歳代で60.8%になり、50歳代で72.3%。40歳代以下ではいずれも8割を超え、20歳代では87.8%を占めた。
 
「結婚しても、必ずしも子どもをもつ必要はない」との問いには42.8%が賛成と答え、前回より6ポイント増えた。これも若くなるほど賛成が多く、70歳以上の賛成が22.8%なのに対し、20歳代の賛成は63%に上った。
 
一方、「夫は外で働き妻は家庭を守るべきだ」では、男性で反対と回答した人が51.1%になり、初めて半数を超えた。女性は58.6%が反対で、全体では前回より3ポイント増えて55.1%。内閣府の担当者は「男女共同参画が着実に進んでいることがみてとれる」と説明している。
 
調査は10月に20歳以上の男女5千人を対象に実施。3240人(64.8%)から回答を得た。(高橋福子)
 
 
2009.12.5読売新聞
「結婚後も子供不要」4割超…内閣府調査
 内閣府は5日、「男女共同参画社会に関する世論調査」を発表した。「結婚しても必ずしも子どもをもつ必要はない」と考える人が全体の4割を超え、1992年の調査開始以来、最高となった。
 

若年層ほど「必要はない」と考える傾向も明らかとなり、少子化に拍車がかかる可能性もありそうだ。
 
調査は10月1〜18日、全国の20歳以上の男女5000人を対象に面接方式で実施し、3240人(回収率64・8%)が回答した。
 
「子どもをもつ必要はない」との考え方に「賛成」の人は42・8%だった。女性では「必要はない」が20歳代で68%、30歳代で61%に上り、男性でも20〜30歳代では56%と過半数を占めた。
 
一方で、女性の社会進出に対する意識の変化も浮き彫りになった。
 
「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」との考えに反対の人は55・1%で調査開始後で最高となり、「賛成」の41・3%を上回った。女性が仕事を「子どもができてもずっと続ける方がよい」と答えた人も45・9%で過去最多だった。
 
育児について「手当支給や税制優遇など経済的な評価」を必要と思う人は70・5%に上った。
 
(2009年12月5日22時22分  読売新聞)

2009.12.4キャリアブレイン

【中医協】アルコール依存症など専門的入院治療の評価アップへ

 中央社会保険医療協議会(中医協)の診療報酬基本問題小委員会(委員長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)は124日、来年度診療報酬改定に向け、「アルコール依存症」「摂食障害」などの専門的な治療が必要な疾患の入院治療をめぐり議論した。厚生労働省は論点として、これらの疾患の特殊性を踏まえ、それぞれ報酬上の対応を行うことを提示。診療側を中心に「(現状の評価から)上げるべき」との意見が上がり、支払側も反論しなかった。ただ、「摂食障害」の治療に対する評価には疑問を呈する意見もあり、厚労省が用意するデータを基に再び議論する。

 現行の診療報酬上の評価では、「アルコール依存症」などの入院治療については「入院集団精神療法」として1日に100点、「摂食障害」などの入院治療では「心身医学療法」170点、また「頭部が変形に至るまで自分を叩く」「糞食やトイレの水を飲む」などの行動障害が突発的に発生する「強度行動障害を伴う知的障害・発達障害児(者)」については、「障害者施設等入院基本料」9541555点などで対応している。
 これらの評価について厚労省保険局の佐藤敏信医療課長は、「現状では一般的な『心身医学療法』などを準用する形で行っている」と指摘。それぞれの特殊性にかんがみ、「特定入院料」などを新設して評価してはどうかと論点を提示した。

 その後、これらの疾患で専門的入院治療をした場合、現状の点数より高く評価するかどうかについて意見交換した。
 診療側の邉見公雄委員(全国公私病院連盟副会長)は、時間外に「アルコール依存症」や「摂食障害」の患者の受け入れ医療機関を探すのが難しかったことを説明。「低い点数設定も、ある程度影響しているのではないかと思う」と述べ、さらなる評価を求めた。安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は、こうした疾患の患者を受け入れた場合、「足が出てしまうような形になっているのではないか」との認識を示し、医療機関の負担にならないような治療の実態に合った評価の実施を提案した。
 支払側の勝村久司委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)も、「摂食障害」を治療する医療機関は数も少なく、質も標準化されていないと指摘し、質の向上のために評価を高める必要性を示した。

 おおむね現状の評価から高める方向で議論は進んだが、嘉山孝正委員(山形大医学部長)は、「アルコール依存症」や「強度行動障害を伴う知的障害・発達障害児(者)」などへの対応は、「絶対に評価を高くしなくてはいけない」とする一方で、「摂食障害」については、新たな評価を行うことに疑問を呈した。
 邉見委員はこれに対し、「摂食障害」の治療には「かなり手間がかかる」と説明したが、嘉山委員は「(評価には)優先度がある」とし、「摂食障害」の治療にどのくらいの手間がかかるのか、エビデンスの提示を求めた。

更新:2009/12/04 20:28   キャリアブレイン


2009.12.4日本経済新聞
65歳以上の入院患者、15年ぶり減少 08年、厚労省調査
 

 2008年の65歳以上の1日当たりの推計入院患者数が93万1400人で、前回調査時の05年から0.65%減り、15年ぶりに減少に転じたことが3日、厚生労働省の調査で分かった。入院患者総数も前回に比べ減少。高齢者が増加する一方、病床全体が減少しており、厚労省は「新薬開発や医療技術の向上に加え、在宅医療などへのシフトが進んでいることが背景」とみている。
 調査は3年ごとに実施。今回は08年10月の指定した1日に、無作為抽出した全国1万3634カ所の医療機関に入通院した約235万4000人を調べ、全国の推計値を算出した。
 

[2009年12月4日/日本経済新聞 朝刊]


2009.12.3読売新聞
診療報酬、2年ごとの改定を改革…長妻厚労相
 長妻厚生労働相は3日、都内で記者団に、医療機関に支払われる診療報酬について、「国民のニーズと合致する仕組みを考える必要がある」と語り、2年ごとに改定する仕組みを改める考えを示した。
 

 長妻氏は同日、東京都内の民間病院など2か所を視察した。病院関係者との協議でも、「状況は刻一刻変化するが(診療報酬の)値付けは2年間変わらない。市場メカニズムも働かない。中長期的に考え、時代に対応する必要がある」と語り、改定までの期間を1年に短縮することや必要に応じて改定できる仕組みに改めることに言及した。診療報酬を医師に直接支払う「ドクターフィー(doctor fee)」にも触れた。
 
 医療現場への影響を2年目に検証するために、改定は2年ごとに行われている。ドクターフィーにも「チーム医療に混乱が起きる」(日本医師会)などの反対の声があり、厚労相の意向は議論を呼びそうだ。
 
(2009年12月3日23時24分  読売新聞)
 

診療報酬改定の間隔短縮を検討、長妻厚労相
2009.12.3 17:54産経新聞
  長妻昭厚生労働相は3日、都内の病院を視察した際の意見交換会で、2年に1度改定される診療報酬について「時代に対応できる態勢を取るため、(2年間の)途中途中でもう少し変動的に変わる診療報酬の考え方もある」と述べ、将来的な課題として改定間隔の短縮を検討する考えを明らかにした。
 
 長妻氏は意見交換会後、記者団に対し、改定間隔の短縮について「2年ごとの改定を基本にしながら、中長期的な課題として国民のニーズに合致する仕組みを考える必要がある」と説明。勤務医対策など緊急対応分野に限定して1年ごとに報酬改定を行うことなどが想定されるが、長妻氏は間隔短縮のデメリットとして「現場が混乱して長期的な設備投資計画などに影響が出る可能性がある」とも指摘しており、海外の事例も参考にしながら慎重に検討していく方針だ。


2009.12.4読売新聞

うつ病100万人超す、10年で2・4倍に 


 抑うつなどの症状が続くうつ病の患者数((そう)うつ病を含む)が、初めて100万人を超えたことが3日、厚生労働省が3年ごとに実施している患者調査でわかった。

 長引く不況などが背景とみられる一方、新しい抗うつ薬の登場が患者増につながっていると指摘する声もある。

 患者調査によると、うつ病が大半を占める「気分障害」の患者数は、1996年に43万3000人、99年は44万1000人とほぼ横ばいだったが、2002年調査から71万1000人と急増し、今回の08年調査では、104万1000人に達した。

 10年足らずで2・4倍に急増していることについて、杏林大保健学部の田島治教授(精神科医)は、「うつ病の啓発が進み、軽症者の受診増も一因」と指摘する。

 うつ病患者の増加は、新しいタイプの抗うつ薬が国内でも相次いで発売された時期と重なる。パナソニック健康保険組合予防医療部の冨高辰一郎部長(精神科医)は、「軽症のうつは自然に治るものも多い。しかし日本ではうつを早く発見し、薬を飲めば治るという流れが続いており、本来必要がない人までが、薬物治療を受けている面があるのではないか」と話す。

20091240304  読売新聞)

 


2009.12.2読売新聞
高齢者宅ごみ出し支援
障害者が搬出へ

 武蔵村山市は、高齢者世帯などに障害者を派遣して、玄関先から集積場所まで家庭ごみを運ぶ「ごみ出し支援事業」を企画し、利用世帯を募集している。高齢者やヘルパーの家事負担を軽減するとともに、障害者が手間賃を受け取ることで収入増につなげるのが狙い。多摩地区でこれまで、高齢者世帯などの家庭ごみの搬出を手伝っている自治体は14市に上るが、障害者が担い手のケースはない。
 
 対象となるのは、要介護3以上や認知症の高齢者、障害者らで、ごみを集積場所まで持ち運ぶのが困難な住民のみの世帯。
 
 武蔵村山市では、ごみ出しは午前8時までと決められているため、高齢者世帯などでは介護ヘルパーの訪問時間に間に合わず、自宅内や庭にごみをためていることが多いという。そのためヘルパーが、自宅に持ち帰ったり、近所の人に頼んだりして対処しているという。
 
 ごみ出しを担当するのは、市内2か所の精神・知的障害者施設の通所者。1世帯につき30円が障害者に支払われる予定。
 
 同事業に参加する「えのき園」施設長の殖木美知子さん(59)は、「不況下で下請けの仕事が減っているので、ありがたい。社会に貢献できる仕事なので、障害者にとっても励みになる」と期待している。
 
 市では10月から募集を始め、これまでに7世帯が申し込んだ。施設が近く高齢者宅を訪問し、ケアマネジャーらと日程を調整する。
 
 市高齢福祉課によると、今のところ、担当者が普段のごみ出しで家の中にいる高齢者らと接触することはない。ただ、今後は、ごみが出ていない時はチャイムを押して様子をうかがうといった安否確認の仕組みを取り入れることも検討しているという。神子武己課長は「ごみ出し事業に限らず、障害者と高齢者が互いに協力し合う体制をもっと広げていきたい」と展望を語る。問い合わせは同課((電)042・590・1233)へ。
 
(2009年12月2日  読売新聞)

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